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ゴルゴン使節団

焼き鳥になっちゃうよね

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ザナトラの武器はツヴァイソード 長い柄に長い両刃の剣、剣の根元は刃がなく金棒になっている。

剣というよりは槍に近いか・・・日本風にいえば薙刀、両刃の薙刀という感じの方が伝わるだろうか・・・剣にも槍にもなる。


「お頭がんばってくれよ~」
オリオン族からの声援が飛ぶ

「金ちゃん、負けんなよ~」
乗組員からも声援が来る

「長い剣だな・・・片刃か・・・オワリの剣の様だな・・・しかしオワリの剣は切れ味はいいが軟弱だと聞くが、俺のアルテミスの槍で壊れちゃわないか?」
ザナトラが語りかけてきた。

「確かに、強度は日本刀は弱いですが、この剣は特別でしてね」

「なら、遠慮なくいくぞ」

ザナトラは無数の突きをかましてくる、その突きには真空の刃が付き纏い、突きをかわしても、体中の皮膚に切り傷が刻まれる。

「も~巻き込まないでよね」
アグラオペーメーが飛んでくる真空の刃を風の力で相殺する。

真空の刃か・・・風の属性の魔法だろうが、圧縮空気と違い、切れ味が鋭い攻撃だな。
なら俺は圧縮空気を使ってみよう!

ザナトラの周りに空気を集めながら攻撃に出る

「ぬ!なんだ!空気が重いぞ!お前の術か!だがこんなもの」
ザナトラは気合を入れて重い空気の層をはじく!

「それが合図さ!」

ザナトラの目の前には、俺の剣

ガキーン!

ザナトラは金棒部分で剣を受ける

「ほぅ~あぶねえ!」

ザナトラは距離を取る

「あれだけの衝撃で刃こぼれなしか、特別な剣というのは本当だな!」

ザナトラは再び突きの連打だ、当然、真空の刃付き
俺は今度は自分の前に圧縮された空気の壁をこしらえる、空気の壁に当った真空の刃は相殺され、消える

しかし、アルテミスの槍本体も襲ってくる、これは空気の壁では防げないこれは、刀でいなす、アルテミスの槍の刃の部分に返しが付いているので、交わすだけではその餌食になってしまう。
これは、厄介だ!俺も全てを出そう!

空気中の水分を固まらせ!球にする、一斉にザナトラに向けて放つ。
ザナトラはアルテミスの槍を回転させてその攻撃をはじき返す、一際大きい氷柱でザナトラを襲う、ザナトラはそれを切り刻む!その切り刻んだ氷の粒は弾丸となりザナトラを襲う!
その合間に俺は剣で止めに入る、

ガキーン!

しかし、その剣も防がれた!

「痛え!この氷の攻撃はいてえな!」

痛えで済むのか、以前シャルロットに使った物より数倍強い攻撃にしたのだがなあ・・

だが俺の攻撃は終わらない大きな火球を作り俺の前からザナトラ向けて放つ、その後ろには俺も続く。
火球が目の前から消えたと同時に俺は剣でそこを払う、!

ザナトラが素手で刀をいなす、アルテミスの槍を持っていない?

!上か!

アルテミスの槍は俺目がけて落ちてくる、たまらずに交わしに入るがまるで誘導すれているように向かってくる、しかも、ザナトラのパンチや蹴りが無数に飛んでくる、真空の攻撃付きで。

刀で何とか、アルテミスの槍をいなす! その時電気が走る!

ぬお!

体中に走る稲妻・・・
硬直する体にザナトラのパンチが顔面を直撃した、咄嗟に体をパンチに合わせて飛ぶが、力が入らねえ・・・

何とか、ザナトラと距離を取る


「なんなの!ビリビリ!魔法でも防げないなんて・・稲妻攻撃でも出したの?」
アグラオペーメーは文句をいう

周りを見ると
船員やオリオン族でさえ苦しんでいた!そして攻撃したザナトラでさえ体の一部が焦げている

「近距離で使うと俺も痛えけど!どうだ?アルテミスの槍の力は?」

「電気を起こせるのか?」

「電気?稲妻だよ!稲妻は全ての障壁をすり抜ける、最強の魔法攻撃の一つだしな」

プスプス・・・

アメノトリフネ様から煙が出ている
審判として近い所で見ていたからな・・・

それに腕の血管もいくつか焼き切れたようだ、咄嗟に海水に電気を流すように体液で電気の道を作ったが、体の水分も持っていかれている

プスプス
「おい!船は壊すな!俺も壊すな!お前ら!魔法禁止!」

プスプス煙を出しながらアメノトリフネ様は言い放つ・・確かに・・・電子機器が多いこの船で電気攻撃は勘弁してほしいな


それからは一進一退だった

短刀を取りだし二刀で攻める俺に、アルテミスの槍を自由自在に操るザナトラ

その剣の打ち合いは夕暮れまで続いた・・・

「もう!日が暮れる!この試合ここまでだ!」

その合図と共に、俺達二人はもたれかかるように倒れ込んだ


******************************

「なんだ!ランプじゃないのに明るい!光の魔法のランプかこれは?」

「いや電気で・・・・稲妻の原理で明るくしているんだ」

「なんだと!稲妻を作り出す魔法使いが絶えず稲妻を作ってるのか?」

「いや、機械が稲妻を作っている」

「まじか?どんな機械だ?」

「まあ・・そこは秘密だ!」

「ケチくせえ事言うな死闘を演じた仲じゃねえか」

「まあ今度見せてやる!機関士達も忙しいからな。それより飯でも食っていけ、金太郎丸特製の海軍カレーだ、お前達の為に特別にカレーにした」

「カレ~?まあ楽しみにしている」

-もうすぐゴルゴン大陸が見えます-

通信が入った

「おい!今誰がしゃべった?この機械が喋ったよな?」

「まあ通信ってやつだ」

「そういえばグラスには小型の喋れる魔道具があるって聞いたがこれがそうか?」

「まあそういう事だ」

「それに今、ゴルゴン大陸が見えるって言ってたよな?」

「ああ!」

「ありえねえ!俺たちだって、ペガサス船で3日掛けてあの場所に行ったんだぞ、数時間しかたってねえじゃねえか」

「早いのが俺達の船だ」

「一体何人水魔法使いを使ってるんだ?」

「うーん水の魔法を使えるのは多いが魔法では動いていない」

「なんだと?本当か!それ!すげえな」

いちいち驚くザナトラだんだん説明もめんどくさくなる
それとペガサス船は随行艦『ツナ』により牽引している、ペガサス船とは、いわば空母でペガサスが羽を休める船、エンジンを持たず帆もない、水の魔法使いが起こす水流によって進む、意外と早く8ノットくらいは出るそうだ。
木造の大きな船だ!木造でこれだけの船を作り上げる所を見ると、ゴルゴンの建築技術は低くないだろう


「今日は♪カレー♪毎日♪カレ~でもいいわよ~♪」
アグラオペーメーが歌っている・・ふざけた歌だが何だろう・・気が安らぐ・・恐ろしい能力だ・・・

「姉さん♪カレ~とは♪なんなの~♪」

?もう一つ歌声が?妙に説得力がある・・・なぜだ内容は無い歌なのに

「そうよ~♪姉さんばかり♪ずるいわよ~♪」
またちがう声だ・・・

この歌は普通の綺麗な歌だ

「アグラオペーメー♪早く♪カレ~を♪食べさせなさい~♪」
うを!また違う声が・・今度はなんて魅惑的な声だ・・・・

食堂に入る・・・セイレーンが4人!?

「ハ~ヤ~ク♪カレ~が食べた~い~♪」
扉を開けたとたんにハモル4人

「あら金ちゃん、いらっしゃい」
アグラオペーメーがこちらに目をやる

「あら!いい男じゃない・・・アグラオペーメーいい男を見つけたわね!」

「駄目よ姉さん!金ちゃんは私が見つけたの」

「姉さん姉さん・・こっちの男の子はもらっていい?」


「駄目です!」
カエデが俊太を守っている

「君は・・・いいや!」

期待の目をしていたゲンプファーはうなだれていた・・・

「ややこしい!なんだ・・・ピーチクパーチク!神聖なるカレーの時間だ!静かにしろ!」
アメノトリフネ様が怒鳴る

「そうだ!カレーの時間だ!お代わりは俺のもんだ!」
ミュイミュイも騒ぐ!

「金ちゃん紹介するわ・私の姉妹よ」

「私は長女のテルクシオペイアー『魅惑の声』のセイレーンよ、貴方みたいな大人なタイプが好みなの・・・ふふふ!」

「私は三女のペイシノエー『説得の声』よ私のこえにかかれば、皆納得してしまうの、うふふ、私は筋肉が好き・・そうこの人みたいに」
ハムラの腕に抱きつく・・・ハムラは顔が赤い・・・リリーさんに言いつけておこう

「私は四女のモルペー『歌作り』の才能があるの、私の手にかかれば何でも歌になるわ、うふふ、この子みたいに可愛い男の子が好み」
俊太を見る、にらみ返すカエデ・・

調理隊のベグラの声が広がる
「はい出来たよ~」

「やった~俺が一番~!」
ミュイミュイが真っ先に飛び出すが、それ以上に早くアメノトリフネ様が列の前に立っていた

「ふ!俺の勝ちだな!」

「くっそ~、早くカレーが食いたい」


**************************

みんな夢中になっている

「おい!本当にこれがご馳走なのか?確かに旨そうな匂いだが・・まるでク○みたいじゃないか・・」

「お!お頭からどうぞ!」

「なに言ってやがる・・おい!ゲンプファーお前は切り込み隊だ!切り込め!」

「あ!兄い、ずりい!」

「兄いは禁止だ!・・・いいから食ってみろ」

「わかったよ!」

ゲンプファーは恐る恐るカレーライスを食う



ゲンプファーの表情が変わる!喰う!喰う!

「美味めえ!なんじゃこりゃ!」

あっという間にゲンプファーの皿は空っぽだ、皿をペロペロ舐めている

厨房にはお代わりの列が出来ている

「お代わりできるのか!俺もお代わりだ!」

ゲンプファーはすぐに列に並んだ

「大丈夫そうだな」

ザナトラ以下オリオン族もカレーライスを食べる



以下ゲンプファーと同様に黙々とカレーライスを食べた

***********************

今夜はゴルゴンの沖で停泊し、あす『ツナ』に乗りゴルゴンに向かう

セイレーン四姉妹の合唱は素晴らしかった。


アグラオペーメーはゴルゴンを出ているが他の姉妹はゴルゴンで船員を守る精霊をしている、つまりこの船の船守となったアグラオペーメーはこの船がゴルゴンに来ない限りは、姉妹に会えないというわけか・・・
この綺麗な輪唱を聞きに来るだけでも、ゴルゴンに来る理由が出来たという物だ。

セイレーンの歌を聞き終わるとザナトラ他オリオン族はペガサスに乗り飛び去った。

ゴルゴンでの受け入れの準備に入るらしい

この港はグラスに最も近い、エビスの町というらしい

どんな住人がいるんだろうか・・楽しみであり不安でもある。
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