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転生から開拓へ

年頃の子の願い事ってどうしょうもないよね

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太った女兵士が家に運ばれてきた。
太ったといっているが、兵士らしく筋肉量は多い。

ジェニファーと共に、二人に治癒魔法をかける。
ジェニファーは、小さな時からエレンさんにいろいろな魔法を教わっていた。
俺もグラスさんの本で魔法を勉強しているがジェニファーに教えてもらう魔法もある
子供の怪我を直したり、治癒魔法を普段から使っていた事もあり治癒魔法は特に強い。
治癒魔法といっても属性により側面が変わる。


光属性 生命力を回復させ自己修復力を高める
    食中毒など闇の菌類に侵された体を浄化する
    毒素を浄化する

水属性 血流を操り出血を止める 悪い血などを取り除く 
    また傷口の消毒にも無菌の水を出し消毒する
    自らの魔力を水に注ぎこみ癒しの水を作り出す

闇属性 病を呪いの力で上書きする
    死の淵の者を肉体に留まらせる

といった作用がある、闇属性はかなりの上級者しか取り扱えない。
基本は光属性と水属性が適性があると上達しやすい。
ただ光属性の適性が強い者は少なく、水属性で治癒するのが一般的になる。
ジェニファーは光と水の属性が強い、だから治癒の上達も早い、ただ属性がなくても練習をすれば
初級くらいなら覚える事は出来る、まあ時間をかければ属性がなくても上級な治癒を
使えるようになるらしい。

特に結婚してから治癒の勉強をしているようだ。
いずれ凄い治癒魔法使いになるだろう
まさに聖女といえよう、美しい。

しかしこの女達、ところどころ肉割れがある、急激に太った場合に起こる症状だ。
そういえばシンシアの能力にケーキ召喚があったな・・・それが原因だろう

そのシンシアはまだ隠れている・・・

「う! もう、ケーキは・・・食べたくない・・・」

一人の女性が呻きだした 意識が戻ってきたようだ
もう一人の女性も目が開いた

「み、水を下さい」

ジェニファーは癒しの水を作り出し飲ませた、顔色が回復していく

「ありがとうございます、癒しの水とはかなり高名な治癒士とお見受けします」

その女性は、ジェニファーに対し礼をいう。

癒しの水作成、まだ俺もできない。水属性はかなり上達したと思ったがジェニファーの方が凄いな、
ジェニファー先生とお呼びしなくちゃ。

ジェニファー
「私は守護者ツユキ・キンタロウの伴侶、ジェニファーと申します」

「守護者ツユキ? 新しい守護者ですか!するとここはクーマ王国ですか? 
伝えなければならぬ事が」

「いえここはグラス島です・・私はグラス・クロムウェルの交代者ツユキキンタロウと申します」

*「なんと・・・・ということはグラス様まで・・・・」

**「ああ・・今日もケーキだ・・・シンシア殿、この苺だけを召喚はできないのですか・・ああ」

もう一人の方はすやすや眠りながら寝言を言っている、
どうやら俺は治癒魔法を意識していたが、癒し=睡眠魔法をかけてしまったらしい。
修行不足・・・・

*「ミラ起きぬか!」

女性は眠っている女性のほほを叩く
眠っていた女性も目を覚ました

*「私はクーマ王国所属治療隊のクレアと申します、この寝ぼすけはミラと申します」

二人は目を覚まし、こちらに礼をする。
クレアはミラに耳打ちをする

ミラ
「そんなあのグラスさんまで・・・」

「ザックさんとバーグさん以外は、この場を離れてもらっていいですか?」
ザックとバーグ以外には帰ってもらった。

そして一冊の本を取り出した、グラスの手帳だ。

皆に読んでもらった、ザックもバーグもジェニファーも涙を流す。

その時、何もない空間から少女が現れた。

「もうクレアとミラは大丈夫なの?」

少女は年のころ12.3歳といった感じのやや赤みのかかった髪をしている

「君がシンシア?」
少女はうなずく

「君はいつごろこの世界に来たのか分かる?」

シンシア
「グラスお爺ちゃんの来る1ヶ月くらい前 」

手帳で推測するとフランシスコ・ロロが殺されてから半年後くらいになる
恐らく何人かの守護者が襲われ殺されたということか

「1ヶ月も一人で隠れたのかい?」

シンシア
「違うよ、ぶーちゃんが助けてくれた、ぶーちゃんは私が助けてと叫べばすぐに来てくれる」

「ぶーちゃん?仲間なの?」

シンシア
「ぶーちゃんはお友達、神様にお願いしてこっちの世界にも来てもらった」

「ぶーちゃんに会える?」

シンシア
「会えると思うよぶーちゃん、きて」

すると彼女の後方からそれは現れた・・

ああ、人形が歩いてる・・・中に人でも入っているのかな? 
あの、はちみつ好きなクマさんだ・・子供くらいの大きさはある人形だ。

「シンシアはどんなお願いを神様にしたか覚えてる?」

シンシア
「うーんとねこっちは怖い生き物がいるっているから、姿を隠せるようにしてもらったのと
匂いでみつかるって言うから、匂いも隠せるっていうお願い・・それから
クマのぶーちゃんと一緒に行きたいってお願い
私が襲われたらぶーちゃんが助けてくれるっていうお願い
いつでもケーキが食べれるっていうお願い
虫歯にならないお願い
ケーキを沢山食べても太らないお願い
本当に危ない時は優しい人が助けてくれるお願い
動物とお話が出来るお願い
病気にならないお願い
この10個だよ」

いくつか無駄なお願いもあるが、隠れて暮らす分には問題ないな。
しかし他の人の役に立つお願いは少ない、他国の脅威になる能力は皆無だ・・・・

「シンシアはいくつだい?」

シンシア
「15歳」

見た目より大人だ ・・・

「シンシアはアメリカにいた時なにがあったのか覚えている?」

シンシア
「私は病院にずっといたの、病院のご飯は味がしないんだよ・・・ 
退院したら一杯ケーキを食べるのが夢だった・・・」


シンシア
「でも、ある日私が寝てるのに先生が集まって私の側にいるの、そしてママが泣いてた・・・
そっか・・・私 死んだんだね、それで神様が現れてこっちに来たんだ・・・」

「そっか、実は叔父さんもそうなんだ、叔父さんも1年前にこの世界に来たんだ、日本からね」

シンシア
「日本人なんだ!チャイニーズだと思った」

「そうだね見分けは難しいね・・」

シンシア
「そっか、もう帰れないよね 
私変なお願いしてたよ・・あんな怖いのが出るなんて思ってなかった」


「ジェニファーいいか?」

ジェニファー
「なに?」

「シンシアをここで保護しようと思う いいかい?」

ジェニファー
「もちろんよ」

「クレアさんとミラさん、守護者が二人いる事は他の国にとっては脅威かもしれませんが・・
シンシアの能力は他の国にとって脅威にはなりません、私は前任のグラスさんの意思を組んで
シンシアを、ここで保護しようかともいますがよろしいですか?」

クレア
「シンシア様をクーマにお連れするより、ここの方が安全でしょう。それに今クーマにも
新しい守護者が現れているはずです、どういった守護者なのか、我等の王達が
どういった対応をするのか私にはわかりません」

ミラ
「どちらかというと今の王は我らが神、王の父であるジャン様を疎く思われていました
そこに守護者シンシア様が入られれば恐らくは・・無理矢理伴侶となり力を得ようとする筈です
そういうお方です・・・今の王バルガ・クーマーは・・・」

クレア
「ジャン様がいたから問題は無かったのですが・・・」

ミラ
「ジャン様は・・・うぅ」

クレア
「それと報告がございます、ジャン様に同行した直属の親衛隊12の不死兵は
皆ジャン様の息子で、永遠の寿命の能力を持ちます。魔王デスアーガと戦った時3人の
親衛隊が死にましたが、ジャン様が死んだ事で残り9人は魔人となりました・・・
長い期間鍛えられた不死兵は、この世界の敵になるには危険な存在です
それは伝えなければなりません。」

ミラ
「せめてベロニカ様だけにも、ここにはベロニカ商会はありますか?」

ザック
「商会はあるのですが、定期便がずっと来ていませんので連絡は取れないらしいです」

バーグ
「ただ魔石換金システムは動いているので、ベロニカが無事なのは間違いないが」

魔石換金システムとは魔物や悪魔を殺すと光となり消えるが結晶が残る。
その結晶を魔石換金システムに入れるとベロニカ商会に転送されそしてベロニカから魔石にあった
グラス貨幣が送られてくる

ミラ
「ならば、魔石換金システムに手紙を入れてベロニカ様にお知らせすれば」

バーグ
「やってみる価値あるな」


「ひとつお願いがあります、シンシアはいなくなった事にしてもらっていいですか?」

クレア
「私もその方がよいかと・・」

ザック
「この町は人口も少なく小さな島で自給自足でやっています、グラスさんがいなくなった今は、新任の守護者はいますが注目度は低い状態。 
しかし守護者が二人となると世界の見る目はかわって来るでしょうね・・」

ミラ
「じゃあ決まりね、シンシア様をよろしくね黒髪の守護者さん」

クレア
「私からもよろしくお願いします」

ザック
「ではクレアさんとミレさんは、クーマ王国にお戻りになるので?」

クレア
「正直王国がどうなっているのか怖いのですが・・・
私は王国直属の兵です・・・戻らなければなりません それに 
ジャン様の交代者様も気になります」

ミラ
「私は・・・ベロニカに滞在したいと思う、私はステファン様の直属だしジャン様が死んだとなると
ステファン様もいなくなるということですし、クーマーには戻りたくありません」

クレア
「うむ、好きにすればいい、私も王の態度次第では亡命を考える」

今の王様は人望が無いようだ・・・・子供を作りすぎるのも考えものだね。
しかし、クーマーは比較的近い国、ここまで影響が無ければいいのだが・・・

「ザックさん、シンシアはそうだな・・私の妹じゃ無理がありますね 
ジェニファーの妹も、ジェニファーがここに来たのは、赤ちゃんの時だと聞きましたし
無理があります・・・」

バーグ
「それに守護者は歳をとらないからな、数年したら街の奴はおかしいと思うだろうな」

ザック
「とりあえず、新しい孤児、としましょう、そして金ちゃん夫婦の養子と設定しましょう。」

バーグ
「そうだな、15歳じゃ成人の部類だし仕事はどうする?」

「私の農場で手伝ってもらいます、動物と話せますしね」

シンシア
「え~お仕事すんの?私まだ子供だよ」
シンシアは嫌そうな顔をする、少し打ち解けてきた事にほっとすると共に
我儘な一面がある事に不安もよぎる。

「シンシア、この世界では15歳で大人で、仕事をしなくてはいけないのだよ その代わり
それ見てみな。」

テレビを指さす

シンシア
「テレビだ!・・・映るの?」

「いやテレビは映らないけど映画は見放題だよ、ただし仕事しないと見せてあげないからね」

シンシア
「ちぇ・仕事しますよ・・・」

クレア
「これなら大丈夫です、シンシア様は旅の道中で打ち解けましたが、その・・・結構我儘ですから」

シンシア
「クレアひどい」

ミラ
「もうケーキはやだ・・・」

シンシア
「それで命をつないだでしょ」

ミラ
「う~」

シンシアとミラとクレアの為に庭から鶏を一匹締めた。
それを唐揚げにした、まあ作ったのはジェニファーだが、レシピを書きうつしたのは俺だ!
この世界に我が家にしかない調味料 醤油味の唐揚げだ!

シンシア
「うま~いこのフライドチキンお代わりしたい」

クレア
「ああ、鶏料理がこれほど美味しいとは、こんな小さな町でこんな味に出合うとは・・」

ミラ
「決めた!クレアについていったら、ここに戻ってくる!この味は忘れられない!」

俺が作ると同じレシピなのにべチャッとする、ジェニファーが作るとお店の味になるのだ
同じ材料なのに、料理の不思議だ・・・
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