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第12章
第123話 新学期(前)
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いよいよ新学期が始まった。
少し緊張している者や、希望に満ちた表情をしている者。真新しい制服に身を包み登校して来る新入生たちは初々しく、微笑ましい。
私も同級生たちと挨拶を交わす。久し振りに会う者も多いが、皆どことなく大人びたように感じる。
まあ当然か。今日からは私たちも2年生、上級生なのだから。
玄関の前で殿下とスピネルの姿を見付け、私は「おはようございます」と声をかけた。
「おはよう、リナーリア」
「おはよう」
二人と会うのも久し振りだ。
夏休み中もパーティーなどで顔を合わせる機会はあるだろうと思っていたが、前半に数度会っただけで後半はちっとも会えなかった。
「殿下の夏休みはいかがでしたか?」
一緒に教室への廊下を歩きながら尋ねる。
「そうだな…忙しかったな。しかし、色々学ぶこともできた」
殿下はなんだか充実した表情だ。良い夏休みを送れたらしい。それなら良かった。
私としては少し寂しかったのだが…と思っていると、殿下が「でも」と言葉を続ける。
「早く新学期が始まって欲しいとも思っていた」
「それは、他の生徒が聞いたら驚きそうな発言ですね。皆また授業が始まるのにげんなりしていますよ」
「俺も別に授業を受けたい訳ではない」
殿下が少しだけ眉を寄せ、それから私に微笑みかける。
「ただ、学院ならば君に会える」
「…私もです!殿下とお会いできるのが楽しみでした」
殿下も私と同じ気持ちだったようだ。嬉しい。私もつい笑顔になる。
殿下の顔を見上げると、少し日に焼けたようだ。そのせいかどこか精悍になったように感じる。
「殿下、少し逞しくなられましたか?」
「ああ…、夏休みの後半は集中的に鍛えていたからな。そうかもしれない」
剣の修業に打ち込んでいたのか。どうりでパーティーなどで見かけなかったはずだ。
「さすが殿下です!とても素晴らしい事だと思います」
殿下自身の身を守るためにも、鍛えておくことは重要だ。
ちらりと後ろを振り返るが、後ろを歩いているスピネルもちょっと日焼けしたようだ。
「……」
「なんだよ?」
「いえ、殿下の体格もだいぶスピネルに追いついてきたなと」
2歳分の年齢差が埋まってきたように思う。
「身長は俺の方が上だけどな」
スピネルは片眉を上げて言った。やはりそこは譲れないらしい。
「いつかは抜かす」
「いーや、無理だね」
言い合う殿下とスピネルに何だかなあと思っていると、教室に着いた。
扉を開ける前に、私はもう一度殿下を見上げる。
「大丈夫ですよ、殿下。…身長で勝てなくても、筋肉で勝てば良いんです!」
ぐっと拳を握りながら言う。
殿下は真面目にうなずいてくれたが、スピネルは呆れ顔をした。
「お前…やっぱ筋肉女神なんじゃねーか」
「その事はもう忘れて下さいよ!!」
初日の授業は午前中だけだ。
授業が終わってすぐ、私は殿下と共に生徒会室へ向かった。新学期最初の生徒会である。
生徒会室に入ると、すでに幾人か集まってきていた。
全員揃った所で新生徒会長のトルトベイトが立ち上がり、皆に挨拶をする。
「今年もたくさんの新入生が入ってきた。不慣れな環境に戸惑う生徒もいるだろう。皆、上級生として規範を示し、必要な時はすぐに手助けをしてあげてほしい」
「はい」
「僕はまだまだ未熟者だ。皆の力に頼ることも多いだろうけれど、これから一年よろしく頼むよ」
今日のトルトベイトはいつもの早口ではなく、堂々とした口調だ。
生徒会長としての自覚が出てきたのかもしれない。
「それじゃまず、新入生からの生徒会役員の選出だけど…。今回は教師からの推薦が多いから、それで全員決まりかな」
新役員は自薦だったり他薦だったりで決められるのだが、教師からの推薦枠というのが一番強い。
教師とは言うが、その背後にいるのは保護者である貴族だ。実質貴族からの推薦枠である。
一応生徒会で承認された後で「貴方に生徒会役員への推薦がありましたよ」と当該生徒に知らせに行き、それを本人が承諾するという形になっているが、ほぼ形式上のものだ。
教師推薦の場合は事前に知らされているし、そうでなくても生徒会役員は高い実績が得られるので、皆二つ返事で承諾する。
今は殿下が生徒会に所属しているのだから尚更、断る生徒などいる訳がないのだが…。
「…まず一人目は、ミメット・コーリンガ君」
トルトベイトの言葉に数人がざわつく。
一方私はやっぱりな…と思っていた。前世でも彼女は教師推薦だったのだ。
私もはっきりとは知らないが、きっと父の先代コーリンガ公爵や、その意を受けた者たちの手回しだったのだろうと思う。
「大丈夫なのか?彼女はその、社交性というか…協調性に難があると聞くが…」
3年生の役員の一人がおずおずと言う。
「うん…僕もその噂は聞いてるんだけどね」
「教師推薦でしたら仕方ありませんわね…」
トルトベイトが言葉を濁し、副会長の女子がため息をついた。
こうやって推薦で入る者の中には稀に問題児もいる事を、卒業生たちから聞かされて皆知っている。
そういう場合は最悪、仕事を回すのは諦め在籍だけしてもらう事になるのだが、当然他の者への負担は増える。
「…まあ、協調性を学ぶのも学院という場所の役割だ!できるだけ仲良くやっていこう」
トルトベイトはあえて明るく言った。皆がそれにうなずく。
「明日には彼女に挨拶に行こうと思うけど、誰か彼女と仲の良い者はいるかい?」
場がしんと静まり返った。
彼女がどこに行ってもほぼ誰とも口を利かない事は有名だ。
「あの、私、少しだけですがお話しした事があります」
私が手を挙げると、皆がちょっと驚いたような顔になった。
…この流れは、前世とだいたい同じだ。誰も手を挙げないので仕方なく私が名乗り出て、彼女に会いに行ったのだ。
でも今の私は仕方なくではない。前世よりもはるかにやる気がある。
しかし、トルトベイトは何故か少し困ったように視線を明後日の方向に向けた。
「えっと、じゃあ、そうだな、リナーリア君と王子殿下に来てもらおうかな、そうすると助かるな。明日、僕と一緒に行こう」
しかも急に早口に戻って、殿下も連れて行くつもりのようだ。
あ、あれ…もしかして私がミメットに嫌われた事がもう知られているのか?
ちょっと焦るが、殿下は特に問題ないらしく「分かりました」と小さくうなずいた。うーん、殿下が良いならまあ良いか。
つい前世の経験で判断しがちだが、私の知らないところでミメットの感情が変化してる事だってあり得るのだし。
ミメット以外の推薦枠は特に問題なさそうな生徒ばかりで、そちらには副会長が向かう事に決まる。
さらにこれからの活動についてなど、いくつかの連絡事項や確認事項が伝えられて終わった。
生徒会室を出ると、昼食の時間を少々過ぎたところだった。
「殿下、お腹も空きましたし食堂に行きませんか?」
「ああ。行こう」
その顔にはとても空腹だと書いてあって、少しだけ笑いそうになってしまう。
この時間なら、食堂もそろそろ空き始めている頃合いだろう。殿下と一緒のランチも久し振りだな。
「今日はビーフシチューがあるだろうか。しばらく食べていないから食べたい」
「お城で食べなかったんですか?」
「味が違う。学院の方が好きだ」
「なるほど」
お城のはトマトピューレが多めなのか、学院のものよりもさっぱりした味だった気がするな。あれはあれで美味しいのだが。
食堂に入ると、すぐに「あっ!」という声が聞こえた。
「リナーリア様、王子殿下、こっちこっち!」
立ち上がって手招きしているのはカーネリア様だ。
そのテーブルにいるのはスピネルと、真新しい制服に身を包んだヴァレリー様。よく似合っていて可愛らしいが、胸元がはち切れんばかりだ。
そしてもう一人小柄な男子生徒がいて、こちらを振り返った。
その顔を見て、私は驚きの声を上げる。
「…ユーク!?」
少し緊張している者や、希望に満ちた表情をしている者。真新しい制服に身を包み登校して来る新入生たちは初々しく、微笑ましい。
私も同級生たちと挨拶を交わす。久し振りに会う者も多いが、皆どことなく大人びたように感じる。
まあ当然か。今日からは私たちも2年生、上級生なのだから。
玄関の前で殿下とスピネルの姿を見付け、私は「おはようございます」と声をかけた。
「おはよう、リナーリア」
「おはよう」
二人と会うのも久し振りだ。
夏休み中もパーティーなどで顔を合わせる機会はあるだろうと思っていたが、前半に数度会っただけで後半はちっとも会えなかった。
「殿下の夏休みはいかがでしたか?」
一緒に教室への廊下を歩きながら尋ねる。
「そうだな…忙しかったな。しかし、色々学ぶこともできた」
殿下はなんだか充実した表情だ。良い夏休みを送れたらしい。それなら良かった。
私としては少し寂しかったのだが…と思っていると、殿下が「でも」と言葉を続ける。
「早く新学期が始まって欲しいとも思っていた」
「それは、他の生徒が聞いたら驚きそうな発言ですね。皆また授業が始まるのにげんなりしていますよ」
「俺も別に授業を受けたい訳ではない」
殿下が少しだけ眉を寄せ、それから私に微笑みかける。
「ただ、学院ならば君に会える」
「…私もです!殿下とお会いできるのが楽しみでした」
殿下も私と同じ気持ちだったようだ。嬉しい。私もつい笑顔になる。
殿下の顔を見上げると、少し日に焼けたようだ。そのせいかどこか精悍になったように感じる。
「殿下、少し逞しくなられましたか?」
「ああ…、夏休みの後半は集中的に鍛えていたからな。そうかもしれない」
剣の修業に打ち込んでいたのか。どうりでパーティーなどで見かけなかったはずだ。
「さすが殿下です!とても素晴らしい事だと思います」
殿下自身の身を守るためにも、鍛えておくことは重要だ。
ちらりと後ろを振り返るが、後ろを歩いているスピネルもちょっと日焼けしたようだ。
「……」
「なんだよ?」
「いえ、殿下の体格もだいぶスピネルに追いついてきたなと」
2歳分の年齢差が埋まってきたように思う。
「身長は俺の方が上だけどな」
スピネルは片眉を上げて言った。やはりそこは譲れないらしい。
「いつかは抜かす」
「いーや、無理だね」
言い合う殿下とスピネルに何だかなあと思っていると、教室に着いた。
扉を開ける前に、私はもう一度殿下を見上げる。
「大丈夫ですよ、殿下。…身長で勝てなくても、筋肉で勝てば良いんです!」
ぐっと拳を握りながら言う。
殿下は真面目にうなずいてくれたが、スピネルは呆れ顔をした。
「お前…やっぱ筋肉女神なんじゃねーか」
「その事はもう忘れて下さいよ!!」
初日の授業は午前中だけだ。
授業が終わってすぐ、私は殿下と共に生徒会室へ向かった。新学期最初の生徒会である。
生徒会室に入ると、すでに幾人か集まってきていた。
全員揃った所で新生徒会長のトルトベイトが立ち上がり、皆に挨拶をする。
「今年もたくさんの新入生が入ってきた。不慣れな環境に戸惑う生徒もいるだろう。皆、上級生として規範を示し、必要な時はすぐに手助けをしてあげてほしい」
「はい」
「僕はまだまだ未熟者だ。皆の力に頼ることも多いだろうけれど、これから一年よろしく頼むよ」
今日のトルトベイトはいつもの早口ではなく、堂々とした口調だ。
生徒会長としての自覚が出てきたのかもしれない。
「それじゃまず、新入生からの生徒会役員の選出だけど…。今回は教師からの推薦が多いから、それで全員決まりかな」
新役員は自薦だったり他薦だったりで決められるのだが、教師からの推薦枠というのが一番強い。
教師とは言うが、その背後にいるのは保護者である貴族だ。実質貴族からの推薦枠である。
一応生徒会で承認された後で「貴方に生徒会役員への推薦がありましたよ」と当該生徒に知らせに行き、それを本人が承諾するという形になっているが、ほぼ形式上のものだ。
教師推薦の場合は事前に知らされているし、そうでなくても生徒会役員は高い実績が得られるので、皆二つ返事で承諾する。
今は殿下が生徒会に所属しているのだから尚更、断る生徒などいる訳がないのだが…。
「…まず一人目は、ミメット・コーリンガ君」
トルトベイトの言葉に数人がざわつく。
一方私はやっぱりな…と思っていた。前世でも彼女は教師推薦だったのだ。
私もはっきりとは知らないが、きっと父の先代コーリンガ公爵や、その意を受けた者たちの手回しだったのだろうと思う。
「大丈夫なのか?彼女はその、社交性というか…協調性に難があると聞くが…」
3年生の役員の一人がおずおずと言う。
「うん…僕もその噂は聞いてるんだけどね」
「教師推薦でしたら仕方ありませんわね…」
トルトベイトが言葉を濁し、副会長の女子がため息をついた。
こうやって推薦で入る者の中には稀に問題児もいる事を、卒業生たちから聞かされて皆知っている。
そういう場合は最悪、仕事を回すのは諦め在籍だけしてもらう事になるのだが、当然他の者への負担は増える。
「…まあ、協調性を学ぶのも学院という場所の役割だ!できるだけ仲良くやっていこう」
トルトベイトはあえて明るく言った。皆がそれにうなずく。
「明日には彼女に挨拶に行こうと思うけど、誰か彼女と仲の良い者はいるかい?」
場がしんと静まり返った。
彼女がどこに行ってもほぼ誰とも口を利かない事は有名だ。
「あの、私、少しだけですがお話しした事があります」
私が手を挙げると、皆がちょっと驚いたような顔になった。
…この流れは、前世とだいたい同じだ。誰も手を挙げないので仕方なく私が名乗り出て、彼女に会いに行ったのだ。
でも今の私は仕方なくではない。前世よりもはるかにやる気がある。
しかし、トルトベイトは何故か少し困ったように視線を明後日の方向に向けた。
「えっと、じゃあ、そうだな、リナーリア君と王子殿下に来てもらおうかな、そうすると助かるな。明日、僕と一緒に行こう」
しかも急に早口に戻って、殿下も連れて行くつもりのようだ。
あ、あれ…もしかして私がミメットに嫌われた事がもう知られているのか?
ちょっと焦るが、殿下は特に問題ないらしく「分かりました」と小さくうなずいた。うーん、殿下が良いならまあ良いか。
つい前世の経験で判断しがちだが、私の知らないところでミメットの感情が変化してる事だってあり得るのだし。
ミメット以外の推薦枠は特に問題なさそうな生徒ばかりで、そちらには副会長が向かう事に決まる。
さらにこれからの活動についてなど、いくつかの連絡事項や確認事項が伝えられて終わった。
生徒会室を出ると、昼食の時間を少々過ぎたところだった。
「殿下、お腹も空きましたし食堂に行きませんか?」
「ああ。行こう」
その顔にはとても空腹だと書いてあって、少しだけ笑いそうになってしまう。
この時間なら、食堂もそろそろ空き始めている頃合いだろう。殿下と一緒のランチも久し振りだな。
「今日はビーフシチューがあるだろうか。しばらく食べていないから食べたい」
「お城で食べなかったんですか?」
「味が違う。学院の方が好きだ」
「なるほど」
お城のはトマトピューレが多めなのか、学院のものよりもさっぱりした味だった気がするな。あれはあれで美味しいのだが。
食堂に入ると、すぐに「あっ!」という声が聞こえた。
「リナーリア様、王子殿下、こっちこっち!」
立ち上がって手招きしているのはカーネリア様だ。
そのテーブルにいるのはスピネルと、真新しい制服に身を包んだヴァレリー様。よく似合っていて可愛らしいが、胸元がはち切れんばかりだ。
そしてもう一人小柄な男子生徒がいて、こちらを振り返った。
その顔を見て、私は驚きの声を上げる。
「…ユーク!?」
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