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第11章
第116話 卒業式・3
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メイドが帰った後、私は椅子から立ち上がり机の引き出しを開けた。
「コーネル」
名前を呼ぶと、化粧道具の片付けをしていたコーネルが振り返った。
「何ですか」と近寄ってきた彼女に、手のひらに載せたそれを差し出す。
「貴女には、幼い頃から本当にお世話になってきました。何かお返しができたらとずっと思っていて…。これは、私が作った護符です。どうか受け取って下さい」
「……」
コーネルは動きを止め、大きく目を見開いて私の手のひらの上のネックレスを見つめていた。
先日のお忍びの時に買ったネックレス。雫型の薄青の石の奥には、防刃と防魔の効果を持つ魔法陣が描かれている。
何度も練習をしてから、慎重に描き込んだものだ。
コーネルの手がゆっくりと、おそるおそるネックレスを取る。
その先に下がるきらりときらめく石を、彼女の瞳が捉えた。
「とても…、とても綺麗です。まるで、お嬢様の髪のような色」
「はい。気に入って頂けると嬉しいのですが…」
「……」
そっとネックレスを握りしめると、コーネルはうつむいて震えた。
「う…、嬉しいです、お嬢様。な、なんと申し上げて良いのか…こんな…こんな素晴らしいものを、私に…」
なんとコーネルはぼろぼろと涙をこぼしている。私は思わず慌ててしまった。
「そんな、大したものでは。私は魔法陣を描き込んだだけで…その魔法陣もずっと保つ訳では…あっ、いえ、言ってくれればいつでも魔力を込め直せるんですが…」
私があまりにオロオロしているからか、やがてコーネルはくすりと笑うと、泣き笑いの顔で私を見た。
「本当にありがとうございます。…お嬢様は、とてもおかしな…不思議な方ですけれど。そんなお嬢様にお仕えできる私は、誰より幸せ者だと思っております」
「…私は、おかしな令嬢ですか?」
ちょっぴり憮然としつつ呟く。
スピネルにはよく言われるが、やっぱりコーネルにもそう思われていたのか…。
「はい。ご存知ありませんでしたか?」
「いえ…まあ知ってましたけど…」
これでも普通のご令嬢を目指しているつもりなんだけどな…。近くにいる者の目は誤魔化せないらしい。
「でも私は、そんなお嬢様が大好きですよ」
コーネルはそう言って、もう一度笑った。
約束の6時が近付き寮を出ると、そこには護衛の騎士を連れた礼服姿の殿下が既に待っていた。
「…とても綺麗だ」
私のドレス姿を見て、殿下が言う。
「あ、ありがとうございます…」
正面切って褒められると、さすがに照れてしまう。殿下の言葉には表裏がないから尚更だ。
「では、行こうか」
「はい」
きっとパーティーは既に始まっている頃だ。
でも今日は卒業生が主役なので、在校生である私たちは少し遅れていくくらいで丁度いいだろう。
「そう言えばスピネルは?」
「ついさっきカーネリアを連れて先に行った」
いつも文句ばかり言っているスピネルも、今回はおとなしく妹のエスコート役に収まったらしい。
彼女に近付く男子生徒への牽制のつもりかな?
「何だか嬉しそうだな」
「はい。先程コーネルに、先日買ったプレゼントを渡したのですが、とても喜んでもらえて」
「そうか。それは良かった」
「殿下たちのおかげです」
それからすぐに体育館に着いた。敷地内なので、寮からも近いのだ。
会場内は少し暗く、魔導具による色とりどりの明かりによって照らされている。
ちょうど1曲めが終わった所のようで、スピネルと踊っていたカーネリア様が私たちを見付けて近寄って来た。
「王子殿下、リナーリア様、ごきげんよう!そのドレス、とっても素敵よ」
「カーネリア様こそ。今日もとてもお美しいです」
「お二人はこれから踊られるんでしょう?ね、お兄様、私たちももう一曲踊りましょ」
「はあ?」
カーネリア様に笑顔で腕を取られたスピネルは眉をしかめた。
「いいからいいから。その後はパートナー交替!リナーリア様はお兄様と踊ってあげて。殿下は私と、どうかしら?」
「俺は別に構わないが」
「私も、構いませんが」
殿下と揃ってうなずく。
私のダンスはだいぶ下手になっているだろうから、スピネルと踊ったらバカにされそうな気もするが。
カーネリア様にそう言われれば、断る理由は特にない。
「…あー、わかったよ!」
スピネルが渋々承知するのと同時に、次の曲の前奏が始まった。
「踊ろう、リナーリア」
殿下が私を見つめて手を差し伸べる。
「…はい。どうぞよろしくお願いします」
微笑みながら、私は一礼してその手を取った。
右、左、右。
慎重にステップを踏んでいると、「リナーリア」と名前を呼ばれた。
顔を上げると、殿下の微笑みがすぐ間近にある。
「やはり、君と踊るのは楽しい」
「そ…そうですか?」
「ああ」
殿下がそう答えた瞬間、私は思いきり殿下の足を踏んでしまった。
ま、またやってしまった…!
「本当にまた踏まれてしまったな」
何故だか楽しそうに殿下が言う。
「すみません…」
「いいや、構わない」
気にしないでもらえるのは有り難いが、そんなに楽しそうにされるとちょっと戸惑ってしまう。
痛くないのかな。
まさか変な趣味に目覚めたりしていないよな…?
一曲踊った後、本当にカーネリア様とペアを交替することになった。
「それじゃ、交替!」
カーネリア様に押し出されて私の前に立ったスピネルは、にっこり笑って私に手を差し出した。
…そんな分かりやすい作り笑いあるか?
少し慣れてきたので、先程よりは若干滑らかにステップを踏む。
だがスピネルにはすぐに突っ込まれてしまった。
「お前ちょっとはダンスの練習しとけよ」
「し、仕方ないじゃないですか…誘われるとか思ってませんでしたし…」
「お前な…」
スピネルは一瞬だけ呆れ顔になって、またすぐ笑顔に戻る。
ちなみにスピネルの足は踏まなかった。と言うより、避けられた。
しっかり私の身体を支えつつ自分の足はサッとずらして避けていて、この運動神経の良さ、むしろ腹が立つ。
いっそ思いっきり踏んでやりたかったができなかった。いつか踏む。
ダンスの最中、少し気になってアーゲンの方をちらちら見ていたが、同級生の女子生徒と踊っていた。
多分、私が見ていない間にアラゴナ様とも踊っただろう。
やはりどことなく元気がなく見えたが、あまり落ち込んでなければ良いなと思う。
意外だったのは、壁際でペタラ様とストレングが親しげに話していた事だ。
カーネリア様から彼女はストレングが好きかも知れないと聞かされてはいたが、本当に付き合い始めていたとは。
それとも今日、告白して成功したんだろうか?
二人はどうも一曲目を共に踊っていたらしく、「これはニッケルが落ち込むな」とスピネルが言って、私はびっくりしてしまった。
「え、そうだったんですか!?」
スピネルがまたもや呆れ顔になる。
「お前本当に…」
「…どうせ!私は!鈍いですよ!!」
殿下もカーネリア様もちょっと困り顔だったので、二人も気付いていたようだ。くそう…。
その後もパーティーは続き、私はお兄様やヴォルツとも踊った。
ヴォルツのダンスはそれほど上手くはなかったが、私も下手なのでお互い様という所だろうか。
珍しく顔を真っ赤にしていて、近くで見ていたお兄様は必死に笑いをこらえていた。
私もつい笑ってしまったが、貴重なヴォルツの照れ顔が見れたので良しとしよう。
さらにいつも通りの男装をしたスフェン先輩とも踊ったのだが、しまいにはカーネリア様が私と踊ると言い出した。
私は久々に男のダンスを踊り、自分が適当に合わせるつもりだったらしいカーネリア様はびっくりしていて、周囲からは謎の歓声が上がった。
そうして、楽しいパーティーの夜は更けていった。
「コーネル」
名前を呼ぶと、化粧道具の片付けをしていたコーネルが振り返った。
「何ですか」と近寄ってきた彼女に、手のひらに載せたそれを差し出す。
「貴女には、幼い頃から本当にお世話になってきました。何かお返しができたらとずっと思っていて…。これは、私が作った護符です。どうか受け取って下さい」
「……」
コーネルは動きを止め、大きく目を見開いて私の手のひらの上のネックレスを見つめていた。
先日のお忍びの時に買ったネックレス。雫型の薄青の石の奥には、防刃と防魔の効果を持つ魔法陣が描かれている。
何度も練習をしてから、慎重に描き込んだものだ。
コーネルの手がゆっくりと、おそるおそるネックレスを取る。
その先に下がるきらりときらめく石を、彼女の瞳が捉えた。
「とても…、とても綺麗です。まるで、お嬢様の髪のような色」
「はい。気に入って頂けると嬉しいのですが…」
「……」
そっとネックレスを握りしめると、コーネルはうつむいて震えた。
「う…、嬉しいです、お嬢様。な、なんと申し上げて良いのか…こんな…こんな素晴らしいものを、私に…」
なんとコーネルはぼろぼろと涙をこぼしている。私は思わず慌ててしまった。
「そんな、大したものでは。私は魔法陣を描き込んだだけで…その魔法陣もずっと保つ訳では…あっ、いえ、言ってくれればいつでも魔力を込め直せるんですが…」
私があまりにオロオロしているからか、やがてコーネルはくすりと笑うと、泣き笑いの顔で私を見た。
「本当にありがとうございます。…お嬢様は、とてもおかしな…不思議な方ですけれど。そんなお嬢様にお仕えできる私は、誰より幸せ者だと思っております」
「…私は、おかしな令嬢ですか?」
ちょっぴり憮然としつつ呟く。
スピネルにはよく言われるが、やっぱりコーネルにもそう思われていたのか…。
「はい。ご存知ありませんでしたか?」
「いえ…まあ知ってましたけど…」
これでも普通のご令嬢を目指しているつもりなんだけどな…。近くにいる者の目は誤魔化せないらしい。
「でも私は、そんなお嬢様が大好きですよ」
コーネルはそう言って、もう一度笑った。
約束の6時が近付き寮を出ると、そこには護衛の騎士を連れた礼服姿の殿下が既に待っていた。
「…とても綺麗だ」
私のドレス姿を見て、殿下が言う。
「あ、ありがとうございます…」
正面切って褒められると、さすがに照れてしまう。殿下の言葉には表裏がないから尚更だ。
「では、行こうか」
「はい」
きっとパーティーは既に始まっている頃だ。
でも今日は卒業生が主役なので、在校生である私たちは少し遅れていくくらいで丁度いいだろう。
「そう言えばスピネルは?」
「ついさっきカーネリアを連れて先に行った」
いつも文句ばかり言っているスピネルも、今回はおとなしく妹のエスコート役に収まったらしい。
彼女に近付く男子生徒への牽制のつもりかな?
「何だか嬉しそうだな」
「はい。先程コーネルに、先日買ったプレゼントを渡したのですが、とても喜んでもらえて」
「そうか。それは良かった」
「殿下たちのおかげです」
それからすぐに体育館に着いた。敷地内なので、寮からも近いのだ。
会場内は少し暗く、魔導具による色とりどりの明かりによって照らされている。
ちょうど1曲めが終わった所のようで、スピネルと踊っていたカーネリア様が私たちを見付けて近寄って来た。
「王子殿下、リナーリア様、ごきげんよう!そのドレス、とっても素敵よ」
「カーネリア様こそ。今日もとてもお美しいです」
「お二人はこれから踊られるんでしょう?ね、お兄様、私たちももう一曲踊りましょ」
「はあ?」
カーネリア様に笑顔で腕を取られたスピネルは眉をしかめた。
「いいからいいから。その後はパートナー交替!リナーリア様はお兄様と踊ってあげて。殿下は私と、どうかしら?」
「俺は別に構わないが」
「私も、構いませんが」
殿下と揃ってうなずく。
私のダンスはだいぶ下手になっているだろうから、スピネルと踊ったらバカにされそうな気もするが。
カーネリア様にそう言われれば、断る理由は特にない。
「…あー、わかったよ!」
スピネルが渋々承知するのと同時に、次の曲の前奏が始まった。
「踊ろう、リナーリア」
殿下が私を見つめて手を差し伸べる。
「…はい。どうぞよろしくお願いします」
微笑みながら、私は一礼してその手を取った。
右、左、右。
慎重にステップを踏んでいると、「リナーリア」と名前を呼ばれた。
顔を上げると、殿下の微笑みがすぐ間近にある。
「やはり、君と踊るのは楽しい」
「そ…そうですか?」
「ああ」
殿下がそう答えた瞬間、私は思いきり殿下の足を踏んでしまった。
ま、またやってしまった…!
「本当にまた踏まれてしまったな」
何故だか楽しそうに殿下が言う。
「すみません…」
「いいや、構わない」
気にしないでもらえるのは有り難いが、そんなに楽しそうにされるとちょっと戸惑ってしまう。
痛くないのかな。
まさか変な趣味に目覚めたりしていないよな…?
一曲踊った後、本当にカーネリア様とペアを交替することになった。
「それじゃ、交替!」
カーネリア様に押し出されて私の前に立ったスピネルは、にっこり笑って私に手を差し出した。
…そんな分かりやすい作り笑いあるか?
少し慣れてきたので、先程よりは若干滑らかにステップを踏む。
だがスピネルにはすぐに突っ込まれてしまった。
「お前ちょっとはダンスの練習しとけよ」
「し、仕方ないじゃないですか…誘われるとか思ってませんでしたし…」
「お前な…」
スピネルは一瞬だけ呆れ顔になって、またすぐ笑顔に戻る。
ちなみにスピネルの足は踏まなかった。と言うより、避けられた。
しっかり私の身体を支えつつ自分の足はサッとずらして避けていて、この運動神経の良さ、むしろ腹が立つ。
いっそ思いっきり踏んでやりたかったができなかった。いつか踏む。
ダンスの最中、少し気になってアーゲンの方をちらちら見ていたが、同級生の女子生徒と踊っていた。
多分、私が見ていない間にアラゴナ様とも踊っただろう。
やはりどことなく元気がなく見えたが、あまり落ち込んでなければ良いなと思う。
意外だったのは、壁際でペタラ様とストレングが親しげに話していた事だ。
カーネリア様から彼女はストレングが好きかも知れないと聞かされてはいたが、本当に付き合い始めていたとは。
それとも今日、告白して成功したんだろうか?
二人はどうも一曲目を共に踊っていたらしく、「これはニッケルが落ち込むな」とスピネルが言って、私はびっくりしてしまった。
「え、そうだったんですか!?」
スピネルがまたもや呆れ顔になる。
「お前本当に…」
「…どうせ!私は!鈍いですよ!!」
殿下もカーネリア様もちょっと困り顔だったので、二人も気付いていたようだ。くそう…。
その後もパーティーは続き、私はお兄様やヴォルツとも踊った。
ヴォルツのダンスはそれほど上手くはなかったが、私も下手なのでお互い様という所だろうか。
珍しく顔を真っ赤にしていて、近くで見ていたお兄様は必死に笑いをこらえていた。
私もつい笑ってしまったが、貴重なヴォルツの照れ顔が見れたので良しとしよう。
さらにいつも通りの男装をしたスフェン先輩とも踊ったのだが、しまいにはカーネリア様が私と踊ると言い出した。
私は久々に男のダンスを踊り、自分が適当に合わせるつもりだったらしいカーネリア様はびっくりしていて、周囲からは謎の歓声が上がった。
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