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第10章
第103話 武芸大会・11
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前日の雨が嘘のように、空は青く晴れ渡っていた。
「絶好の試合日和ですね、先輩」
「ああ」
試合用の騎士服に身を包み腰に剣を帯びた先輩が、空を見上げてうなずいた。
私の方は今日、試合用ローブの下に動きやすい運動着を着て、手には杖を持っている。
決勝戦のための特別仕様だ。
石舞台に遮られて見えないが、反対側には殿下とスピネルがいるはずだ。
殿下は既に行われた騎士部門の準決勝で勝利し、あちらでも決勝に駒を進めている。
闘技場の周囲には数人の魔術師と兵士。スピネルが言った通り、護衛を増やして警備も強化したようだ。
表向き「魔法陣に不備があった」と発表されていた闘技場には、新たに描き直された更に強力な結界が張られている。
殿下が狙われたかもしれないという事は当面の間伏せられるそうなので、なるべく予定通りに大会を終わらせようと王宮魔術師が頑張ったに違いない。
だが、勘の良い者ならこの様子を見て何かがあったと気付いているだろう。
「東、騎士課程2年、スフェン・ゲータイト!魔術師課程1年、リナーリア・ジャローシス!」
《唯一の女性タッグが驚きの快進撃を続け、ついに決勝までやって来ました!その強さと美しさで、多くの観客を虜にしています!》
観客席から大きな声援が飛ぶ。
先輩がファンの女子の声に応えて片手を上げ、私もまた観客席に向かい軽く手を振った。途端に野太い男の声が上がる。
…なんかだんだん男の声が増えている気がするが深く考えないでおこう。応援してくれる事自体は嬉しいし…。
「西、騎士課程1年、エスメラルド・ファイ・ヘリオドール!同じく騎士課程1年、スピネル・ブーランジェ!」
《第一王子とその従者のコンビ!二人は対戦相手のリナーリア選手とクラスメイトでもあります!本年度より新設されたタッグ部門、決勝戦がこんな組み合わせになると誰が予想したでしょうか!!》
こちらもまたすごい声援だ。
殿下はいつもの真面目な顔、スピネルはにこやかに、その声に手を上げて応える。
一旦闘技場の中央に進むと、殿下が私の顔を見た。
「リナーリア、体調は万全か?」
「はい。殿下の方はいかがですか?」
「俺も万全だ」
「それは重畳です。正々堂々、全力を尽くして戦いましょう」
微笑むと、殿下は「ああ」と答えてうなずいた。
一礼をした後、先輩と二人で闘技場の一番端まで行って試合開始を待つ。
《おや、スフェン組は開始位置をかなり後ろにするようですね》
《何か作戦があるんだろうね。楽しみだな》
「…始め!!」
審判の手が上がるのと同時に、私は杖を掲げ大きな魔術構成を広げる。
『紅焔よ爆ぜよ!炎の雨となりて降り注げ!』
上空に巨大な火球が生まれ、そこからいくつもの炎の矢が飛び出した。
「うわっ…!?」
剣を構えこちらへ駆け出そうとしていた殿下とスピネルの元に、次々に炎が降り注ぐ。
準決勝でカラベラスが使っていた炎の散弾の上位版で、攻撃範囲がかなり広い魔術だ。
《開幕からリナーリア選手の炎の高位魔術!!エスメラルド組、回避に必死だ!》
《今までの試合でもちらほら見せていたけど、彼女は魔術を撃つのが恐ろしく早いね。威力もなかなかだけど、それ以上に速度が優れてる》
炎の雨を操りながら、先輩の肩へと杖を当てる。
『かの者に戦神の加護を与えよ』
身体強化の付与。
今まで何度か試した上で、先輩の肉体が耐えられる限界ギリギリの所を見極めた。
体力の消耗が大きいので長期戦はできないが、大会の試合時間内なら大丈夫だ。
「…行くよ、リナーリア君!」
「はい!」
先輩は殿下へと向かって駆けている。
スピネルは私の方が相手だと気付いて、炎の雨を斬り飛ばしながらこちらに向かってきた。
「いきなり派手にやってくれるじゃねえか!」
「貴方好みでしょう?」
軽口を叩きながら次の魔術の準備を始める。
炎の雨を生み続けている紅焔はもうかなり小さくなっている。それが燃え尽きるのと同時に、次の魔術を行使した。
『水よ風よ、凍てつき吹き荒れろ!顕現せよ、氷雪の牙!』
闘技場の上に、冷気を全身に纏う氷の狼が出現する。
銀色の瞳が敵の姿を捉え、妖しく輝いた。
『行け…!』
《リナーリア選手、氷狼を召喚!鋭い牙でスピネル選手に襲いかかる!!》
《高位の複合魔術だね。1年生でこれとか、末恐ろしい子だなあ》
動きの速いスピネルをこちらに近付けさせないためには、防御や牽制だけでは足りない。そう考えて選択した魔術だ。
本当は人前であまり使いたくないのだが仕方がない。手加減していてはこの二人には勝てない。
スピネルは剣で氷狼の爪を受け止めたが、そこから冷気が伝わるのが分かったのだろう、慌てて後ろに飛び退いた。
「…くそ、厄介だな!」
《氷狼は素早く、その爪や牙は鋭い。しかも常に冷気を発しているから、斬り合っているだけでも熱を奪われ、動きが鈍くなっていく。騎士を抑えるにはかなり有効だと言えるね》
もし噛まれたり組み付かれたりしたら凍傷を負ってしまうし、ただ冷気を受け続けるだけでも体力や魔力の消耗が激しくなる。接近戦を主とする騎士にとって非常に厄介な術だ。
氷狼を維持するための魔力消費はかなり大きいのだが、その分効果も高い。
《一方、スフェン選手はエスメラルド選手を攻め立てている!》
先輩は得意の連撃で殿下を攻めている。大きく身体強化しているので、そのスピードはスピネルをも上回るほどだ。
しかし守りの堅い殿下を崩すには時間がかかるだろう。私が魔術で支援して優勢を保ちたいところだ。
スピネルと戦う氷狼を操りながら、得意の水球を呼び出し周囲に展開していく。
スピネルはすぐにその狙いに気が付いたようだ。
「殿下、水に気を付けろ!身体に当てるな!」
水球が当たって濡れた所に氷狼が攻撃すれば、その部分はたちまち凍りつく。
私の水球の操作範囲は闘技場全体に及ぶので、直接私と対峙しているスピネルだけではなく殿下だって射程内だ。
『炎霊よ、刃に宿れ!』
スピネルの持つ剣が燃え上がった。炎の魔力付与だ。
襲いかかる氷狼の爪を避けつつ、水球を次々に斬って落とすつもりのようだ。
これでは氷結によるダメージは期待できなさそうだと思いつつ、水球を操りスピネルと殿下へ撃ち出す。
殿下に向かって放った水球のうち1つが落とされ、1つが肩口に当たった。
わずかに怯んだ殿下にすかさず先輩が剣を閃かせ、腕を切り裂く。
だが、浅い。
スピネルは氷狼と戦いながら、着実に水球の数を減らしている。炎の剣によって水球だけではなく氷狼の身体も削られるせいで、私の魔力消費は更に増えている。
しかし冷気を受けたり水を蒸発させながら炎を維持するため、消耗が大きいのは向こうも同じだ。
《激しい攻防が続く!戦況は一進一退か!》
氷狼の足元を狙って炎の剣が振るわれ、咄嗟に跳び上がらせて避ける。
その跳んだ勢いのまま牙を剥こうとするが、スピネルは石床につきそうなほどに深く身を沈めて躱した。
闘技場の石床の上、まるで滑るかのように淀みなく柔らかな動き。
低い姿勢のまま前に踏み出したスピネルは、氷狼の身体を剣で押し上げるようにして下をくぐり抜けた。
背後を取られたと、そう認識した時にはもう遅かった。振り向きざまの刃が氷狼の左後肢を断つ。
…せめて、もう一撃だけでも!
一矢は報いようと、3本足になった氷狼に突撃の姿勢を取らせた瞬間、殿下がこちらに剣を向けたのが視界の端に映った。
その切っ先から魔力が放たれるのと同時、必死で身体を捻る。
脇腹をかすめた風の刃が後ろへと飛んでゆき、冷や汗が滲んだ。
《エスメラルド選手、鍔迫り合いに持ち込んだふりをしてスフェン選手を蹴り飛ばした!その隙にリナーリア選手へ風の刃を飛ばすが、リナーリア選手は辛うじてこれを避けた模様!!》
私が殿下の攻撃を避けているその間に、スピネルは氷狼を斬り捨てている。
くそ、やられた。思わず唇を噛みしめる。
「…意外に行儀の悪い王子様だね!」
先輩はすぐに起き上がろうとしたが、殿下は既に私の方へ走り出している。スピネルもこちらへ向き直り、駆け出す姿勢だ。
先輩が体勢を立て直すよりも早く、2人の一斉攻撃で私を落とすつもりなのだろう。
「絶好の試合日和ですね、先輩」
「ああ」
試合用の騎士服に身を包み腰に剣を帯びた先輩が、空を見上げてうなずいた。
私の方は今日、試合用ローブの下に動きやすい運動着を着て、手には杖を持っている。
決勝戦のための特別仕様だ。
石舞台に遮られて見えないが、反対側には殿下とスピネルがいるはずだ。
殿下は既に行われた騎士部門の準決勝で勝利し、あちらでも決勝に駒を進めている。
闘技場の周囲には数人の魔術師と兵士。スピネルが言った通り、護衛を増やして警備も強化したようだ。
表向き「魔法陣に不備があった」と発表されていた闘技場には、新たに描き直された更に強力な結界が張られている。
殿下が狙われたかもしれないという事は当面の間伏せられるそうなので、なるべく予定通りに大会を終わらせようと王宮魔術師が頑張ったに違いない。
だが、勘の良い者ならこの様子を見て何かがあったと気付いているだろう。
「東、騎士課程2年、スフェン・ゲータイト!魔術師課程1年、リナーリア・ジャローシス!」
《唯一の女性タッグが驚きの快進撃を続け、ついに決勝までやって来ました!その強さと美しさで、多くの観客を虜にしています!》
観客席から大きな声援が飛ぶ。
先輩がファンの女子の声に応えて片手を上げ、私もまた観客席に向かい軽く手を振った。途端に野太い男の声が上がる。
…なんかだんだん男の声が増えている気がするが深く考えないでおこう。応援してくれる事自体は嬉しいし…。
「西、騎士課程1年、エスメラルド・ファイ・ヘリオドール!同じく騎士課程1年、スピネル・ブーランジェ!」
《第一王子とその従者のコンビ!二人は対戦相手のリナーリア選手とクラスメイトでもあります!本年度より新設されたタッグ部門、決勝戦がこんな組み合わせになると誰が予想したでしょうか!!》
こちらもまたすごい声援だ。
殿下はいつもの真面目な顔、スピネルはにこやかに、その声に手を上げて応える。
一旦闘技場の中央に進むと、殿下が私の顔を見た。
「リナーリア、体調は万全か?」
「はい。殿下の方はいかがですか?」
「俺も万全だ」
「それは重畳です。正々堂々、全力を尽くして戦いましょう」
微笑むと、殿下は「ああ」と答えてうなずいた。
一礼をした後、先輩と二人で闘技場の一番端まで行って試合開始を待つ。
《おや、スフェン組は開始位置をかなり後ろにするようですね》
《何か作戦があるんだろうね。楽しみだな》
「…始め!!」
審判の手が上がるのと同時に、私は杖を掲げ大きな魔術構成を広げる。
『紅焔よ爆ぜよ!炎の雨となりて降り注げ!』
上空に巨大な火球が生まれ、そこからいくつもの炎の矢が飛び出した。
「うわっ…!?」
剣を構えこちらへ駆け出そうとしていた殿下とスピネルの元に、次々に炎が降り注ぐ。
準決勝でカラベラスが使っていた炎の散弾の上位版で、攻撃範囲がかなり広い魔術だ。
《開幕からリナーリア選手の炎の高位魔術!!エスメラルド組、回避に必死だ!》
《今までの試合でもちらほら見せていたけど、彼女は魔術を撃つのが恐ろしく早いね。威力もなかなかだけど、それ以上に速度が優れてる》
炎の雨を操りながら、先輩の肩へと杖を当てる。
『かの者に戦神の加護を与えよ』
身体強化の付与。
今まで何度か試した上で、先輩の肉体が耐えられる限界ギリギリの所を見極めた。
体力の消耗が大きいので長期戦はできないが、大会の試合時間内なら大丈夫だ。
「…行くよ、リナーリア君!」
「はい!」
先輩は殿下へと向かって駆けている。
スピネルは私の方が相手だと気付いて、炎の雨を斬り飛ばしながらこちらに向かってきた。
「いきなり派手にやってくれるじゃねえか!」
「貴方好みでしょう?」
軽口を叩きながら次の魔術の準備を始める。
炎の雨を生み続けている紅焔はもうかなり小さくなっている。それが燃え尽きるのと同時に、次の魔術を行使した。
『水よ風よ、凍てつき吹き荒れろ!顕現せよ、氷雪の牙!』
闘技場の上に、冷気を全身に纏う氷の狼が出現する。
銀色の瞳が敵の姿を捉え、妖しく輝いた。
『行け…!』
《リナーリア選手、氷狼を召喚!鋭い牙でスピネル選手に襲いかかる!!》
《高位の複合魔術だね。1年生でこれとか、末恐ろしい子だなあ》
動きの速いスピネルをこちらに近付けさせないためには、防御や牽制だけでは足りない。そう考えて選択した魔術だ。
本当は人前であまり使いたくないのだが仕方がない。手加減していてはこの二人には勝てない。
スピネルは剣で氷狼の爪を受け止めたが、そこから冷気が伝わるのが分かったのだろう、慌てて後ろに飛び退いた。
「…くそ、厄介だな!」
《氷狼は素早く、その爪や牙は鋭い。しかも常に冷気を発しているから、斬り合っているだけでも熱を奪われ、動きが鈍くなっていく。騎士を抑えるにはかなり有効だと言えるね》
もし噛まれたり組み付かれたりしたら凍傷を負ってしまうし、ただ冷気を受け続けるだけでも体力や魔力の消耗が激しくなる。接近戦を主とする騎士にとって非常に厄介な術だ。
氷狼を維持するための魔力消費はかなり大きいのだが、その分効果も高い。
《一方、スフェン選手はエスメラルド選手を攻め立てている!》
先輩は得意の連撃で殿下を攻めている。大きく身体強化しているので、そのスピードはスピネルをも上回るほどだ。
しかし守りの堅い殿下を崩すには時間がかかるだろう。私が魔術で支援して優勢を保ちたいところだ。
スピネルと戦う氷狼を操りながら、得意の水球を呼び出し周囲に展開していく。
スピネルはすぐにその狙いに気が付いたようだ。
「殿下、水に気を付けろ!身体に当てるな!」
水球が当たって濡れた所に氷狼が攻撃すれば、その部分はたちまち凍りつく。
私の水球の操作範囲は闘技場全体に及ぶので、直接私と対峙しているスピネルだけではなく殿下だって射程内だ。
『炎霊よ、刃に宿れ!』
スピネルの持つ剣が燃え上がった。炎の魔力付与だ。
襲いかかる氷狼の爪を避けつつ、水球を次々に斬って落とすつもりのようだ。
これでは氷結によるダメージは期待できなさそうだと思いつつ、水球を操りスピネルと殿下へ撃ち出す。
殿下に向かって放った水球のうち1つが落とされ、1つが肩口に当たった。
わずかに怯んだ殿下にすかさず先輩が剣を閃かせ、腕を切り裂く。
だが、浅い。
スピネルは氷狼と戦いながら、着実に水球の数を減らしている。炎の剣によって水球だけではなく氷狼の身体も削られるせいで、私の魔力消費は更に増えている。
しかし冷気を受けたり水を蒸発させながら炎を維持するため、消耗が大きいのは向こうも同じだ。
《激しい攻防が続く!戦況は一進一退か!》
氷狼の足元を狙って炎の剣が振るわれ、咄嗟に跳び上がらせて避ける。
その跳んだ勢いのまま牙を剥こうとするが、スピネルは石床につきそうなほどに深く身を沈めて躱した。
闘技場の石床の上、まるで滑るかのように淀みなく柔らかな動き。
低い姿勢のまま前に踏み出したスピネルは、氷狼の身体を剣で押し上げるようにして下をくぐり抜けた。
背後を取られたと、そう認識した時にはもう遅かった。振り向きざまの刃が氷狼の左後肢を断つ。
…せめて、もう一撃だけでも!
一矢は報いようと、3本足になった氷狼に突撃の姿勢を取らせた瞬間、殿下がこちらに剣を向けたのが視界の端に映った。
その切っ先から魔力が放たれるのと同時、必死で身体を捻る。
脇腹をかすめた風の刃が後ろへと飛んでゆき、冷や汗が滲んだ。
《エスメラルド選手、鍔迫り合いに持ち込んだふりをしてスフェン選手を蹴り飛ばした!その隙にリナーリア選手へ風の刃を飛ばすが、リナーリア選手は辛うじてこれを避けた模様!!》
私が殿下の攻撃を避けているその間に、スピネルは氷狼を斬り捨てている。
くそ、やられた。思わず唇を噛みしめる。
「…意外に行儀の悪い王子様だね!」
先輩はすぐに起き上がろうとしたが、殿下は既に私の方へ走り出している。スピネルもこちらへ向き直り、駆け出す姿勢だ。
先輩が体勢を立て直すよりも早く、2人の一斉攻撃で私を落とすつもりなのだろう。
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