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第5章
第40話 男装の麗人(前)
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「うーん…寒いなあ…」
冷える手をこすり合わせながら、私は一人女子寮の廊下を歩いていた。
年末年始の女子寮の見回り。これは生徒会役員としての仕事である。
この時期は寮の職員もそれぞれ交替で休暇を取っているので、普段の半分以下の人数しかいない。
そのため、いつもは教師や職員がやっている寮内の見回りを生徒会の方で手伝っているのだ。
役員がいなければ居残っている生徒のうち信頼できる者に頼む事になるが、今年は私がいるので私が担当している。
見回りは午前に一回、就寝前に一回。今は午前の見回りだ。
人が少ないせいか、寮内はいつもより寒い。そして静かだ。
実家に帰らず寮に残っている生徒も、昼の間はアルバイトに行ったり図書館に行って勉強したりとほとんどが出払っているようだ。
上の階から下の階まで一応ちゃんと見て回ったが、人の姿自体ほとんど見かけない。
ただ私一人が歩き回っているだけである。
でもまあ、こういうのは普段から繰り返して行うことに意味があるのだ。異常がないというのはいい事なのだ、うん。
私も午後からは図書館に行こうかなと考えつつ1階のロビーに戻ってくると、そこには意外な人物がいた。
黄緑色の特徴的な髪は見間違えようがない。スフェン様だ。この人も寮に居残っている口だったらしい。
フリルのたっぷりついたゆったりとした白いシャツに、すらりとした黒いズボン。シンプルな装いだが、立っているだけで絵になっている。どうやら制服だけじゃなく私服も男装らしい。
「やあ、リナーリア君」
「こんにちは、スフェン様」
ぺこりと頭を下げる私に、スフェン様は優雅に微笑んだ。
「実は君を待っていたんだよ。良かったら、僕と一緒にランチに行かないかい?」
食堂には案の定ほとんど人がいなかった。
壁に貼られたメニューを見ながら、スフェン様が顎に手をかける。
「僕は豚肉のソテーにしようかな。君はどうする?」
「私はチキンのフリカッセにします」
今は生徒が少ないので、いつものビュッフェ形式ではなくいくつかのメニューから選ぶ方式だ。パンとスープのみがお代わり自由となっている。
今日は少し寒いので、鶏肉をミルクで煮込んだ優しい味のフリカッセはきっと体が暖まるだろう。
適当な席へと移動して少し待っていると、すぐに料理が運ばれてきた。
フリカッセから鶏肉をスプーンですくい上げながら、私は正面のスフェン様をちらりと見る。
彼女はいつも取り巻きのご令嬢達に囲まれているので、こうして一人で私の前に座っているのはなんだか不思議な感じだ。
「どうかしたかい?」
「いえ…あの、私を待っていたというのはどうしてですか?」
「そりゃもちろん、君と話したかったからさ。寒中水泳訓練の時の君は実に興味深かったからね」
「うっ…そ、その節は、大変ご迷惑をおかけしました…」
恥ずかしい記憶を掘り起こされ、私は恐縮する。あの時はスフェン様にもとてもお世話になった。
「ああ、ごめん、そういう意味じゃないよ。僕はとても感心したんだ。泳げないのに魔術なしであの水泳訓練をやるのはとても勇気がいっただろうに、君はよく頑張ったよ」
「…でも結局、救助訓練には参加できませんでした…」
しょんぼりしつつそう言うと、「そういう所もだよ」と優しい声がかけられた。
顔を上げると、スフェン様は温かい目をして言う。
「君はあんなにフラフラだったのに、救助訓練はやめて帰れと言われた時、すごく悔しそうだった。普通ならこれで帰れると安心する所だよ。…君はとても意地っ張りで、そして気高いんだね。尊敬に値するよ」
「…そ、そんな事は…」
真正面から褒められ、私はつい赤面してしまった。悪い気分ではないが、とても恥ずかしい。
「それに、君のことは前から気になっていたんだよね」
「私がですか?」
「うん。君は新入生の中ではかなりの有名人だし」
「あはは…」
苦笑いするしかない。無駄に目立ってしまっている自覚はある。
王子の友人と言うだけでもそれなりに注目されるのに、それ以外でも色々やらかしている気がするしな…。
でも、スフェン様ほどの有名人には言われたくない。
「もしかして今、僕には言われたくないと思ったかな?」
「えっ」
鋭い。
びっくりして顔を上げると、スフェン様はこちらを見透かすように私を見ている。
…やはり、なかなか一筋縄ではいかない人物のようだ。
「まあ、僕も結構な有名人なのは確かだけどね。僕の噂は知っているんだろう?」
「…ええ、まあ」
同性愛者であるとか、それは昔愛した少年が死んだ反動であるとか、不特定多数の貴族のパトロンがいるとか。
実は御母上とある俳優との不義の子であるとか、いやいや王家の血筋であるとか、スフェン様を取り合って上級生のご令嬢達が殺し合いを繰り広げたとか…。
明らかにそれは嘘だろうというものも含めて、物凄く色んな噂がある。
本人はその全て、否定もしなければ肯定もしないという話も聞いている。あまり快いものではないだろうに。
「…先程、スフェン様は私を気高いと褒めましたけれど。私は、スフェン様の方がずっと気高いと思いますよ」
「うん?」
スフェン様は不思議そうに首を傾げた。
…彼女は学院入学前からずっと男装をしていると聞いている。この貴族の世界で、女性が男装を続けるのは私が想像する以上に大変なことのはずだ。
男は男らしく、強くて逞しく勇ましくあるべき。女は女らしく、優しくたおやかで美しくあるべき。
実際はさておき、それが貴族の間で尊ばれる理想像なのだ。
魔術師がその役割の重要さに反して騎士よりも軽んじられる風潮があるのも、この古臭い価値観のせいだと私は思っている。
しかし、彼女が受ける偏見や差別は魔術師の比ではあるまい。
ただ男の服を着ていると言うだけで、嘲笑され侮蔑されるのは日常茶飯事だろう。
女性騎士が身に着ける正式な礼服ですら「女性なのにズボンである」というだけで馬鹿にする人間もいるのだ。髪を短くしているのも当然批判の対象である。
実際、学院でもそうやってスフェン様に対し「女のくせにみっともない」という類の陰口を叩いている生徒を私も見た事がある。
こうして今、年末だというのに実家に帰らず寮にいるのも、きっとそれと無関係ではないのだろう。
彼女の実家のゲータイト領は有名な塩の産地の一つで、伯爵家の中でも特に由緒正しく裕福な家だ。爵位こそうちが上だが、新参侯爵家のうちよりもよほど権力があると思う。
その実家で彼女は疎んじられているらしいという噂を耳に挟んだ事があるが、恐らく事実ではなかろうか。
貴族の娘にこのような振る舞いが許されるはずがない。それが古い家なら尚更だ。
だが、それでも彼女は男装をやめない。
何故、何のためにそれを貫きたいのかは知らないが、少なくとも強い意志がなければできないことだ。並大抵の覚悟ではないと思う。
前世の私は彼女にもその生き方にも興味はなかったが、今世の私には、彼女の孤独さが少しだけ分かる気がする。私もまた、前世の記憶を持つという意味で周囲とは異質な人間だからだ。
しかも周囲に隠している私とは違い、彼女は堂々とその生き方を貫いている。
それは尊敬すべき事だと、私は思うのだ。
「そのように生きるのは、とても辛くて大変なことだと思います。なのに貴女は自分を曲げず、笑みを絶やさず、周りの者に優しくていらっしゃいます。…貴女は尊敬に値する、強い方です」
そう素直な気持ちで口にすると、スフェン様はしばらく黙り込んだ。
じっと私の顔を見つめ、それから嬉しそうに微笑む。
「…そうか。君はそういう考え方をする人なんだね。…それは、とても嬉しいな」
ふふっと笑うその顔は、それまでの優しく包み込むような笑みとは違い、年相応の少女のもののように見えた。
冷える手をこすり合わせながら、私は一人女子寮の廊下を歩いていた。
年末年始の女子寮の見回り。これは生徒会役員としての仕事である。
この時期は寮の職員もそれぞれ交替で休暇を取っているので、普段の半分以下の人数しかいない。
そのため、いつもは教師や職員がやっている寮内の見回りを生徒会の方で手伝っているのだ。
役員がいなければ居残っている生徒のうち信頼できる者に頼む事になるが、今年は私がいるので私が担当している。
見回りは午前に一回、就寝前に一回。今は午前の見回りだ。
人が少ないせいか、寮内はいつもより寒い。そして静かだ。
実家に帰らず寮に残っている生徒も、昼の間はアルバイトに行ったり図書館に行って勉強したりとほとんどが出払っているようだ。
上の階から下の階まで一応ちゃんと見て回ったが、人の姿自体ほとんど見かけない。
ただ私一人が歩き回っているだけである。
でもまあ、こういうのは普段から繰り返して行うことに意味があるのだ。異常がないというのはいい事なのだ、うん。
私も午後からは図書館に行こうかなと考えつつ1階のロビーに戻ってくると、そこには意外な人物がいた。
黄緑色の特徴的な髪は見間違えようがない。スフェン様だ。この人も寮に居残っている口だったらしい。
フリルのたっぷりついたゆったりとした白いシャツに、すらりとした黒いズボン。シンプルな装いだが、立っているだけで絵になっている。どうやら制服だけじゃなく私服も男装らしい。
「やあ、リナーリア君」
「こんにちは、スフェン様」
ぺこりと頭を下げる私に、スフェン様は優雅に微笑んだ。
「実は君を待っていたんだよ。良かったら、僕と一緒にランチに行かないかい?」
食堂には案の定ほとんど人がいなかった。
壁に貼られたメニューを見ながら、スフェン様が顎に手をかける。
「僕は豚肉のソテーにしようかな。君はどうする?」
「私はチキンのフリカッセにします」
今は生徒が少ないので、いつものビュッフェ形式ではなくいくつかのメニューから選ぶ方式だ。パンとスープのみがお代わり自由となっている。
今日は少し寒いので、鶏肉をミルクで煮込んだ優しい味のフリカッセはきっと体が暖まるだろう。
適当な席へと移動して少し待っていると、すぐに料理が運ばれてきた。
フリカッセから鶏肉をスプーンですくい上げながら、私は正面のスフェン様をちらりと見る。
彼女はいつも取り巻きのご令嬢達に囲まれているので、こうして一人で私の前に座っているのはなんだか不思議な感じだ。
「どうかしたかい?」
「いえ…あの、私を待っていたというのはどうしてですか?」
「そりゃもちろん、君と話したかったからさ。寒中水泳訓練の時の君は実に興味深かったからね」
「うっ…そ、その節は、大変ご迷惑をおかけしました…」
恥ずかしい記憶を掘り起こされ、私は恐縮する。あの時はスフェン様にもとてもお世話になった。
「ああ、ごめん、そういう意味じゃないよ。僕はとても感心したんだ。泳げないのに魔術なしであの水泳訓練をやるのはとても勇気がいっただろうに、君はよく頑張ったよ」
「…でも結局、救助訓練には参加できませんでした…」
しょんぼりしつつそう言うと、「そういう所もだよ」と優しい声がかけられた。
顔を上げると、スフェン様は温かい目をして言う。
「君はあんなにフラフラだったのに、救助訓練はやめて帰れと言われた時、すごく悔しそうだった。普通ならこれで帰れると安心する所だよ。…君はとても意地っ張りで、そして気高いんだね。尊敬に値するよ」
「…そ、そんな事は…」
真正面から褒められ、私はつい赤面してしまった。悪い気分ではないが、とても恥ずかしい。
「それに、君のことは前から気になっていたんだよね」
「私がですか?」
「うん。君は新入生の中ではかなりの有名人だし」
「あはは…」
苦笑いするしかない。無駄に目立ってしまっている自覚はある。
王子の友人と言うだけでもそれなりに注目されるのに、それ以外でも色々やらかしている気がするしな…。
でも、スフェン様ほどの有名人には言われたくない。
「もしかして今、僕には言われたくないと思ったかな?」
「えっ」
鋭い。
びっくりして顔を上げると、スフェン様はこちらを見透かすように私を見ている。
…やはり、なかなか一筋縄ではいかない人物のようだ。
「まあ、僕も結構な有名人なのは確かだけどね。僕の噂は知っているんだろう?」
「…ええ、まあ」
同性愛者であるとか、それは昔愛した少年が死んだ反動であるとか、不特定多数の貴族のパトロンがいるとか。
実は御母上とある俳優との不義の子であるとか、いやいや王家の血筋であるとか、スフェン様を取り合って上級生のご令嬢達が殺し合いを繰り広げたとか…。
明らかにそれは嘘だろうというものも含めて、物凄く色んな噂がある。
本人はその全て、否定もしなければ肯定もしないという話も聞いている。あまり快いものではないだろうに。
「…先程、スフェン様は私を気高いと褒めましたけれど。私は、スフェン様の方がずっと気高いと思いますよ」
「うん?」
スフェン様は不思議そうに首を傾げた。
…彼女は学院入学前からずっと男装をしていると聞いている。この貴族の世界で、女性が男装を続けるのは私が想像する以上に大変なことのはずだ。
男は男らしく、強くて逞しく勇ましくあるべき。女は女らしく、優しくたおやかで美しくあるべき。
実際はさておき、それが貴族の間で尊ばれる理想像なのだ。
魔術師がその役割の重要さに反して騎士よりも軽んじられる風潮があるのも、この古臭い価値観のせいだと私は思っている。
しかし、彼女が受ける偏見や差別は魔術師の比ではあるまい。
ただ男の服を着ていると言うだけで、嘲笑され侮蔑されるのは日常茶飯事だろう。
女性騎士が身に着ける正式な礼服ですら「女性なのにズボンである」というだけで馬鹿にする人間もいるのだ。髪を短くしているのも当然批判の対象である。
実際、学院でもそうやってスフェン様に対し「女のくせにみっともない」という類の陰口を叩いている生徒を私も見た事がある。
こうして今、年末だというのに実家に帰らず寮にいるのも、きっとそれと無関係ではないのだろう。
彼女の実家のゲータイト領は有名な塩の産地の一つで、伯爵家の中でも特に由緒正しく裕福な家だ。爵位こそうちが上だが、新参侯爵家のうちよりもよほど権力があると思う。
その実家で彼女は疎んじられているらしいという噂を耳に挟んだ事があるが、恐らく事実ではなかろうか。
貴族の娘にこのような振る舞いが許されるはずがない。それが古い家なら尚更だ。
だが、それでも彼女は男装をやめない。
何故、何のためにそれを貫きたいのかは知らないが、少なくとも強い意志がなければできないことだ。並大抵の覚悟ではないと思う。
前世の私は彼女にもその生き方にも興味はなかったが、今世の私には、彼女の孤独さが少しだけ分かる気がする。私もまた、前世の記憶を持つという意味で周囲とは異質な人間だからだ。
しかも周囲に隠している私とは違い、彼女は堂々とその生き方を貫いている。
それは尊敬すべき事だと、私は思うのだ。
「そのように生きるのは、とても辛くて大変なことだと思います。なのに貴女は自分を曲げず、笑みを絶やさず、周りの者に優しくていらっしゃいます。…貴女は尊敬に値する、強い方です」
そう素直な気持ちで口にすると、スフェン様はしばらく黙り込んだ。
じっと私の顔を見つめ、それから嬉しそうに微笑む。
「…そうか。君はそういう考え方をする人なんだね。…それは、とても嬉しいな」
ふふっと笑うその顔は、それまでの優しく包み込むような笑みとは違い、年相応の少女のもののように見えた。
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