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第1章
第4話 もう一度(前)
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翌日の午後、私はお母様と共に護衛を伴って城へとやって来ていた。
ドレスはすったもんだの末に空色のものに決まった。お母様と使用人たちが気合を入れておめかしをしてくれたので、支度にはずいぶん時間がかかってしまった。
お父様が来ていないのは、「これは侯爵ではなく娘によるあくまで私的な訪問ですよ」という事を示すポーズだ。
本当はお母様にも屋敷で待っていてもらいたかったが、私は今世ではこれが初の登城だ。
まだ10歳の子供が護衛だけを連れて初登城など、常識的にありえないので仕方がない。
衛兵に身分を名乗り、迎えに来た女官に軽くチェックなどを受けた後、案内されて城内を歩く。
久々に歩く城の廊下は、記憶よりもずいぶんと広く大きく感じた。前世に比べて私の身長が縮んでいるからだろう。
やがて通されたのは、王子が私的な面会の時によく使う小さめの応接室だった。小さめと言っても王族レベルでの小さめなので、うちの屋敷の応接間くらいはあるのだが。
リナライトもここに来る機会は多かったので、懐かしくてついキョロキョロとしてしまい、お茶を淹れている女官に微笑ましそうな目で見られた。恥ずかしい。
お茶を飲みながらしばし待っていると、応接室の扉がノックされ、殿下が姿を表した。
「ごきげんよう、殿下。本日はお招きいただきありがとうございます」
「ごきげんようございます、殿下」
美しいカーテシーで挨拶をするお母様の横で、私もドレスをつまみカーテシーをする。
いつ殿下にお会いしてもいいようしっかり練習しておいたので、きれいな姿勢になっているはずだ。
「ああ。一月ぶりだな」
頷く殿下に、私はぐっと気を引き締め直し…殿下の斜め後ろに立つ少年に視線を吸い込まれた。
私よりもいくつか年上の、後ろで一つに結んだ鮮やかな赤毛が印象的な背の高い少年。その髪色や面立ちには、見覚えがある。
私の視線に気付いたのだろう、殿下が少年を紹介してくれた。
「彼は僕の従者、スピネルだ」
…名前を聞いてはっきりと思い出した。
彼はスピネル、武闘派で有名なブーランジェ公爵家の四男のはずだ。年は確か、私や殿下の2つ上…今は12歳か。
前世では学年が違う事もありそれほど親しくはなかった。有能ではあるものの、どうにも軽薄な男だったと記憶している。
「……」
私は思わず呆然としてしまっていた。
リナライトはいないのだから、別の者がエスメラルド殿下の従者になっているのは当然だ。
だけど、なぜか今の今までその事が頭からすっぽ抜けていた。
殿下の後ろに立っているのが私ではないという事実に、自分でも驚くほどに衝撃を受けていた。
「スピネル・ブーランジェです」と名乗って頭を下げたスピネルは、私が凝視しているのを見て怪訝な顔になる。
「何か?」
「あっ…!い、いえ!何でもありません」
慌てて笑顔を取り繕う。衝撃を受けている場合じゃない、今日は殿下に会いに来たのだ。
「…殿下、先日は大変失礼をいたしました。改めて、お詫び申し上げます」
すっと頭を下げた私に、殿下が小さくうなずく。
「ああ。君の父上からも丁寧な手紙をもらった。別に気にしなくていい」
「ありがとうございます!」
殿下から直々に許す言葉をもらい、私はほっと安心した。
本当はもっと誠心誠意言葉を尽くし、私がどれほど反省し申し訳ないと思っているかをお伝えしたかったのだが、ノートに謝罪文の草稿を書いている途中で「それはやめなさい」と父や母に止められてしまったのだ。
横から見ていたお母様が、うふふと笑いながら口を挟む。
「本当に申し訳ありません、殿下。この子ったら、殿下にお会いできたのが嬉しくて泣いてしまったらしいのです」
「…そうなのか?」
殿下は怪訝そうだ。どう見ても嬉し泣きというレベルの泣き方じゃなかったからだろう。
だがもうその設定で行くと決まっているため、私は真っ赤になりながらもその通りだとうなずくしかない。
ぐぅ…恥ずかしい…!!
「…まあ、それならいい」
お優しい殿下は疑問を口に出さずに流してくれた。とても有難い。
その後、いくつかの世間話をした。
話題を提供しているのは主にお母様で、それに答えているのはスピネルだ。
「…それで、この子がもっと花を増やしたいと言うから種を蒔いてみたんですけれど、思った以上に増えてしまって。すっかり花畑になってしまいましたわ」
「良いじゃありませんか。リナーリア嬢のように美しい方には、花がよく似合いますから」
「…ありがとうございます…」
頬が引きつらないように注意しながら礼を言う。こいつ、ペラペラとずいぶん良く舌が回る。
ブーランジェと言えば高名な騎士を何人も輩出している武門の家で、今代のブーランジェ公爵…つまりスピネルの父親もまた質実剛健を絵に描いたような立派な武人だったはずだが、こいつはやはり軽薄な印象だ。
赤毛に鋼色の瞳、整った顔にはずっとにこやかな笑顔が浮かべられている。
愛想が良いと言えばそうなのだが、正直あまり好きなタイプの人間ではない。前世ではかなり女遊びをしていた事で有名だったし。
…いやいや、今のスピネルは従者の役目を果たしているだけだ。悪く言ってはいけない。
殿下はかなり無口なタイプで、今日もほとんど喋っていない。スピネルはそんな主の代わりに応対してくれているだけなのだ。前世の私もそうだった。
それに、問題は私の方にある。
さっきから私は簡単な相槌を打つだけで精一杯だ。お母様とスピネルはあれこれ話を振ってくれているのだが、上手く答えられていない。
4人のうち、ろくに喋らない者が2人。どう見ても、話が盛り上がっているとは言い難い状況である。
…おかしい!こんなはずでは…!!
内心で頭を抱える。
リナライトの時は、よく殿下と他愛もない話をした。無口な殿下も、親しい者に対してはそれなりに喋るのだ。
だから今も何か適当に話せるような気になっていたが、よく考えたら今の私は殿下とはほぼ初対面に近い。
何とか共通の話題がないだろうかと記憶を探ってみたが、思い出せたのはいつ聞いたかわからない城内の噂話とか小さい時の思い出話とかで、それは今のリナーリアが知っているはずもない話なのだ。
口にする訳にはいかない。
そうしているうちに、お母様もいい加減に話題が尽きたのだろう。自然と会話が止まり、何となく気まずい沈黙が落ちる。
どうすれば…。
せっかく殿下に会えたのに、このままでは何もできずに帰ることになってしまう。
「…あの。良かったら、庭の薔薇園を見ていかれませんか。今は遅咲きの薔薇がとても美しいんです」
その様子を見かねたのか、助け舟を出してくれたのはスピネルだった。
ぱっと顔を上げた私に、スピネルがぱちりとウィンクを寄越す。正直気色悪いが、しかし今はそれが神々しく見えるほどに有り難い。
「ぜ、ぜひ見せていただきたいです…!」
ぐっと拳を握ってそう言うと、殿下は「わかった」と小さくうなずいた。
ドレスはすったもんだの末に空色のものに決まった。お母様と使用人たちが気合を入れておめかしをしてくれたので、支度にはずいぶん時間がかかってしまった。
お父様が来ていないのは、「これは侯爵ではなく娘によるあくまで私的な訪問ですよ」という事を示すポーズだ。
本当はお母様にも屋敷で待っていてもらいたかったが、私は今世ではこれが初の登城だ。
まだ10歳の子供が護衛だけを連れて初登城など、常識的にありえないので仕方がない。
衛兵に身分を名乗り、迎えに来た女官に軽くチェックなどを受けた後、案内されて城内を歩く。
久々に歩く城の廊下は、記憶よりもずいぶんと広く大きく感じた。前世に比べて私の身長が縮んでいるからだろう。
やがて通されたのは、王子が私的な面会の時によく使う小さめの応接室だった。小さめと言っても王族レベルでの小さめなので、うちの屋敷の応接間くらいはあるのだが。
リナライトもここに来る機会は多かったので、懐かしくてついキョロキョロとしてしまい、お茶を淹れている女官に微笑ましそうな目で見られた。恥ずかしい。
お茶を飲みながらしばし待っていると、応接室の扉がノックされ、殿下が姿を表した。
「ごきげんよう、殿下。本日はお招きいただきありがとうございます」
「ごきげんようございます、殿下」
美しいカーテシーで挨拶をするお母様の横で、私もドレスをつまみカーテシーをする。
いつ殿下にお会いしてもいいようしっかり練習しておいたので、きれいな姿勢になっているはずだ。
「ああ。一月ぶりだな」
頷く殿下に、私はぐっと気を引き締め直し…殿下の斜め後ろに立つ少年に視線を吸い込まれた。
私よりもいくつか年上の、後ろで一つに結んだ鮮やかな赤毛が印象的な背の高い少年。その髪色や面立ちには、見覚えがある。
私の視線に気付いたのだろう、殿下が少年を紹介してくれた。
「彼は僕の従者、スピネルだ」
…名前を聞いてはっきりと思い出した。
彼はスピネル、武闘派で有名なブーランジェ公爵家の四男のはずだ。年は確か、私や殿下の2つ上…今は12歳か。
前世では学年が違う事もありそれほど親しくはなかった。有能ではあるものの、どうにも軽薄な男だったと記憶している。
「……」
私は思わず呆然としてしまっていた。
リナライトはいないのだから、別の者がエスメラルド殿下の従者になっているのは当然だ。
だけど、なぜか今の今までその事が頭からすっぽ抜けていた。
殿下の後ろに立っているのが私ではないという事実に、自分でも驚くほどに衝撃を受けていた。
「スピネル・ブーランジェです」と名乗って頭を下げたスピネルは、私が凝視しているのを見て怪訝な顔になる。
「何か?」
「あっ…!い、いえ!何でもありません」
慌てて笑顔を取り繕う。衝撃を受けている場合じゃない、今日は殿下に会いに来たのだ。
「…殿下、先日は大変失礼をいたしました。改めて、お詫び申し上げます」
すっと頭を下げた私に、殿下が小さくうなずく。
「ああ。君の父上からも丁寧な手紙をもらった。別に気にしなくていい」
「ありがとうございます!」
殿下から直々に許す言葉をもらい、私はほっと安心した。
本当はもっと誠心誠意言葉を尽くし、私がどれほど反省し申し訳ないと思っているかをお伝えしたかったのだが、ノートに謝罪文の草稿を書いている途中で「それはやめなさい」と父や母に止められてしまったのだ。
横から見ていたお母様が、うふふと笑いながら口を挟む。
「本当に申し訳ありません、殿下。この子ったら、殿下にお会いできたのが嬉しくて泣いてしまったらしいのです」
「…そうなのか?」
殿下は怪訝そうだ。どう見ても嬉し泣きというレベルの泣き方じゃなかったからだろう。
だがもうその設定で行くと決まっているため、私は真っ赤になりながらもその通りだとうなずくしかない。
ぐぅ…恥ずかしい…!!
「…まあ、それならいい」
お優しい殿下は疑問を口に出さずに流してくれた。とても有難い。
その後、いくつかの世間話をした。
話題を提供しているのは主にお母様で、それに答えているのはスピネルだ。
「…それで、この子がもっと花を増やしたいと言うから種を蒔いてみたんですけれど、思った以上に増えてしまって。すっかり花畑になってしまいましたわ」
「良いじゃありませんか。リナーリア嬢のように美しい方には、花がよく似合いますから」
「…ありがとうございます…」
頬が引きつらないように注意しながら礼を言う。こいつ、ペラペラとずいぶん良く舌が回る。
ブーランジェと言えば高名な騎士を何人も輩出している武門の家で、今代のブーランジェ公爵…つまりスピネルの父親もまた質実剛健を絵に描いたような立派な武人だったはずだが、こいつはやはり軽薄な印象だ。
赤毛に鋼色の瞳、整った顔にはずっとにこやかな笑顔が浮かべられている。
愛想が良いと言えばそうなのだが、正直あまり好きなタイプの人間ではない。前世ではかなり女遊びをしていた事で有名だったし。
…いやいや、今のスピネルは従者の役目を果たしているだけだ。悪く言ってはいけない。
殿下はかなり無口なタイプで、今日もほとんど喋っていない。スピネルはそんな主の代わりに応対してくれているだけなのだ。前世の私もそうだった。
それに、問題は私の方にある。
さっきから私は簡単な相槌を打つだけで精一杯だ。お母様とスピネルはあれこれ話を振ってくれているのだが、上手く答えられていない。
4人のうち、ろくに喋らない者が2人。どう見ても、話が盛り上がっているとは言い難い状況である。
…おかしい!こんなはずでは…!!
内心で頭を抱える。
リナライトの時は、よく殿下と他愛もない話をした。無口な殿下も、親しい者に対してはそれなりに喋るのだ。
だから今も何か適当に話せるような気になっていたが、よく考えたら今の私は殿下とはほぼ初対面に近い。
何とか共通の話題がないだろうかと記憶を探ってみたが、思い出せたのはいつ聞いたかわからない城内の噂話とか小さい時の思い出話とかで、それは今のリナーリアが知っているはずもない話なのだ。
口にする訳にはいかない。
そうしているうちに、お母様もいい加減に話題が尽きたのだろう。自然と会話が止まり、何となく気まずい沈黙が落ちる。
どうすれば…。
せっかく殿下に会えたのに、このままでは何もできずに帰ることになってしまう。
「…あの。良かったら、庭の薔薇園を見ていかれませんか。今は遅咲きの薔薇がとても美しいんです」
その様子を見かねたのか、助け舟を出してくれたのはスピネルだった。
ぱっと顔を上げた私に、スピネルがぱちりとウィンクを寄越す。正直気色悪いが、しかし今はそれが神々しく見えるほどに有り難い。
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