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しおりを挟む最近、少しずつお菓子の売れ具合が良くなってきた。変わった形に手に取る人が少なかったがある人の口コミからちょっとずつ人気になった。
「今日も俺の残してくれてる?エキュハちゃん」
ある人とはいま目の前で、私にキラキラなスマイルを向けているリターという皇帝国の騎士だ。他の騎士からさん付けで呼ばれてるのでそこそこ上の人かなと思っている。
ちなみに、エキュハは私の名前では無く前世でいうリスみたいな小動物の名前だ。
「先日言われていた、別箱で2個ずつ2セット詰めてます。今日はプリンって言うつるんっとするんとする食べ物です!スプーンで食べてください。」
こっちの世界では、初めて作った。プリンは思ったよりうまくいった!
説明にもちょこっと力が入る。
「相変わらず可愛いね、今回力作なんだね大事に食べるよ」
私の頭をポンポンと撫でながら、柔らかく微笑まれるとちょっとドキッとする。
柔らかい赤毛にキラキラした金色の目、街の女の子達が彼の仕草一つにきゃーきゃー言っている。イケメンズルい!!
「今日はなんで、2セットなんですか?」
彼が持っている、箱を指して言うと「ん?」
と言いながら箱に視線をやる。
「街に中々行けない知り合いが、食べてみたいみたいなんだ。俺が自慢しすぎたのかな?」
ハハっと何かを思い出したように楽しそうに笑うと、私の手の甲にキスをしてプリンのお金を握らせた。
「またね、エキュハちゃん」
やっぱり、イケメンはズルい
「ファンディ、例の持ってきたよ」
リターが、机の上にプリンが入った箱を置くとファンディと呼ばれた。青年はリターにやっと視線を向けた。
ファンディは、箱を受け取りプリンをじっくり見る。
「噂通り、変わった食べ物だな。」
「あぁ、見た目もだけど食感も変わっているみたいだよ。つるんっとするんっとするんだって…ハハ」
リターは意気込みながら説明する彼女を思い出して笑っていた。そんな彼をファンディは珍しいものを見る目で見ていた。
リター・スペリーンは皇帝国の中で、赤髪の狼王という異名を付けられている。戦場の中彼が通った後に生きてる者はいないと言われている。そんな彼はいま、皇帝の右腕として常に側で皇帝を守っているのだ。
そんな彼の笑った顔は珍しいのだ。いま、彼が担当している騎士団の部下達が見たらビックリするだろう。
リターにこんな表情をさせるのは、このプリンなのか違う何かなのか…。
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