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4.王子の気持ち 2
しおりを挟むアリシアとの交流の為、アリシアに会いに行くと彼女は決まって僕から隠れている。
ある時は、柱の裏にある時は壁に引っ付いて隠れている。
隠れていると言えないほど隠れるのが下手くそだ。彼女についている先生方が僕にだいたい「アリシア様は今席を外していて…」と困った様に言う。
僕は嫌われているのかもしれないと、最近は自信を無くしている。
「アリシア嬢は僕に会いたくないのでしょうか?」
先生方に問うフリをして、後ろを覗くと彼女は泣きそうな顔で一生懸命、顔が取れんばかりに首を振っている。
僕に会いたくない訳ではないのかと思うとほっとした。
だが、このままでは満足に彼女と話せない。もしかしたら、彼女は突然の訪問が苦手なのかもしれない。
「アリシア嬢、今日から一緒にお茶をする時間を作りませんか?僕はもっと貴方を知りたいのですがダメですか?」
ゴドンッと壁に頭をぶつける勢いで彼女が頷いているのを見て僕は満足してその場を去った。後ろから声にならない悲鳴が聞こえて僕は笑みを深めるのだった。
待ち合わせをしている。王宮内の庭園にすでに彼女はいた。
ソワソワと落ち着かない様子で僕を待っている様だ。
「アリシア嬢お待たせしてすまない。」
真っ直ぐと此方を見る彼女と目があった時に胸がキュッと熱くなる。違和感を覚えて胸を押さえてその場に佇むと「だ、大丈夫ですか?」と自分のことの様に心配する彼女が此方を見ている。
「大丈夫ですよ。なんでもありません。」
これ以上心配をかけない様に席に着いて笑いかけると。彼女はまた緊張してしまったのか、表情がだんだん固くなっていく。
また、あの時の表情だ。やっぱり、可愛い
彼女がする行動一つ一つが愛おしく感じる。
今だって、彼女が持った、ティーカップが緊張でカタカタ揺れていて慌てている姿も、僕にだけ向ける表情も可愛いくて仕方がない。
一緒に過ごせるだけで、胸が満たされるのは彼女が初めてだ。もしかしたら、これが僕の初めての恋かもしれない。
恋に気付いた。次の日、王宮の入り口まで彼女を迎えに行くとパニックにさせてしまったみたいで、その日はお茶会が出来なくなってしまった。あれだけで、パニックになって気絶する彼女が可愛い。ただ、会えないのは耐えられないので明日からは気をつけなければならない。
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