悪役令嬢の本音

ふくvv

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2.幼少期

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殿下の婚約者になってからは王宮に王妃教育
の為、毎日、登城している家族での団欒は朝だけだ。


「アリシア、殿下とは仲良くしてるかい?」


お父様がにっこりと爽やかに笑っている時は何か私に何か言いたい事がある時だ。


「毎日、お茶してますわ」


仲良くしているかと聞かれると困ってしまうあまり仲良く話せているとは自分でも思えない。殿下はこんな私にも優しく微笑んで下さる素晴らしい方だが、私は相変わらず好きな人に恐ろしい形相をしているようだ。


「国王陛下がルーカス様にも上手くいかないことがあると知って、彼奴をからかうのは楽しいと私に嬉しそうに話してくれたんだ。最近で、上手くいかないことと、聞くとアリシアのことだと思うんだが」


「うっ…」


私は殿下にまで迷惑をかけているのだわ。


「アリシア、君が殿下をお慕いしているのであれば自分の気持ちを素直に言える様になりなさい。」


「はい、お父様」


「そろそろ、馬車が迎えに来る時間だろ行っておいで」


「はい、お父様」










そして、王宮に着くと馬車のドアが従者によって開かれた。


殿下がお迎えに来てくださったみたいで、私を見つめて素敵な笑顔で微笑んでいる。それをみて私は思わず馬車のドアを閉めた。



バタンッと音が鳴った瞬間に「えっ…」と言う複数人の声が聞こえた。


なぜ、ドアを閉めてしまったの!!
殿下が、初めて迎えに来てくださった嬉しさと、あの素晴らしい笑顔が眩しすぎたからなのごめんなさい!!
ドアをまた開ければいいのに、タイミングがわからない!!
寧ろ、タイミングなんてあるのかしら?
開けずに待つべきかしら?
どうするべきなの?


「アリシア嬢?あ、開けてもいいですか?」


こんな時でも、殿下は優しく声を掛けてくれるのだわ。一言、はいと言えばいいだけよアリシア


「はに!」


アリシアはたった一言も上手く言えず、そのまま気を失った。

目が覚めた時にはお茶会の時間は、過ぎていてその日殿下に会うことは叶わなかった。
殿下からの伝言で「あまり気にせず、明日もお会いしたいです。」と言う言葉が嬉し過ぎて馬車の中で、悲鳴をあげそうになるのを耐えていた。



屋敷に帰り着くとお父様から「アリシア?どうしてそんなに歪な顔をしているの?」と鏡を見せられて別の意味で悲鳴をあげた。
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