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待ち合わせ

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 僕はシャワーを浴びて眠気を吹き飛ばし、自分が持っている中で一番良いと思う服を身に着けて駅に向かった。

 11:45
 集合場所のコンビニに着いたが、彼女の姿はまだ無かった。少しの間立ったまま待っていたが、じっとしていても緊張が増すばかりなのでコンビニに入った。特に買うものは無いがコンビニで何もしないのも不自然なので、僕は店内をうろうろしていた。商品を見ている振りをしていたが、何も見えてはいなかった。それくらい緊張していた。

 11:50
 僕はコンビニを出た。それから2分後に彼女がやって来た。制服姿しか見たことがなかったので、気づくのが少し遅れた。

 彼女は薄いベージュのワンピースにグレーのパンプスを履き、グレーのハンドバッグを腕から下げていた。彼女の髪はセミロングで学校では2つ結びにしている。今日は結んでおらず、ヘアアイロンで巻かれた髪はふんわりとしていた。それから控えめな化粧をしていた。彼女は10メートルほど先から、僕の顔を覗き込むようにして小さく手を振りながら歩いて来た。
「お待たせ。」
 少しの間、お互い立ち止まったまま黙っていた。僕は彼女の美しさに見惚れていた。
「そんなに見られたら恥ずかしいじゃない。」
「ごめん。」
 僕は慌てて目を逸らした。前にも同じことを言われた気がする。
「じゃあ行こっか。」
 彼女は微笑んで目的地の方角を指さした。
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