最強の滅竜士(ドラゴンバスター)と呼ばれた俺、チビドラゴンを拾って生活が一変する

八神 凪

文字の大きさ
上 下
116 / 116

最終話 狩る者から駆る者へ

しおりを挟む

 ――ドラゴン
 
 人間には絶対に手に入れられない巨体を持つ世界でも有数の生物。

 時に飛行能力を持ち、人に変わることができるという生態も持つ。

 そんなドラゴンを俺は何十頭と狩ってきた。

 最後に意識を失った時、元気なフリをしていたが魔力をほぼ使い切ったためだ。
 魔力を使い切ると命に関わる。それでも、ヤツは倒しておかなければならないと判断して全力を出した。

(俺はこれで死ぬか……? セリカ、アイラ、フォルスにフラメ、シュネル、ヴィント……後は任せる……)

 手足も動かず、俺はそんなことを考えていた。
 というかまだ意識があるのか。セリカやフォルスの声が最後に聞こえていたけど、静かになった。

 このまま死ぬのか……セリカとアイラには悪いことをしたな……だけどあの二人ならいい人が見つかるだろう――

 意識が飛ぶな、という感覚に襲われいよいよだと覚悟を決める。死ぬ間際に過去のことを思い出したり、死んだ人に会うと師匠に聞いたことがあったけど現実はこんなものか。

【そうでもないぞ】
「え?」

 不意に声が聞こえて俺はドキッとして目を開けた。するとそこは病院のベッドでも、屋敷でも、まして外でもなく、なにも無い真っ白な空間だった。
 慌てて上半身を起こすと、目の前にいかつい金髪の男と、翡翠色の髪をした柔和な女性が立っていた。
 立ち上がろうとすると、男が手で俺を制して口を開く。

【ああ、そのままで構わないよ。ラッヘ……いや、ディカルが本当の名だったか】
「なんだって……? あなたは一体?」
【あなたが良く知っている者よ。あの子……フォルスを助けてくれてありがとう】
「……!? まさか、クィーンドラゴン……! そっちの男は……誰だ?」
【おう!?】

 俺の言葉に男はずっこけた。
 するとクィーンドラゴンがくすくすと笑いながら口を開いた。

【ふふ、彼はカイザードラゴンよ。あなたが倒した最強のドラゴン】
「あんたが!? ……あの時はすまない、倒すしかなかった」
【フッ、会って最初に言うのが謝罪とは優しい人間だな。お前のことはずっと剣として見ていたが信頼に値するものだと思ったよ】

 カイザードラゴンはそう言って困った顔で笑う。どうやら俺のことは恨んでいないらしい。

【むしろ世界を壊さずにすんで良かったと思っている。全てダークドラゴンの仕業だったわけだが、ああなってしまった以上言い訳もできない。ありがとう】
「いや……俺は倒しただけで……というかブラックドラゴンじゃなかったのか!?」
【それができる人間もドラゴンも多くはない。……とはいえ、カイザードラゴンなどと呼ばれてもあの病に抗えなかったのだから私もその程度だということか】
「……あんたは強かったよ。どのドラゴンよりも。死ぬ一歩手前までいっていたからな。最後に手加減したんじゃないのか?」
【……どうかな?】

 不敵に笑うカイザードラゴンが肩を竦めると、今度はクィーンドラゴンが一歩前へ出て話し出す。

【次は私から。病にかかってしまえば後は死ぬだけだったあの子を助けてくれて本当にありがとう。フォルスという名前、とてもいいわ】
「あいつは俺についてきた。必死にな。生きる意志を感じた。それとな」
【ん?】
「可愛かった」
【あははははは! そうね、あの子は可愛いわね! ……そんなあなたをドラゴンの復讐に駆り出してしまった。同胞がすまないことをしたわ……】
「もう倒して終わったことだ。ドラゴンそのものを恨んじゃいない」

 俺の感想を言うと、クィーンドラゴンが大笑いをした後、しんみりという。
 実際、辛いことばかりだったが、最後はしっかり倒すことができたし、恋人もできた。ドラゴンもいい奴らだとわかったしな。

【まだ、終わりではない】
「なに?」
【あなたはセリカさん達のところへ戻らなければならない。辛い目にあうのは私達だけで十分】
「しかし、もう俺には魔力が、ない」

 そう言ってくれるのは嬉しいが起き上がることができない。だからこそ死んだ二人に会っているのだろうから。
 しかしその考えを打ち消す言葉を投げかけてきた。

【大丈夫だ。私達はもう逝くが、最後の力をお前に渡そう】
【二人分の力があれば目を覚ますことができるわ。ここに呼んだのは話したかったのと、力を渡すことが目的だったの】
「そんなことが――」

 できるのかと言おうとした瞬間、二人の姿がぼやけたように見えた。

「ま、待ってくれ! 俺はあんた達を殺したんだ! ここまでしてもらうわけには……!」
【フォルスを、私達の子を頼む。それだけで十分だ】
【まだ他のドラゴンも治っているとは思えないから、あなたが居てくれると世界が助かるわ】
「すまない……! ありがとう――」

 泣いていてぼやけているのか、そういうものなのか分からなくなったころ、俺は白い空間に飲み込まれるようにして意識がまた遠くなっていく――

(いつかまた会おう――)

◆ ◇ ◆

「ありがとう!」
「うわぁ!?」
「ぴゅいー!?」
「息を吹き返した!? 陛下! 王妃様! 王子ぃぃぃぃ!!」

 叫びながら起き上がると、目の前にセリカの顔があり、胸にはフォルスが張り付いていた。
 上を見ればシュネルが見下ろしており、両脇には小さくなったフラメとヴィントが立っていた。
 まだフラメが倒れていたところだったようで、地面には乾いていない血のシミがある。

「俺は――」
「うわああああん! 良かったぁぁぁ! 結婚する前に死んじゃうかと思ったぁぁぁ」
「うわ!?」
「本当よ! 仇が来たと言って出て行ってからこんなことになっているなんて!」

 セリカに泣きながら抱き着かれ、声がする方を見るとアイラもこの場に駆け付けていた。少し涙ぐんでいるが大泣きをしないのが大人だなと妙なことを思ってしまう。

【お前もしぶといな】
「フラメに言われたくはないな」

 全身を傷だらけにして腕組みをするフラメに笑いかける。なんとかお互い生き残ったようだ。

【しかし、見事だったね。これでドラゴン達も無駄に暴れなくて済む】
【せやなあ。みんな見とった? わしの雄姿!】
「ぴゅー♪」
「あはは、フォルスは見てたみたいよ」
「もちろん我々も見ておりましたよ! 弱いドラゴンなどとんでもないですよ」
【ありがとうなー!】

 和やかなムードの中で騎士や兵士たちも加わってきた。そこへ陛下達が馬車で駆けつけてきた。

「無事か……!」
「みんな!」
「た、倒したんだな……!? すごいぞラッヘさん!」
「陛下。それとみんなに話したい事がある――」

 俺はセリカの背中を撫でながら応対し、先ほど見た夢のような出来事を話した。
 フォルスはカイザードラゴンとクイーンドラゴンの子であること。
 ここに俺を戻してくれたのはその二人で会ったことなどをだ。
 最初は困惑していたが、今までの経緯から疑っても仕方が無いと皆が口にした。

【あいつダークドラゴンやったんかい……】

 とりあえずみんなが思っていたことをシュネルが口にし、それぞれ苦笑していた。
 多分、自分のタイプには興味が無かったのだろう。
 その後で陛下が口を開いた。

「ご苦労だったな、ラッヘ……いや、ディカルよ。各国には私から通達を出しておく。恐らく、お前にたくさんの礼が来るだろう」
「そうですわね! これで旅を続けなくてもよくなったし、屋敷で暮らすんでしょう?」

 陛下と王妃様が笑顔で語る。

「フラメ達も暴走しないなら、僕は空を飛んで色々な土地へ行きたいなあ。なあフォルス?」
「ぴゅい!」

 フォルスは抱っこされているい俺の腕でエリード王子に『どんとこい』と腕を広げていた。
 屋敷に残る……それでもいいかもしれない。復讐は終わった。剣を手放し、別の仕事について穏やかに暮らすこともできるだろう。

 しかし、俺にはまだ考えていることが、ある。

「陛下。各国に連絡を取るならお願いしたいことが」
「ん? なんだ? 世界の英雄の頼みだ、多少の無茶は聞けると思うぞ」
「では……」

 俺は一度、深呼吸をしてドラゴン達を見渡す。

「ぴゅい?」
【なんだ?】
【どうかしたかい?】
【なんや? わしは出ていかんで? 芋食いたいし】
「俺の願いは――」

◆ ◇ ◆

「ディカルさん! 東にある『ヤークル国』で二本角のドラゴンが発見されたと伝令が!」
「お、また珍しいタイプのドラゴンだな! よし、竜騎兵団《ドラグナー》は準備をして現地に向かうぞ」
「オッケー!」
「気を付けてね!」
【行くぞ】

 レスバが一報を持ってきて、俺達は武器を持って立ちあがる。

 あれから半年が経った――
 
 陛下にお願いをし俺達は今、海の孤島に住み家を移していた。
 そこで、セリカやアイラ、ドラゴン達と一緒に暮らしていて、さらに仕事もしている。

 仕事内容はドラゴンの治療。

 被害は広がらなくなったが、病にかかったままのドラゴンがまだたくさんいる。
 俺はそいつらを助けるための組織を作ったのだ。
 ちなみにこの半年で数頭保護することができている。ヴィントとシュネルが飛べるのが大きい。
 各国から許諾を貰い、目立つよう旗をもって飛んでいるためお咎めもないしな。

 そしてこの孤島は海のど真ん中で、絶好の場所にあり、空を飛べさえすれば各国にアクセスするのが容易となっている。
 孤島と言っても広く、他に王都から来た研究者や騎士に兵士も移住しているため集落にも見えるかな?
 ドラゴンが増えれば手狭になるが、人型になれるようフラメ達も修行をしていた。

「ディカルさん早く! 被害が出る前に!」
「ああ、すぐ行く!」

 セリカが笑顔で俺を呼ぶ。
 次はどんな奴なんだろうな? この前のは氷を操るヤツでなかなか手ごわかったものだ。

 ……ドラゴンを殺していた俺がドラゴンを助けるようになるとは、人生わからないものだ。

「ぱぁぱ、いこー! ぴゅー!」

 最近、フォルスも歯が生えて来て少し喋れるようになった。こうなると益々可愛く見える。相変わらずぴゅいぴゅいしていることが多いが。

【今日はオレも行こう】
「頼むぞフラメ」
【フラメにいちゃ、いこー!】

 フォルスと巾着に入ったフラメを抱えて外に出る。そこには大きくなったヴィントが待っていた。

「シュネルは?」
「フェークさんが買い物に行くのに乗って行っちゃったわ」
「マジか。あの人、まさか居つくとは思わなかったなあ」
「情報収集能力が高いからありがたいけどね! さ、それじゃ行くわよー!」

 フェークさんは情報収集、レスバはこの島で手紙や船で来た人達の相手をするようになり、居ついてしまった。まあ、ふらりと居なくなる可能性があるけど、今は頼らせてもらっている。

「ぴゅー♪ まぁま、いこー!」

 こいつを拾ってから巡り合わせが変わった。
 あの時、チビドラゴンを拾わなかったら俺はまだ滅竜士《ドラゴンバスター》としてドラゴンを殺し続けていただろうか?

「……ま、過去は過去だ。行先はヤークル国だ、頼むぞヴィント!」
【任せてよ! それ――】

 そして俺はまたドラゴンの下へ。
 狩る者から駆る者……滅竜士《ドラゴンバスター》から竜勇士《ドラゴンマスター》として、彼等を助けるために――



――FIN――





◆ ◇ ◆

どうも作者の八神です!

最強の滅竜士(ドラゴンバスター)と呼ばれた俺、チビドラゴンを拾って生活が一変する

これにて終了となります!
ここまで読んでくれた方へ厚く御礼申し上げます!

本当はキャラがもう少しいたので(冒険者三人組とか)掘り下げの話とかも書きたかったのですが、そこまで人気も無かったので終了とさせていただきました。申し訳ございません……

まだ連載中のお話や、新作もご用意しておりますのでそちらもよかったらよろしくお願いいたします!

では、またどこかでお会いできるのを楽しみにしております!

八神 凪
しおりを挟む
感想 217

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(217件)

yana
2024.05.04 yana
ネタバレ含む
八神 凪
2024.05.05 八神 凪

>yanaさん

最後までお付き合いいただきありがとうございました!
まだまだ書けそうですが、他の作品もあるので今回はここまでということで……まだいっぱい書きたい話があるのでそちらもぜひお願いします!

解除
リョウ
2024.05.04 リョウ
ネタバレ含む
八神 凪
2024.05.05 八神 凪

>リョウさん

最終的にドラゴンの駐留島になりそうですね(笑)
国として機能するのも難しくなさそうですが、現場に行く王様になりそうで止められそう( ;∀;)
最後までお読みいただきありがとうございました!

解除
リョウ
2024.05.02 リョウ
ネタバレ含む
解除

あなたにおすすめの小説

異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!

椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。 しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。 身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。 そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!

貧弱の英雄

カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。 貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。 自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる―― ※修正要請のコメントは対処後に削除します。

ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。

夜兎ましろ
ファンタジー
 高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。  ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。  バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。

回復力が低いからと追放された回復術師、規格外の回復能力を持っていた。

名無し
ファンタジー
回復術師ピッケルは、20歳の誕生日、パーティーリーダーの部屋に呼び出されると追放を言い渡された。みぐるみを剥がされ、泣く泣く部屋をあとにするピッケル。しかし、この時点では仲間はもちろん本人さえも知らなかった。ピッケルの回復術師としての能力は、想像を遥かに超えるものだと。

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。

sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。 目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。 「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」 これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。 なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

ガチャと異世界転生  システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!

よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。 獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。 俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。 単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。 ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。 大抵ガチャがあるんだよな。 幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。 だが俺は運がなかった。 ゲームの話ではないぞ? 現実で、だ。 疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。 そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。 そのまま帰らぬ人となったようだ。 で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。 どうやら異世界だ。 魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。 しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。 10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。 そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。 5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。 残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。 そんなある日、変化がやってきた。 疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。 その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。

雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜

霞杏檎
ファンタジー
祝【コミカライズ決定】!! 「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」 回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。 フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。 しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを…… 途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。 フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。 フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった…… これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である! (160話で完結予定) 元タイトル 「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。