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その88 やっぱりそうだよな
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【ふむ! やはりこの肉は美味かったな、見立て通りだ! 酒とやらに合うぞ】
「良かったわねフラメ。血を抜いたからたくさん食べて」
「器用だなあ……」
「研究しがいがある子だねえ」
というわけで晩御飯は買ってきた食材で宴会のような席になった。
時間があったので俺はテーブルの高さに合わせたフラメ専用の椅子を作って設置した。今日の主役は彼だからな。
【どうだ】
「ぴゅー♪」
「おおー」
酒の量が多くなっているせいか珍しく上機嫌だ。『口から炎』の極小版を見せたりして、フォルスとパティに拍手されていた。
まあ、たまにはいいだろう。
子供たちの相手はお兄ちゃんに任せるとして俺とセリカはグレリアとテリーへ話を振る。
「なにかおかしな点などはあったか?」
「まだ全然だよ。ドラゴンの生態なんて誰も知らないからね」
「それもそうか……でも、暴れ出す以前の文献とか残っていないのかしら」
テリーの言うことはもっともだ。しかしそこでセリカが『ドラゴンはいつから暴れていたのか』という疑問を口にした。
【ふむ、記憶が無いので定かではないがここ2、300年程度のことであろうな。姿を現す個体がどれだけ人間の目に入ったかわからないが】
「結構前になるんだな……」
【ドラゴンからするとそれほど長いわけではないが、人間だといくつか世代交代しているか】
「私のおじいちゃんのおじいちゃんくらいからかあ」
セリカが感慨深く呟くと、グレリアがステーキをフォークに刺してから言う。
「むしろ暴れ始めてからドラゴンが目に付くようになったんだよな。だからそれ以前も生態はまるで不明だ」
「でも今はだんだん判明してきていますけど。ねー?」
【ん? なんだ?】
ドラゴンとは俺にとっては倒すべき象徴であったが、神秘的な存在でもある。
言葉が通じず、破壊の化身……それがドラゴン。
……だったが、口の周りをソースまみれにしたフラメの顔は神秘性のかけらもない。フォルスも懐きすぎだ。
そして隣に座るセリカが笑顔で撫でている隣人になれる可能性はあるなと感じる。
「フォルス」
「ぴぃ? ぴゅいー♪」
呼べばすぐに飛んできて甘えてくるフォルスに顔が綻ぶ。全部のドラゴンが悪いわけじゃない。
「早く、研究の成果が出るといいな」
「……そうだね。そうだ、フォルスの唾液をもらおうかな。怪我が治ったってきいたよ」
「パティがフォルスちゃんとフラメをお風呂に入れるの!」
「セリカお姉ちゃんと一緒ならいいわよ」
そんな感じでグレリア一家と楽しく夜を過ごすことになった。フラメがフォルスに酒を飲ませようとしてセリカに拳骨を食らっていたのは面白かったな。
◆ ◇ ◆
「へえ、それじゃその装備がドラゴンの?」
「そうさ! 村の近くに居たでかいのを倒したんだ」
「パーティで倒したのかい?」
「その時は村の人間と冒険者を含めた二十人くらいいたけどな! でも、俺はその中でもしっかり攻撃して回避もしていた。ドラゴンは怖くねえって思って冒険者になるため出て来たんだ」
ヒュージが酒場で集まって来た冒険者相手にそんな話をしていた。
実際に手にした武器や防具を見せると他とは格が違うという『雰囲気』を出しており、嘘ではなさそうだと冒険者が集まっていた。
「冒険者資格も一発で通ったし、これから楽しみだぜ! 滅竜士《ドラゴンバスター》として名を馳せるのも時間の問題だろ?」
「ははは、若い奴は強気でいいねえ。でも一人は止めた方がいいぞ。最低でも回復魔法が使える者を連れて行かないと。ラッヘさんって人が初めてその称号を貰ったけど、一人で倒せるのは彼だけだ」
「平気平気! 今日、それこそラッヘって滅竜士《ドラゴンバスター》に会ったけど、大したこと無さそうなおっさんだったぜ? それに女の子を連れてた」
「なに……? ラッヘさんに会ったのか?」
「大したことがない、だって?」
大声でそう口にした瞬間、空気が変わった。先ほどまで感嘆の声を上げていた者達が打って変わって疑心の目を向けていた。
「お、なんだぁ?」
「お前……あの人の凄さを知らないのか?」
「一人でドラゴンを倒しているんだろ? 確かにすげえ。けど俺も殆ど一人で出来たんだ、あんなおっさんには負けねえよ!」
「はあ……わかってないわね。あの人は十年、あちこちのドラゴンを討伐してきた実績があるのよ? ここにいる奴の中には助けてもらったのもいるかもしれない。そんな人が駆け出しのあんたが軽く見ていい相手じゃあないの」
「んだと? 俺は他の魔物も倒してきてんだぜ?」
他の冒険者達が呆れたように諭してくるのを聞いてヒュージが苛立ちを見せた。
酒が入っているので、語気が強めである。
「そりゃラッヘさんも同じだ。ドラゴン一頭と十年で三十以上倒した相手と同列になるかって話だよ。倒したのは凄いと思うけど、お前さんはまだ若い。見誤るなよ」
「くそ……なんであんなおっさんが……可愛い子を連れていたし、どうして」
「なに? 可愛い子だと?」
「……! ああ、そうだ! 一人でなんてとんでもない、あいつはパーティを組んでいたぞ!」
ここぞとばかりにヒュージが笑いながらあいつはズルをしているというような発言をする。
しかし――
「いやあ恋人でもできたのかね。良かったなあ」
「あの人は本当にできた人だからね。あたしが立候補したいくらいだったよ」
「あれだけ強ければ子供ができたらきっと強い子が出来るさ」
――ヒュージが期待したものとは違い、皆安堵の声をあげていた。
「ど、どうしてだ!? 奴は一人で戦っていないんだぞ……」
「だから若いってんだ。それならそれに越したことはないのさ。ラッヘさんが一人で戦う理由は他の人間を巻き込みたくないからなんだぞ? それが人を連れているというだけで大ごとよ」
「誰も寄せ付けない人だったもんねえ。いつ死ぬかもわからないからって」
「な、なんなんだ、あのおっさん……?」
ヒュージは苛立ちよりも困惑が先に来た。こんなに慕われている人間はそう居ない、と。
「……くそ!」
話題がラッヘになり注目されなくなったヒュージは悪態をつきながら酒をあおる。
そして翌日、ギルドに緊急の連絡が入る――
「良かったわねフラメ。血を抜いたからたくさん食べて」
「器用だなあ……」
「研究しがいがある子だねえ」
というわけで晩御飯は買ってきた食材で宴会のような席になった。
時間があったので俺はテーブルの高さに合わせたフラメ専用の椅子を作って設置した。今日の主役は彼だからな。
【どうだ】
「ぴゅー♪」
「おおー」
酒の量が多くなっているせいか珍しく上機嫌だ。『口から炎』の極小版を見せたりして、フォルスとパティに拍手されていた。
まあ、たまにはいいだろう。
子供たちの相手はお兄ちゃんに任せるとして俺とセリカはグレリアとテリーへ話を振る。
「なにかおかしな点などはあったか?」
「まだ全然だよ。ドラゴンの生態なんて誰も知らないからね」
「それもそうか……でも、暴れ出す以前の文献とか残っていないのかしら」
テリーの言うことはもっともだ。しかしそこでセリカが『ドラゴンはいつから暴れていたのか』という疑問を口にした。
【ふむ、記憶が無いので定かではないがここ2、300年程度のことであろうな。姿を現す個体がどれだけ人間の目に入ったかわからないが】
「結構前になるんだな……」
【ドラゴンからするとそれほど長いわけではないが、人間だといくつか世代交代しているか】
「私のおじいちゃんのおじいちゃんくらいからかあ」
セリカが感慨深く呟くと、グレリアがステーキをフォークに刺してから言う。
「むしろ暴れ始めてからドラゴンが目に付くようになったんだよな。だからそれ以前も生態はまるで不明だ」
「でも今はだんだん判明してきていますけど。ねー?」
【ん? なんだ?】
ドラゴンとは俺にとっては倒すべき象徴であったが、神秘的な存在でもある。
言葉が通じず、破壊の化身……それがドラゴン。
……だったが、口の周りをソースまみれにしたフラメの顔は神秘性のかけらもない。フォルスも懐きすぎだ。
そして隣に座るセリカが笑顔で撫でている隣人になれる可能性はあるなと感じる。
「フォルス」
「ぴぃ? ぴゅいー♪」
呼べばすぐに飛んできて甘えてくるフォルスに顔が綻ぶ。全部のドラゴンが悪いわけじゃない。
「早く、研究の成果が出るといいな」
「……そうだね。そうだ、フォルスの唾液をもらおうかな。怪我が治ったってきいたよ」
「パティがフォルスちゃんとフラメをお風呂に入れるの!」
「セリカお姉ちゃんと一緒ならいいわよ」
そんな感じでグレリア一家と楽しく夜を過ごすことになった。フラメがフォルスに酒を飲ませようとしてセリカに拳骨を食らっていたのは面白かったな。
◆ ◇ ◆
「へえ、それじゃその装備がドラゴンの?」
「そうさ! 村の近くに居たでかいのを倒したんだ」
「パーティで倒したのかい?」
「その時は村の人間と冒険者を含めた二十人くらいいたけどな! でも、俺はその中でもしっかり攻撃して回避もしていた。ドラゴンは怖くねえって思って冒険者になるため出て来たんだ」
ヒュージが酒場で集まって来た冒険者相手にそんな話をしていた。
実際に手にした武器や防具を見せると他とは格が違うという『雰囲気』を出しており、嘘ではなさそうだと冒険者が集まっていた。
「冒険者資格も一発で通ったし、これから楽しみだぜ! 滅竜士《ドラゴンバスター》として名を馳せるのも時間の問題だろ?」
「ははは、若い奴は強気でいいねえ。でも一人は止めた方がいいぞ。最低でも回復魔法が使える者を連れて行かないと。ラッヘさんって人が初めてその称号を貰ったけど、一人で倒せるのは彼だけだ」
「平気平気! 今日、それこそラッヘって滅竜士《ドラゴンバスター》に会ったけど、大したこと無さそうなおっさんだったぜ? それに女の子を連れてた」
「なに……? ラッヘさんに会ったのか?」
「大したことがない、だって?」
大声でそう口にした瞬間、空気が変わった。先ほどまで感嘆の声を上げていた者達が打って変わって疑心の目を向けていた。
「お、なんだぁ?」
「お前……あの人の凄さを知らないのか?」
「一人でドラゴンを倒しているんだろ? 確かにすげえ。けど俺も殆ど一人で出来たんだ、あんなおっさんには負けねえよ!」
「はあ……わかってないわね。あの人は十年、あちこちのドラゴンを討伐してきた実績があるのよ? ここにいる奴の中には助けてもらったのもいるかもしれない。そんな人が駆け出しのあんたが軽く見ていい相手じゃあないの」
「んだと? 俺は他の魔物も倒してきてんだぜ?」
他の冒険者達が呆れたように諭してくるのを聞いてヒュージが苛立ちを見せた。
酒が入っているので、語気が強めである。
「そりゃラッヘさんも同じだ。ドラゴン一頭と十年で三十以上倒した相手と同列になるかって話だよ。倒したのは凄いと思うけど、お前さんはまだ若い。見誤るなよ」
「くそ……なんであんなおっさんが……可愛い子を連れていたし、どうして」
「なに? 可愛い子だと?」
「……! ああ、そうだ! 一人でなんてとんでもない、あいつはパーティを組んでいたぞ!」
ここぞとばかりにヒュージが笑いながらあいつはズルをしているというような発言をする。
しかし――
「いやあ恋人でもできたのかね。良かったなあ」
「あの人は本当にできた人だからね。あたしが立候補したいくらいだったよ」
「あれだけ強ければ子供ができたらきっと強い子が出来るさ」
――ヒュージが期待したものとは違い、皆安堵の声をあげていた。
「ど、どうしてだ!? 奴は一人で戦っていないんだぞ……」
「だから若いってんだ。それならそれに越したことはないのさ。ラッヘさんが一人で戦う理由は他の人間を巻き込みたくないからなんだぞ? それが人を連れているというだけで大ごとよ」
「誰も寄せ付けない人だったもんねえ。いつ死ぬかもわからないからって」
「な、なんなんだ、あのおっさん……?」
ヒュージは苛立ちよりも困惑が先に来た。こんなに慕われている人間はそう居ない、と。
「……くそ!」
話題がラッヘになり注目されなくなったヒュージは悪態をつきながら酒をあおる。
そして翌日、ギルドに緊急の連絡が入る――
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