6 / 116
その6 スパルタ教育
しおりを挟む
ということで村に七日ほど滞在した。
理由はドラゴンの死体をそのままにできないため、解体と移送を繰り返していたからだ。後は頭を埋めるだけとなった。
「お前の母親だ。お別れをしておけ」
「ぴゅー?」
「喋るドラゴン……。安らかに眠ってくれ」
「ぴゅー」
チビはよく分かっていないようだ。俺と見比べて小さく鳴いていた。すると、胸元からチビが飛び出して駆けて行く。
「お、どうした……?」
「ぴゅい! ぴゅーい!」
その瞬間、頭だったものがぼそりと崩れた。そしてその場所に、手の平に収まるくらいの大きさをしたとてもキレイな翡翠色の玉が。
「ぴゅーい」
「……宝玉って感じだな」
チビが抱き着いてころころと転がる。顔だけでは母親と分からなかったようだがこれは本能的に『そうだと』感じているのかもしれないな。
「もっていくか。いつか俺が倒すかもしれないが……チビのお守りにでもしてもらおう」
「ぴぃ! ぴぃ!」
「また町に行ってから出してやるよ。そら」
「ぴ。ぴぃ~♪」
首だけだした状態でまた懐に入れてやる。そのまま踵を返しその場を立ち去ることにした。
「……」
最後に一度だけすり鉢状になった巣を見てからまた歩き出す。
胸になんとも言えない気持ちを抱えて――
◆ ◇ ◆
「世話になった」
「いえ、迅速な対応ありがとうございます。さすが滅竜士《ドラゴンバスター》と呼ばれる方は違いますな」
「いや、ただ殺すだけだからな俺は」
「ドラゴンを一人で殺せるなんて人間はいねえから謙遜しないでくださいよ! ではこれが報酬金貨十枚」
俺は革袋を受け取り中身を確認する。問題なさそうだ。そこで村長が深く頭を下げて再度お礼を言ってきた。
「ドラゴンの素材を売ればその金貨くらいはあっという間に稼げます。全部貴方様のもので売れば良かったと思うのですが、よろしいのですか?」
「どうせ長旅に持ち歩くには不便だからな。路銀分と武具の素材で必要なものだけあればいい。肉も日持ちしないから」
村に町から数人、商人達を呼んで素材を売ったのだが、いくつかは村のために残しておいた。村にも武器が必要だからな。有効活用して欲しいものだ。
「ではな」
「うう、おチビちゃん、元気でね……」
「ぴゅー! ……すぴー」
「寝ちゃった……。それではラッヘ様もお元気で!」
「ああ」
しばらく村で人気者になっていたチビを撫でながら女の子は言う。俺は片手を上げて挨拶をするとでかいリュックを担いで馬にまたがった。
「……また頼むぜ相棒」
恐らくもう来ることはないだろう村を後にし、俺は元々行く予定だった別の町へ向かう。
◆ ◇ ◆
――ラッヘが旅立って数時間後の村
「ちわーす!」
「おや、商人のお嬢さんじゃないか。もう売れるドラゴン素材は無いぞ?」
「いぇっへっへ……。今日の用事は彼ですよ。滅竜士《ドラゴンバスター》のラッヘさん! どこに居ますか?」
先日、ドラゴン素材を売った商人の一人が村を訪ねて来た。村人が用件を聞くとラッヘに用事があったという。
そんな彼女に冷や汗を流しながら村人は言う。
「なんて邪悪な笑み……!? というかとっくに旅立ったよ。いやあ有名人は仕事も早い!」
「なんで!?」
「なんでってそりゃ仕事が終わったんだから旅立つだろう……」
当然である。
すると商人は荷台のついた馬車に乗り込むと、鞭をしならせた。
「こうしちゃいられません……! やっと足取りを摑まえたんです、追いかけないと! こんな村に用はありません行きますよ!」
すぐに馬車は発進し、砂埃を上げて走り去っていった。その様子を見て村人たちが肩を竦めて口々に言う。
「なんて失礼な娘だよ」
「まったくだ。売って損したなあ」
「それにしてもあいつ慌てて行ったけどラッヘ様の向かった方とは別んとこだぞ」
「ふん、いいさ。こんな村の話にゃ興味はねえだろ」
と、村人たちは平和になった村で自分達の仕事に戻って行くのだった。
◆ ◇ ◆
「……そろそろ陽が暮れるな。野営の準備をするか」
「ぴぃ」
「準備するのに潰しちまいそうだから降りろ」
「ぴっ!」
小さい爪を立てて懐から出るのを嫌がるチビ。といっても赤ちゃんなのでちょっと力を入れて摘まめば離れるのだが。
「そこで大人しくしていろよ」
「ぴぃぃ……」
毛布を取り出してその上に置いておく。すると俺の足に絡みついて来た。
「おう!? 危ないんだって。随分と甘えん坊だなこいつ……」
「ぴぴぃ! ……ぴぃ!?」
作業ができないので俺は毛布を移動させてその上にもう一度落とす。
「お前の母親は強かったぞ? 置いて行ったりしないから我慢しろ」
「ぴぃ……」
そこでようやく毛布の上でころんと転がった。俺は簡単に作れる魔道具のテントを広げる準備をする。
魔力で圧縮をしていると、作ってくれた人物は言っていたが俺にはよく分からない。
高い金を出して特注してもらった便利な道具くらいの認識だ。
「後は魔力を――」
と屈んだところで、後ろから大きな声が聞こえて来た。
「ぴぃぃぃぃぃ!」
「お!? ……っと、なんだ、結局来るのかよ」
「ぴぃ♪」
嬉しそうに鳴きながら懐に潜り込むチビ。よたよたとダッシュしてきたのはちょっと驚いたが……
「まあ、頑張ったな。飯にするか」
赤ちゃんには距離があるのでこいつなりに努力をしたと言える。なのでひと撫でしてからそう言ってやった。
「ぴぃぃ~♪」
村で飯という言葉は覚えたようで、これを言うと甘えた声を出す。現金なヤツだ。
だけどまあ、こうやってついてくるのは可愛い気もする。
「お前、動物同士なんだからジョーとも仲良くしろよ?」
「ぴぃ……」
ジョーは俺の愛馬だが、最初に見せた時チビは固まっていた。ちょっと怖かったらしく漏らしていたからな。
ジョーの方を見ると顔を隠した。ジョーは匂いを嗅いだりしていたけど特に問題なさそうなので『仲よくしようよ』と思っているのかもしれない。
「ま、徐々に慣れるさ」
そんなことを呟きながら俺は牛のミルクを温めるのであった。
理由はドラゴンの死体をそのままにできないため、解体と移送を繰り返していたからだ。後は頭を埋めるだけとなった。
「お前の母親だ。お別れをしておけ」
「ぴゅー?」
「喋るドラゴン……。安らかに眠ってくれ」
「ぴゅー」
チビはよく分かっていないようだ。俺と見比べて小さく鳴いていた。すると、胸元からチビが飛び出して駆けて行く。
「お、どうした……?」
「ぴゅい! ぴゅーい!」
その瞬間、頭だったものがぼそりと崩れた。そしてその場所に、手の平に収まるくらいの大きさをしたとてもキレイな翡翠色の玉が。
「ぴゅーい」
「……宝玉って感じだな」
チビが抱き着いてころころと転がる。顔だけでは母親と分からなかったようだがこれは本能的に『そうだと』感じているのかもしれないな。
「もっていくか。いつか俺が倒すかもしれないが……チビのお守りにでもしてもらおう」
「ぴぃ! ぴぃ!」
「また町に行ってから出してやるよ。そら」
「ぴ。ぴぃ~♪」
首だけだした状態でまた懐に入れてやる。そのまま踵を返しその場を立ち去ることにした。
「……」
最後に一度だけすり鉢状になった巣を見てからまた歩き出す。
胸になんとも言えない気持ちを抱えて――
◆ ◇ ◆
「世話になった」
「いえ、迅速な対応ありがとうございます。さすが滅竜士《ドラゴンバスター》と呼ばれる方は違いますな」
「いや、ただ殺すだけだからな俺は」
「ドラゴンを一人で殺せるなんて人間はいねえから謙遜しないでくださいよ! ではこれが報酬金貨十枚」
俺は革袋を受け取り中身を確認する。問題なさそうだ。そこで村長が深く頭を下げて再度お礼を言ってきた。
「ドラゴンの素材を売ればその金貨くらいはあっという間に稼げます。全部貴方様のもので売れば良かったと思うのですが、よろしいのですか?」
「どうせ長旅に持ち歩くには不便だからな。路銀分と武具の素材で必要なものだけあればいい。肉も日持ちしないから」
村に町から数人、商人達を呼んで素材を売ったのだが、いくつかは村のために残しておいた。村にも武器が必要だからな。有効活用して欲しいものだ。
「ではな」
「うう、おチビちゃん、元気でね……」
「ぴゅー! ……すぴー」
「寝ちゃった……。それではラッヘ様もお元気で!」
「ああ」
しばらく村で人気者になっていたチビを撫でながら女の子は言う。俺は片手を上げて挨拶をするとでかいリュックを担いで馬にまたがった。
「……また頼むぜ相棒」
恐らくもう来ることはないだろう村を後にし、俺は元々行く予定だった別の町へ向かう。
◆ ◇ ◆
――ラッヘが旅立って数時間後の村
「ちわーす!」
「おや、商人のお嬢さんじゃないか。もう売れるドラゴン素材は無いぞ?」
「いぇっへっへ……。今日の用事は彼ですよ。滅竜士《ドラゴンバスター》のラッヘさん! どこに居ますか?」
先日、ドラゴン素材を売った商人の一人が村を訪ねて来た。村人が用件を聞くとラッヘに用事があったという。
そんな彼女に冷や汗を流しながら村人は言う。
「なんて邪悪な笑み……!? というかとっくに旅立ったよ。いやあ有名人は仕事も早い!」
「なんで!?」
「なんでってそりゃ仕事が終わったんだから旅立つだろう……」
当然である。
すると商人は荷台のついた馬車に乗り込むと、鞭をしならせた。
「こうしちゃいられません……! やっと足取りを摑まえたんです、追いかけないと! こんな村に用はありません行きますよ!」
すぐに馬車は発進し、砂埃を上げて走り去っていった。その様子を見て村人たちが肩を竦めて口々に言う。
「なんて失礼な娘だよ」
「まったくだ。売って損したなあ」
「それにしてもあいつ慌てて行ったけどラッヘ様の向かった方とは別んとこだぞ」
「ふん、いいさ。こんな村の話にゃ興味はねえだろ」
と、村人たちは平和になった村で自分達の仕事に戻って行くのだった。
◆ ◇ ◆
「……そろそろ陽が暮れるな。野営の準備をするか」
「ぴぃ」
「準備するのに潰しちまいそうだから降りろ」
「ぴっ!」
小さい爪を立てて懐から出るのを嫌がるチビ。といっても赤ちゃんなのでちょっと力を入れて摘まめば離れるのだが。
「そこで大人しくしていろよ」
「ぴぃぃ……」
毛布を取り出してその上に置いておく。すると俺の足に絡みついて来た。
「おう!? 危ないんだって。随分と甘えん坊だなこいつ……」
「ぴぴぃ! ……ぴぃ!?」
作業ができないので俺は毛布を移動させてその上にもう一度落とす。
「お前の母親は強かったぞ? 置いて行ったりしないから我慢しろ」
「ぴぃ……」
そこでようやく毛布の上でころんと転がった。俺は簡単に作れる魔道具のテントを広げる準備をする。
魔力で圧縮をしていると、作ってくれた人物は言っていたが俺にはよく分からない。
高い金を出して特注してもらった便利な道具くらいの認識だ。
「後は魔力を――」
と屈んだところで、後ろから大きな声が聞こえて来た。
「ぴぃぃぃぃぃ!」
「お!? ……っと、なんだ、結局来るのかよ」
「ぴぃ♪」
嬉しそうに鳴きながら懐に潜り込むチビ。よたよたとダッシュしてきたのはちょっと驚いたが……
「まあ、頑張ったな。飯にするか」
赤ちゃんには距離があるのでこいつなりに努力をしたと言える。なのでひと撫でしてからそう言ってやった。
「ぴぃぃ~♪」
村で飯という言葉は覚えたようで、これを言うと甘えた声を出す。現金なヤツだ。
だけどまあ、こうやってついてくるのは可愛い気もする。
「お前、動物同士なんだからジョーとも仲良くしろよ?」
「ぴぃ……」
ジョーは俺の愛馬だが、最初に見せた時チビは固まっていた。ちょっと怖かったらしく漏らしていたからな。
ジョーの方を見ると顔を隠した。ジョーは匂いを嗅いだりしていたけど特に問題なさそうなので『仲よくしようよ』と思っているのかもしれない。
「ま、徐々に慣れるさ」
そんなことを呟きながら俺は牛のミルクを温めるのであった。
11
お気に入りに追加
313
あなたにおすすめの小説

異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!
椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。
しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。
身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。
そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!

貧弱の英雄
カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。
貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。
自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる――
※修正要請のコメントは対処後に削除します。

ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。
夜兎ましろ
ファンタジー
高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。
ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。
バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。

回復力が低いからと追放された回復術師、規格外の回復能力を持っていた。
名無し
ファンタジー
回復術師ピッケルは、20歳の誕生日、パーティーリーダーの部屋に呼び出されると追放を言い渡された。みぐるみを剥がされ、泣く泣く部屋をあとにするピッケル。しかし、この時点では仲間はもちろん本人さえも知らなかった。ピッケルの回復術師としての能力は、想像を遥かに超えるものだと。

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

ガチャと異世界転生 システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!
よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。
獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。
俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。
単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。
ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。
大抵ガチャがあるんだよな。
幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。
だが俺は運がなかった。
ゲームの話ではないぞ?
現実で、だ。
疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。
そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。
そのまま帰らぬ人となったようだ。
で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。
どうやら異世界だ。
魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。
しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。
10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。
そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。
5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。
残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。
そんなある日、変化がやってきた。
疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。
その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。

雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜
霞杏檎
ファンタジー
祝【コミカライズ決定】!!
「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」
回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。
フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。
しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを……
途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。
フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。
フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった……
これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である!
(160話で完結予定)
元タイトル
「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる