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第二章
第70話 戦力
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「こいつはクワイエットスパイダーの糸を束ねているな」
「なんだそりゃ?」
「成人女性くらいの大きさをした蜘蛛の魔物だな。あいつの出す糸は魔力の伝達能力が高いんだ。魔法使いのローブや鎧なんかに編み込まれていたりする」
「へえ、面白いな。エネルギー伝達は金属のケーブルとかなんだよな俺の世界だと」
「金属の? それも見てみたいな……」
「はいはい、手を動かして!」
おっと、仕事は意外としっかりしてるなバスレーナは。
俺とギャレットさんは手を叩く彼女に促されて魔兵機《ゾルダート》の左腕をヴァイスで動力パイプのようなものを胴体と繋げる。
その瞬間、エネルギーが行きわたったのかむき出しのケーブルに紫の光がともった。
「よし、ビッダー。左腕を動かしてくれ」
「了解」
寝転がった魔兵機《ゾルダート》のカメラアイが光り起動。ビッダーが操作すると、キュインという機械音の後で左腕が持ち上がった。
「ふう、成功だ……」
「やったね、親父!」
「くっく、やるもんだねえ」
「なによヘッジさん。もしかしてダメだと思ってた?」
詰め寄るバスレーナからヘッジが逃げ出すのを尻目に、俺は立ち上がるビッダー機に手を差し出す。
「どうだ?」
「問題なさそうです。これ一機のみですが、ほぼ完全稼働ですね」
立ち上がったビッダー機が大剣を手に取り両手で構えて振る。
今まで戦ってきた相手と同じような感じでスムーズに動いているな。
「次は元々ビッダーが乗っていたやつの改修だな」
「よし、取り掛かるぞー!」
「明日には出発だ、足回りとひしゃげたコクピット周辺を先に頼むぜー」
さて、早いもので指針を発表してからすでに四日が経過していた。
資材の収集やそれを魔兵機《ゾルダート》にひかせるためのリヤカー三台の作成。
食料の確保といった準備を着々と進めていき、今、ついに一機だけ完全体の魔兵機《ゾルダート》も完成した。
移動移動の日々だったのでゆっくり確認することができていなかったけど、魔兵機《ゾルダート》はかなり凄い技術が使われていた。
サクヤがいうには『この世界基準で考えるとオーバーテクノロジー』だそうだ。
動力は魔法石マナグライドと呼ばれるものが胴体内部に存在し、そこから各部位・関節に同じ魔法石が搭載されていて、さっきのクワイエットスパイダーの動力パイプで伝達させ動かす、というものだ。
ヴァイスのバックパックにあるマーズナイトから供給と似たタイプだけど、エネルギーそのものは搭乗者の魔力により動作可能らしい。
ちなみにイラスはかなり魔力が高く、ビッダーは中堅どころ。逆にヘッジは殆どないとのこと。
操縦は左右のレバーで移動をする。アクセルみたいなのがあって踏み込めばダッシュするのだとか。魔法で制御をしているから攻撃のアクションなんかは実際にやってみないと分からないけど。
ヴァイスはもっと簡単に動く操縦系統だからそこは相応みたいだな。それでもこの世界基準だとレベルが高いみたいだ。
「フッ!」
「おっと」
「ふむ。やはりヴァイスが相手では当てるのすら難しいですね。恐らくディッターの特殊装置が追いつく手段の一つになりそうです」
「そんなのがあるのか?」
「はい。隊長機は意匠が少しずつ違いますが、特化した能力を持っています。ディッターなら加速。ジョンビエルはパワーといった感じですね」
<隊長機には気をつけないといけませんね>
サクヤがそう告げると、ビッダーはコクピットを開けて頷いていた。
それに加えてディッターは生存している。こちらの状況はグライアード側に伝わるので次は騎士ではなく、魔兵機《ゾルダート》を多く投入してくるに違いない。
厄介なのは渓谷や町中のような狭い場所では真価を発揮できないが、今いる平原での動きは予想よりいい。
ビッダーに基本動作を行ってもらったが足についている空気を輩出する装置(魔法か?)でステップを踏めたりするんだよな。
全体的に大型だからヴァイスの機動力なら避けられるけど、人間や建造物の破壊には最適だ。
「うおりゃ!」
「おおー。すごい馬鹿力!」
「小さいころから力だけはあるんだよ。こいつを叩いて伸ばすのか?」
「おう。ハンマーで丁寧にな。俺がやるからちょっとどいてくれ」
そんなことを考えていると元ビッダー機の改修が始まっていた。イラス機は両腕が無いだけで損傷はそれほどないため、一番酷使されている機体をひとまずって感じだな。
「なんとかなりそう?」
「ん? シャルか。そっちはどうだ?」
「こっちは問題なし! 目録も作っているから、消化したら記録をつけていくわよ」
<さすがですね>
「難民みたいなものだから管理しておかないと危ないでしょ」
まあ作ったのは騎士だけどとシャルは笑っていた。不安はあると思うが、こいつはいつも元気である。イラスとは年も近く、拳で語り合ったせいか結構一緒に居ることが多い。
「まあな。こっちは魔兵機《ゾルダート》が一機完全体ができたぜ」
「お、いいじゃない。……うーん、でもちょっとなんか足りないわね」
「なんだ?」
コクピットに乗せて近づいていくと、シャルがそんなことを言う。しばらく唸っていたが、やがて指を鳴らしてから口を開く。
「そうだ! 色を変えない? 肩にヴァイスみたいな模様……そうね、ウチの国章とか書いてみたり?」
「ええー? 時間があるか?」
<まあペンキがあれば肩の色とマーキングくらいはできるのでは?>
「サクヤ偉い! そうこなくっちゃ! おーいバスレーナちゃーん――」
と、シャルが乗り気でバスレーナにペンキを取ってくるように頼み込む。
作業はみんなでと思ったが、ヴァイスの手書きということになった。
まあ、書いたのはサクヤなんだけどな。AIだけあってデザインは完ぺきだった。
そして夜になるころ、ビッダー機の肩が俺と同じ白になり、左肩にエトワールの国章が描かれた。残る二機は腕が無いのでコクピット付近の色を変えて国章を描いていた。
「ピンクかあ……」
「可愛いじゃないですか……!」
残念ながらシャルとイラスの感覚は合わなかったようだがな?
「なんだそりゃ?」
「成人女性くらいの大きさをした蜘蛛の魔物だな。あいつの出す糸は魔力の伝達能力が高いんだ。魔法使いのローブや鎧なんかに編み込まれていたりする」
「へえ、面白いな。エネルギー伝達は金属のケーブルとかなんだよな俺の世界だと」
「金属の? それも見てみたいな……」
「はいはい、手を動かして!」
おっと、仕事は意外としっかりしてるなバスレーナは。
俺とギャレットさんは手を叩く彼女に促されて魔兵機《ゾルダート》の左腕をヴァイスで動力パイプのようなものを胴体と繋げる。
その瞬間、エネルギーが行きわたったのかむき出しのケーブルに紫の光がともった。
「よし、ビッダー。左腕を動かしてくれ」
「了解」
寝転がった魔兵機《ゾルダート》のカメラアイが光り起動。ビッダーが操作すると、キュインという機械音の後で左腕が持ち上がった。
「ふう、成功だ……」
「やったね、親父!」
「くっく、やるもんだねえ」
「なによヘッジさん。もしかしてダメだと思ってた?」
詰め寄るバスレーナからヘッジが逃げ出すのを尻目に、俺は立ち上がるビッダー機に手を差し出す。
「どうだ?」
「問題なさそうです。これ一機のみですが、ほぼ完全稼働ですね」
立ち上がったビッダー機が大剣を手に取り両手で構えて振る。
今まで戦ってきた相手と同じような感じでスムーズに動いているな。
「次は元々ビッダーが乗っていたやつの改修だな」
「よし、取り掛かるぞー!」
「明日には出発だ、足回りとひしゃげたコクピット周辺を先に頼むぜー」
さて、早いもので指針を発表してからすでに四日が経過していた。
資材の収集やそれを魔兵機《ゾルダート》にひかせるためのリヤカー三台の作成。
食料の確保といった準備を着々と進めていき、今、ついに一機だけ完全体の魔兵機《ゾルダート》も完成した。
移動移動の日々だったのでゆっくり確認することができていなかったけど、魔兵機《ゾルダート》はかなり凄い技術が使われていた。
サクヤがいうには『この世界基準で考えるとオーバーテクノロジー』だそうだ。
動力は魔法石マナグライドと呼ばれるものが胴体内部に存在し、そこから各部位・関節に同じ魔法石が搭載されていて、さっきのクワイエットスパイダーの動力パイプで伝達させ動かす、というものだ。
ヴァイスのバックパックにあるマーズナイトから供給と似たタイプだけど、エネルギーそのものは搭乗者の魔力により動作可能らしい。
ちなみにイラスはかなり魔力が高く、ビッダーは中堅どころ。逆にヘッジは殆どないとのこと。
操縦は左右のレバーで移動をする。アクセルみたいなのがあって踏み込めばダッシュするのだとか。魔法で制御をしているから攻撃のアクションなんかは実際にやってみないと分からないけど。
ヴァイスはもっと簡単に動く操縦系統だからそこは相応みたいだな。それでもこの世界基準だとレベルが高いみたいだ。
「フッ!」
「おっと」
「ふむ。やはりヴァイスが相手では当てるのすら難しいですね。恐らくディッターの特殊装置が追いつく手段の一つになりそうです」
「そんなのがあるのか?」
「はい。隊長機は意匠が少しずつ違いますが、特化した能力を持っています。ディッターなら加速。ジョンビエルはパワーといった感じですね」
<隊長機には気をつけないといけませんね>
サクヤがそう告げると、ビッダーはコクピットを開けて頷いていた。
それに加えてディッターは生存している。こちらの状況はグライアード側に伝わるので次は騎士ではなく、魔兵機《ゾルダート》を多く投入してくるに違いない。
厄介なのは渓谷や町中のような狭い場所では真価を発揮できないが、今いる平原での動きは予想よりいい。
ビッダーに基本動作を行ってもらったが足についている空気を輩出する装置(魔法か?)でステップを踏めたりするんだよな。
全体的に大型だからヴァイスの機動力なら避けられるけど、人間や建造物の破壊には最適だ。
「うおりゃ!」
「おおー。すごい馬鹿力!」
「小さいころから力だけはあるんだよ。こいつを叩いて伸ばすのか?」
「おう。ハンマーで丁寧にな。俺がやるからちょっとどいてくれ」
そんなことを考えていると元ビッダー機の改修が始まっていた。イラス機は両腕が無いだけで損傷はそれほどないため、一番酷使されている機体をひとまずって感じだな。
「なんとかなりそう?」
「ん? シャルか。そっちはどうだ?」
「こっちは問題なし! 目録も作っているから、消化したら記録をつけていくわよ」
<さすがですね>
「難民みたいなものだから管理しておかないと危ないでしょ」
まあ作ったのは騎士だけどとシャルは笑っていた。不安はあると思うが、こいつはいつも元気である。イラスとは年も近く、拳で語り合ったせいか結構一緒に居ることが多い。
「まあな。こっちは魔兵機《ゾルダート》が一機完全体ができたぜ」
「お、いいじゃない。……うーん、でもちょっとなんか足りないわね」
「なんだ?」
コクピットに乗せて近づいていくと、シャルがそんなことを言う。しばらく唸っていたが、やがて指を鳴らしてから口を開く。
「そうだ! 色を変えない? 肩にヴァイスみたいな模様……そうね、ウチの国章とか書いてみたり?」
「ええー? 時間があるか?」
<まあペンキがあれば肩の色とマーキングくらいはできるのでは?>
「サクヤ偉い! そうこなくっちゃ! おーいバスレーナちゃーん――」
と、シャルが乗り気でバスレーナにペンキを取ってくるように頼み込む。
作業はみんなでと思ったが、ヴァイスの手書きということになった。
まあ、書いたのはサクヤなんだけどな。AIだけあってデザインは完ぺきだった。
そして夜になるころ、ビッダー機の肩が俺と同じ白になり、左肩にエトワールの国章が描かれた。残る二機は腕が無いのでコクピット付近の色を変えて国章を描いていた。
「ピンクかあ……」
「可愛いじゃないですか……!」
残念ながらシャルとイラスの感覚は合わなかったようだがな?
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