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第100話 国王陛下と王妃様
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『がるう』
「別にお前のせいじゃないって」
『くおーん』
「はは、暖かいぞ」
『どうだ?』
「ツルツルしているなお前は」
さて、昼間の問答の末に俺とフリンク、そして熊親子は王都の外で野宿となった。
ごり押ししようとしたけど、さすがは王都の門番。おいそれと入れてはくれなかった。
まあ、国王陛下の居る場所だし権限はもっていそうだもんな。
門番って簡単な仕事じゃない。それは友人がやっているのでよく知っている。変な奴を入れたら死罪も考えられるのだ。
「慣れたもんだし、堅苦しいよりはな」
『クレア達も残るって言ってたけど良かったのか?』
フリンクの渋い声も久しぶりだ。
二人も残ってくれると言っていたけど、いい服を着ているし汚したくないため母さん達と行ってもらった。
「さて、どうなるかな?」
『ま、爺さんが交渉してくれるだろう。それより飯にしようじゃないか。おっと、まずいレーションは勘弁だ』
「ねえよ。果物とパン、それと干し肉だな。魚はお前達で食べてくれ」
『助かる。プラーボ、クリンいただこうじゃないか』
月《フメール》明かりの下、俺達はひとまず休息を取る。クレア達はいいのを食べているといいなあ。
謁見はしたと思うけど、こっちにこないところを見ると難航しているのか?
だけど爵位を与えること自体は爺様でできると言っていたんだけどな?
「まあ、いいか。のんびり待とう」
屋敷に残してきたフランソワは栄養を取れているだろうかと何故かふと思いつつ、夜は更けていった。
――そして翌朝
「君、起きてくれ」
「ん? ……ふあ、朝か……って誰!?」
『うるさいよレンー……って誰!?』
「驚きすぎだろう……俺はロイホーという。騎士の一人だ」
「ああ、お城の……すみません、今起きます。プラーボ、クリン。朝だぞ」
俺とフリンクが知らない人に声をかけられて驚いていた。しかし、どうやら騎士さんらしい。とりあえず起きるかと熊親子に声をかけた。
『がる』
『くおん……』
「おう!? 岩かと思ったら熊か!?」
今度はロイホーさんが驚いていた。色合い的にも確かに似てなくもない。
すると遠巻きにも騎士がおり、その様子を見ながら話し合っていた。
「あれって魔物だよな……」
「ブレイドグリズリーだっけ? でけえ。あんなのをテイムしているとは……」
「あっちの魚みたいなのは精霊だそうだ」
「質量を持った精霊だというのか?」
「副団長もびっくりしてらあ」
やはりフリンクとプラーボが珍しいようだ。すっかり馴染んでのんびりした顔になったプラーボはまったく怖くないけどな?
「こほん! ……君がヤクリーニン家のレン君で間違いないかね?」
「ええ、そうです」
「承知した。昨日の話し合いの結果、ブレイドグリズリーはテイムしていることが判明した。だから連れて行っても構わない」
「あー……そういやサーナが手続きをしたとか言っていたっけ?」
そんな話があった気がする。
それを思い出したのか、テイマーであることを主張したのだそうだ。
「そういうことだ。とはいえこいつはでかすぎる。町の人が怯えるので我等騎士と一緒に移動してもらうがな」
「ええ、構いませんよ。そっちの方がみんなが安心するでしょう」
俺がそう言って笑うと、ちょっとお高いレストランみたいな名前の副団長さんも微笑んで頷く。てきぱきと野営していた場所を片付けてから騎士に囲まれて町へと入る。
「お疲れ様です、ロイホー様!」
「ご苦労様。通るぞ」
門番さんが敬礼をして道を開けてくれた。そのままぞろぞろと入っていくと、何事かと町人が集まっていた。
「見世物ではないため道を開けていただきたい。侯爵家ゆかりの者だ」
道は広がったものの、四つん這いで歩くプラーボと、空を飛ぶフリンクに釘づけてである。ふむ、少し愛想よくしておいた方がいいか。
「フリンク、プラーボ、クリン。俺の真似をするんだ。クリンは俺が預かるよ」
『なになにー?』
『がう?』
そこで俺は片手を振ってから挨拶をすることにした。
「みなさんおはようございます。こいつは見た目怖いですが、いいやつなんです。でも刺激しないようお願いしますー」
『ああ、なるほど! おはようー』
するとフリンクが意図を汲んでくれたようでヒレを振る。そこでプラーボも立ち上がって右手を振り出した。
『がおー』
『くおーん』
開いた口が心なしか嬉しそうにも見える。最近は怠け者っぽいが、賢いヤツなのだ。
「あら、あの大きいの愛敬があるわね」
「子熊も真似してて可愛い~」
「でかいけどな……!? なんだあれ……」
『がうがうー』
てくてくと歩きながら俺達は愛想を振りまいて移動する。すると途中で子供が突っ込んできた。
「もふもふー!」
『がる?』
「こら、危険だから離れなさい」
「歩きながらで良ければ触らせても大丈夫ですよ。村でも小さい子がよく乗って遊んでいるので」
「ええー……」
「ありがとう、お兄ちゃん! すごいねー、大きいねー」
『がるーん♪』
そこから数人の子供たちがわっと集まって来て歩きながらプラーボを撫でまわしていた。そりゃあブラッシングは欠かさないし、ちゃんと洗っているからな!
『僕は僕は?』
「お魚さんはだあれ?」
『僕はフリンクだよ! よろしくね!』
「おしゃべりしてるー!」
大人から見ると賛否が分かれるフリンクだが、子供には人気である。ヒレで握手をするのが珍しいのかフリンクにも子供が集まって来た。
「やれやれ、心配したのが馬鹿みたいだなこりゃ」
「まあ、こいつらが特殊なんですけどね」
そうして結局、城の近くまで子供たちがついてきた。だけどここからは流石に一緒には行けないのだ。
「ここからはダメだぞ。さ、おうちへ帰るんだ」
「残念ー。またねー」
「じゃあなー」
『またねー!』
『がうがう』
『くおーん』
お互い、名残惜しそうにするが結構あっさり離れてくれたな。
「では行くか」
「よろしくお願いします」
さて、みんなはどうしているかな? そんなことを考えながら歩いていると城の中へ……は行かずに途中で道を逸れた。
おかしいなと思いながらついていくと――
「あ、来たわ」
「大丈夫だった?」
――母さんとクレアがまず見えた。他の家族も全員いるな。そしてその前には玉座があった。
「……」
『あれでいいの?』
あったのだが、物凄く『今作りました』感の強いお粗末なものだった。
「来たか! おお、でかいのを連れておるわ!」
「凄いですわ、凄いですわ! あれが本物の魔物!」
その玉座にはやけにテンションの高い夫婦が座っていた。俺達が近づくと、咳ばらいをして口を開く。
「ワシがウラトリア国の第百八十七代目国王だった、トラデールである!」
「妻のパトリシアよ!」
やはり陛下夫妻だった。テンション高いなあ……
「別にお前のせいじゃないって」
『くおーん』
「はは、暖かいぞ」
『どうだ?』
「ツルツルしているなお前は」
さて、昼間の問答の末に俺とフリンク、そして熊親子は王都の外で野宿となった。
ごり押ししようとしたけど、さすがは王都の門番。おいそれと入れてはくれなかった。
まあ、国王陛下の居る場所だし権限はもっていそうだもんな。
門番って簡単な仕事じゃない。それは友人がやっているのでよく知っている。変な奴を入れたら死罪も考えられるのだ。
「慣れたもんだし、堅苦しいよりはな」
『クレア達も残るって言ってたけど良かったのか?』
フリンクの渋い声も久しぶりだ。
二人も残ってくれると言っていたけど、いい服を着ているし汚したくないため母さん達と行ってもらった。
「さて、どうなるかな?」
『ま、爺さんが交渉してくれるだろう。それより飯にしようじゃないか。おっと、まずいレーションは勘弁だ』
「ねえよ。果物とパン、それと干し肉だな。魚はお前達で食べてくれ」
『助かる。プラーボ、クリンいただこうじゃないか』
月《フメール》明かりの下、俺達はひとまず休息を取る。クレア達はいいのを食べているといいなあ。
謁見はしたと思うけど、こっちにこないところを見ると難航しているのか?
だけど爵位を与えること自体は爺様でできると言っていたんだけどな?
「まあ、いいか。のんびり待とう」
屋敷に残してきたフランソワは栄養を取れているだろうかと何故かふと思いつつ、夜は更けていった。
――そして翌朝
「君、起きてくれ」
「ん? ……ふあ、朝か……って誰!?」
『うるさいよレンー……って誰!?』
「驚きすぎだろう……俺はロイホーという。騎士の一人だ」
「ああ、お城の……すみません、今起きます。プラーボ、クリン。朝だぞ」
俺とフリンクが知らない人に声をかけられて驚いていた。しかし、どうやら騎士さんらしい。とりあえず起きるかと熊親子に声をかけた。
『がる』
『くおん……』
「おう!? 岩かと思ったら熊か!?」
今度はロイホーさんが驚いていた。色合い的にも確かに似てなくもない。
すると遠巻きにも騎士がおり、その様子を見ながら話し合っていた。
「あれって魔物だよな……」
「ブレイドグリズリーだっけ? でけえ。あんなのをテイムしているとは……」
「あっちの魚みたいなのは精霊だそうだ」
「質量を持った精霊だというのか?」
「副団長もびっくりしてらあ」
やはりフリンクとプラーボが珍しいようだ。すっかり馴染んでのんびりした顔になったプラーボはまったく怖くないけどな?
「こほん! ……君がヤクリーニン家のレン君で間違いないかね?」
「ええ、そうです」
「承知した。昨日の話し合いの結果、ブレイドグリズリーはテイムしていることが判明した。だから連れて行っても構わない」
「あー……そういやサーナが手続きをしたとか言っていたっけ?」
そんな話があった気がする。
それを思い出したのか、テイマーであることを主張したのだそうだ。
「そういうことだ。とはいえこいつはでかすぎる。町の人が怯えるので我等騎士と一緒に移動してもらうがな」
「ええ、構いませんよ。そっちの方がみんなが安心するでしょう」
俺がそう言って笑うと、ちょっとお高いレストランみたいな名前の副団長さんも微笑んで頷く。てきぱきと野営していた場所を片付けてから騎士に囲まれて町へと入る。
「お疲れ様です、ロイホー様!」
「ご苦労様。通るぞ」
門番さんが敬礼をして道を開けてくれた。そのままぞろぞろと入っていくと、何事かと町人が集まっていた。
「見世物ではないため道を開けていただきたい。侯爵家ゆかりの者だ」
道は広がったものの、四つん這いで歩くプラーボと、空を飛ぶフリンクに釘づけてである。ふむ、少し愛想よくしておいた方がいいか。
「フリンク、プラーボ、クリン。俺の真似をするんだ。クリンは俺が預かるよ」
『なになにー?』
『がう?』
そこで俺は片手を振ってから挨拶をすることにした。
「みなさんおはようございます。こいつは見た目怖いですが、いいやつなんです。でも刺激しないようお願いしますー」
『ああ、なるほど! おはようー』
するとフリンクが意図を汲んでくれたようでヒレを振る。そこでプラーボも立ち上がって右手を振り出した。
『がおー』
『くおーん』
開いた口が心なしか嬉しそうにも見える。最近は怠け者っぽいが、賢いヤツなのだ。
「あら、あの大きいの愛敬があるわね」
「子熊も真似してて可愛い~」
「でかいけどな……!? なんだあれ……」
『がうがうー』
てくてくと歩きながら俺達は愛想を振りまいて移動する。すると途中で子供が突っ込んできた。
「もふもふー!」
『がる?』
「こら、危険だから離れなさい」
「歩きながらで良ければ触らせても大丈夫ですよ。村でも小さい子がよく乗って遊んでいるので」
「ええー……」
「ありがとう、お兄ちゃん! すごいねー、大きいねー」
『がるーん♪』
そこから数人の子供たちがわっと集まって来て歩きながらプラーボを撫でまわしていた。そりゃあブラッシングは欠かさないし、ちゃんと洗っているからな!
『僕は僕は?』
「お魚さんはだあれ?」
『僕はフリンクだよ! よろしくね!』
「おしゃべりしてるー!」
大人から見ると賛否が分かれるフリンクだが、子供には人気である。ヒレで握手をするのが珍しいのかフリンクにも子供が集まって来た。
「やれやれ、心配したのが馬鹿みたいだなこりゃ」
「まあ、こいつらが特殊なんですけどね」
そうして結局、城の近くまで子供たちがついてきた。だけどここからは流石に一緒には行けないのだ。
「ここからはダメだぞ。さ、おうちへ帰るんだ」
「残念ー。またねー」
「じゃあなー」
『またねー!』
『がうがう』
『くおーん』
お互い、名残惜しそうにするが結構あっさり離れてくれたな。
「では行くか」
「よろしくお願いします」
さて、みんなはどうしているかな? そんなことを考えながら歩いていると城の中へ……は行かずに途中で道を逸れた。
おかしいなと思いながらついていくと――
「あ、来たわ」
「大丈夫だった?」
――母さんとクレアがまず見えた。他の家族も全員いるな。そしてその前には玉座があった。
「……」
『あれでいいの?』
あったのだが、物凄く『今作りました』感の強いお粗末なものだった。
「来たか! おお、でかいのを連れておるわ!」
「凄いですわ、凄いですわ! あれが本物の魔物!」
その玉座にはやけにテンションの高い夫婦が座っていた。俺達が近づくと、咳ばらいをして口を開く。
「ワシがウラトリア国の第百八十七代目国王だった、トラデールである!」
「妻のパトリシアよ!」
やはり陛下夫妻だった。テンション高いなあ……
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