82 / 141
第八章:魔族との会談
193.俺がケリをつける必要が出てきたな
しおりを挟む
人間化したレスバと共にタスク達の声がする方へ戻る。
岩陰から出てきた俺達を見つけた二人が慌てて駆け寄ってきた。
「どうした?」
「フウタ達が戻ってきたのよ! なんか戦いの気配がしたからって。……ってさっき飛んで行ったのは魔族の幹部じゃない……?」
「に、逃がしたのか?」
「騎士には言ったがちょいと休戦だ。案内してくれ」
「あ、ああ……」
魔族と何を話していたのかという顔だな。その気持ちは分かるが、被害を抑えられたから相殺して欲しいもんだ。
それと……疑念を抱かれたとしても、すでにどっちでもいい状況となってきた。
ただ、風太達になんて言うかだな。
前から考えていたことだがセイヴァーを倒しても元の世界に戻れる可能性がほぼ無くなったと思っていい。
セイヴァーも『この世界に召喚された側』で、勇者と同じ扱いであれば倒してもそこで終わりになりそうだと考えている。
異世界の脅威を取り除くという点がこの場合『どう作用するか分からない』が、な。
とりあえず合流しておくかとタスクとミーヤについていきエルフの森へ舞い戻る。
「あ、居た! もー、どこ行っていたのよ! なんかレッサーデビルが出てきたらしいじゃない!」
「リーチェから聞いたのか?」
『私じゃないわよ』
「ポリンさんからです。それと森が騒がしいってウィンディア様が」
「そういうことか。とりあえずこっちは幹部が出てきた」
「え!? だ、大丈夫なんですか……?」
そこで水樹ちゃんが驚いて周囲を見渡すが、レスバがそれを制してから口を開く。
【まあ、リクさんなのでそこは問題になりませんでした。ちょっと力を見せつけてやったら退散しましたからねえ】
「さすが……って、休戦って聞いたわよ!」
「そのあたりを話したいが、聖木はどうなった?」
「戦闘が終わったら運び出しをするということになっています。……大丈夫そうなら僕か水樹でエルフの方を対応しますけど」
風太が頼もしいことを言ってくれる。ブライクを待たせることになるが、先に聖木を運ぶ手はずを整えた方がいいだろうと判断する。
「そうだな。魔族の幹部は一旦引いてもらったから運び出し優先だ。みんなに騒がせてすまないと伝えておいてくれ」
「わ、わかりました!」
「魔族を引かせるってやっぱリクさんって凄いんだ……」
「それは分かっていることじゃない! じゃあ、あたし達は戻るけど、後で話を聞かせなさいよ」
【承知しました!】
「なんであんたが答えるのよ!?」
キリっとした顔で夏那に敬礼するレスバの頭を軽くはたいてから三人は再びエルフの森へ歩き出す。リーチェは他の人間の目があるため姿を見せなかったが、夏那と一緒にいるようだ。
「……フウタってちょっと見ない間に強くなったっていうか逞しくなったような感じがするな」
「お、そうか? 他から目に見えて変わったと分かるか」
「ここまで一緒に居たじゃない? 戦いの最中とか無茶な動きをしないの。周りを良く見て騎士達と連携を取っているわ」
「そうか。自信ができたのかもしれないな」
大精霊ウィンディアの剣もあるからな。あまり存在をアピールする感じでないのは今でもそうだが愛想笑いをして誤魔化す風太はもう居なくなったようだ。
「とりあえずタスクとミーヤはキャンプの準備を頼む。俺はエルフの森から聖木を運ぶ手はずを整えるぞ」
「オッケー!」
「聖木かあ。これで魔王の島へ行くとして、勝てるのかねえ……」
元気よく答えたミーヤに対し、口を尖らせるタスク。そもそも戦う必要があるのかすら怪しいけどな。
二人を見送った後、俺はレスバに目を向ける。
【? なんです?】
こいつやブライクのように話が分かるヤツが魔族に居るというのが分かったのはかなり大きい。まあハイアラートやアキラス、グラジールみたいな好戦的なのも居るが場合によっては話が通じた可能性がある。
前の世界で俺は有無を言わさず戦いに巻き込まれたが、こっちでは魔族も巻き込まれた側なのでいわば同じ状況であるのは間違いない。
【そういえば……アキラス様はどうして勇者召喚をしたんですかね? 前の世界の記憶が無いとしても説明が無ければ勇者は魔族と敵対する関係になるのは分かっているのに】
「……」
【あれ? いつもみたいに『俺は知っていたぜ』みたいな話をしないんですか? ……ぐあああ!?】
とりあえずその質問に答えるのは全員揃ってからだな。
……もちろん意味はある。
アキラス自身、洗脳して先兵にするみたいな話をしていたが実際本当にそうだった可能性はある。なぜなら勇者が自分と同じ、もしくはそれ以上の存在なのは身をもって知っているから。死んでいない場合は記憶がないことになるが、それは本人に聞く以外にない。
「さあ、そんなことよりさっさと仕事を終えるぞ。お前も家族に会いたいだろ」
【そうですね! ブライク様に連れて行ってもらうのはダメだったんです?】
「三人が残ってしまうのはちょっとな。せめて町とかに戻ってからならってところだ。下手に帝国の連中のところに残しておきたくないし」
【ああ、利用されるから……。それで冒険者の二人ですか】
「そういうこった」
理解が早いのは助かると俺は頷いてから騎士達に声をかける。
さて、他の魔族が邪魔をしてくることはこれでなくなったのでさっさと船を作ってもらわないとな――
◆ ◇ ◆
【よろしいのですか?】
【構わん。お前も気になるのだろう、俺が生きていることが】
【……ええ】
正直、この世界に来た時は魔王様が生きていてくださって喜んだものだとビカライアは考えていた。しかし、同時に死んだブライクと魔族の仲間『全員』がここに居ることに疑問は持っていた。
【(私のことは覚えていたがそれ以外、それこそ勇者との戦いなどはまるで覚えていなかった。恐らく『前の世界』で記憶があるのは勇者リクの言う通り死んだか死んでいないかの差。それは分かった。だが――)】
【どうした?】
【……アキラス様が魔王様より勅命を受けた件が勇者召喚だとするならなぜ敵になりそうな者を呼べと言ったのでしょうか?】
レスバと同じ意見をブライクへ尋ねるビカライア。すると、ブライクはさも当然と言った顔でこう答えた。
【それは魔王様が呼べと命じたのだろう? 決着をつけるつもりだったのではないか?】
【口ぶりでは他の勇者も居るようですが……】
【それについては推測が立つ】
【え?】
記憶が無いブライクにまさかそんなと思いつつ、主の話に耳を傾ける。
【恐らくだが『当時』の勇者リクは若かったのだろう? もしかするとだが間違えられた可能性がある】
【そんなバカな……】
【だがお前は最初リクだと気づかなかっただろう?】
【……!】
確かに、と冷や汗をかくビカライア。
そうなると『狙って』勇者リクを呼んだ、ということになるのは間違いない……。
【魔王様はなにを考えているのでしょうか……】
【それを知るための勇者だ。ハイアラートあたりは嫌がるだろうが、なにか……嫌な予感がする。人間にとっても魔族にとっても、な】
ブライクの言葉を聞いてエルフの森へ目を移すビカライアだった――
岩陰から出てきた俺達を見つけた二人が慌てて駆け寄ってきた。
「どうした?」
「フウタ達が戻ってきたのよ! なんか戦いの気配がしたからって。……ってさっき飛んで行ったのは魔族の幹部じゃない……?」
「に、逃がしたのか?」
「騎士には言ったがちょいと休戦だ。案内してくれ」
「あ、ああ……」
魔族と何を話していたのかという顔だな。その気持ちは分かるが、被害を抑えられたから相殺して欲しいもんだ。
それと……疑念を抱かれたとしても、すでにどっちでもいい状況となってきた。
ただ、風太達になんて言うかだな。
前から考えていたことだがセイヴァーを倒しても元の世界に戻れる可能性がほぼ無くなったと思っていい。
セイヴァーも『この世界に召喚された側』で、勇者と同じ扱いであれば倒してもそこで終わりになりそうだと考えている。
異世界の脅威を取り除くという点がこの場合『どう作用するか分からない』が、な。
とりあえず合流しておくかとタスクとミーヤについていきエルフの森へ舞い戻る。
「あ、居た! もー、どこ行っていたのよ! なんかレッサーデビルが出てきたらしいじゃない!」
「リーチェから聞いたのか?」
『私じゃないわよ』
「ポリンさんからです。それと森が騒がしいってウィンディア様が」
「そういうことか。とりあえずこっちは幹部が出てきた」
「え!? だ、大丈夫なんですか……?」
そこで水樹ちゃんが驚いて周囲を見渡すが、レスバがそれを制してから口を開く。
【まあ、リクさんなのでそこは問題になりませんでした。ちょっと力を見せつけてやったら退散しましたからねえ】
「さすが……って、休戦って聞いたわよ!」
「そのあたりを話したいが、聖木はどうなった?」
「戦闘が終わったら運び出しをするということになっています。……大丈夫そうなら僕か水樹でエルフの方を対応しますけど」
風太が頼もしいことを言ってくれる。ブライクを待たせることになるが、先に聖木を運ぶ手はずを整えた方がいいだろうと判断する。
「そうだな。魔族の幹部は一旦引いてもらったから運び出し優先だ。みんなに騒がせてすまないと伝えておいてくれ」
「わ、わかりました!」
「魔族を引かせるってやっぱリクさんって凄いんだ……」
「それは分かっていることじゃない! じゃあ、あたし達は戻るけど、後で話を聞かせなさいよ」
【承知しました!】
「なんであんたが答えるのよ!?」
キリっとした顔で夏那に敬礼するレスバの頭を軽くはたいてから三人は再びエルフの森へ歩き出す。リーチェは他の人間の目があるため姿を見せなかったが、夏那と一緒にいるようだ。
「……フウタってちょっと見ない間に強くなったっていうか逞しくなったような感じがするな」
「お、そうか? 他から目に見えて変わったと分かるか」
「ここまで一緒に居たじゃない? 戦いの最中とか無茶な動きをしないの。周りを良く見て騎士達と連携を取っているわ」
「そうか。自信ができたのかもしれないな」
大精霊ウィンディアの剣もあるからな。あまり存在をアピールする感じでないのは今でもそうだが愛想笑いをして誤魔化す風太はもう居なくなったようだ。
「とりあえずタスクとミーヤはキャンプの準備を頼む。俺はエルフの森から聖木を運ぶ手はずを整えるぞ」
「オッケー!」
「聖木かあ。これで魔王の島へ行くとして、勝てるのかねえ……」
元気よく答えたミーヤに対し、口を尖らせるタスク。そもそも戦う必要があるのかすら怪しいけどな。
二人を見送った後、俺はレスバに目を向ける。
【? なんです?】
こいつやブライクのように話が分かるヤツが魔族に居るというのが分かったのはかなり大きい。まあハイアラートやアキラス、グラジールみたいな好戦的なのも居るが場合によっては話が通じた可能性がある。
前の世界で俺は有無を言わさず戦いに巻き込まれたが、こっちでは魔族も巻き込まれた側なのでいわば同じ状況であるのは間違いない。
【そういえば……アキラス様はどうして勇者召喚をしたんですかね? 前の世界の記憶が無いとしても説明が無ければ勇者は魔族と敵対する関係になるのは分かっているのに】
「……」
【あれ? いつもみたいに『俺は知っていたぜ』みたいな話をしないんですか? ……ぐあああ!?】
とりあえずその質問に答えるのは全員揃ってからだな。
……もちろん意味はある。
アキラス自身、洗脳して先兵にするみたいな話をしていたが実際本当にそうだった可能性はある。なぜなら勇者が自分と同じ、もしくはそれ以上の存在なのは身をもって知っているから。死んでいない場合は記憶がないことになるが、それは本人に聞く以外にない。
「さあ、そんなことよりさっさと仕事を終えるぞ。お前も家族に会いたいだろ」
【そうですね! ブライク様に連れて行ってもらうのはダメだったんです?】
「三人が残ってしまうのはちょっとな。せめて町とかに戻ってからならってところだ。下手に帝国の連中のところに残しておきたくないし」
【ああ、利用されるから……。それで冒険者の二人ですか】
「そういうこった」
理解が早いのは助かると俺は頷いてから騎士達に声をかける。
さて、他の魔族が邪魔をしてくることはこれでなくなったのでさっさと船を作ってもらわないとな――
◆ ◇ ◆
【よろしいのですか?】
【構わん。お前も気になるのだろう、俺が生きていることが】
【……ええ】
正直、この世界に来た時は魔王様が生きていてくださって喜んだものだとビカライアは考えていた。しかし、同時に死んだブライクと魔族の仲間『全員』がここに居ることに疑問は持っていた。
【(私のことは覚えていたがそれ以外、それこそ勇者との戦いなどはまるで覚えていなかった。恐らく『前の世界』で記憶があるのは勇者リクの言う通り死んだか死んでいないかの差。それは分かった。だが――)】
【どうした?】
【……アキラス様が魔王様より勅命を受けた件が勇者召喚だとするならなぜ敵になりそうな者を呼べと言ったのでしょうか?】
レスバと同じ意見をブライクへ尋ねるビカライア。すると、ブライクはさも当然と言った顔でこう答えた。
【それは魔王様が呼べと命じたのだろう? 決着をつけるつもりだったのではないか?】
【口ぶりでは他の勇者も居るようですが……】
【それについては推測が立つ】
【え?】
記憶が無いブライクにまさかそんなと思いつつ、主の話に耳を傾ける。
【恐らくだが『当時』の勇者リクは若かったのだろう? もしかするとだが間違えられた可能性がある】
【そんなバカな……】
【だがお前は最初リクだと気づかなかっただろう?】
【……!】
確かに、と冷や汗をかくビカライア。
そうなると『狙って』勇者リクを呼んだ、ということになるのは間違いない……。
【魔王様はなにを考えているのでしょうか……】
【それを知るための勇者だ。ハイアラートあたりは嫌がるだろうが、なにか……嫌な予感がする。人間にとっても魔族にとっても、な】
ブライクの言葉を聞いてエルフの森へ目を移すビカライアだった――
234
お気に入りに追加
8,780
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
異世界召喚に巻き込まれたおばあちゃん
夏本ゆのす(香柚)
ファンタジー
高校生たちの異世界召喚にまきこまれましたが、関係ないので森に引きこもります。
のんびり余生をすごすつもりでしたが、何故か魔法が使えるようなので少しだけ頑張って生きてみようと思います。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。