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旅の始まり
言葉にできない『なにか』
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「プリメラちゃん!」
「ロイヤさん、いったいなにが起きているんですか?」
「教えてあげたいところだけど、私達も対処に追われていて……。それに冒険者達も盗賊の捜索に出ているから人数が足りないの」
人型をした『なにか』は人間を襲い仲間を増やしているらしい。
どれほどの規模でどうやって入って来たのかが分からないのが一番の問題かもとロイヤさんは言う。
「なんなのかしらあいつら……」
「わからないわ。人間は襲うけどそれだけみたい。だから『なんで家が燃えた』のかが分からないって」
「誰か他に居るってこと……?」
「それも、ね……」
尋ねたところで分からないづくしの今、回答を得ることは難しい。そんな話をしていると外から冒険者達の叫ぶ声が聞こえてきた。
(うおあああ!?)
(こいつら……死なない……!?)
(足を狙え!)
「くそ、俺達も出るぞ!」
「なんなんだ……食人鬼かなにかか……!?」
「あれは魔族じゃないのか……!?」
外で悲鳴が聞こえる中、ギルドに残っていた冒険者達も装備を整えて外へ出ていく。瞬間、開いた扉の向こうでおぞましい光景が、見えた。
父親が小さな娘を抱きかかえ走ってくる背後に異形の存在が重くのしかかり、父親が派手に転んだのだ。
「パパぁ!!」
「行きなさい、早く!!」
「いやぁぁぁ!!」
「ウォォォォァ……」
私はこんなところで死ぬわけにはいかない……本当のお父さんとお母さんを見つけるまで――
「きゃああ! 誰かパパを助けてぇ!」
「……!」
見ぬふりをしようとした私と女の子の、目が合った。そこで私はハッとする。
(一緒に逝かせた方がいいんじゃないかな)
ディンがリスを殺したことについて肯定は恐らく誰もできないししたくない。……心の中では。
だけど今、私がしようとしていることは?
ここで見て見ぬふりをする私と、良かれと思ってリスを殺したディンとなにが違うの……? 手を下したかそうじゃないか、ただそれだけ。『見殺し』とはよく言ったものだとくだらないことが頭に浮かんだ私は――
「……っ!」
「プリメラちゃん!?」
――ゲンさんが持ってきてくれた杖を拾い、親子の下へと一気に駆け出した!
背後でロイヤさんの止める声が聞こえるけど私は杖を振りながら魔法を放つ。
「<炎槍>!!」
「アア……アアアアウウウアア……!?」
「こっち! 早く!」
「あ、ああ! ありがとう!」
「パパぁ!! ありがとうおねえちゃん!!」
お父さんの噛みつこうとしたところに間一髪、炎の槍が異形の頭を吹き飛ばし絶命させることができ、助け出せた。人間、だったのだとしたらごめんなさい……!
女の子が泣きながらお父さんの手を取りギルドの中へ入っていくのが見えたので私はギルドの建物を背にして周囲を見渡す。
「町の人も混じってきている……嚙まれたら同じ存在になるってこと? 昔、魔王がいたころはヴァンパイアって種族がそういうことをしてたって聞いたことあるけど……」
私がそんなことを呟いていると、ギルさんのパーティが私の近くへ下がってきてナナさんが口を開く。
「魔族が生き残っているからあり得なくはないけど、ここまで大規模な強襲は魔王がいた何十年も無かったから考えにくいわ」
「でもあれ、どう考えても人間じゃないわ……」
「今だからこそかも……魔族が魔王を復活させようとしているなら――」
ギルさん達が牽制しながら推測を口にし、私も魔法で応戦していると異形達の動きに変化があった。
襲い掛かるのを、いえ、そもそも動くのを、止めた。
「なんだ……?」
「誰かこっちへ来ていませんか?」
「プリメラちゃんの言う通りね」
ナナさんと私が向いた先に、黒い装束にフードに身を包んだ人影が異形の間を縫ってこちらへ近づいてきていた。
「……お前が主犯ってことでいいのか?」
『ふふ、そうね。その認識で問題ないわよ』
「っ……」
喋った……。
不敵に口元に笑みを浮かべ、声の調子からすると女性のようだけどなんだか空気が震えて二人が喋っているような感じがし、ノイズのような聞こえ方だ。
他の人はそう感じていないのか、ヒッコリーさんが斧を構えながら口を開く。
でもこの声、どこかで聞いたような……。
「どうしてこんなことをした? 貴様は……魔族なのか?」
『……』
「なんとか言いなさいよ!」
「どちらにしてもあなたを倒さないといけないみたいだし、覚悟してもらうわ」
黙り込む相手にナナさんが剣を向けると黒い人影はゆっくりと口を開いた。
『覚悟をするのはあなたよナナ。あなたを殺すためにここまでしたのだから、確実に死んでもらうわ』
「私……? 恨みを買うような覚えは――」
『あなたに無くても……私にはあるのよ……!!』
「あ、なたは……!?」
下唇を噛み、激昂しながらフードを取り去りその下から出てきた顔は――
「マハーリさん……!?」
『ふふ、プリメラちゃんも居るの? ……運が無かったわね、すぐに旅立っていれば良かったのに……』
「ギルドの人間がどうして……」
「それにその口ぶり、ナナを狙ってこんなことをしでかしたのか」
『そうよギル。私はその女を殺すためだけに行動したの。……なんでって顔をしているわね?』
それは当然だと全員が心の中で思ったはず。
マハーリさんはこっちをもう倒せる気でいるのか理由を話し始める。
『私も小さいころは貴族だったのよ? 領とかはなかったけどまあお金とお屋敷はあったわね。でも八歳の時だったかしら……町に現れた魔物せいで両親は死に、なにもかも失ったの』
「それは……もしかしてクライネル国であったスタンピード……」
ギルさんが喉を鳴らしながらそう口にする。
スタンピードとは魔物がなんらかの理由で暴走すること、だったと思う。講義でそんな話を聞いた覚えがあったからね。
で、どうやら私が産まれる前にそれが起こり魔物が町を蹂躙した犠牲者がマハーリさんということだ。だけどそれでナナさんを狙う理由にはならないし、まして町を……そう思っていると、マハーリさんが目を細め、とても邪悪な笑みを浮かべながらナナさんを見る。
『屋敷もお金も何もかも失くした私は頼る場所もなく、ただ生きるために必死だったわ。時には売られそうになったし男たちに襲われもした。悔しくて何度死のうと思ったか分からない。……けど死ねなかった。こんなところで死んで悔しい思いだけを残すわけにはいかないってね』
そして冒険者になったマハーリさんは実力を上げてお金を稼ぎ、自分を犯した男達を殺すことでようやく前に進めるようになったそうだ。
『……だけど運がないんでしょうね。ちょっとしたことで私の左腕はまともに動かなくなって冒険者を引退。仲間も薄情なものよ、使えなくなった私を簡単に捨てた。それからこの町に流れ着いてギルドの職員として私みたいにならないよう特に女の子を鍛えることにしたわ。気が紛れたし、それなりにお金も良かったから。だけど、ここにはあんたが居た』
「どうして? 憎まれるようなことは――」
『うるさい……!! 親も健在なのに自分から冒険者になる道楽をして、盗賊に襲われて死にかけた時も見捨てられなかった……! あんたは私が欲しかったものを全部……持っているんだ! 見ていると……存在していると思うだけで頭がおかしくなりそう……!!』
「そんなのは逆恨み……きゃあ!?」
「アイラさん! ……それでナナさんを……でも町の人は関係が――」
投げナイフで肩を射抜かれたアイラさんを支えながら自分勝手なことを言うマハーリさんを睨みつけると、彼女は笑みをスッと消してから、言う。
『……殺すのは簡単。だけど『こんなくだらない理由』で、その原因であるナナ以外の人間がナナのせいで死んでいく……それをね、見せたかったの』
「最低……! マハーリさん、尊敬していたのに……!」
『いい顔よ、ナナ……! さあ、おしゃべりはここまで。ナナ以外の人間を殺してあげる……! まずは一番弱い、冒険者になったばかりの……プリメラちゃんからねえ!!』
「あ……!」
気づいた時にはマハーリさんの手からダガーから放たれ、一直線に私へ向かってくるのが見えた。
ギルさん達が動くけど間に合わないと直感的にそう思う。
あーあ……これで終わりか……マハーリさんじゃないけど私も相当運が無いわね……。お父さんたち、どんな人だったんだろう……。
私がぐっと目を瞑りその時を待つ。
だけど、いつまで経っても『その時』は訪れず――
「ふう、間に合った」
「え?」
――ここには居ないはずの、声が聞こえてきた。
「大丈夫プリメラ? なんでマハーリさんが攻撃してくるんだろ?」
「ディン……!?」
「ロイヤさん、いったいなにが起きているんですか?」
「教えてあげたいところだけど、私達も対処に追われていて……。それに冒険者達も盗賊の捜索に出ているから人数が足りないの」
人型をした『なにか』は人間を襲い仲間を増やしているらしい。
どれほどの規模でどうやって入って来たのかが分からないのが一番の問題かもとロイヤさんは言う。
「なんなのかしらあいつら……」
「わからないわ。人間は襲うけどそれだけみたい。だから『なんで家が燃えた』のかが分からないって」
「誰か他に居るってこと……?」
「それも、ね……」
尋ねたところで分からないづくしの今、回答を得ることは難しい。そんな話をしていると外から冒険者達の叫ぶ声が聞こえてきた。
(うおあああ!?)
(こいつら……死なない……!?)
(足を狙え!)
「くそ、俺達も出るぞ!」
「なんなんだ……食人鬼かなにかか……!?」
「あれは魔族じゃないのか……!?」
外で悲鳴が聞こえる中、ギルドに残っていた冒険者達も装備を整えて外へ出ていく。瞬間、開いた扉の向こうでおぞましい光景が、見えた。
父親が小さな娘を抱きかかえ走ってくる背後に異形の存在が重くのしかかり、父親が派手に転んだのだ。
「パパぁ!!」
「行きなさい、早く!!」
「いやぁぁぁ!!」
「ウォォォォァ……」
私はこんなところで死ぬわけにはいかない……本当のお父さんとお母さんを見つけるまで――
「きゃああ! 誰かパパを助けてぇ!」
「……!」
見ぬふりをしようとした私と女の子の、目が合った。そこで私はハッとする。
(一緒に逝かせた方がいいんじゃないかな)
ディンがリスを殺したことについて肯定は恐らく誰もできないししたくない。……心の中では。
だけど今、私がしようとしていることは?
ここで見て見ぬふりをする私と、良かれと思ってリスを殺したディンとなにが違うの……? 手を下したかそうじゃないか、ただそれだけ。『見殺し』とはよく言ったものだとくだらないことが頭に浮かんだ私は――
「……っ!」
「プリメラちゃん!?」
――ゲンさんが持ってきてくれた杖を拾い、親子の下へと一気に駆け出した!
背後でロイヤさんの止める声が聞こえるけど私は杖を振りながら魔法を放つ。
「<炎槍>!!」
「アア……アアアアウウウアア……!?」
「こっち! 早く!」
「あ、ああ! ありがとう!」
「パパぁ!! ありがとうおねえちゃん!!」
お父さんの噛みつこうとしたところに間一髪、炎の槍が異形の頭を吹き飛ばし絶命させることができ、助け出せた。人間、だったのだとしたらごめんなさい……!
女の子が泣きながらお父さんの手を取りギルドの中へ入っていくのが見えたので私はギルドの建物を背にして周囲を見渡す。
「町の人も混じってきている……嚙まれたら同じ存在になるってこと? 昔、魔王がいたころはヴァンパイアって種族がそういうことをしてたって聞いたことあるけど……」
私がそんなことを呟いていると、ギルさんのパーティが私の近くへ下がってきてナナさんが口を開く。
「魔族が生き残っているからあり得なくはないけど、ここまで大規模な強襲は魔王がいた何十年も無かったから考えにくいわ」
「でもあれ、どう考えても人間じゃないわ……」
「今だからこそかも……魔族が魔王を復活させようとしているなら――」
ギルさん達が牽制しながら推測を口にし、私も魔法で応戦していると異形達の動きに変化があった。
襲い掛かるのを、いえ、そもそも動くのを、止めた。
「なんだ……?」
「誰かこっちへ来ていませんか?」
「プリメラちゃんの言う通りね」
ナナさんと私が向いた先に、黒い装束にフードに身を包んだ人影が異形の間を縫ってこちらへ近づいてきていた。
「……お前が主犯ってことでいいのか?」
『ふふ、そうね。その認識で問題ないわよ』
「っ……」
喋った……。
不敵に口元に笑みを浮かべ、声の調子からすると女性のようだけどなんだか空気が震えて二人が喋っているような感じがし、ノイズのような聞こえ方だ。
他の人はそう感じていないのか、ヒッコリーさんが斧を構えながら口を開く。
でもこの声、どこかで聞いたような……。
「どうしてこんなことをした? 貴様は……魔族なのか?」
『……』
「なんとか言いなさいよ!」
「どちらにしてもあなたを倒さないといけないみたいだし、覚悟してもらうわ」
黙り込む相手にナナさんが剣を向けると黒い人影はゆっくりと口を開いた。
『覚悟をするのはあなたよナナ。あなたを殺すためにここまでしたのだから、確実に死んでもらうわ』
「私……? 恨みを買うような覚えは――」
『あなたに無くても……私にはあるのよ……!!』
「あ、なたは……!?」
下唇を噛み、激昂しながらフードを取り去りその下から出てきた顔は――
「マハーリさん……!?」
『ふふ、プリメラちゃんも居るの? ……運が無かったわね、すぐに旅立っていれば良かったのに……』
「ギルドの人間がどうして……」
「それにその口ぶり、ナナを狙ってこんなことをしでかしたのか」
『そうよギル。私はその女を殺すためだけに行動したの。……なんでって顔をしているわね?』
それは当然だと全員が心の中で思ったはず。
マハーリさんはこっちをもう倒せる気でいるのか理由を話し始める。
『私も小さいころは貴族だったのよ? 領とかはなかったけどまあお金とお屋敷はあったわね。でも八歳の時だったかしら……町に現れた魔物せいで両親は死に、なにもかも失ったの』
「それは……もしかしてクライネル国であったスタンピード……」
ギルさんが喉を鳴らしながらそう口にする。
スタンピードとは魔物がなんらかの理由で暴走すること、だったと思う。講義でそんな話を聞いた覚えがあったからね。
で、どうやら私が産まれる前にそれが起こり魔物が町を蹂躙した犠牲者がマハーリさんということだ。だけどそれでナナさんを狙う理由にはならないし、まして町を……そう思っていると、マハーリさんが目を細め、とても邪悪な笑みを浮かべながらナナさんを見る。
『屋敷もお金も何もかも失くした私は頼る場所もなく、ただ生きるために必死だったわ。時には売られそうになったし男たちに襲われもした。悔しくて何度死のうと思ったか分からない。……けど死ねなかった。こんなところで死んで悔しい思いだけを残すわけにはいかないってね』
そして冒険者になったマハーリさんは実力を上げてお金を稼ぎ、自分を犯した男達を殺すことでようやく前に進めるようになったそうだ。
『……だけど運がないんでしょうね。ちょっとしたことで私の左腕はまともに動かなくなって冒険者を引退。仲間も薄情なものよ、使えなくなった私を簡単に捨てた。それからこの町に流れ着いてギルドの職員として私みたいにならないよう特に女の子を鍛えることにしたわ。気が紛れたし、それなりにお金も良かったから。だけど、ここにはあんたが居た』
「どうして? 憎まれるようなことは――」
『うるさい……!! 親も健在なのに自分から冒険者になる道楽をして、盗賊に襲われて死にかけた時も見捨てられなかった……! あんたは私が欲しかったものを全部……持っているんだ! 見ていると……存在していると思うだけで頭がおかしくなりそう……!!』
「そんなのは逆恨み……きゃあ!?」
「アイラさん! ……それでナナさんを……でも町の人は関係が――」
投げナイフで肩を射抜かれたアイラさんを支えながら自分勝手なことを言うマハーリさんを睨みつけると、彼女は笑みをスッと消してから、言う。
『……殺すのは簡単。だけど『こんなくだらない理由』で、その原因であるナナ以外の人間がナナのせいで死んでいく……それをね、見せたかったの』
「最低……! マハーリさん、尊敬していたのに……!」
『いい顔よ、ナナ……! さあ、おしゃべりはここまで。ナナ以外の人間を殺してあげる……! まずは一番弱い、冒険者になったばかりの……プリメラちゃんからねえ!!』
「あ……!」
気づいた時にはマハーリさんの手からダガーから放たれ、一直線に私へ向かってくるのが見えた。
ギルさん達が動くけど間に合わないと直感的にそう思う。
あーあ……これで終わりか……マハーリさんじゃないけど私も相当運が無いわね……。お父さんたち、どんな人だったんだろう……。
私がぐっと目を瞑りその時を待つ。
だけど、いつまで経っても『その時』は訪れず――
「ふう、間に合った」
「え?」
――ここには居ないはずの、声が聞こえてきた。
「大丈夫プリメラ? なんでマハーリさんが攻撃してくるんだろ?」
「ディン……!?」
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