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第22話 エルフと有り得ない物 前編
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――有り得ない。
荒い息を吐き出し、肩で呼吸を繰り返しながらも、エルザの頭をよぎるのはそんな言葉であった。
つい先ほど目にし、中に入ってすらいた、あの森。
何をどうやったら、あんなものが有り得るというのか。
「……何よ、あれ」
あまり知られてはいないが、エルフは生まれつき精霊を見ることが出来る。
精霊とは自然の力が具象化した存在であり、人間やエルフと比べ高位の存在だ。
豊かな森の中では至る所で精霊の姿を見ることが出来、エルフが森の民などと呼ばれることがあるのもそのためである。
精霊は必然的に自然とは相性がよく、エルフは精霊を通して様々なことを知ることが出来るため、自然と森のことに詳しくなるというわけだ。
見るだけではなく、時には精霊の力を借りることも出来、それは精霊魔法などと呼ばれていたりもするのだが……ともあれ、無論のこと、エルザもそんな精霊の姿を見ることは可能だ。
そしてあの森には、故郷の森など比較にならないほどの数の精霊が存在したのである。
足を踏み入れるまでもなくその気配は感じ取ることが出来、あまりの気配の濃さに眩暈すら感じるほどであった。
精霊を統べるという精霊王があの場にいると言われたとしても、きっと疑問も感じることなく受け入れていたことだろう。
だが、あそこまでいってしまうと、最早森というよりは精霊そのものである。
あの森に入るということは精霊の身体の中に足を踏み入れるということと同義であり……さすがにそれはエルフであっても許されることではない。
だというのに、何故あの少女はあっさりと入ることが出来たのか。
精霊の姿が見えず、感じ取れないから、ということは関係がない。
見えようが見えまいが、精霊がそこに存在していることに変わりはないのだ。
精霊が拒みさえすれば、誰であれ関係なく入ることは出来まい。
しかし逆に言えば……入れたということは、許可が下りたということである。
明らかに精霊の姿など見えてはいないのに、そればかりか、心から受け入れられていたようにすら感じられた。
あの妙なほどの歩きやすさと、何よりも、生えている植物を採ることが出来たのがその証だ。
森が精霊そのものと化しているということは、そこに生えている雑草一つとっても精霊の一部ということである。
そんなものを採るということは、精霊の身体の一部を剥ぎ取っているのと同義なのだ。
許されるわけがないし、出来るわけもない。
故郷にいる数千年は生きているというエルフの長老であろうと無理だろう。
そしてあの、開けた場所。
目にした瞬間、鳥肌が立った。
きっと自分一人であったならばそのまま飲み込まれてしまっていただろうと思えるほどの、強大過ぎるほどの存在感であった。
もしかしたらあれこそが、本当に精霊王だったのかもしれない。
だが最も有り得なかった瞬間は、つい先ほどのことだろう。
エルザが森の外に出た瞬間、あれほど強烈だった精霊の存在感が、完全に消え去ったのである。
まるでそこにある森と、直前までいた森とは別の場所だとでも言うかの如く。
しかしそれに関して深く考えることは出来なかった。
暇がなかったからだ。
その直後、エルザに向けて強烈な殺気が叩きつけられたのである。
瞬間エルザはその場にいたら死ぬと直感し、死ぬ物狂いで逃げ出したわけだが――
「……どうやら、自分の直感に従って正解だったみたいね」
荒い息と共に呟きながら、後方へと振り返った瞬間に視界に映った光景に、そのことを確信する。
視線の先には、幾つもの魔物の影が存在していたからだ。
行きはおろかつい先ほどまで影も形もなかったというのに……まるで幻覚でも見せられていたかのような感覚であった。
「……でも、確かにあったことだわ」
あの精霊の感覚が幻覚なわけはないし……何よりもと、仕舞っていたものを取り出す。
七色にその色を変える、不思議な花。
これが手元にあることこそが、あれが現実であったという証拠であった。
だがそれはそれで考えることが色々あるものの……それよりもまずはと、歩き出す。
行かなければならないところがあった。
「……どういうつもりなのか、問いたださなきゃね」
呟き、真後ろにあった北門を抜けながら、エルザはギルドへと足を向けるのであった。
ギルドに辿り着くや否やエルザが目を細めると共に眉根を寄せたのは、自分にアドバイスだかなんだかよく分からない言葉を送ってきたあの受付嬢の姿がなかったからだ。
問いただすのならばあの受付嬢だと思ったのだが……仕方なく、その隣のカウンターにいた受付嬢に話しかける。
「ねえ、隣の受付嬢はどうしたのよ? あたしはあの受付嬢に聞きたい事があるんだけど?」
「おや。確か、エルザさん、でしたか? そうですか、無事に戻ってこれたんですねー」
「……ちょっと。それだとまるであたしが無事に帰って来れない可能性があったみたいに聞こえるんだけど?」
「いやですねー、それは邪推ってやつですよー。そんなこと、割とあるんじゃないかな、ぐらいにしか考えていませんでしたもん」
「ちょっと邪推って言葉の意味調べてきなさいよ」
「だって北の森に行ったんですよね? そう考えるのが自然だと思いません?」
「……なるほどね」
そうだろうと思ってはいたが、やはりあの少女があの森で採集をしていた、ということは知っていたようだ。
ただ問題は、どこまで知っているのか、ということだが――
「多分ですが、貴方が知りたいことを私達は何も知らないと思いますよー? むしろ私達の方が知りたいぐらいなんですから」
「……そう。それは残念だったけど、同時に何よりね。そう言うってことはつまり、あんたもある程度は事情を理解してるってことでしょ」
「あちゃー、これはちょっと余計なことを口走っちゃいましたかねー」
「ふんっ……よく言うわ。わざとあたしに聞かせたくせに」
睨み付けるように言うが、受付嬢の態度は飄々したものであった。
あの受付嬢もそうだが、受付嬢というのはどいつもこいつも食えないやつらばかりである。
だがそんなエルザの内心を知ってか知らずか、受付嬢はそのまま立ち上がった。
「ま、ここであまり問答を繰り返すのも何ですしねー。とりあえずこちらへとどうぞ。ギルド長から許可は貰ってますから」
そう言って受付嬢が向かったのは、カウンターのさらに奥であった。
通路となっているそこは、基本的にはギルドの職員しか立ち入ることの出来ない区画である。
主に表に出ることのない職員がいたり、納品された素材などが仕舞われているらしいが、もちろんエルザは入ったことはない。
というか、Dランクに至った冒険者すらそう簡単には入ることの出来ない区画のはずであり、本来はまだFランクの、新人の域を出ていない冒険者が立ち入れる場所ではないはずだ。
それだけエルザが評価されているということなのか、あるいは――
「……あいつがそれだけ評価されてるってことかしらね」
まあ何にせよ、色々な意味で付いていかない理由はない。
カウンターの脇から中に入り、受付嬢の後を追った。
受付嬢はエルザが付いてくると確信しているのか、振り返るつもりもないようだ。
何となくシャクではあったが、黙ってその後を付いて行く。
とはいえ、次があるかも分からないような場所だ。
とっとと上のランクに上り詰めるつもりではあるが、だからといって訪れる理由が出来るとも限らず、自然と周囲を見回してしまう。
だがそこにあるのは、思った以上に普通の場所であった。
両脇にある扉から僅かに中の様子が覗けるが、そこにいったのは、ギルド職員と思しき人物達が書類を睨みつけていたり、何かを書いていたり、近くの人物と話をしていたりといった、どこでも有り触れたような光景だ。
「意外に思いましたかー?」
「……まあ、正直に言えばそうね。冒険者を率いてる大本の一つなんだから、もう少し何か違うのかと思ってたわ。ま、具体的に想像してたわけじゃないんだけど」
「まあ所詮は私達も雇われてるだけの身ですからねー。元々一般人なんですから、そりゃ他と違いなんかありませんよ」
「言われてみたらその通りなんでしょうけどね……っていうか、何当たり前のように人の心読んでんのよ」
「人の心を読むぐらいのことが出来なければ、受付嬢にはなれませんからねー」
「そんな話初めて聞いたんだけど? テキトー言ってんじゃないわよ」
そんなことを言いながら足を進めていくと、やがて受付嬢はある部屋の前で足を止めた。
今まで横切ってきた場所と比べれば、大きく頑丈そうな扉の並んでいる区画だ。
「これって……素材とかを保管してるっていう……?」
「ですねー。大体のものはすぐに馴染みの商店や商人の人達に卸してしまうんですが、それでも一時的に保管する場所は必要ですし、中にはすぐに卸すことの出来ないものもありますしねー」
特別な場所には見えないが、こうして案内してきたということはここに何かがあるということだ。
それが一体何であるのかを考えながら僅かに緊張するエルザの前で、頑丈そうな扉がゆっくりと開かれるのであった。
荒い息を吐き出し、肩で呼吸を繰り返しながらも、エルザの頭をよぎるのはそんな言葉であった。
つい先ほど目にし、中に入ってすらいた、あの森。
何をどうやったら、あんなものが有り得るというのか。
「……何よ、あれ」
あまり知られてはいないが、エルフは生まれつき精霊を見ることが出来る。
精霊とは自然の力が具象化した存在であり、人間やエルフと比べ高位の存在だ。
豊かな森の中では至る所で精霊の姿を見ることが出来、エルフが森の民などと呼ばれることがあるのもそのためである。
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見るだけではなく、時には精霊の力を借りることも出来、それは精霊魔法などと呼ばれていたりもするのだが……ともあれ、無論のこと、エルザもそんな精霊の姿を見ることは可能だ。
そしてあの森には、故郷の森など比較にならないほどの数の精霊が存在したのである。
足を踏み入れるまでもなくその気配は感じ取ることが出来、あまりの気配の濃さに眩暈すら感じるほどであった。
精霊を統べるという精霊王があの場にいると言われたとしても、きっと疑問も感じることなく受け入れていたことだろう。
だが、あそこまでいってしまうと、最早森というよりは精霊そのものである。
あの森に入るということは精霊の身体の中に足を踏み入れるということと同義であり……さすがにそれはエルフであっても許されることではない。
だというのに、何故あの少女はあっさりと入ることが出来たのか。
精霊の姿が見えず、感じ取れないから、ということは関係がない。
見えようが見えまいが、精霊がそこに存在していることに変わりはないのだ。
精霊が拒みさえすれば、誰であれ関係なく入ることは出来まい。
しかし逆に言えば……入れたということは、許可が下りたということである。
明らかに精霊の姿など見えてはいないのに、そればかりか、心から受け入れられていたようにすら感じられた。
あの妙なほどの歩きやすさと、何よりも、生えている植物を採ることが出来たのがその証だ。
森が精霊そのものと化しているということは、そこに生えている雑草一つとっても精霊の一部ということである。
そんなものを採るということは、精霊の身体の一部を剥ぎ取っているのと同義なのだ。
許されるわけがないし、出来るわけもない。
故郷にいる数千年は生きているというエルフの長老であろうと無理だろう。
そしてあの、開けた場所。
目にした瞬間、鳥肌が立った。
きっと自分一人であったならばそのまま飲み込まれてしまっていただろうと思えるほどの、強大過ぎるほどの存在感であった。
もしかしたらあれこそが、本当に精霊王だったのかもしれない。
だが最も有り得なかった瞬間は、つい先ほどのことだろう。
エルザが森の外に出た瞬間、あれほど強烈だった精霊の存在感が、完全に消え去ったのである。
まるでそこにある森と、直前までいた森とは別の場所だとでも言うかの如く。
しかしそれに関して深く考えることは出来なかった。
暇がなかったからだ。
その直後、エルザに向けて強烈な殺気が叩きつけられたのである。
瞬間エルザはその場にいたら死ぬと直感し、死ぬ物狂いで逃げ出したわけだが――
「……どうやら、自分の直感に従って正解だったみたいね」
荒い息と共に呟きながら、後方へと振り返った瞬間に視界に映った光景に、そのことを確信する。
視線の先には、幾つもの魔物の影が存在していたからだ。
行きはおろかつい先ほどまで影も形もなかったというのに……まるで幻覚でも見せられていたかのような感覚であった。
「……でも、確かにあったことだわ」
あの精霊の感覚が幻覚なわけはないし……何よりもと、仕舞っていたものを取り出す。
七色にその色を変える、不思議な花。
これが手元にあることこそが、あれが現実であったという証拠であった。
だがそれはそれで考えることが色々あるものの……それよりもまずはと、歩き出す。
行かなければならないところがあった。
「……どういうつもりなのか、問いたださなきゃね」
呟き、真後ろにあった北門を抜けながら、エルザはギルドへと足を向けるのであった。
ギルドに辿り着くや否やエルザが目を細めると共に眉根を寄せたのは、自分にアドバイスだかなんだかよく分からない言葉を送ってきたあの受付嬢の姿がなかったからだ。
問いただすのならばあの受付嬢だと思ったのだが……仕方なく、その隣のカウンターにいた受付嬢に話しかける。
「ねえ、隣の受付嬢はどうしたのよ? あたしはあの受付嬢に聞きたい事があるんだけど?」
「おや。確か、エルザさん、でしたか? そうですか、無事に戻ってこれたんですねー」
「……ちょっと。それだとまるであたしが無事に帰って来れない可能性があったみたいに聞こえるんだけど?」
「いやですねー、それは邪推ってやつですよー。そんなこと、割とあるんじゃないかな、ぐらいにしか考えていませんでしたもん」
「ちょっと邪推って言葉の意味調べてきなさいよ」
「だって北の森に行ったんですよね? そう考えるのが自然だと思いません?」
「……なるほどね」
そうだろうと思ってはいたが、やはりあの少女があの森で採集をしていた、ということは知っていたようだ。
ただ問題は、どこまで知っているのか、ということだが――
「多分ですが、貴方が知りたいことを私達は何も知らないと思いますよー? むしろ私達の方が知りたいぐらいなんですから」
「……そう。それは残念だったけど、同時に何よりね。そう言うってことはつまり、あんたもある程度は事情を理解してるってことでしょ」
「あちゃー、これはちょっと余計なことを口走っちゃいましたかねー」
「ふんっ……よく言うわ。わざとあたしに聞かせたくせに」
睨み付けるように言うが、受付嬢の態度は飄々したものであった。
あの受付嬢もそうだが、受付嬢というのはどいつもこいつも食えないやつらばかりである。
だがそんなエルザの内心を知ってか知らずか、受付嬢はそのまま立ち上がった。
「ま、ここであまり問答を繰り返すのも何ですしねー。とりあえずこちらへとどうぞ。ギルド長から許可は貰ってますから」
そう言って受付嬢が向かったのは、カウンターのさらに奥であった。
通路となっているそこは、基本的にはギルドの職員しか立ち入ることの出来ない区画である。
主に表に出ることのない職員がいたり、納品された素材などが仕舞われているらしいが、もちろんエルザは入ったことはない。
というか、Dランクに至った冒険者すらそう簡単には入ることの出来ない区画のはずであり、本来はまだFランクの、新人の域を出ていない冒険者が立ち入れる場所ではないはずだ。
それだけエルザが評価されているということなのか、あるいは――
「……あいつがそれだけ評価されてるってことかしらね」
まあ何にせよ、色々な意味で付いていかない理由はない。
カウンターの脇から中に入り、受付嬢の後を追った。
受付嬢はエルザが付いてくると確信しているのか、振り返るつもりもないようだ。
何となくシャクではあったが、黙ってその後を付いて行く。
とはいえ、次があるかも分からないような場所だ。
とっとと上のランクに上り詰めるつもりではあるが、だからといって訪れる理由が出来るとも限らず、自然と周囲を見回してしまう。
だがそこにあるのは、思った以上に普通の場所であった。
両脇にある扉から僅かに中の様子が覗けるが、そこにいったのは、ギルド職員と思しき人物達が書類を睨みつけていたり、何かを書いていたり、近くの人物と話をしていたりといった、どこでも有り触れたような光景だ。
「意外に思いましたかー?」
「……まあ、正直に言えばそうね。冒険者を率いてる大本の一つなんだから、もう少し何か違うのかと思ってたわ。ま、具体的に想像してたわけじゃないんだけど」
「まあ所詮は私達も雇われてるだけの身ですからねー。元々一般人なんですから、そりゃ他と違いなんかありませんよ」
「言われてみたらその通りなんでしょうけどね……っていうか、何当たり前のように人の心読んでんのよ」
「人の心を読むぐらいのことが出来なければ、受付嬢にはなれませんからねー」
「そんな話初めて聞いたんだけど? テキトー言ってんじゃないわよ」
そんなことを言いながら足を進めていくと、やがて受付嬢はある部屋の前で足を止めた。
今まで横切ってきた場所と比べれば、大きく頑丈そうな扉の並んでいる区画だ。
「これって……素材とかを保管してるっていう……?」
「ですねー。大体のものはすぐに馴染みの商店や商人の人達に卸してしまうんですが、それでも一時的に保管する場所は必要ですし、中にはすぐに卸すことの出来ないものもありますしねー」
特別な場所には見えないが、こうして案内してきたということはここに何かがあるということだ。
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