失われた力を身に宿す元聖女は、それでも気楽に過ごしたい~いえ、Sランク冒険者とかは結構です!~

紅月シン

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第12話 元聖女、親切な冒険者に出会う

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 冒険者ギルドを後にしたセーナは、意気揚々と薬草採集へと向かおうとし、だがそこではたと足を止めた。

「……あれ? 薬草って、何処で取れるんでしょうか?」

 薬草がどんなものなのかは分かる。
 実物を見たことはないが、図鑑で見たことがあるからだ。

 だから敢えて尋ねるようなことはしなかったのであり……しかし場所に関しては完全に頭から抜け落ちていた。

「むぅ……まさかのところでの躓きです」

 どうやら冒険者になれたということで自分でも思っていた以上に舞い上がっていたらしい。
 だがそれが分かったところで、さてどうするべきか。

「もちろん反省はすべきですが……うーん、やはり素直にギルドに戻るべきでしょうか……?」

 あまりにも間抜け過ぎる話だが、言っている場合でもあるまい。
 適当に探し回っても見つかるかもしれないが、さすがに効率が悪すぎる。

 いや、そういうのはそういうのでお宝探しみたいで楽しそうではあるものの、少なくとも今やるべきではない。
 未だ道中で貰った食材は余っているし、何だかんだで大抵の場合宿には対価代わりに無料で泊めさせてくれたため、お金は屋敷から持ってきたものがほぼ丸々残っている。

 だが全てを掻き集めても、金貨一枚が精々といったところだろう。
 前世の感覚で言えば大体百万円ぐらいになるので、そこそこの大金ではあるが、ここから先は減る一方だ。
 冒険者として本格的に活動するとなれば、色々と揃えなければならないだろうし、湯水の如く消えていくのは目に見えている。

 無駄なところで時間を浪費する余裕はなく、しっかり薬草採集を行い、お金を稼がなければならないのだ。

「目標を考えますと、ここで足踏みをするべきではないですしね」

 そもそもセーナの目標は冒険者になることではなく、気楽に生きることである。
 色々な面を考えた結果、最も近道となるのは冒険者だと思ったから冒険者になったものの、そこがゴールではない。

 そして冒険者として気楽に生きるには、まずはランクを上げることが必要だ。
 ランクが低いうちは相応の依頼しか受けることが出来ないというのは先ほど受付嬢からも言われたことではあるが、そういう依頼は対価として貰える依頼料も相応である。
 気楽に生きることが出来るぐらい稼げるようになるには、最低でもDランクにはなる必要があるだろう。

 もちろん言うほど簡単ではなく、Dランクに上がることが出来ない冒険者も多いと聞く。
 姉達の話では、Dランクまで上がれる冒険者は二割もいればいい方だとか。
 時間も相応に必要で、十年以上かける人も珍しくないらしい。
 なろうと思ったら誰でもなれる冒険者ではあるが、上にいくには意外と狭き門なのだ。

「まあそれはそれで興味深いからいいのですが……どうせならば、楽しくいきたいですしね。しかしこの調子では、そのためにもなるべく早く仲間になってくれそうな人を探した方がいいかもしれませんね……」

 冒険者は一人で活動するということはほぼない。
 複数人でパーティーを組み、互いの欠点を補い合うのが基本で、元々クラスというのはそのためにあるのだ。

「仲間がいましたら、薬草の場所を聞いていない、ということにも気付けたでしょうし。とはいえ、パーティーはトラブルの元という話も聞きましたから、安易に決めてしまうわけにもいかないのですが……」

 まあ何にせよ、ないものねだりをしている場合ではない。
 こうしている間も時間は確実に進んでいるわけで、仕方がないかとセーナは溜息を吐き出す。

 恥をかくことを承知の上で戻るしかないかと、ギルドへと向けて足を動かし……声をかけられたのは、まさにその時のことであった。

「おい嬢ちゃん、そんなとこに突っ立ってどうした? 見ねえ顔だが……新入りか? 困ってることがあるんなら、話ぐらいは聞いてやるぞ? 役立てるかは分からねえけどな」

 声に視線を向けると、そこにいたのは如何にも冒険者といった風情の、三十前後ぐらいの男であった。
 どことなくくたびれた印象を受けるその姿に、反射的に身構える。

 さすがにこの状況で無条件に人を信じるほどセーナも世間知らずというわけではないのだ。

「えっと、あの……?」

「ああ、んな警戒しなくても取って食うってわけじゃねえんだから……なんて言ってもまあ、嬢ちゃんぐらいの年齢の娘には無理なことか。ま、無理に話せとは言わねえよ。ただ困ってるみたいだったからよ」

 そう言って肩をすくめた男の姿に、迷いが生じる。
 困っていたのは確かだし、だが薬草が生えている場所が分からないなどということを口にすれば、恥をかくのは同じだ。

 とはいえ、結局恥をかくのは変わらないわけで……あとは、受付嬢相手に恥をかくのと、この男相手に恥をかくの、どちらがマシかということである。
 ただこの男の場合は、そもそも本当に教えてもらえるのか、という問題もあるわけだが――

「えっと……その、実はですね。薬草採集をしようと思ったのですが、薬草の生えている場所を尋ねるのを忘れてしまいまして……」

「あー……ま、新人はよくやることだな。だがそういうことなら、力になれそうだ。薬草なら穴場を知ってるからな」

 冒険者なんて大勢いるのだし、その一人が失敗してもすぐに忘れてしまうだろうと考え、思い切って話してみたら、意外な答えが返ってきた。
 これは話して正解だったのかもしれないと思い、だがはっとあることに気付き警戒を増す。
 そう言って何処かに連れて行こうとするとか、そういうことをされるのではないかと思ったのだ。

 だが。

「北門を出て真っ直ぐに進むと森があるんだが、少し距離があるせいか誰も薬草を採りに行こうとしなくてな。だがその分数が稼げるからお勧めだぜ?」

 そう言ってあっさり場所を告げた男に、特に一緒に行こうとする様子はなかった。
 思わず数度瞬きを繰り返す。

「えっと……あの、いいんですか? 穴場なんですよね? そんなあっさりと教えてしまって……」

「ん? ああ、別に問題はねえよ。俺には必要のない情報だしな」

 どうやら本当に場所だけを教えてくれるようで、セーナはそっと目を逸らす。
 本当にただの親切心から声をかけてくれた相手に対し一方的に警戒しまくっていたとか、申し訳なさ過ぎて穴を掘って埋まりたい気分だった。

 しかしそのことを相手に悟られるのは、もっとまずい。
 墓穴を掘ってしまう前に、頭を下げた。

「その……貴重な情報を教えていただき、ありがとうございました」

「気にすんなって。冒険者なんてもんは基本自己責任だからこそ助け合いが必要なんだからな」

 その言葉に、相手にそのつもりないだろうに責められている気分になった。

 そうだ、世間では冒険者はゴロツキ崩れなどと呼ばれたりすることも多いが、そうでない人もいるのだということをセーナは知っていたはずである。
 何せ尊敬する姉達も元冒険者だったというのだから。

 過剰に警戒してしまっていたことを反省し、もう一度礼と共に頭を下げる。
 やはり自分は未だ知らないことが多いようだ。
 本ばかりを読んで情報だけを頭に入れていたせいか、どうにも先入観から物事を判断してしまいがちな気がする。

 その辺は要改善だと思いながらも、男と別れ歩き出しつつ気分を入れ替えた。
 反省は後でも出来るのだ。
 それよりも、今度こそ冒険者としての初めての仕事を失敗しないよう、気合を入れながら、まずは街の北門へと向けて歩き出すのであった。







 北の方角へと向かって歩き出す銀髪の少女の後姿を眺めながら、男は目を細めた。
 隣から声をかけられたのは、その直後のことである。

「助け合いが必要、ねえ……よく言ったもんだな」

 顔を向ければ、そこにいたのは相棒の男である。
 腐れ縁でかれこそ十年近く一緒にいる男の厭らしい顔に、肩をすくめて返す。

「なんだ、別に間違ってねえだろ?」

「にしちゃ随分と酷い嘘を吐いた気がするが?」

「おいおい、人聞き悪いこと言うなよ。俺は一言も嘘は言ってねえぞ? 確かにあの森は穴場だろ?」

「ま、確かにな。あそこを利用するような連中は、そもそも薬草なんて採ったりしないだろうからな。何せあの森の周辺はDランク相当で、森の中に至っちゃCランク相当だ。今更薬草を集めるような連中じゃねえわな」

 冒険者のランクというのは、基本的に目安として使われることが多い。
 その冒険者がどれだけ信用出来るのか、どの程度の実力を持っているのか、その簡単な判断のための目安だ。
 ランクを上げるにはしっかり依頼をこなし続ける必要があるし、依頼をこなしていれば必然的に魔物と戦うこともあるため実力も必要となる。
 無論全てがそれだけで分かるわけではないが、目安として用いるには十分なのだ。

 そして同じようなことが、冒険者に関わることには適用されている。
 魔物もまたその強さや脅威度に応じてランク分けがされているが、その基準は同ランクの冒険者のパーティーで一人も欠けずに倒すことが可能、というものなのだ。

 さらに魔物には縄張りがあるため、それに応じて周囲の地域もまたランク分けされている。
 それによって、自分達のランクに合った場所はどこなのか、ということが分かりやすくなっているのだ。

 そしてDランク相応の場所というのは、一人前の冒険者のパーティーになって始めて訪れることが可能な場所、ということである。
 新人冒険者が訪れた場合、余程の才能か経験のある者でなければ、数十人いたところで確実に死ぬという、絶対に訪れてはいけない場所であった。

「しかもあそこは出てくる魔物が特に美味くもねえから、Cランクだろうとわざわざ行くやつはいない。魔物が減らされてねえからそこら中にいるだろうし、Dランクの魔物に見つかっちまったら新人じゃ逃げるのは不可能ときたもんだ。ったく、酷え話だな?」

「んなこと言ったって、仕方ねえだろ? 新人が増えるってことは、俺達の取り分がそれだけ減るってことだぞ? そこは助け合いの結果として、先任に譲るべきだろうよ」

「ま、異論はねえけどな。どうせ証拠なんて残らないだろうし」

「そうそう、一人の新人冒険者が、無謀な場所に行って命を落とす。ここじゃよくあることだろ?」

「まったくだな」

 そう言って男達は、自分達も今日の仕事をするべく歩き出した。
 もう十年近く繰り返している、薬草採集をするために。

 Dランクにまで上がることの出来る冒険者は、精々全体の二割程度しかいない。
 そしてそこまで至れてようやく、まともな生活を送れるようになる。
 Eランク以下の依頼では銀貨数枚を稼ぐのが精々で、日々を凌ぐので精一杯なのだ。

 ゆえに彼らは、ゴロツキ崩れと呼ばれるのである。
 上を目指すことを諦め、その日その日をただ生きていくことだけを選んだ者達。
 そのためならば、他人を陥れることを何とも思わないような者達。

 冒険者がそういう者ばかりだとは言わないが、そういうのが珍しくないのが冒険者というものなのだ。
 熟練のゴロツキ崩れの手によって、結果的に新人冒険者の命が奪われる。
 その街では珍しくも何ともない、よくあることであった。

 冒険者ギルドにとってはよろしくないことではあるのだが、何せ証拠がない。
 証拠はその者の命と共に、奪われてしまうのだから。

 彼らに罪悪感はない。
 とうにそんなものは擦り切れていたし、何よりも自分の目では直接その場を見ることはなく、手を汚すこともない、というのも大きかった。
 自分達はただ望む情報を与えただけ。
 その結果がどうなるのかなど知ったことではないと、言い訳することが出来たからだ。

 ともあれ。
 そうして彼らはいつも通り、その後に飲む酒のことなどを考えながら、いつも通りの場所へと向かっていくのであった。
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