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第9話 死に掛けの元冒険者と女神
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――ああ、これは死んだなと、男はその瞬間はっきりと理解した。
起き上がる力も既になく、全身の至る所から血が流れている。
周囲に人影はなく、そもそも人がいたところで手の施しようもないほどの傷を負っているのだ。
助かる理由の方が存在しなかった。
「やれやれ……ったく、無様なもんだなぁ……」
視界に映っている何処までも青い空に向かって、自嘲するように呟く。
元冒険者だからといって、調子に乗って魔物退治など軽く請け負ったらこれだ。
本当に、どうしようもない。
「ま、それでも魔物は倒せたんだから、意地ぐらいは見せられたかね」
実際のところは、倒せたと思って気を抜いた瞬間、最後っ屁の攻撃でどてっぱらに大穴を開けられてしまったわけだが。
それさえなければ、重症ではありながらも帰ることは出来ただろうに……本当に、しまらない。
そんなことは、今更ではあったけれど。
田舎の村で一生を終えるのが嫌で、冒険者の街と呼ばれている場所に行って、憧れの冒険者になって。
だが田舎の男は、所詮田舎の男でしかなかったのだ。
どれだけ必死に頑張ったところで、一流の冒険者の証とされるBランクはおろか、一人前とされるDランクにすら上がることは出来なかった。
結局五年ほど足掻きしがみ付いてみたものの、Eランクから上がれなかった時点で諦めざるを得なかったのだ。
そうしてすごすごと田舎の村に戻って、早五年。
ようやく自分にはこの程度が相応しいんだと納得出来たところだったというのに――
「まったく……俺は本当に、どうしようもねえなぁ」
何を間違えたのかと言えば、きっと最初から間違えていた。
そもそも身の程を弁えず、冒険者になどなろうとしたことからして間違いだったのだ。
冒険者は誰にでもなれるとされているが、実際になった身だからこそ断言出来る。
そんな馬鹿な、と。
あれこそは、他の何よりも才能が必要とされるものだ。
しかもその才能は、ランクというものによってこれ以上ないほど明確に示される。
一人前の冒険者になるにはまず才能が必要で、一流の冒険者以上になるにはそれ以上の生まれ持った才能が必要だ。
しかも、才能があるからといって成功するとも限らないのである。
男がまだ冒険者として上を目指すのを諦めていなかった頃、Bランクに必ずなれると言われていた女がいた。
だがそんな女も、一つのミスがきっかけで全てが台無しになった。
時折その姿を見かけるたび、綺麗な顔だと見惚れていたその顔に、大きな傷跡が刻まれることとなってしまったのだ。
さらに言うならば、女は貴族であったらしい。
顔に傷を作ってしまったことは貴族の女として致命的だと、傷心のままに冒険者を辞めてしまったと聞く。
ならば最初から冒険者になどなるべきではなかったのだろうが、まあそれはそれということなのだろう。
何にせよ、才能があったところで成功するとは限らないのが冒険者というものなのである。
もっとも、そんなことは冒険者に限らないことなのだろうが。
こんな世界で生きるには、どうしたって運というものが必要なのだ。
運がないやつは、こうして無様に死んでいくしかないのである。
「俺に運があれば、こっからでも何とかなったのかね。……なんてまあ、運があったら最初からこんなことになんてなっちゃいねえか。そもそもこんな致命傷を負った状態から生還するだなんて、それこそ奇跡でも起こらねえと……って、そういや、最近そんな話を聞いたことがあったな」
何でも、最近寂れた田舎の村に女神が現れるという話であった。
女神が手をかざすだけでどんな傷でも病だろうとあっという間に治り、死に掛けの人物すら一瞬で元気になってしまうのだという。
あまりにも馬鹿馬鹿しすぎて、真面目に聞く気すら失せる話だ。
それがどれだけ有り得ないことなのかは、きっと村の連中よりも冒険者だった男の方がよく理解している。
確かに冒険者の中には治癒士というものが存在しているが、あれは大半が役に立たないどころか害にしかならない連中だ。
一部例外はいるものの、例外は例外でしかないし、それだって名前負けしている。
治癒士なんて名乗っていながら、本当は傷を癒すことなんて出来やしないのだから。
それでも状況次第では有用であるから、本物であるならばBランクの冒険者や、時にはAランク冒険者からすら勧誘されることもあるらしいが。
実際治癒士がパーティーにいたおかげで、Bランクパーティーがあわやというところで全員無事に帰還出来たという話を聞いた事がある。
その時の傷が原因で、その治癒士自体は冒険者をやめてしまったらしいが……何にせよ、噂のような話は有り得ないというわけだ。
「……ま、だからこそ、噂になんてなるんだろうけどな」
そもそも噂なんてものは、そんなものだ。
誰かがこうであったらいいのにという希望や願望が、人の間を行き交ううちにあたかも事実であるかのように語られたものである。
冒険者だった頃は、ちょくちょくそういうのに引っかかって痛い目を見たものだ。
まあ噂の中には時として本当の事が混ざっていたりもするようだが……さすがにこれはあるまい。
「……もしもそれが本当で……こんな俺の前に来てくれるってんなら、俺が出来ることなら何でもやってやるんだがな」
もっとも、出来ることなど大してないが。
元冒険者とはいえ、所詮は冒険者未満の身だったのだ。
出来るようなことなどろくになければ、価値のありそうなものも――
「あー……そういや、一つだけあった、か」
奇跡にも等しい偶然の果てに手に入れる事が出来た、魔法の鞄などと呼ばれているそれ。
一度だけ行った迷宮で手にし、その貴重性と有用性から売れば物凄い大金を手にする事が出来ると分かっていながら、村にまで持ち帰ってしまった物。
未練がましく未だに身につけているそれならば、あるいは女神様のお眼鏡にも叶うのかもしれない。
「なんてまあ、所詮は戯言だけどな……」
そしてそんなくだらないことを考えたせいか、ついに限界が訪れたらしい。
気を紛らわせようと声に出して呟いたりしていたのだが、むしろ無駄に体力を消耗するだけだったか。
せめて遺言の一つでも残せたらと、殊勝なことを考えたりもしたのだが、どうやらそんなことも許されないようだ。
であるならば、仕方があるまい。
これで終わりかと……死にたくないなと、そんなことを思いながら、瞼が落ち、身体から力が抜ける。
その瞬間のことであった。
「――あのー……大丈夫でしょうか?」
――大丈夫なわけねえだろうが、というのが、反射的に思ったことであった。
同時に、まだそんなことを思えたことに驚く。
だがそれも仕方のないことだろう。
今の自分の外見を自分で見ることは出来ないが、どう考えても大丈夫な外見はしていないはずだ。
そこに大丈夫かなどと間抜けな声をかけられてしまったら、死の淵から顔ぐらいは出すというものである。
とはいえ、それだけのことだ。
もう少しだけ早ければ遺言を残す事が出来たのかもしれないが……今日は本当に、ついていない。
いや、余計なことをせずに黙っていれば間に合ったのかもしれないことを考えれば、単に自分が悪いだけか。
つくづく自分はどうしようもないらしい。
「えっと……大丈夫、ではありませんよね? つまりこれは、仕方のないことです。必要最小限に入ることですから、問題はないはずです」
何かを喋っているのかは分かるのだが、既に何を言っているのかは分からない。
どうやら本当の本当に限界のようだ。
意識が薄れていき、今度こそ死ぬのだとはっきり理解し――
「――『癒しを』」
何か暖かいものに包まれた、と思った次の瞬間、目を開いていた。
「……は?」
二度と目は開けないだろうと確信していただけに、反射的に呆然とした声が漏れた。
というか、それどころか全身の痛みすらなくなっている。
一体何が、と思いながらも自分の身体を眺め、だがそこには傷の一つも見当たらなかった。
「…………は?」
再度呆然とした声が漏れるが、これは仕方のないことだろう。
どう考えても有り得ない。
だが夢だったのだろうかと思うには、服や地面にこびり付いている血が否定していた。
まさかあの世とやらにいったのだとしても、こんな格好で行くことはあるまい。
しかしでは、一体何が起こったというか。
こんな……まるで噂に聞いた女神の起こす奇跡のような出来事が現実に起こるなど――
「あの……大丈夫でしょうか? 傷はしっかり治っていると思うのですが……もしかして、どこかまだ痛いところがあったりしますか?」
聞こえた声に、呆然としたまま視線を向ければ、そこにいたのは銀色の髪を太陽の光に煌かせている少女であった。
その美しい光景に男は目を奪われ、直前までとは異なる意味で呆然としつつ、ふと思う。
男は先ほど、女神に差し出せるものがあるとすればそれは魔法の鞄ぐらいだろうと思ったわけだが……そんなものでは、到底足りていなかったようである。
そんな馬鹿みたいなことを考えながら、男はこの色々な意味で有り得ない状況の中、ただ呆然と女神様の姿を眺め続けるのであった。
起き上がる力も既になく、全身の至る所から血が流れている。
周囲に人影はなく、そもそも人がいたところで手の施しようもないほどの傷を負っているのだ。
助かる理由の方が存在しなかった。
「やれやれ……ったく、無様なもんだなぁ……」
視界に映っている何処までも青い空に向かって、自嘲するように呟く。
元冒険者だからといって、調子に乗って魔物退治など軽く請け負ったらこれだ。
本当に、どうしようもない。
「ま、それでも魔物は倒せたんだから、意地ぐらいは見せられたかね」
実際のところは、倒せたと思って気を抜いた瞬間、最後っ屁の攻撃でどてっぱらに大穴を開けられてしまったわけだが。
それさえなければ、重症ではありながらも帰ることは出来ただろうに……本当に、しまらない。
そんなことは、今更ではあったけれど。
田舎の村で一生を終えるのが嫌で、冒険者の街と呼ばれている場所に行って、憧れの冒険者になって。
だが田舎の男は、所詮田舎の男でしかなかったのだ。
どれだけ必死に頑張ったところで、一流の冒険者の証とされるBランクはおろか、一人前とされるDランクにすら上がることは出来なかった。
結局五年ほど足掻きしがみ付いてみたものの、Eランクから上がれなかった時点で諦めざるを得なかったのだ。
そうしてすごすごと田舎の村に戻って、早五年。
ようやく自分にはこの程度が相応しいんだと納得出来たところだったというのに――
「まったく……俺は本当に、どうしようもねえなぁ」
何を間違えたのかと言えば、きっと最初から間違えていた。
そもそも身の程を弁えず、冒険者になどなろうとしたことからして間違いだったのだ。
冒険者は誰にでもなれるとされているが、実際になった身だからこそ断言出来る。
そんな馬鹿な、と。
あれこそは、他の何よりも才能が必要とされるものだ。
しかもその才能は、ランクというものによってこれ以上ないほど明確に示される。
一人前の冒険者になるにはまず才能が必要で、一流の冒険者以上になるにはそれ以上の生まれ持った才能が必要だ。
しかも、才能があるからといって成功するとも限らないのである。
男がまだ冒険者として上を目指すのを諦めていなかった頃、Bランクに必ずなれると言われていた女がいた。
だがそんな女も、一つのミスがきっかけで全てが台無しになった。
時折その姿を見かけるたび、綺麗な顔だと見惚れていたその顔に、大きな傷跡が刻まれることとなってしまったのだ。
さらに言うならば、女は貴族であったらしい。
顔に傷を作ってしまったことは貴族の女として致命的だと、傷心のままに冒険者を辞めてしまったと聞く。
ならば最初から冒険者になどなるべきではなかったのだろうが、まあそれはそれということなのだろう。
何にせよ、才能があったところで成功するとは限らないのが冒険者というものなのである。
もっとも、そんなことは冒険者に限らないことなのだろうが。
こんな世界で生きるには、どうしたって運というものが必要なのだ。
運がないやつは、こうして無様に死んでいくしかないのである。
「俺に運があれば、こっからでも何とかなったのかね。……なんてまあ、運があったら最初からこんなことになんてなっちゃいねえか。そもそもこんな致命傷を負った状態から生還するだなんて、それこそ奇跡でも起こらねえと……って、そういや、最近そんな話を聞いたことがあったな」
何でも、最近寂れた田舎の村に女神が現れるという話であった。
女神が手をかざすだけでどんな傷でも病だろうとあっという間に治り、死に掛けの人物すら一瞬で元気になってしまうのだという。
あまりにも馬鹿馬鹿しすぎて、真面目に聞く気すら失せる話だ。
それがどれだけ有り得ないことなのかは、きっと村の連中よりも冒険者だった男の方がよく理解している。
確かに冒険者の中には治癒士というものが存在しているが、あれは大半が役に立たないどころか害にしかならない連中だ。
一部例外はいるものの、例外は例外でしかないし、それだって名前負けしている。
治癒士なんて名乗っていながら、本当は傷を癒すことなんて出来やしないのだから。
それでも状況次第では有用であるから、本物であるならばBランクの冒険者や、時にはAランク冒険者からすら勧誘されることもあるらしいが。
実際治癒士がパーティーにいたおかげで、Bランクパーティーがあわやというところで全員無事に帰還出来たという話を聞いた事がある。
その時の傷が原因で、その治癒士自体は冒険者をやめてしまったらしいが……何にせよ、噂のような話は有り得ないというわけだ。
「……ま、だからこそ、噂になんてなるんだろうけどな」
そもそも噂なんてものは、そんなものだ。
誰かがこうであったらいいのにという希望や願望が、人の間を行き交ううちにあたかも事実であるかのように語られたものである。
冒険者だった頃は、ちょくちょくそういうのに引っかかって痛い目を見たものだ。
まあ噂の中には時として本当の事が混ざっていたりもするようだが……さすがにこれはあるまい。
「……もしもそれが本当で……こんな俺の前に来てくれるってんなら、俺が出来ることなら何でもやってやるんだがな」
もっとも、出来ることなど大してないが。
元冒険者とはいえ、所詮は冒険者未満の身だったのだ。
出来るようなことなどろくになければ、価値のありそうなものも――
「あー……そういや、一つだけあった、か」
奇跡にも等しい偶然の果てに手に入れる事が出来た、魔法の鞄などと呼ばれているそれ。
一度だけ行った迷宮で手にし、その貴重性と有用性から売れば物凄い大金を手にする事が出来ると分かっていながら、村にまで持ち帰ってしまった物。
未練がましく未だに身につけているそれならば、あるいは女神様のお眼鏡にも叶うのかもしれない。
「なんてまあ、所詮は戯言だけどな……」
そしてそんなくだらないことを考えたせいか、ついに限界が訪れたらしい。
気を紛らわせようと声に出して呟いたりしていたのだが、むしろ無駄に体力を消耗するだけだったか。
せめて遺言の一つでも残せたらと、殊勝なことを考えたりもしたのだが、どうやらそんなことも許されないようだ。
であるならば、仕方があるまい。
これで終わりかと……死にたくないなと、そんなことを思いながら、瞼が落ち、身体から力が抜ける。
その瞬間のことであった。
「――あのー……大丈夫でしょうか?」
――大丈夫なわけねえだろうが、というのが、反射的に思ったことであった。
同時に、まだそんなことを思えたことに驚く。
だがそれも仕方のないことだろう。
今の自分の外見を自分で見ることは出来ないが、どう考えても大丈夫な外見はしていないはずだ。
そこに大丈夫かなどと間抜けな声をかけられてしまったら、死の淵から顔ぐらいは出すというものである。
とはいえ、それだけのことだ。
もう少しだけ早ければ遺言を残す事が出来たのかもしれないが……今日は本当に、ついていない。
いや、余計なことをせずに黙っていれば間に合ったのかもしれないことを考えれば、単に自分が悪いだけか。
つくづく自分はどうしようもないらしい。
「えっと……大丈夫、ではありませんよね? つまりこれは、仕方のないことです。必要最小限に入ることですから、問題はないはずです」
何かを喋っているのかは分かるのだが、既に何を言っているのかは分からない。
どうやら本当の本当に限界のようだ。
意識が薄れていき、今度こそ死ぬのだとはっきり理解し――
「――『癒しを』」
何か暖かいものに包まれた、と思った次の瞬間、目を開いていた。
「……は?」
二度と目は開けないだろうと確信していただけに、反射的に呆然とした声が漏れた。
というか、それどころか全身の痛みすらなくなっている。
一体何が、と思いながらも自分の身体を眺め、だがそこには傷の一つも見当たらなかった。
「…………は?」
再度呆然とした声が漏れるが、これは仕方のないことだろう。
どう考えても有り得ない。
だが夢だったのだろうかと思うには、服や地面にこびり付いている血が否定していた。
まさかあの世とやらにいったのだとしても、こんな格好で行くことはあるまい。
しかしでは、一体何が起こったというか。
こんな……まるで噂に聞いた女神の起こす奇跡のような出来事が現実に起こるなど――
「あの……大丈夫でしょうか? 傷はしっかり治っていると思うのですが……もしかして、どこかまだ痛いところがあったりしますか?」
聞こえた声に、呆然としたまま視線を向ければ、そこにいたのは銀色の髪を太陽の光に煌かせている少女であった。
その美しい光景に男は目を奪われ、直前までとは異なる意味で呆然としつつ、ふと思う。
男は先ほど、女神に差し出せるものがあるとすればそれは魔法の鞄ぐらいだろうと思ったわけだが……そんなものでは、到底足りていなかったようである。
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