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第1話 魔術学校にて
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「ルトくん!もうすぐ授業始まるよ!ボク先に行っとくからね」
「あぁ、すぐ行くよ。」
今回の俺につけられた名前は"ルトラルド"だ。
13歳になった俺は、マンデーズ魔法学校で1年生をしている。そして今俺に話しかけていたのは俺の唯一の友達のネイラだ。
女のようなルックスと高めの声のせいでよく女と間違われている。
魔法学校に入った俺はなるべく目立たないように平均的な成績を維持して生活している。
この世界は勇者を欲しているせいで少しでも目立てばすぐに勇者ルート行きだ。それだけは避けたい。
最初の人生では剣を主に使っていたのだが、二度目からは魔法の便利さに気付き魔法を使っていた。
そのせいで魔法使いの勇者というなかなかよく分からない勇者になっていた。
それに魔法は知識だ。生まれ変わった今でも過去に使えた魔法はすべて使える。
小さい頃から魔法を使えば魔力量の伸びも大きい事を知っていた俺は既にかなりの魔力量もある。
魔王にはまだ勝てないだろうが、もう少し強くなれば勝てるだろう。
まぁ今回の人生はそれが目標じゃないんだけどね。
そろそろ授業が始まりそうだし教室に戻るとしよう。
*
「ルートーくん!帰ろ?」
「ネイラさっき残るように言われてなかったか?」
「あぁっ!そうだったっ!ごめんね、帰ってて...。」
ネイラのテンションが目に見えて下がる。
「いいよ、待ってるから行ってきな。」
「本当!?ありがとう!」
先生のいる方へ走っていくネイラの背中を見つめる。
ネイラといると何か小動物と戯れているような感じがして微笑ましい。
それから20分程してネイラが走って帰ってくる。
「はぁ...はぁ...待たせてごめんね。」
「いつもの事だろ。」
「うっ......。」
気まずそうな顔をする。
「まぁ気にしてないよ。帰ろう。」
「そっか!帰ろー!」
学校を出て帰路を歩いて行く。
「あのねー今日は...」
その一言から会話がスタートする。ネイラが今日の出来事を話してそれを俺がひたすら聞く。そうやっていれば家までつく。
だが今日はいつもとは違った。
「ルトくん、これ......買ったんだけど。」
ネイラが一つの箱をカバンから取り出す。
「今日誕生日でしょ?だからプレゼント渡したいなと思って......。」
そうか、今日俺の誕生日か。
「ありがとうネイラ。見ていいか?」
「うん!」
箱を開き中から物を取り出す。
中に入っていたのは、魔法用の木で出来た杖だった。
杖と言っても20センチほどの魔法を使う際に必要な魔力量を少なくしてくれるという補助アイテムだ。見た感じかなりいいやつだろう。
「高かったんじゃ?貰ってもいいのか?」
「ルトくんには色々助けてもらってるから安いもんだよ!」
「俺助けた覚えはないけど......。」
「助かってるの!」
何か嬉しそうな表情をしながらふふふと笑う。
「ありがとな。今度から使わせてもらうよ。」
「んふふー」
そんなことを言っているとネイラの家が見えてくる。
「それじゃあまた明日ね!」
「また明日な。」
そう言って手を振り別れる。
ーーこのまま過ごしてもいいんじゃないか。
そんな考えが頭に浮かぶがすぐにその考えは頭の中から消す。
それじゃあ何も変わらない。
いつかこの世界の異常な仕組みを消すことが出来る日を夢見て今日も力を付ける。
「あぁ、すぐ行くよ。」
今回の俺につけられた名前は"ルトラルド"だ。
13歳になった俺は、マンデーズ魔法学校で1年生をしている。そして今俺に話しかけていたのは俺の唯一の友達のネイラだ。
女のようなルックスと高めの声のせいでよく女と間違われている。
魔法学校に入った俺はなるべく目立たないように平均的な成績を維持して生活している。
この世界は勇者を欲しているせいで少しでも目立てばすぐに勇者ルート行きだ。それだけは避けたい。
最初の人生では剣を主に使っていたのだが、二度目からは魔法の便利さに気付き魔法を使っていた。
そのせいで魔法使いの勇者というなかなかよく分からない勇者になっていた。
それに魔法は知識だ。生まれ変わった今でも過去に使えた魔法はすべて使える。
小さい頃から魔法を使えば魔力量の伸びも大きい事を知っていた俺は既にかなりの魔力量もある。
魔王にはまだ勝てないだろうが、もう少し強くなれば勝てるだろう。
まぁ今回の人生はそれが目標じゃないんだけどね。
そろそろ授業が始まりそうだし教室に戻るとしよう。
*
「ルートーくん!帰ろ?」
「ネイラさっき残るように言われてなかったか?」
「あぁっ!そうだったっ!ごめんね、帰ってて...。」
ネイラのテンションが目に見えて下がる。
「いいよ、待ってるから行ってきな。」
「本当!?ありがとう!」
先生のいる方へ走っていくネイラの背中を見つめる。
ネイラといると何か小動物と戯れているような感じがして微笑ましい。
それから20分程してネイラが走って帰ってくる。
「はぁ...はぁ...待たせてごめんね。」
「いつもの事だろ。」
「うっ......。」
気まずそうな顔をする。
「まぁ気にしてないよ。帰ろう。」
「そっか!帰ろー!」
学校を出て帰路を歩いて行く。
「あのねー今日は...」
その一言から会話がスタートする。ネイラが今日の出来事を話してそれを俺がひたすら聞く。そうやっていれば家までつく。
だが今日はいつもとは違った。
「ルトくん、これ......買ったんだけど。」
ネイラが一つの箱をカバンから取り出す。
「今日誕生日でしょ?だからプレゼント渡したいなと思って......。」
そうか、今日俺の誕生日か。
「ありがとうネイラ。見ていいか?」
「うん!」
箱を開き中から物を取り出す。
中に入っていたのは、魔法用の木で出来た杖だった。
杖と言っても20センチほどの魔法を使う際に必要な魔力量を少なくしてくれるという補助アイテムだ。見た感じかなりいいやつだろう。
「高かったんじゃ?貰ってもいいのか?」
「ルトくんには色々助けてもらってるから安いもんだよ!」
「俺助けた覚えはないけど......。」
「助かってるの!」
何か嬉しそうな表情をしながらふふふと笑う。
「ありがとな。今度から使わせてもらうよ。」
「んふふー」
そんなことを言っているとネイラの家が見えてくる。
「それじゃあまた明日ね!」
「また明日な。」
そう言って手を振り別れる。
ーーこのまま過ごしてもいいんじゃないか。
そんな考えが頭に浮かぶがすぐにその考えは頭の中から消す。
それじゃあ何も変わらない。
いつかこの世界の異常な仕組みを消すことが出来る日を夢見て今日も力を付ける。
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