マーライオンの宴

甘味料

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何も

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 やっぱりあの日、俺は自分からは班に入れなかったし、先生に入れられた班の人も俺をかまおうとはしなかった。部屋割りだって、何時まで起きてようぜとか、女子の部屋はどこにあるのかとか、そんな他愛ない話を俺にしてくるやつはいなかった。
 不思議と寂しくはなかった。悲しくもなかった。だからといって嬉しくもなくて、ただただ時間が過ぎるのを遠くから眺めているような感覚。あの日見た鎌倉の大仏は俺のことをじっと見下ろし何を思ったのだろう。

 何を思ったのだろう。

 そして無事小学校を卒業。
卒業アルバムの後ろの方のページは真っ白で、写真のページにはみんなが一緒に写っている写真がほとんどの中、俺はひとり持久走を走ってる写真が1枚だけ見つかった。酷い顔。
 進学先はは近くの中学校で、小学校ともメンバーは変わらない。いつも通り。目立つこともなく時間は過ぎた。
 ひとつ変わったことと言えば、中学校の先生は俺に見向きもしないということだ。
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