魔帝令嬢と妖精のおっさんの一年記


 フレイオージュ・オートミールは「魔帝ランク」である。

 一色の魔法使い「ただの魔法使いランク」は、それなりにいる。
 二色の魔法使い「魔鳥ランク」は、まあまあいる。
 三色の魔法使い「魔王ランク」は、かなり珍しい。
 四色の魔法使い「魔竜ランク」は、非常に珍しい。


 五色を有する「魔帝ランク」は、数百年に一人という稀有な存在であった。



 外敵から身を守るように。
 また、外部要因で当人の人格や性格を歪ませないように。

 オートミール家の箱庭で純粋培養で育てられた彼女は、十年ぶりに外出し、魔法騎士の士官学校に通うことになる。



 特に問題もなく、順調に、しかし魔帝に恥じない実力を見せつけた一年間を経た、士官学校二年目の初日。


 彼女は、おっさんの妖精と出会うことになる。


 
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