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32.強引の下で物事は緩やかに加速し……

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 牛乳開発から数日が過ぎた。
 火食鳥ひくいどりの月……俺が覚醒した四月から、五月へ。
 そしてダイエットだのなんだので費やした五月という暦が、主に俺に惜しまれながら過ぎ去った。
 樹王鹿みどりのしかの月である五月から、十眼猪とうがんいの月という六月へ。

 最近は曜日感覚が麻痺し、もはや無視してやるべきことをこなしていたが、「今日から十眼猪の月です」とレンに言われて、はたと気づく。
 いつの間にか六月である。
 俺が悪役令嬢になって、早くも二ヶ月が過ぎたのである。

 フロントフロン家没落が、来年三月……ゲーム終了前後だとして。
 年末くらいには何かしら環境の変化があるかもしれないので、逃げるのであれば一月くらいがリミットだろうか。
 それまでに何ができるかわからないが、最大限の没落を回避する努力をしよう。

 様々な懸念はもちろんあるが、今はやはり、浴場建設が優先だしな。

 それでもダメなら見極めて逃走する。
 ……案外今の良好な関係なら、いざって時はラインラック王子が国に匿ってくれそうな気がするし、仲良くしとこう。




 ところでこの数日、何をしていたかと言えば、何もしていない。
 いや、剣術訓練に時間を割いたり、依頼で小銭を稼いだり、例の温泉に行って風呂上がりの一杯を楽しんだりと、それはそれでとても充実した日々を過ごしていた。レンさんに殴られたりレンさんと冒険したりレンさんと混浴したりしたわけだから充実してないわけがないよな!
 要するに、企画に動きがなかったってだけだ。

 そして、やはりというかなんというか、王子たちも俺とレンさんのイチャイチャに度々ついて来たが。彼らは彼らでやることがありそうなものなんだが……暇なんだろうか?
 だが、奴らはすでに知っている――風呂上がりの牛乳の味を!
 知っているだけに、いざという時に強力な後押しになりそうだと期待している。

 八年生第一回目の単位査定は、七月中である。
 今現在から考えれば、建設期間は最長二ヶ月ってことになる
 まだ大きさも立地場所も規模も、更に言うなら見積もり金を削るのもまだだ。
 色々と決めなければいけないことは山積みなので急がねばならないのだが、それでも足踏みしていたのには理由があって――

「――ヨウさん、来ましたよ」

 おっ、やっと来たか!!




「邪魔するぞ」
「おはよう、アクロ」

 ちょうど朝食が済み、さて今日はどうするかと考えている時、レンの言葉通りに彼らがやってきた。

 最近では毎日のように顔を併せて一緒に何かしているキルフェコルト王子と、ラインラック王子の両名である。
 更にいつもの顔であるヴァーサスとクローナは、今はこの部屋の前で待機しているそうだ。
 まあ今はいてもいなくてもいいんだが……いや、でもやっぱ、朝イチで見るのは王子たちより、俺は美少女クローナの笑顔がいいなぁ……あれはレンさんにちょっかい出して睨まれるくらい好ましいものだからな!

 勧めるまでもなく二人は空いた席に座り、言った。

「ようやく話がついた。とりあえずこれな」

 キルフェコルト王子は俺の前に革袋を置いた。

「これは私から」

 ラインラック王子も革袋を置く。
 二つの革袋は、手にしてみると、非常に軽い。そりゃそうだ。硬貨が数枚入っているだけだからな。

「確認します」

 と、俺はまずキルフェコルト王子の出した革袋をテーブルにひっくり返した。

 金色に輝く硬貨が、15枚。
 前に見た金貨より若干大きいのは、それが正タットファウス金貨――この国が発行している、1枚で金貨10枚分の価値があるものだからだ。
 金貨1枚が1万ジェニーだから……これで日本円で150万円である。

 次に、ラインラック王子の出した革袋の中身を確認する。こちらもすでに正タットファウス金貨に換金されていて、5枚ほどが入っていた。

 つまり、今俺の目の前には、200万円もの大金が無造作にあるわけだ。……うおお……そう思うと俺を魅了するゴールドの輝きが怖くなってきた……ここまで無造作に置かれているとコインチョコレートみたいだけど、本物なんだぜ……
 目に毒なので、枚数を確認だけしてさっさと革袋に戻した。あの輝きはずっと見ていたいくらいだしな……悪代官が山吹色の菓子を好むのもわからなくはないな。……いやそれは誰でも欲しがるわ! 悪代官のみじゃないわ! 庶民の俺も欲しいわ!

「確認しました。ではこれで、手打ちということで」

 ――この金は、例の牛乳開発によって発生した利益である。
 利権関係や商人ギルド関係などは、アクロディリアの記憶になかった。俺自身もただの高校生なのでよくわからない。なので、諸々難しいことは全部王子たちに任せたのだ。素人の俺が口を出してもいいことはないだろうしな。
 それに、いずれ国を継ぎそうな第一王子と第二王子である。
 この二人が、悪徳商人よろしく俺からぼったくるとか利益を横取りするとも思えない。だいたいフロントフロン辺境伯の娘を騙して利益を得たともなれば、これまたヤバイ話になってきたりもする。最悪戦争的な意味で。
 だから安心して任せることができた。

 すごくわかりやすい、俺でも一発で理解できた流れを言うなら、この200万で王子二人が俺から新作牛乳のレシピと権利を買い取った、という形になる。

 アイディアを買い取ったという話なら、200万が高いかどうかはわからない。
 ずっと利益が発生すると言われれば、俺はこの額では安いんじゃなかろうかと思うのだが……だってフルーツ牛乳とかの権利だぜ? 風呂がある限り絶対売れる飲み物だぜ? 提供できるシステムさえあれば200万の投資額なんて数年で取り戻せるんじゃないのか? 

 だが、ネックはやはり、俺は即金が必要だってことだ。
 長く持っていればそれ以上の利益を産みそうだが、それこそ時間のない俺には無縁である。だって俺にはこのままじゃ一年しかないからな!

 あとレンの話では、「売れるかどうかわからないものにこの金額は破格」なんだそうだ。この世界での常道では、新しい料理や飲み物がこの金額で売れることはなく、非常にいい取引ではあるらしい。
 なお、温泉上がりの一杯を知ったあとの言葉なので、「でもまあ、あれは売れますけどね」とレンさんから付け加えられたセリフはあるのだが。

 王子たちも国の専門家に任せ、購買部での提供関係も交渉し、この数日を掛けてようやく方々丸く収まった、というわけだ。

「詳しく話そうか?」
「いえ結構。……ああ、でも、一応流れだけでも聞いておこうかしら」

 ラインラック王子の提案に頷くと、王子は簡単に流れだけ説明してくれた。

 まず、牛乳開発の商標などは、全部タットファウス王国……アニキのこの国が押さえた形になる。だからアニキ側の支払金額が高かったのだ。
 次に、いずれ話は変わってくるが、少なくとも今年いっぱいの販売はこの学校の購買部のみに絞られるそうだ。俺の読み通り、購買のおっさんバイトスが販売独占を勝ち取ったってことになる。……まあ競争相手もいなかったんだけどね。
 そして金髪王子は、タットファウス王国から自国での販売権を買い取ったんだそうだ。

 つまりアニキがまず全権利を買い取って、そこから販売権利を、購買部と金髪王子の国が契約したって感じだな。うん、間違ってない……と思う!




 大金の入った革袋をレンに預けて、保管を頼んだ。
 これで牛乳の件は片付いたことになる。

 この数日は、金が来るのを待っていたのだ。
 これで、全部併せて208万ジェニーもの資金ができたことになる。……正直こんなにも簡単にここまでの金額が集まるなんて思いもよらなかったのだが……
 だが、これが知識チートの威力か、と思えば納得できなくもなかった。「知っている」ってのは思った以上のアドバンテージになるんだな。
 現世に帰ったら、ちょっと勉強とかがんばってみようかな。――まあ戻れたらの話だけどな! 俺の肉体が死んでるのかどうかだけ誰か教えてくれませんかね!

「で、どうする? ついに動かすのか?」
「言っておきますけど、あなたは関係ありませんからね」

 なんだか楽しげなキルフェコルト殿下に釘を刺しておく。俺の査定で、俺の主導で、俺の企画だからな。アニキ関係ないからな! やたら先頭に立って仕切ろうとするけどさ!

「今更だろう」

 しれっと言いやがった。……それを言われると、確かにそうなんだけど。喫茶店巡りからほとんどずっと一緒なのだ。確かに今更だよな。それに生徒会長として浴場建設企画の上役になっているのだから、少なくとも関わる権利と義務はあるわけだしな。

「私も、できることなら手伝いたいな」

 それこそまるで関係ないラインラック王子も、なぜだか楽しそうだ。……この人はアニキとは違う意味で断りづらい。くそー……アクロディリアの肉体に刷り込まれているのだろうか? この笑顔を見ていると無碍にできないというか……

 ……まあいいか! 手伝ってくれるっていうなら、それこそ人足が増えたと思えば気も楽だ! 相手は恐れ多くも王子様だけどな!

「まとまった資金ができたので、そろそろ大工と立地場所について話し合いたいと思います」

 まだ見積もり金額には至っていないが、半額以上あれば話くらいは聞いてくれるだろう。借金とかローンとかで強引に押し切ってもいい。時間さえあれば金は作れるしな。
 建造期間の問題があるから、そろそろ動かさないとまずい気がするんだよな。最長二ヶ月もの時間があるけど、早ければ早いほど望ましいしな。俺は風呂に入りたいんだ。

 まず契約するかもしれない大工を呼んで、規模や立地場所の相談をしたい。ある程度の目星は付けてあるが、そこに作れるかどうかはまた別問題だしな。やはりプロに見てもらわないと。
 それさえ決まれば、まず木造の湯船の注文はできるかもしれない。俺の中ではこれは確定だからな。

 ――まあそんな感じで、浴場建設企画は次の段階へ進む。




 そこからは、割と話は早かった。
 まだ本契約を結んでいないので、見積もりとは関係ない正当な報酬として金貨1枚を払い、正式に相談に乗ってもらうという交渉で大工さんを呼んだ。

 色々と相談しながら敷地内を歩き周り、闘技場と寮に近く、そして購買部からは若干の距離がある空いた土地に白羽の矢が立った。
 ここは第一候補と考えていた場所である。特に問題はないとのことだ。

 こんなところで凝っても仕方ないので、建物の形はシンプルな長方形。
 飾りなんて別にいらないので無骨な石造りでいい。高さはどれくらいがいいのかわからなかったのでプロに任せるとして、横は20メートル奥行は10メートルくらいを考えていた。これで建物内で左右に分割し、男湯女湯に分けるつもりだ。

「少し小さくないか?」

 え? そう?

「そうだね。全生徒にも利用されることを考えると、それでは小さいかもしれない。何せ生徒数は1500人以上いるから、たとえ一度に全員が入らないよう利用時間を区切ったとしても、やや手狭かもしれない」

 王子たちの意見を聞き入れ、一辺を5メートルほど伸ばしてみた。うう、見積もりがまた高くなるのか……




 そんなこんなで話が進み、アニキは中間管理職のごとく詰めた話を学校側へ持っていき、揉めることなく学校側から許可が下りた。

 あとは見積もり金額をどう削り、本契約を結ぶのか。
 頭の痛い問題を考える前に――ここでありがたい王子パワーが発揮される!

「俺が呼びかけてやってもいいぞ。土魔法使いを集めて材料を作ればいいんだろう?」

 アッ、アニキィィィィィイイ!
 やっべ、俺が男だったら惚れてたぜ! ……あれ? 俺男……うんまあどっちでもいいや! 男でも女でも惚れてまうわ! おいおい、こんな漢気溢れる男がこの国の第一王子なんだぜ? この国は安泰だな!

「私もしようか? ……いや、私はやめた方がいいか」

 そうね。金髪王子が呼びかけたら二人の王子で苦労も効果も二倍になりそうだが、これは企画の上役に抜擢されたキルフェコルト王子だからこそ陣頭指揮を取って違和感がないのだ。
 アクロディリアとの関係がなんだかんだアレなラインラック王子が動くと、要らない勘繰りをされてしまうからな。派手に動かない方がいいだろう。

「建設を手伝えばいいじゃねえか。どうせ暇だろ?」
「そうしようかな。何かを建てる現場で働くなんて始めてだから、いい経験になりそうだ」

 え、ラインラック王子、マジで人足になるの? 大工の下で石を積んだりするの? 

「殿下、そんなことなら俺が――」

 さすがのヴァーサスも止めるが、王子の返しは見事だった。

「何を言っているんだ。君も手伝うんだよ」
「……言うと思いました」

 うん、まあ、意外と頑固だからね。金髪王子。一度決めちゃうと曲げさせるの難しいからね。

 ――だが、次の言葉には全員がぎょっとした。

「一緒にがんばりましょうね」

「「えっ」」

 言ったのは、俺である。……え、なんか意外な反応されたんだが……

「別に不思議じゃないでしょう? わたしの企画なのだから。それにラインラック殿下が手伝っているのに、わたしが何もしないわけにもいかないではないですか」

 アクロディリアならしないだろうけどな! でも俺は手伝う気満々だぞ! 一応企画発案だし、なんだかすでに横取りされている感があるけどアニキじゃなくて俺が指揮を執るんだからな! ……まあ現場では明らかに俺が表立っちゃうと士気が落ちるだろうから任せるつもりだけど、全部任せるわけにはいかないだろうよ!

 士気が落ちるからすげーこっそり参加して、口は出さずに手伝いだけするつもりだけどな!

「どうしてもって言うなら許してやるが、足引っ張んじゃねえぞ」
「何を偉そうに。わたしの企画です」

 なんかすでに、やっぱり主導権取られてないか? 俺様系め……









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