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国始動編
第117話 帝国の思惑
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魔族の集落が映った写真に最も早く反応を示したのはメリアだった。
「この写真は何!?」
メリアは写真を食い入るように見つめながら、睦月に写真について問う。
「おぉ! お目が高いね! この写真はガドール火山を撮りにいった時にたまたま撮れた物でね。私の撮った写真の中でも一際貴重な物といっても良い代物だよ。なんせこの写真を撮った瞬間その集落は姿を消してしまったからね。」
睦月はメリアがその写真に目を付けたことに嬉しそうな顔を見せると、写真を撮った時の様子を話す。
「この集落があった場所は何処!? 大体で良いから教えて!」
必死の形相で睦月に詰め寄るメリア。
「メリア。気持ちはわかるが、その話は後だ。睦月はそれについての話をするためにここにいる訳ではない。」
大地に制止されたことで我に返ったメリアは目の前で困惑している睦月に一言謝ると、おとなしく席に着く。
「うちのが取り乱してすまない。話を続けてくれ。」
「では早速。うちが帝国に潜り込んで得た情報では、この四人が現在帝国における最高戦力みたいだね。一応要注意人物としてはこの四人のほかに宮廷魔法師第六位のシリウスと第七位のゼルターってのがいるね。そしてその二人が今国境に配置されている軍の指揮をとってるみたいだね。」
「ちょっと待て。ディランチを攻めていたのはあの三人の異世界人達だったであろう? そいつらは一体何処に行ったのだ?」
「どうやら帝都に戻ったらしいよ。理由までは探ることは出来なかったよ。ごめんちゃい。」
睦月はテヘペロ見せながら理由までは探ることが出来なかったことを冗談っぽく謝る。
「俺達がアーヴ達を撃退したからディランチ連邦を攻めていた奴らが退却したんだったよな。なら異世界人達を帝都に連れ戻した理由は一つしかない。帝国はそいつらを使って俺達の国に攻めてくるつもりなんだよ。」
大地は異世界人達を帝都に呼び戻した理由が自分達にあると瞬時に気付くと、帝国がアースに向けて進軍準備を始めているのだと睦月達に伝える。
「それはかなりまずいんじゃないかなぁ~。正直今のディランチに単体で帝国とやりあう力はないからね。大地っちの国がやられたらうち達も道連れになっちゃうな。」
「俺達だって同じだ。帝国兵に加えて異世界人を四人も相手に出来るほどの余裕はない。」
新たな帝国の戦力、そしてその戦力がアースへと向かおうとしていること。
大地は必死にこの状況を打開する方法はないか思案を巡らせていく。
マリカ達に協力を仰いでアースに全ての戦力を終結させるか?
いやそれでは国の境にいる帝国兵によりディランチ連邦が滅んでしまう。
全員をアースに移動させれば被害は無くて済むが、ディランチ連邦に住んでいる全ての者をアースに運ぶなど現実的ではない。
それにアースを守りながらの戦いではどうしても限界がある。仮に撃退出来たとしても被害はアーヴ戦の比ではないだろう。
守るだけでは勝てない。そうなれば俺達が取るべき行動は一つか。
大地は頭の中で何度も帝国兵との防衛戦をシュミレーションしていくが、やはりどれもアースに多大な被害が出る結果となってしまう。
受け手にまわっては帝国からの攻撃を防ぐことが出来ないと悟った大地は、小さくため息をつくと、同じように深く考えてこんでいる睦月達に提案を行う。
「こうなったら帝国の進軍準備が整う前に、帝国の防衛線を押し上げるしかないだろ。そうすれば帝国も簡単にアースへと兵を回すことが出来なくなるはずだ。これまで攻められてばかりだったんだ。今度はこっちが攻める番だ。」
大地の提案に睦月が不安そうな顔を見せる。
「でももし失敗すれば、大地っちの国は滅びるかもしれないんだよ? そんな賭けみたいな作戦で本当にいいの?」
「ちゃんと勝算はある。まず帝国は俺がディランチに来ていることを知らない。そして多分だが帝国はディランチが攻めてこないとたかをくくっているはずだ。」
「何でそんなことがわかるのだ?」
続いてオズマが帝国の思惑について、何故確信を持ってそう言えるのか尋ねてきた。
「ディランチはこれまで帝国に前線を押し上げられ、領土の三分の一を失うまでに追い詰められたんだろ? そんな状況の中で帝国が退却したからといって、すぐにディランチが攻勢に出てくるとは考えないだろう。それに元とはいえディランチには第三位から第五位まで宮廷魔法師がいるのに、その対応を第六位と第七位に任せるなんて、はなから攻めてくることがないと思っていないと出来ないではないか。」
「確かに大地の言う通り、私達の相手をするにはあの二人では荷が重いのは霧崎も知っているはずだ。ゼルターはこれまで私に模擬戦で勝てたことはないし、シリウスに限っては宮廷魔法師になって日も浅く、経験、実力ともに私達に勝っているとは思えない。」
大地の指摘によりマリカも帝国の不自然な兵の割り振りに気付く。
「だろ。ならば俺達がやることは一つしかない。ディランチへの警戒が薄くなっているうちに国境にいる帝国軍を徹底的に叩くんだ。そうすれば帝国はアースを攻めている場合じゃなくなるはずだ。」
大地はマリカ達に帝国の守備が薄いうちに国境線を押し上げる作戦はどうかと提案する。
「確かにその作戦なら充分上手くいく可能性がある。なにより皇帝大好き野郎のゼルターと堅物野郎のシリウス程度で私をどうにか出来ると思っている帝国の舐めきった態度が気に入らないな。」
マリカは帝国に舐められていることに顔を歪ませながら大地の提案に乗ってくる。
ディランチのトップであるマリカが大地の作戦でいくと決めたのを確認したオズマは、早速テーブルの上に周辺地図を広げ、作戦会議を始めた。
「まず帝国兵の場所だが、この国境付近に沿うような形で横長に陣を形成している。ディークからの報告のままであれば兵の数はおよそ五十万。それに対しては俺達が国境に配置している兵の数は半分の二十五万だ。拠点から兵を送れば最高で七十万までなら出せるが、大軍を動かせば必ず帝国側にこちらの動きがばれてしまう。時間的にも前線に配置している二十五万の兵を使って、帝国兵を叩くのが定石だろうな。」
「この際兵の数は重要ではない。敵兵の頭であるゼルターとシリウスさえどうにかすれば、後の有象無象どもは勝手に瓦解するはず。この作戦で一番重要なのはどれだけ早くあの二人を始末出来るかだ。帝国の本隊がまだ中央に控えている以上、出来る限り兵の消耗は避けたい。」
「そうだな。しかし五十万の兵の後方にいるはずの二人をピンポイントで攻める方法はあるのか?」
「う~ん。私が突っ込んで二人を殺るとか・・・」
「お前はそれしか考えられないのか? もう少し真面目に考えてくれ。」
マリカの自分が突っ込むという作戦とは到底呼べない方法を聞いたオズマはマリカを叱りつける。
「毎回私は真面目に言っているのに・・・」
「そういやそうだったな。お前に聞いた俺が馬鹿だった。ジグルは何か思いつかないか?」
叱られたことで少し落ち込んだ様子を見せるマリカ。オズマはそんなマリカの姿に大きなため息をつくと、ジグルに何か良い案はないか尋ねる。
「そうですね。案というものではないのですが、アースの皆さんが使っている武器はどれも見たことのないものでした。もしかしたら大地さんであればこの局面を打開出来る装備を作れるのではないかと思ったのですが。」
ジグルの発言によりみんなの視線が大地に集まる。
「大地どうだ?」
マリカは少し不安そうな顔を見せながら大地に可能かどうか尋ねてくる。
「一応だがここに来る前にある程度考えていた物はあるが、それが出来るかどうかは保障出来ないぞ。アースに帝国本隊が進軍する前となるとあまり時間もない。やるだけはやって見るが、念の為にもう一つ別の案も考えて欲しいところだな。」
「わかった。今は少しの時間でも惜しい。我々は別に何か良い方法はないか話を煮詰めておくから、大地は今からその装備の作成に入ってくれ。装備を作るにあたり必要な物や人なら気兼ねなく兵士達に申し付けてくれ。」
オズマは装備が出来なかった場合の作戦については私達に任せろと大地に告げると、兵士に指示を出し、大地を別室に案内させようとする。
「よし。じゃあ行くかルル。」
兵士が大地を別室に案内しようとした時、大地は隣でいまだに気分を落ち込ませているルルの頭に手を乗せ、静かに頭を撫でる。
「え!? 私も行くんですか?」
「これから作る装備にはどうしてもルルの力が必要なんだよ。」
ジグルに負けたことで気分を落ち込ませていたルルであったが、大地から必要だと言われたことで一気に気分を高揚させると、かすかに頬を赤く染めていく。
「メリアとドグマはこの会議に参加して、何か進展があれば俺に教えてくれ。」
「任せなさい。」
「おうよ!」
大地はメリアとドグマに今後の会議について任せると、兵士の案内で会議室を出て行った。
「この写真は何!?」
メリアは写真を食い入るように見つめながら、睦月に写真について問う。
「おぉ! お目が高いね! この写真はガドール火山を撮りにいった時にたまたま撮れた物でね。私の撮った写真の中でも一際貴重な物といっても良い代物だよ。なんせこの写真を撮った瞬間その集落は姿を消してしまったからね。」
睦月はメリアがその写真に目を付けたことに嬉しそうな顔を見せると、写真を撮った時の様子を話す。
「この集落があった場所は何処!? 大体で良いから教えて!」
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「メリア。気持ちはわかるが、その話は後だ。睦月はそれについての話をするためにここにいる訳ではない。」
大地に制止されたことで我に返ったメリアは目の前で困惑している睦月に一言謝ると、おとなしく席に着く。
「うちのが取り乱してすまない。話を続けてくれ。」
「では早速。うちが帝国に潜り込んで得た情報では、この四人が現在帝国における最高戦力みたいだね。一応要注意人物としてはこの四人のほかに宮廷魔法師第六位のシリウスと第七位のゼルターってのがいるね。そしてその二人が今国境に配置されている軍の指揮をとってるみたいだね。」
「ちょっと待て。ディランチを攻めていたのはあの三人の異世界人達だったであろう? そいつらは一体何処に行ったのだ?」
「どうやら帝都に戻ったらしいよ。理由までは探ることは出来なかったよ。ごめんちゃい。」
睦月はテヘペロ見せながら理由までは探ることが出来なかったことを冗談っぽく謝る。
「俺達がアーヴ達を撃退したからディランチ連邦を攻めていた奴らが退却したんだったよな。なら異世界人達を帝都に連れ戻した理由は一つしかない。帝国はそいつらを使って俺達の国に攻めてくるつもりなんだよ。」
大地は異世界人達を帝都に呼び戻した理由が自分達にあると瞬時に気付くと、帝国がアースに向けて進軍準備を始めているのだと睦月達に伝える。
「それはかなりまずいんじゃないかなぁ~。正直今のディランチに単体で帝国とやりあう力はないからね。大地っちの国がやられたらうち達も道連れになっちゃうな。」
「俺達だって同じだ。帝国兵に加えて異世界人を四人も相手に出来るほどの余裕はない。」
新たな帝国の戦力、そしてその戦力がアースへと向かおうとしていること。
大地は必死にこの状況を打開する方法はないか思案を巡らせていく。
マリカ達に協力を仰いでアースに全ての戦力を終結させるか?
いやそれでは国の境にいる帝国兵によりディランチ連邦が滅んでしまう。
全員をアースに移動させれば被害は無くて済むが、ディランチ連邦に住んでいる全ての者をアースに運ぶなど現実的ではない。
それにアースを守りながらの戦いではどうしても限界がある。仮に撃退出来たとしても被害はアーヴ戦の比ではないだろう。
守るだけでは勝てない。そうなれば俺達が取るべき行動は一つか。
大地は頭の中で何度も帝国兵との防衛戦をシュミレーションしていくが、やはりどれもアースに多大な被害が出る結果となってしまう。
受け手にまわっては帝国からの攻撃を防ぐことが出来ないと悟った大地は、小さくため息をつくと、同じように深く考えてこんでいる睦月達に提案を行う。
「こうなったら帝国の進軍準備が整う前に、帝国の防衛線を押し上げるしかないだろ。そうすれば帝国も簡単にアースへと兵を回すことが出来なくなるはずだ。これまで攻められてばかりだったんだ。今度はこっちが攻める番だ。」
大地の提案に睦月が不安そうな顔を見せる。
「でももし失敗すれば、大地っちの国は滅びるかもしれないんだよ? そんな賭けみたいな作戦で本当にいいの?」
「ちゃんと勝算はある。まず帝国は俺がディランチに来ていることを知らない。そして多分だが帝国はディランチが攻めてこないとたかをくくっているはずだ。」
「何でそんなことがわかるのだ?」
続いてオズマが帝国の思惑について、何故確信を持ってそう言えるのか尋ねてきた。
「ディランチはこれまで帝国に前線を押し上げられ、領土の三分の一を失うまでに追い詰められたんだろ? そんな状況の中で帝国が退却したからといって、すぐにディランチが攻勢に出てくるとは考えないだろう。それに元とはいえディランチには第三位から第五位まで宮廷魔法師がいるのに、その対応を第六位と第七位に任せるなんて、はなから攻めてくることがないと思っていないと出来ないではないか。」
「確かに大地の言う通り、私達の相手をするにはあの二人では荷が重いのは霧崎も知っているはずだ。ゼルターはこれまで私に模擬戦で勝てたことはないし、シリウスに限っては宮廷魔法師になって日も浅く、経験、実力ともに私達に勝っているとは思えない。」
大地の指摘によりマリカも帝国の不自然な兵の割り振りに気付く。
「だろ。ならば俺達がやることは一つしかない。ディランチへの警戒が薄くなっているうちに国境にいる帝国軍を徹底的に叩くんだ。そうすれば帝国はアースを攻めている場合じゃなくなるはずだ。」
大地はマリカ達に帝国の守備が薄いうちに国境線を押し上げる作戦はどうかと提案する。
「確かにその作戦なら充分上手くいく可能性がある。なにより皇帝大好き野郎のゼルターと堅物野郎のシリウス程度で私をどうにか出来ると思っている帝国の舐めきった態度が気に入らないな。」
マリカは帝国に舐められていることに顔を歪ませながら大地の提案に乗ってくる。
ディランチのトップであるマリカが大地の作戦でいくと決めたのを確認したオズマは、早速テーブルの上に周辺地図を広げ、作戦会議を始めた。
「まず帝国兵の場所だが、この国境付近に沿うような形で横長に陣を形成している。ディークからの報告のままであれば兵の数はおよそ五十万。それに対しては俺達が国境に配置している兵の数は半分の二十五万だ。拠点から兵を送れば最高で七十万までなら出せるが、大軍を動かせば必ず帝国側にこちらの動きがばれてしまう。時間的にも前線に配置している二十五万の兵を使って、帝国兵を叩くのが定石だろうな。」
「この際兵の数は重要ではない。敵兵の頭であるゼルターとシリウスさえどうにかすれば、後の有象無象どもは勝手に瓦解するはず。この作戦で一番重要なのはどれだけ早くあの二人を始末出来るかだ。帝国の本隊がまだ中央に控えている以上、出来る限り兵の消耗は避けたい。」
「そうだな。しかし五十万の兵の後方にいるはずの二人をピンポイントで攻める方法はあるのか?」
「う~ん。私が突っ込んで二人を殺るとか・・・」
「お前はそれしか考えられないのか? もう少し真面目に考えてくれ。」
マリカの自分が突っ込むという作戦とは到底呼べない方法を聞いたオズマはマリカを叱りつける。
「毎回私は真面目に言っているのに・・・」
「そういやそうだったな。お前に聞いた俺が馬鹿だった。ジグルは何か思いつかないか?」
叱られたことで少し落ち込んだ様子を見せるマリカ。オズマはそんなマリカの姿に大きなため息をつくと、ジグルに何か良い案はないか尋ねる。
「そうですね。案というものではないのですが、アースの皆さんが使っている武器はどれも見たことのないものでした。もしかしたら大地さんであればこの局面を打開出来る装備を作れるのではないかと思ったのですが。」
ジグルの発言によりみんなの視線が大地に集まる。
「大地どうだ?」
マリカは少し不安そうな顔を見せながら大地に可能かどうか尋ねてくる。
「一応だがここに来る前にある程度考えていた物はあるが、それが出来るかどうかは保障出来ないぞ。アースに帝国本隊が進軍する前となるとあまり時間もない。やるだけはやって見るが、念の為にもう一つ別の案も考えて欲しいところだな。」
「わかった。今は少しの時間でも惜しい。我々は別に何か良い方法はないか話を煮詰めておくから、大地は今からその装備の作成に入ってくれ。装備を作るにあたり必要な物や人なら気兼ねなく兵士達に申し付けてくれ。」
オズマは装備が出来なかった場合の作戦については私達に任せろと大地に告げると、兵士に指示を出し、大地を別室に案内させようとする。
「よし。じゃあ行くかルル。」
兵士が大地を別室に案内しようとした時、大地は隣でいまだに気分を落ち込ませているルルの頭に手を乗せ、静かに頭を撫でる。
「え!? 私も行くんですか?」
「これから作る装備にはどうしてもルルの力が必要なんだよ。」
ジグルに負けたことで気分を落ち込ませていたルルであったが、大地から必要だと言われたことで一気に気分を高揚させると、かすかに頬を赤く染めていく。
「メリアとドグマはこの会議に参加して、何か進展があれば俺に教えてくれ。」
「任せなさい。」
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大地はメリアとドグマに今後の会議について任せると、兵士の案内で会議室を出て行った。
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