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創造神(破壊神)誕生編
第3話 恋バナ
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大地の連行中、ガランは額に青筋をヒクヒクと動かしながら、苛々した表情を見せていた。
「なぁなぁガラン聞いてるか?」
「うるさいぞ!お前!静かにしろといっているのがわからんのか!」
大地は連行中、ガランに幾度となく声をかけていた。
ガランはうんざりとした表情をしながら最初は軽くいなしていたのだが、あまりにもしつこいため、今では声をかけられる度に怒声をあげている。
ガランは最初、大地が不安を紛らわすためにしているのだと考えていたが、あまりにも危機感のない口調に、良からぬ事でも企んでいるのではないかと疑いを強くしていた。
実際、大地はそんな事を考えてはおらず、むしろ交流しているつもりだった。
幼少期からケモミミにはまり、ケモミミAIの作成に勤しんでいた大地には友人と呼べる存在はおらず、人との会話があまり得意ではなかった。
ガランに素っ気ない反応をされ続ける大地はこれまで人との会話で唯一盛り上がった小学生修学旅行時の好きな人暴露大会の時と同じ話題をガランにした。
「おい!ガラン聞いてるか!!」
「だから!!うるさいと言っているだ―――」
「お前好きな人はいるか?」
「なっお前!!」
「その反応はいるんだな!?!?誰だ誰だ!!」
「お前になんで言わなくてはいけない!!」
「何耳だ何耳だ!?兎か猫かそれとも獅子か?」
「なんで知っ・・・とにかく一回黙らんか!!」
「おっ獅子か!!確かにかわいさの中に気高さというか気品があるというか良いよなぁ!」
「・・・・人間の割には良い感性を持っているではないか。」
「ガランは虎だろ?虎と獅子ってお似合いじゃないか!!」
「本当にそう思うか?」
「思う思う!虎と獅子だぞ!!どっちも王者って風格があるしお似合いだろ!」
「そっそうかぁ~!なんだお前人間のくせに話が分かるじゃないか!!」
思った以上に打ち解けてきたガランに大地は改めて恋バナの威力に驚くが、そのまま聞きたい話に話題を移行させていく。
「でもさルルから聞いたけど、村の状態って結構厳しいんだろ。そんな中じゃ告白しようって気にもならないよな。」
実際にルルからは聞いてない大地。しかしルルのような少女が栄養失調になっている時点で村の食料事情が良くない事は確信していた。
「そうだな。俺は警備の担当だから詳しくは知らないんだが、ここの土地は作物が育たないらしくてな。狩りをするにも密林には危険も多いし、魔獣も簡単には仕留めれんからな。」
「じゃあガランやその獅子の子も満足に食べれていないのか?」
「そうだな。食べ物は出来るだけ子供やルル達みたいな若い子達に量を多く配分している。しかしそれが大人の役目だ。むしろ満足に食事も与えられない事を申し訳なく思っているよ。」
大地はガランの事を『なんだこいつ凄い村思いで良い奴じゃん』と内心で思いつつ、ガランと部下であろう熊の男の前にハンバーガーを再現する。
急に手元に紙で包まれた食べ物らしきものが出てきて困惑し、大地を警戒するガラン達。
「おい。これはなんだ。」
「お腹減ってるんだろ?それはハンバーガーっていうパンに挽肉を丸く焼いた物を挟んだ物だ。もし毒を疑っていうなら先に俺に食わしてもいいぞ。」
ガランはハンバーガーを怪訝そうな目で見る。部下の二人はどうしたら良いか困惑したままでガランの指示待ちの様だ。
ガランはハンバーガーの匂いを嗅ぐ。毒らしき物の匂いは感じない、むしろ食欲をそそる香しい匂いがする。
「それ手で持って食べれるから、俺を連行しながらでも食べれるだろ。」
飄々と話しを続ける大地にガランは物珍しそうにしながら大地に聞く。
「連行されているお前が何故こんなことをする。」
「何回も言わせんな!最初にいったろ。俺に敵対心はないって。どうやったら信じてくれるかって。」
その答えを聞いたガランは部下に待つように指示し、ハンバーガーを一口かじる。
「うっうまい・・・・」
「だろ?あとハンバーガーはこれと一緒に食べれば、よりうまいぞ!」
そういって大地は紙コップに蓋つきストローが刺さっている黒い炭酸飲料をガランの目の前に再現する。
ガランは念のため匂いで毒の確認を行い、飲んでみる。
「この甘くて口の中ではじける飲み物はなんだ!!」
「それはコーラといって、俺の世界じゃ一番ポピュラーなジュースだよ。」
「こんな飲み物は初めて飲んだぞ。それにこのハンバーガーという食べ物も上手い。ぜひ子供達やマヒアにも食べさせてやりたいな。」
「おっ!!ガランが好きな女はマヒアっていうのか!!いくらでも作ってやるから、持っていくといいよ!!」
「おおそうか!!すまんな!!それにしてもこのコーラとハンバーガーは合うな!!」
「実はハンバーガーってのはそれだけじゃなくて他にも色々種類があるんだよ。マヒアって人は好みとかあるか?」
「マヒアはそうだな・・意外と魚が好きだな。」
「じゃあぴったりのハンバーガーがあるぞ!!喜ぶこと間違いなしだな。」
「そうなのか!!それは村に着くのが楽しみだ!!」
もはや連行される者と連行する者ではないぐらい仲良さげに話す二人。
そんな二人を見ながら部下の二人は湧き出る涎を我慢しながら、ガランからの許可を待つのであった。
ルルは全力疾走で村に戻るとすぐに族長の家へ向かう。家に入ると黒い毛に白髪が混じったような毛色の猫耳の老人がいた。
「レイお爺様!!」
「おぉ!!ルルか!!無事で良かったのじゃ。規定の時間になっているのに戻っていないと聞いた時は肝を冷やしたぞ。」
「ごめんお爺様。それとお爺様に助けて欲しい事があるの!」
「どうしたのじゃ?」
「実は私、狩りの途中で魔獣に襲われてた所を人間に助けてもらったの。そしたら村に案内してほしいって言われて。私は獣人の村に人間を連れていったら大変な事になるって言ったけどその人が村に行くっ聞かなくて。帰るところもないみたいだったから仕方なく連れていったんだけど、ガラン達に見つかって。大地はご飯もご馳走してくれたし、絶対悪い人じゃないから、ガラン達が連れてきても酷い事をしないようにお爺様から伝えてほしいの。」
「そうか。人間が獣人をのぅ・・その大地さんといったかの。ルルの目から見て信用出来る人かね。」
「うん。なんかよくわからないけど。他の人間と違う気がする。不思議な力持ってたし。」
「不思議な力とは?」
「なんか何もないところからご飯出したり。川に橋をかけたり。とにかくなんかすごい力。」
「おぉそうか。にわかには信じれないが、ルルが信じるに値するというのなら私も信じよう。ガラン達が来たら、私から話をしよう。だから安心しておくれ。」
レイと呼ばれた老人はルルに優しく声をかけると頭をゆっくりと撫でる。
ルルは安心したようにふぅっと息を吐くとレイに向かって笑顔を見せた。
しかしレイは大地という人間が酷い目に既に合っているのではないかと不安を覚える。
ガランは獣人の中でも特に人間を忌み嫌っていた。
実際に時折来る帝国の密偵は全てガランにより葬り去られていた。いかに不思議な力を持つ人間でも無事ではないと考えたレイは指示を飛ばしていく。
「ゼーレや。薬草はまだあるか?」
「はい族長。あまり量はありませんが。」
「うむ。すぐに使えるようにしといてくれ。」
「はい。わかりました。」
「フィアや。怪我人を寝かせる寝床はあるか?」
「はぁ~い!!今は重度の怪我人はいないはずだから、空いてますぉ!!」
「そうか。ではゼーレの手伝いをお願いしてもよいか?」
「はぁ~い!!」
「マヒアや。高台に上り、ガラン達の姿が見えたらすぐに報告してくれ。」
「了解しました。」
出来る限りの準備をしたレイはすぐに出迎えるように、村の広場でガラン達を待つ。しばらくして高台にいるマヒアから報告を受ける。
「族長!ガラン達の姿が見えました!」
「一緒にいる人間は無事か?」
するとマヒアは言葉を詰まらせた。
レイとルルは不安が的中したのかと思い、報告を急かすが、マヒアの口からはレイ達の予想を上回る言葉が出てきた。
「いや・・・それが寧ろ仲良さげに話しているといいますか。人間は拘束もされていなくて。」
「・・・・・・・え?」
レイ達からは気の抜けた声が出る。マヒアもいまだに信じられないといった表情をしている。
レイ達がポカンと口を開けたまま茫然としていると、ガラン達が村の入口までやってきていた。
視線を移すと報告通り仲良さげに話をしているガラン達の姿があった。
「なぁなぁガラン聞いてるか?」
「うるさいぞ!お前!静かにしろといっているのがわからんのか!」
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実際、大地はそんな事を考えてはおらず、むしろ交流しているつもりだった。
幼少期からケモミミにはまり、ケモミミAIの作成に勤しんでいた大地には友人と呼べる存在はおらず、人との会話があまり得意ではなかった。
ガランに素っ気ない反応をされ続ける大地はこれまで人との会話で唯一盛り上がった小学生修学旅行時の好きな人暴露大会の時と同じ話題をガランにした。
「おい!ガラン聞いてるか!!」
「だから!!うるさいと言っているだ―――」
「お前好きな人はいるか?」
「なっお前!!」
「その反応はいるんだな!?!?誰だ誰だ!!」
「お前になんで言わなくてはいけない!!」
「何耳だ何耳だ!?兎か猫かそれとも獅子か?」
「なんで知っ・・・とにかく一回黙らんか!!」
「おっ獅子か!!確かにかわいさの中に気高さというか気品があるというか良いよなぁ!」
「・・・・人間の割には良い感性を持っているではないか。」
「ガランは虎だろ?虎と獅子ってお似合いじゃないか!!」
「本当にそう思うか?」
「思う思う!虎と獅子だぞ!!どっちも王者って風格があるしお似合いだろ!」
「そっそうかぁ~!なんだお前人間のくせに話が分かるじゃないか!!」
思った以上に打ち解けてきたガランに大地は改めて恋バナの威力に驚くが、そのまま聞きたい話に話題を移行させていく。
「でもさルルから聞いたけど、村の状態って結構厳しいんだろ。そんな中じゃ告白しようって気にもならないよな。」
実際にルルからは聞いてない大地。しかしルルのような少女が栄養失調になっている時点で村の食料事情が良くない事は確信していた。
「そうだな。俺は警備の担当だから詳しくは知らないんだが、ここの土地は作物が育たないらしくてな。狩りをするにも密林には危険も多いし、魔獣も簡単には仕留めれんからな。」
「じゃあガランやその獅子の子も満足に食べれていないのか?」
「そうだな。食べ物は出来るだけ子供やルル達みたいな若い子達に量を多く配分している。しかしそれが大人の役目だ。むしろ満足に食事も与えられない事を申し訳なく思っているよ。」
大地はガランの事を『なんだこいつ凄い村思いで良い奴じゃん』と内心で思いつつ、ガランと部下であろう熊の男の前にハンバーガーを再現する。
急に手元に紙で包まれた食べ物らしきものが出てきて困惑し、大地を警戒するガラン達。
「おい。これはなんだ。」
「お腹減ってるんだろ?それはハンバーガーっていうパンに挽肉を丸く焼いた物を挟んだ物だ。もし毒を疑っていうなら先に俺に食わしてもいいぞ。」
ガランはハンバーガーを怪訝そうな目で見る。部下の二人はどうしたら良いか困惑したままでガランの指示待ちの様だ。
ガランはハンバーガーの匂いを嗅ぐ。毒らしき物の匂いは感じない、むしろ食欲をそそる香しい匂いがする。
「それ手で持って食べれるから、俺を連行しながらでも食べれるだろ。」
飄々と話しを続ける大地にガランは物珍しそうにしながら大地に聞く。
「連行されているお前が何故こんなことをする。」
「何回も言わせんな!最初にいったろ。俺に敵対心はないって。どうやったら信じてくれるかって。」
その答えを聞いたガランは部下に待つように指示し、ハンバーガーを一口かじる。
「うっうまい・・・・」
「だろ?あとハンバーガーはこれと一緒に食べれば、よりうまいぞ!」
そういって大地は紙コップに蓋つきストローが刺さっている黒い炭酸飲料をガランの目の前に再現する。
ガランは念のため匂いで毒の確認を行い、飲んでみる。
「この甘くて口の中ではじける飲み物はなんだ!!」
「それはコーラといって、俺の世界じゃ一番ポピュラーなジュースだよ。」
「こんな飲み物は初めて飲んだぞ。それにこのハンバーガーという食べ物も上手い。ぜひ子供達やマヒアにも食べさせてやりたいな。」
「おっ!!ガランが好きな女はマヒアっていうのか!!いくらでも作ってやるから、持っていくといいよ!!」
「おおそうか!!すまんな!!それにしてもこのコーラとハンバーガーは合うな!!」
「実はハンバーガーってのはそれだけじゃなくて他にも色々種類があるんだよ。マヒアって人は好みとかあるか?」
「マヒアはそうだな・・意外と魚が好きだな。」
「じゃあぴったりのハンバーガーがあるぞ!!喜ぶこと間違いなしだな。」
「そうなのか!!それは村に着くのが楽しみだ!!」
もはや連行される者と連行する者ではないぐらい仲良さげに話す二人。
そんな二人を見ながら部下の二人は湧き出る涎を我慢しながら、ガランからの許可を待つのであった。
ルルは全力疾走で村に戻るとすぐに族長の家へ向かう。家に入ると黒い毛に白髪が混じったような毛色の猫耳の老人がいた。
「レイお爺様!!」
「おぉ!!ルルか!!無事で良かったのじゃ。規定の時間になっているのに戻っていないと聞いた時は肝を冷やしたぞ。」
「ごめんお爺様。それとお爺様に助けて欲しい事があるの!」
「どうしたのじゃ?」
「実は私、狩りの途中で魔獣に襲われてた所を人間に助けてもらったの。そしたら村に案内してほしいって言われて。私は獣人の村に人間を連れていったら大変な事になるって言ったけどその人が村に行くっ聞かなくて。帰るところもないみたいだったから仕方なく連れていったんだけど、ガラン達に見つかって。大地はご飯もご馳走してくれたし、絶対悪い人じゃないから、ガラン達が連れてきても酷い事をしないようにお爺様から伝えてほしいの。」
「そうか。人間が獣人をのぅ・・その大地さんといったかの。ルルの目から見て信用出来る人かね。」
「うん。なんかよくわからないけど。他の人間と違う気がする。不思議な力持ってたし。」
「不思議な力とは?」
「なんか何もないところからご飯出したり。川に橋をかけたり。とにかくなんかすごい力。」
「おぉそうか。にわかには信じれないが、ルルが信じるに値するというのなら私も信じよう。ガラン達が来たら、私から話をしよう。だから安心しておくれ。」
レイと呼ばれた老人はルルに優しく声をかけると頭をゆっくりと撫でる。
ルルは安心したようにふぅっと息を吐くとレイに向かって笑顔を見せた。
しかしレイは大地という人間が酷い目に既に合っているのではないかと不安を覚える。
ガランは獣人の中でも特に人間を忌み嫌っていた。
実際に時折来る帝国の密偵は全てガランにより葬り去られていた。いかに不思議な力を持つ人間でも無事ではないと考えたレイは指示を飛ばしていく。
「ゼーレや。薬草はまだあるか?」
「はい族長。あまり量はありませんが。」
「うむ。すぐに使えるようにしといてくれ。」
「はい。わかりました。」
「フィアや。怪我人を寝かせる寝床はあるか?」
「はぁ~い!!今は重度の怪我人はいないはずだから、空いてますぉ!!」
「そうか。ではゼーレの手伝いをお願いしてもよいか?」
「はぁ~い!!」
「マヒアや。高台に上り、ガラン達の姿が見えたらすぐに報告してくれ。」
「了解しました。」
出来る限りの準備をしたレイはすぐに出迎えるように、村の広場でガラン達を待つ。しばらくして高台にいるマヒアから報告を受ける。
「族長!ガラン達の姿が見えました!」
「一緒にいる人間は無事か?」
するとマヒアは言葉を詰まらせた。
レイとルルは不安が的中したのかと思い、報告を急かすが、マヒアの口からはレイ達の予想を上回る言葉が出てきた。
「いや・・・それが寧ろ仲良さげに話しているといいますか。人間は拘束もされていなくて。」
「・・・・・・・え?」
レイ達からは気の抜けた声が出る。マヒアもいまだに信じられないといった表情をしている。
レイ達がポカンと口を開けたまま茫然としていると、ガラン達が村の入口までやってきていた。
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