36 / 58
港 2
しおりを挟む
馬車は港の端のほうに、ほかの荷車などと一緒に行儀良く並べられていた。
「私の仕事が終わるまで、どうかこちらで大人しくお待ちください」
伯爵にそう言い残してエリックは船着場へ戻っていく。
荷馬車の影に隠れて見ていたカペラがさてどうしようかと考えていた時、馬車の扉が薄く開いた。少しの間の後、キィと今度は大きく開き、中から伯爵夫人がそっと姿をあらわした。外の様子を伺って、エリックがいないのを確認したから、また船着場に戻るつもりなのだろう。
流石に白い総レースの日傘は目立つので手にしていない。とはいえ、身につけている物である程度の身分の者であることはすぐにわかるはずだ。
何も起こらなければいいと思いながら、カペラは身を隠し彼女の後を追う。
港湾区域に戻ると3本マストの帆船が係留されようしていた。
桟橋側に係船索が渡されて、人夫が索を係柱に結びつける。船が索を辿り岸壁にゆっくりと横付けになると、船から陸へ足場が渡された。
たくさんの荷が船から順に降ろされる。降ろされた荷の周りには、検品する者、値踏みする者、見物する者など――そのほとんどが船員か港湾作業員か商人だ――が我先にと押し合いをし、商談が始まり、一方で小競り合いが見られたりしていて、女子供が近寄れる雰囲気ではない。
カペラは、何かの拍子に押されでもしてエリックの怪我がひどくならないか心配になった。
港に下された荷が増えていくにつれて、集まる人も増えてきて、仲買人に卸された荷は小売り商や店主らへ取引されている。
そして日が暮れかける頃には、一仕事終えた男たち目当てに酒場の呼び込みや娼婦も集まり始めた。
そんな港の雰囲気に圧倒されつつ、カペラは街に溢れる活気を肌で感じとる。今はまだ、船が港に入っている時のみではあるが、農業の再興とともに、この街に常時活気が戻ってくるだろう。
それを想像しただけで、胸がいっぱいになる。
そのために自分ができることはなんでもしようとカペラは心に改めて誓った。今となってはもう、その夢だけが自分の生きがいでしかない。
――とにかく、堤さえできれば。
《――――》
「――な、何をなさるのっ」
高飛車に叱り飛ばす声に、カペラは現実に引き戻された。エリックの腕より、サーシスの未来より、今は、ルセイヤン伯爵夫人の監視が最優先事項だったことを思い出す。
そして大事な客人が、何かのトラブルに巻き込まれたであろうその声に、カペラの頭から血の気が引いた。
声のした方を見ると、仕事を終えた船員と思われる体格の良い男が、伯爵夫人の腕をつかんでいる。
「おやぁ、こんなところに、貴族様がお出ましとは――」
こちら側からは男の背の陰になってよく見えないが、値踏みをされているようにも見える。
「無礼な、その手を放しなさい」
伯爵夫人はその手を振り解こうとするが、どう考えても彼女の力では無理だろう。ここでは貴族のステイタスは、何の武器にもなりはしない。
カペラはあたりを見回したが、どの人も、それぞれの興味のあるものを手に入れることで頭はいっぱいそうで、あちこちで発生している諍いの一つなど気に留める者もいない。
「その、汚い手をお放しなさいと、言っているのです」
そうこうしているうちに、ルセイヤン伯爵夫人は空いている方の手で男を殴り始めた。
無論、日々遊興に励む貴族の拳が、屈強な男に効くわけもない。
むしろ逆効果になりはしないかとカペラはハラハラする。
もう一度、辺りを見回してみたが、誰も助けてくれる様子もなく、仕方なくカペラは、足元に落ちている小さな石を拾い上げた。
これで、男が気を逸らせてくれれば、その隙に伯爵夫人は逃げられるかもしれない。
カペラは、男を直接狙える位置に移動し、男の腕をめがけてその石を投げた。
「――ってぇ」
運良くか、悪くか、カペラの投げた石は狙いを外れて、男のこめかみにあたる。
彼の気が逸れた瞬間、伯爵夫人は男の腕を振り解いて、人混みの中へにげこんだ。
一方、反射的に石が飛んできた方向に目を向けた男と、カペラの目があった。
知らない顔をしていればよかったのだろうが、「しまった」という表情が彼女が投石したということを明らかに物語っている。
「貴、様――っ!」
男は石を投げたのがカペラだと分かると、標的を伯爵夫人からカペラに変え、こちらに向かって来た。
こうなったら、カペラには逃げる一択しかない。
彼女は身を翻し、人を押しのけながら走り出した。
***
「お嬢さ――カペラ様がいなくなった!?」
エリックと伯爵夫人が城に戻るなり、困った顔をした執事が彼を出迎えた。
「あら、まだ日が暮れてそんなに立っていませんわ。子供でもないのに、そんなに大騒ぎするほどのことではないのでは?」
横からつまらなそうに伯爵夫人が口をはさんだ。
「陽が落ちれば、森はすぐに冷え込んで参ります」伯爵夫人におざなりに返事をした後、エリックは執事に向き直る。「いずれにしろ――カペラ様ならこのあたりの森はよくご存じのはずなのに、この時間になってもお戻りになられないのはおかしいですね。事故に遭われていなければいいのですが――」
すると、執事が半分泣きそうな顔をしてしきりに頭を下げた。
「申し訳ありません。私がご一緒していれば、こんなことには――」
エリックは執事の肩に手をかける。
「貴方が責任を感じる必要はありません。カペラ様は以前より一人で森にお出かけになることはありましたから――」
「本当に、申し訳ありません」執事は再度深く頭を下げる。「――恐れながら、カペラ様はひょっとしたら街に行かれたのではないかと推察いたします」
「街、ですか? そういえば、街の門の横に馬が一頭つないでありました――」
またもや、執事が頭を下げる。
「あら、やっぱりあたくし達と一緒に行きたかったのね」
一方で伯爵夫人がのんきに割り込んで来た。その世間知らずでいい加減な物言いに流石のエリックもつい口調がきつくなる。
「船が着いたばかりの港の夜は、皆が興奮し気が大きくなっています。加えて、船員の中には一時的な帰港ということで、犯罪紛いのことも厭わない者もいて、治安は一気に悪くなる――」
「あ、あたくしは大丈夫でしたわ」
「貴女がご覧になったのは、船であって船員ではございませんでしょう。それに、街が暗くなる前に戻ってまいりましたので、お気づきになる暇もなかった」
「そういうことでしたら、彼女はきっと今ごろ街で羽を伸ばしているのでしょう。いろいろと欲求不満であったようですし――」
「失礼ですが、少し黙っていていただけますか」
明らかに悪意を含んだルセイヤン伯爵夫人の言葉に、エリックはこれまで見せたことのない険しい表情で伯爵夫人を制した。
「あ、あたくし……。そ、そろそろ夕食にしていただけないかしら?」
伯爵夫人はエリックから目をそらし、横に控えていたフットマンに助けを求める。視線で了承を求めたフットマンに、エリックは小さく頷くと、ルセイヤン伯爵夫人は彼とともにダイニングルームへと姿を消した。
彼女の後姿を何も言わず見送った後、エリックは執事に向き直る。
「すみませんが――詳しくお聞かせ願えますか」
「私の仕事が終わるまで、どうかこちらで大人しくお待ちください」
伯爵にそう言い残してエリックは船着場へ戻っていく。
荷馬車の影に隠れて見ていたカペラがさてどうしようかと考えていた時、馬車の扉が薄く開いた。少しの間の後、キィと今度は大きく開き、中から伯爵夫人がそっと姿をあらわした。外の様子を伺って、エリックがいないのを確認したから、また船着場に戻るつもりなのだろう。
流石に白い総レースの日傘は目立つので手にしていない。とはいえ、身につけている物である程度の身分の者であることはすぐにわかるはずだ。
何も起こらなければいいと思いながら、カペラは身を隠し彼女の後を追う。
港湾区域に戻ると3本マストの帆船が係留されようしていた。
桟橋側に係船索が渡されて、人夫が索を係柱に結びつける。船が索を辿り岸壁にゆっくりと横付けになると、船から陸へ足場が渡された。
たくさんの荷が船から順に降ろされる。降ろされた荷の周りには、検品する者、値踏みする者、見物する者など――そのほとんどが船員か港湾作業員か商人だ――が我先にと押し合いをし、商談が始まり、一方で小競り合いが見られたりしていて、女子供が近寄れる雰囲気ではない。
カペラは、何かの拍子に押されでもしてエリックの怪我がひどくならないか心配になった。
港に下された荷が増えていくにつれて、集まる人も増えてきて、仲買人に卸された荷は小売り商や店主らへ取引されている。
そして日が暮れかける頃には、一仕事終えた男たち目当てに酒場の呼び込みや娼婦も集まり始めた。
そんな港の雰囲気に圧倒されつつ、カペラは街に溢れる活気を肌で感じとる。今はまだ、船が港に入っている時のみではあるが、農業の再興とともに、この街に常時活気が戻ってくるだろう。
それを想像しただけで、胸がいっぱいになる。
そのために自分ができることはなんでもしようとカペラは心に改めて誓った。今となってはもう、その夢だけが自分の生きがいでしかない。
――とにかく、堤さえできれば。
《――――》
「――な、何をなさるのっ」
高飛車に叱り飛ばす声に、カペラは現実に引き戻された。エリックの腕より、サーシスの未来より、今は、ルセイヤン伯爵夫人の監視が最優先事項だったことを思い出す。
そして大事な客人が、何かのトラブルに巻き込まれたであろうその声に、カペラの頭から血の気が引いた。
声のした方を見ると、仕事を終えた船員と思われる体格の良い男が、伯爵夫人の腕をつかんでいる。
「おやぁ、こんなところに、貴族様がお出ましとは――」
こちら側からは男の背の陰になってよく見えないが、値踏みをされているようにも見える。
「無礼な、その手を放しなさい」
伯爵夫人はその手を振り解こうとするが、どう考えても彼女の力では無理だろう。ここでは貴族のステイタスは、何の武器にもなりはしない。
カペラはあたりを見回したが、どの人も、それぞれの興味のあるものを手に入れることで頭はいっぱいそうで、あちこちで発生している諍いの一つなど気に留める者もいない。
「その、汚い手をお放しなさいと、言っているのです」
そうこうしているうちに、ルセイヤン伯爵夫人は空いている方の手で男を殴り始めた。
無論、日々遊興に励む貴族の拳が、屈強な男に効くわけもない。
むしろ逆効果になりはしないかとカペラはハラハラする。
もう一度、辺りを見回してみたが、誰も助けてくれる様子もなく、仕方なくカペラは、足元に落ちている小さな石を拾い上げた。
これで、男が気を逸らせてくれれば、その隙に伯爵夫人は逃げられるかもしれない。
カペラは、男を直接狙える位置に移動し、男の腕をめがけてその石を投げた。
「――ってぇ」
運良くか、悪くか、カペラの投げた石は狙いを外れて、男のこめかみにあたる。
彼の気が逸れた瞬間、伯爵夫人は男の腕を振り解いて、人混みの中へにげこんだ。
一方、反射的に石が飛んできた方向に目を向けた男と、カペラの目があった。
知らない顔をしていればよかったのだろうが、「しまった」という表情が彼女が投石したということを明らかに物語っている。
「貴、様――っ!」
男は石を投げたのがカペラだと分かると、標的を伯爵夫人からカペラに変え、こちらに向かって来た。
こうなったら、カペラには逃げる一択しかない。
彼女は身を翻し、人を押しのけながら走り出した。
***
「お嬢さ――カペラ様がいなくなった!?」
エリックと伯爵夫人が城に戻るなり、困った顔をした執事が彼を出迎えた。
「あら、まだ日が暮れてそんなに立っていませんわ。子供でもないのに、そんなに大騒ぎするほどのことではないのでは?」
横からつまらなそうに伯爵夫人が口をはさんだ。
「陽が落ちれば、森はすぐに冷え込んで参ります」伯爵夫人におざなりに返事をした後、エリックは執事に向き直る。「いずれにしろ――カペラ様ならこのあたりの森はよくご存じのはずなのに、この時間になってもお戻りになられないのはおかしいですね。事故に遭われていなければいいのですが――」
すると、執事が半分泣きそうな顔をしてしきりに頭を下げた。
「申し訳ありません。私がご一緒していれば、こんなことには――」
エリックは執事の肩に手をかける。
「貴方が責任を感じる必要はありません。カペラ様は以前より一人で森にお出かけになることはありましたから――」
「本当に、申し訳ありません」執事は再度深く頭を下げる。「――恐れながら、カペラ様はひょっとしたら街に行かれたのではないかと推察いたします」
「街、ですか? そういえば、街の門の横に馬が一頭つないでありました――」
またもや、執事が頭を下げる。
「あら、やっぱりあたくし達と一緒に行きたかったのね」
一方で伯爵夫人がのんきに割り込んで来た。その世間知らずでいい加減な物言いに流石のエリックもつい口調がきつくなる。
「船が着いたばかりの港の夜は、皆が興奮し気が大きくなっています。加えて、船員の中には一時的な帰港ということで、犯罪紛いのことも厭わない者もいて、治安は一気に悪くなる――」
「あ、あたくしは大丈夫でしたわ」
「貴女がご覧になったのは、船であって船員ではございませんでしょう。それに、街が暗くなる前に戻ってまいりましたので、お気づきになる暇もなかった」
「そういうことでしたら、彼女はきっと今ごろ街で羽を伸ばしているのでしょう。いろいろと欲求不満であったようですし――」
「失礼ですが、少し黙っていていただけますか」
明らかに悪意を含んだルセイヤン伯爵夫人の言葉に、エリックはこれまで見せたことのない険しい表情で伯爵夫人を制した。
「あ、あたくし……。そ、そろそろ夕食にしていただけないかしら?」
伯爵夫人はエリックから目をそらし、横に控えていたフットマンに助けを求める。視線で了承を求めたフットマンに、エリックは小さく頷くと、ルセイヤン伯爵夫人は彼とともにダイニングルームへと姿を消した。
彼女の後姿を何も言わず見送った後、エリックは執事に向き直る。
「すみませんが――詳しくお聞かせ願えますか」
0
お気に入りに追加
83
あなたにおすすめの小説
王女、騎士と結婚させられイかされまくる
ぺこ
恋愛
髪の色と出自から差別されてきた騎士さまにベタ惚れされて愛されまくる王女のお話。
性描写激しめですが、甘々の溺愛です。
※原文(♡乱舞淫語まみれバージョン)はpixivの方で見られます。
【R18】幼馴染な陛下と、甘々な毎日になりました💕
月極まろん
恋愛
幼なじみの陛下に、気持ちだけでも伝えたくて。いい思い出にしたくて告白したのに、執務室のソファに座らせられて、なぜかこんなえっちな日々になりました。
【R18】国王陛下はずっとご執心です〜我慢して何も得られないのなら、どんな手を使ってでも愛する人を手に入れよう〜
まさかの
恋愛
濃厚な甘々えっちシーンばかりですので閲覧注意してください!
題名の☆マークがえっちシーンありです。
王位を内乱勝ち取った国王ジルダールは護衛騎士のクラリスのことを愛していた。
しかし彼女はその気持ちに気付きながらも、自分にはその資格が無いとジルダールの愛を拒み続ける。
肌を重ねても去ってしまう彼女の居ない日々を過ごしていたが、実の兄のクーデターによって命の危険に晒される。
彼はやっと理解した。
我慢した先に何もないことを。
ジルダールは彼女の愛を手に入れるために我慢しないことにした。
小説家になろう、アルファポリスで投稿しています。
【完結】【R18】男色疑惑のある公爵様の契約妻となりましたが、気がついたら愛されているんですけれど!?
夏琳トウ(明石唯加)
恋愛
「俺と結婚してくれたら、衣食住完全補償。なんだったら、キミの実家に支援させてもらうよ」
「え、じゃあ結婚します!」
メラーズ王国に住まう子爵令嬢マーガレットは悩んでいた。
というのも、元々借金まみれだった家の財政状況がさらに悪化し、ついには没落か夜逃げかという二択を迫られていたのだ。
そんな中、父に「頼むからいい男を捕まえてこい!」と送り出された舞踏会にて、マーガレットは王国の二大公爵家の一つオルブルヒ家の当主クローヴィスと出逢う。
彼はマーガレットの話を聞くと、何を思ったのか「俺と契約結婚しない?」と言ってくる。
しかし、マーガレットはためらう。何故ならば……彼には男色家だといううわさがあったのだ。つまり、形だけの結婚になるのは目に見えている。
そう思ったものの、彼が提示してきた条件にマーガレットは飛びついた。
そして、マーガレットはクローヴィスの(契約)妻となった。
男色家疑惑のある自由気ままな公爵様×貧乏性で現金な子爵令嬢。
二人がなんやかんやありながらも両想いになる勘違い話。
◆hotランキング 10位ありがとうございます……!
――
◆掲載先→アルファポリス、ムーンライトノベルズ、エブリスタ
大嫌いな次期騎士団長に嫁いだら、激しすぎる初夜が待っていました
扇 レンナ
恋愛
旧題:宿敵だと思っていた男に溺愛されて、毎日のように求められているんですが!?
*こちらは【明石 唯加】名義のアカウントで掲載していたものです。書籍化にあたり、こちらに転載しております。また、こちらのアカウントに転載することに関しては担当編集さまから許可をいただいておりますので、問題ありません。
――
ウィテカー王国の西の辺境を守る二つの伯爵家、コナハン家とフォレスター家は長年に渡りいがみ合ってきた。
そんな現状に焦りを抱いた王家は、二つの伯爵家に和解を求め、王命での結婚を命じる。
その結果、フォレスター伯爵家の長女メアリーはコナハン伯爵家に嫁入りすることが決まった。
結婚相手はコナハン家の長男シリル。クールに見える外見と辺境騎士団の次期団長という肩書きから女性人気がとても高い男性。
が、メアリーはそんなシリルが実は大嫌い。
彼はクールなのではなく、大層傲慢なだけ。それを知っているからだ。
しかし、王命には逆らえない。そのため、メアリーは渋々シリルの元に嫁ぐことに。
どうせ愛し愛されるような素敵な関係にはなれるわけがない。
そう考えるメアリーを他所に、シリルは初夜からメアリーを強く求めてくる。
――もしかして、これは嫌がらせ?
メアリーはシリルの態度をそう受け取り、頑なに彼を拒絶しようとするが――……。
「誰がお前に嫌がらせなんかするかよ」
どうやら、彼には全く別の思惑があるらしく……?
*WEB版表紙イラストはみどりのバクさまに有償にて描いていただいたものです。転載等は禁止です。
孤独なメイドは、夜ごと元国王陛下に愛される 〜治験と言う名の淫らなヒメゴト〜
当麻月菜
恋愛
「さっそくだけれど、ここに座ってスカートをめくりあげて」
「はい!?」
諸般の事情で寄る辺の無い身の上になったファルナは、街で見かけた求人広告を頼りに面接を受け、とある医師のメイドになった。
ただこの医者──グリジットは、顔は良いけれど夜のお薬を開発するいかがわしい医者だった。しかも元国王陛下だった。
ファルナに与えられたお仕事は、昼はメイド(でもお仕事はほとんどナシ)で夜は治験(こっちがメイン)。
治験と言う名の大義名分の下、淫らなアレコレをしちゃう元国王陛下とメイドの、すれ違ったり、じれじれしたりする一線を越えるか超えないか微妙な夜のおはなし。
※ 2021/04/08 タイトル変更しました。
※ ただただ私(作者)がえっちい話を書きたかっただけなので、設定はふわっふわです。お許しください。
※ R18シーンには☆があります。ご注意ください。
上司と雨宿りしたら種付けプロポーズされました♡
藍沢真啓/庚あき
恋愛
私──月宮真唯(つきみやまい)は他社で働いてる恋人から、突然デートのキャンセルをされ、仕方なくやけ食いとやけ酒をして駅まであるいてたんだけど……通りかかったラブホテルに私の知らない女性と入っていくのは恋人!?
お前の会社はラブホテルにあるんかい、とツッコミつつSNSでお別れのメッセージを送りつけ、本格的にやけ酒だ、と歩き出した所でバケツをひっくり返したような豪雨が。途方に暮れる私に声を掛けてきたのは、私の会社の専務、千賀蓮也(ちがれんや)だった。
ああだこうだとイケメン専務とやり取りしてたら、何故か上司と一緒に元恋人が入っていったラブホテルへと雨宿りで連れて行かれ……。
ええ?私どうなってしまうのでしょうか。
ちょっとヤンデレなイケメン上司と気の強い失恋したばかりのアラサー女子とのラブコメディ。
2019年の今日に公開開始した「上司と雨宿りしたら恋人になりました」の短編バージョンです。
大幅に加筆と改稿をしていますが、基本的な内容は同じです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる