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推参 2
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エリックは部屋の隅に控え、執事に先を譲る。
「失礼いたします。グレン侯爵にご来客が」
「来客?」
カペラとしては、きちんと約束を取り付けたかったところだが、来客では仕方ない。
邪魔をしてはいけないと、彼女は寝室の扉の方から退出しかけたが、侯爵は身振りで彼女を留めた。
訝しげな彼の表情からすると、突然の訪問のようだ。
とすれば、カペラがいる方が彼女を理由に拒否できると考えたのだろう。
「グリブレイユ公爵の縁の方とおっしゃっておられますが――」
「書状もあるわ」
僅かに困り顔の執事の横から、派手な女性の顔が覗いたかと思うと、主の許可もなしに扉を開けて部屋に割入ってきた。
昼間の陽光よりも夜の闇が似合いそうな、まさに妖艶という言葉がぴったりの女性だ。年は侯爵よりも少し上だろうか。都で流行始めたばかりのドレスに、大きな羽根数枚で高く結い上げた頭を飾っている。
侯爵は、グリブレイユ公爵夫人からと渡された書状に目を通した。
その間、女性は飾り棚の上のエスニックな壺を手にしてみたり、仕掛け時計をいじってみたり。彼女が落ち着きなく部屋の中を検分して回っている間、カペラは彼女を観察した。
大きく強調された胸に細く絞られた腰、それから少し垂れ気味の目尻と口元のほくろがカペラにはない大人の魅力を醸し出している。
だが、その振る舞いは貴族のものとは程遠く、どちらかと言えば高級娼婦のようでもある。
彼女の訪問の目的は何なのだろうと、侯爵に視線を走らせると、彼は紙を机の上に投げるように置いたところだった。
寄った眉根を右手で揉み解すかのようにしたあと、「全く……」と小声でため息と共に漏らし、エリックに向き直って「彼女に部屋を用意してやってくれ」と命じる。
「グレン侯爵がお話のわかる方で良かったわ」
女性が侯爵の斜め後ろからしなだれかかった。豊満な胸が彼の肩で形を変えたが、侯爵はそれを冷たく振り払うことはしない。
「貴女の為ではありませんので、誤解のなきよう」
「あら、連れないのね。無類の女性好きとお噂の侯爵様が」
「無類とは――手厳しいですな。残念ながら、好きなのはその価値があると認めた女性だけですよ、ルセイヤン伯爵夫人」
「あたくしにはその価値がないとでも?」
侯爵がすっと立ち上がり、舞踏会でエスコートするかのように、大仰に彼女の細い腰に手を添えた。
「まだ、判断を下すには早いということです」
「なら、試して御覧になる?」
彼女の唇が妖艶な笑みを形作り、侯爵の頬を掴んで口を塞ぐ。
紅を引いた唇が大きく開き、まるでその舌で彼自身を吸い付くさんとばかり口腔内を蹂躙しているのが、傍目にもよく分かった。
目を閉じ、恍惚の表情を浮かべている彼女の白い喉が、彼の唾液を嚥下するに合わせて小さく蠢くのも、艶めかしい。
その一方で、グレン侯爵は突然のその行動にも驚くことなく、昼間には濃厚過ぎるキスを冷静に受けている。
彼から細く糸を引きながら離れた彼女の唇が不満げに小さく尖っていたのは、気のせいではないだろう。
「……公爵夫人の手前、こちらへの滞在は許可しますが、素行次第ではお引き取りいただくこともありますので、くれぐれも身をお慎みになってください」
「あら、怖い」
侯爵の冷やかな視線を受け、伯爵夫人は媚態を滲ませながらおどけたように肩を竦めてみせた。
それでも彼は視線をやわらげることなく言葉を続ける。
「ここで問題を起こされたくはないのでね」
「あたくしを厄災のようにおっしゃるのね」
「……これから雨季が始まろうかというこの時期に、こんな辺鄙なところへいらっしゃるところから推察すると、王都で何かしでかしたのではと勘ぐられても仕方ないでしょう」
「まあ。こちらへ伺ったのはただの療養ですのよ」
「表向きはそういうことにしておきますがね。それなら、余計におとなしくしておいていただきたいものです」
伯爵夫人が何かを言おうとそのふっくらした唇を開きかけたと同時に、部屋の扉がノックされ、執事が顔を出した。
「部屋の用意ができたようですので、どうぞ。まずは長旅の疲れをお癒しになってください」
伯爵夫人が部屋を出るのをにこやかに見送った侯爵の表情は、扉が閉まるなり一気に不愉快なものに変わった。
忌々しげに手の甲で唇の周りについた紅を拭い取る横から、エリックが手巾を手渡す。
「俺に押し付けてきやがって」
先ほど机の上に投げ置いた書を忌々しげに丸め、グレン侯爵は言葉とともに部屋の隅に投げ捨てた。
小さく丸まった紙を拾い上げながらエリックが「失礼ながら、どういうお方か聞かせていただいても?」と静かに問う。
「――誰にでも体を許す女だ。そのせいで、彼女の周りは揉め事が絶えん。というか、本人はそれを楽しんでいるところがあるから質が悪い」
侯爵の話によると、ルセイヤン伯爵夫人は、元をたどれば庶民の出で、初めはある家の侍女をしていたらしい。素行上の問題から解雇された後、娼婦同然の生活をしながら洋裁店で働いていたが、彼女の美しさに目をとめたグリブレイユ公爵が彼女を囲いこんだということだ。
その後、公爵の仲立ちでルセイヤン伯爵と結婚したが、伯爵は結婚後一年で事故死。現在では未亡人として王都のグリブレイユ公爵邸内に部屋を与えられ、貴婦人のように暮らしているらしい。
「都で浮名を流していらっしゃる侯爵様の口からそのような台詞が出るとは、正直おどろきです」
それとなく軽口を叩くエリックに、侯爵は笑顔を返す。
しっかりとした信頼関係を見せつけられて、カペラは自分だけが蚊帳の外に置かれたような気になった。
だからと言って話に割り込めるほど、立場は強くない。
「人を節操なしのように言うな。俺は、ちゃんと相手は選んでいる」
「伯爵夫人は侯爵様のお好みではないと?」
「いい体をしているのは認めるが、原因はいろいろあってな。とにかく、宮廷ではできるだけ避けてきた」
「らしくないですね」
「撤退も作戦の一つだ」
「ごもっともです」と頭を下げたエリックは、さらに質問を続ける。「……しかし、そのような方がなぜここに?」
「書状にも療養のためとあるが、一番はグリブレイユ公爵夫人の嫌がらせ、だろうな。あわよくば彼女を俺の愛妾、あるいは妻にと考えているんだろう」
「まさか」
「もともと公爵夫人は自分の利益となる者を俺にと画策していたから、あながちただの推測とも言えん。――話がそれたが、まあ、彼女はそういう女だ。後腐れなく遊ぶにはいいが、くれぐれも面倒にならないように気をつけろ」
「私はただの使用人でございますから――」
カペラは実際にルセイヤン伯爵夫人について知っているわけではなかったが、話だけ聞いていると何ともひどい言われようだ。
自身の扱いについて不満を抱き始めていた彼女には、それがなんとなく女性全体を侮蔑する言葉に聞こえた。
よく考えれば、王都での娼館通いも面倒を避けるためで、引いては女性を見下しているからともとれる。
「面倒って、なんですか!?」
それまで静かに二人の会話を聞いていたカペラが威勢よく口をはさんだ。
自分でもおかしな方向に腹を立てていると分かっていたが、先ほど収めた怒りが侯爵の言葉で再び湧き上がってきたのだ。
「ああ、まだいたのか」
「私にも……、面倒だから手を触れないのですか?」
「そういえば、お前の話がまだ続きだったな」
カペラの存在を今思い出したという様子の侯爵の、小さく息を吐き、わずかに突き出した唇が、そうだと暗に語っているような気がした。
別に、触れてほしいわけではない。
けれど、自分とサーシスの未来をただその一言で簡単に片づけてほしくはなかった。
今はまだ妻として、確固たる地位を築けているわけではない。立場は不安定で、先行きは不透明だ。
それでも、侯爵の気持ちがこちらに向いているなら、まだ望みもあるだろうが、それも彼の言動を見る限りでは期待できそうにない。
「――気まぐれで結婚して……サーシスの未来も侯爵の気まぐれで決まるなんて、そんな――、そんな……」
悔しくて言葉にならなかった。
たとえ、あの時のカペラにはほかに道がなかったのだとしても、こんなことで――ただ自分が女だというだけで、領土の将来が配偶者の気持ちと手腕次第でどうにでもなるということが、悔しかった。
「天気の良い日に、実際に現場に連れて行ってやろう。エリック、手配を頼む」
侯爵は、彼女の怒りなど気にする風もなく、冷静な口調で話を変えて話を強引に打ち切った。
それが彼の気持ちを表しているような気がして、彼女の怒りに湧いていた気持ちが萎んでいく。侯爵にとってはカペラなど、警戒も保護も必要ない――取るに足りない存在なのだろう。
「失礼いたします。グレン侯爵にご来客が」
「来客?」
カペラとしては、きちんと約束を取り付けたかったところだが、来客では仕方ない。
邪魔をしてはいけないと、彼女は寝室の扉の方から退出しかけたが、侯爵は身振りで彼女を留めた。
訝しげな彼の表情からすると、突然の訪問のようだ。
とすれば、カペラがいる方が彼女を理由に拒否できると考えたのだろう。
「グリブレイユ公爵の縁の方とおっしゃっておられますが――」
「書状もあるわ」
僅かに困り顔の執事の横から、派手な女性の顔が覗いたかと思うと、主の許可もなしに扉を開けて部屋に割入ってきた。
昼間の陽光よりも夜の闇が似合いそうな、まさに妖艶という言葉がぴったりの女性だ。年は侯爵よりも少し上だろうか。都で流行始めたばかりのドレスに、大きな羽根数枚で高く結い上げた頭を飾っている。
侯爵は、グリブレイユ公爵夫人からと渡された書状に目を通した。
その間、女性は飾り棚の上のエスニックな壺を手にしてみたり、仕掛け時計をいじってみたり。彼女が落ち着きなく部屋の中を検分して回っている間、カペラは彼女を観察した。
大きく強調された胸に細く絞られた腰、それから少し垂れ気味の目尻と口元のほくろがカペラにはない大人の魅力を醸し出している。
だが、その振る舞いは貴族のものとは程遠く、どちらかと言えば高級娼婦のようでもある。
彼女の訪問の目的は何なのだろうと、侯爵に視線を走らせると、彼は紙を机の上に投げるように置いたところだった。
寄った眉根を右手で揉み解すかのようにしたあと、「全く……」と小声でため息と共に漏らし、エリックに向き直って「彼女に部屋を用意してやってくれ」と命じる。
「グレン侯爵がお話のわかる方で良かったわ」
女性が侯爵の斜め後ろからしなだれかかった。豊満な胸が彼の肩で形を変えたが、侯爵はそれを冷たく振り払うことはしない。
「貴女の為ではありませんので、誤解のなきよう」
「あら、連れないのね。無類の女性好きとお噂の侯爵様が」
「無類とは――手厳しいですな。残念ながら、好きなのはその価値があると認めた女性だけですよ、ルセイヤン伯爵夫人」
「あたくしにはその価値がないとでも?」
侯爵がすっと立ち上がり、舞踏会でエスコートするかのように、大仰に彼女の細い腰に手を添えた。
「まだ、判断を下すには早いということです」
「なら、試して御覧になる?」
彼女の唇が妖艶な笑みを形作り、侯爵の頬を掴んで口を塞ぐ。
紅を引いた唇が大きく開き、まるでその舌で彼自身を吸い付くさんとばかり口腔内を蹂躙しているのが、傍目にもよく分かった。
目を閉じ、恍惚の表情を浮かべている彼女の白い喉が、彼の唾液を嚥下するに合わせて小さく蠢くのも、艶めかしい。
その一方で、グレン侯爵は突然のその行動にも驚くことなく、昼間には濃厚過ぎるキスを冷静に受けている。
彼から細く糸を引きながら離れた彼女の唇が不満げに小さく尖っていたのは、気のせいではないだろう。
「……公爵夫人の手前、こちらへの滞在は許可しますが、素行次第ではお引き取りいただくこともありますので、くれぐれも身をお慎みになってください」
「あら、怖い」
侯爵の冷やかな視線を受け、伯爵夫人は媚態を滲ませながらおどけたように肩を竦めてみせた。
それでも彼は視線をやわらげることなく言葉を続ける。
「ここで問題を起こされたくはないのでね」
「あたくしを厄災のようにおっしゃるのね」
「……これから雨季が始まろうかというこの時期に、こんな辺鄙なところへいらっしゃるところから推察すると、王都で何かしでかしたのではと勘ぐられても仕方ないでしょう」
「まあ。こちらへ伺ったのはただの療養ですのよ」
「表向きはそういうことにしておきますがね。それなら、余計におとなしくしておいていただきたいものです」
伯爵夫人が何かを言おうとそのふっくらした唇を開きかけたと同時に、部屋の扉がノックされ、執事が顔を出した。
「部屋の用意ができたようですので、どうぞ。まずは長旅の疲れをお癒しになってください」
伯爵夫人が部屋を出るのをにこやかに見送った侯爵の表情は、扉が閉まるなり一気に不愉快なものに変わった。
忌々しげに手の甲で唇の周りについた紅を拭い取る横から、エリックが手巾を手渡す。
「俺に押し付けてきやがって」
先ほど机の上に投げ置いた書を忌々しげに丸め、グレン侯爵は言葉とともに部屋の隅に投げ捨てた。
小さく丸まった紙を拾い上げながらエリックが「失礼ながら、どういうお方か聞かせていただいても?」と静かに問う。
「――誰にでも体を許す女だ。そのせいで、彼女の周りは揉め事が絶えん。というか、本人はそれを楽しんでいるところがあるから質が悪い」
侯爵の話によると、ルセイヤン伯爵夫人は、元をたどれば庶民の出で、初めはある家の侍女をしていたらしい。素行上の問題から解雇された後、娼婦同然の生活をしながら洋裁店で働いていたが、彼女の美しさに目をとめたグリブレイユ公爵が彼女を囲いこんだということだ。
その後、公爵の仲立ちでルセイヤン伯爵と結婚したが、伯爵は結婚後一年で事故死。現在では未亡人として王都のグリブレイユ公爵邸内に部屋を与えられ、貴婦人のように暮らしているらしい。
「都で浮名を流していらっしゃる侯爵様の口からそのような台詞が出るとは、正直おどろきです」
それとなく軽口を叩くエリックに、侯爵は笑顔を返す。
しっかりとした信頼関係を見せつけられて、カペラは自分だけが蚊帳の外に置かれたような気になった。
だからと言って話に割り込めるほど、立場は強くない。
「人を節操なしのように言うな。俺は、ちゃんと相手は選んでいる」
「伯爵夫人は侯爵様のお好みではないと?」
「いい体をしているのは認めるが、原因はいろいろあってな。とにかく、宮廷ではできるだけ避けてきた」
「らしくないですね」
「撤退も作戦の一つだ」
「ごもっともです」と頭を下げたエリックは、さらに質問を続ける。「……しかし、そのような方がなぜここに?」
「書状にも療養のためとあるが、一番はグリブレイユ公爵夫人の嫌がらせ、だろうな。あわよくば彼女を俺の愛妾、あるいは妻にと考えているんだろう」
「まさか」
「もともと公爵夫人は自分の利益となる者を俺にと画策していたから、あながちただの推測とも言えん。――話がそれたが、まあ、彼女はそういう女だ。後腐れなく遊ぶにはいいが、くれぐれも面倒にならないように気をつけろ」
「私はただの使用人でございますから――」
カペラは実際にルセイヤン伯爵夫人について知っているわけではなかったが、話だけ聞いていると何ともひどい言われようだ。
自身の扱いについて不満を抱き始めていた彼女には、それがなんとなく女性全体を侮蔑する言葉に聞こえた。
よく考えれば、王都での娼館通いも面倒を避けるためで、引いては女性を見下しているからともとれる。
「面倒って、なんですか!?」
それまで静かに二人の会話を聞いていたカペラが威勢よく口をはさんだ。
自分でもおかしな方向に腹を立てていると分かっていたが、先ほど収めた怒りが侯爵の言葉で再び湧き上がってきたのだ。
「ああ、まだいたのか」
「私にも……、面倒だから手を触れないのですか?」
「そういえば、お前の話がまだ続きだったな」
カペラの存在を今思い出したという様子の侯爵の、小さく息を吐き、わずかに突き出した唇が、そうだと暗に語っているような気がした。
別に、触れてほしいわけではない。
けれど、自分とサーシスの未来をただその一言で簡単に片づけてほしくはなかった。
今はまだ妻として、確固たる地位を築けているわけではない。立場は不安定で、先行きは不透明だ。
それでも、侯爵の気持ちがこちらに向いているなら、まだ望みもあるだろうが、それも彼の言動を見る限りでは期待できそうにない。
「――気まぐれで結婚して……サーシスの未来も侯爵の気まぐれで決まるなんて、そんな――、そんな……」
悔しくて言葉にならなかった。
たとえ、あの時のカペラにはほかに道がなかったのだとしても、こんなことで――ただ自分が女だというだけで、領土の将来が配偶者の気持ちと手腕次第でどうにでもなるということが、悔しかった。
「天気の良い日に、実際に現場に連れて行ってやろう。エリック、手配を頼む」
侯爵は、彼女の怒りなど気にする風もなく、冷静な口調で話を変えて話を強引に打ち切った。
それが彼の気持ちを表しているような気がして、彼女の怒りに湧いていた気持ちが萎んでいく。侯爵にとってはカペラなど、警戒も保護も必要ない――取るに足りない存在なのだろう。
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