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新契約 2
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「あ――、ありますともっ」
そうだろうな、と笑みを大きくした後、侯爵は「君の意見も聞こうか?」とエリックに視線を移す。
突っ込まれると答えに窮することも全て、見透かされていたのだと知って、カペラは全身が熱くなった。
一方、いきなり話を向けられてエリックは、ゆっくりと一度まばたきをしていた。
実に悠然とした態度である。だが、それが緊張を隠している時の彼によく見られる仕草だと知っているカペラにとっては、この話し合いがひどく重要な局面を迎えているのだと改めて認識せざるをえない。
エリックの返事次第で、サーシスの未来の明暗が分かれるのだと、その場にいた皆が彼の言葉を見守っている。
緊張の解けたカペラは、こんな場面ではあるにもかかわらず、自分だけの知るエリックの癖を見られたことが、少し嬉しくて、侯爵が横目で彼女を見たのには気づかない。
「私には、大変もったいないお言葉でございます。グレン侯爵の元にはすでに優秀な家令も執事もそろっているでしょうに」
「もちろん」
「では――」
そこまでの会話で、伯爵夫人は明らかに落胆を見せた。
だが、「しかし――」と侯爵がエリックを鋭く遮る。
「私は君を、エージェントとして、雇いたいんだ」
「エージェント?」
耳慣れない言葉にサーシス伯爵がたどたどしく単語をなぞる。
「簡単にいうなら、私の補佐をしてくれる――代理人だ」
領土の管理をして悠々と暮らしている貴族の仕事の補佐は、ランドスチュワードがいれば事足りるはずだ。
腑に落ちない様子の 伯爵に気が付いた侯爵が言葉を足す。
「――私の事業の補佐として、企画・立案、調査、交渉などの業務を行ってもらいたい。家令の命令系統から独立した、個人的な近侍と言った方がわかりやすいか? 無論、報酬はそれなりに弾むつもりだ」
侯爵が貴族界の中でも異端として扱われているのは、こういう、事業に対する前向きな考え方もあるのかもしれない。
エリックの有能ぶりは伯爵が一番理解している。彼の才能が活かされるのであればサーシス伯爵にとっても嬉しいことではあるが。
侯爵は、それでも迷う伯爵から再びカペラへ視線を戻した。
「報酬は払うのだから、人身売買にはあたるまい?」
このように整然と説明されては、カペラも、反論できない。
なにより、エリックにとっても悪い話ではなさそうだ。
「彼なきあとのこちらの運営については、投資という形で援助しよう。私としても、この地が豊かになることについてはメリットがないわけではない。――どうだ、悪い話ではないと思うが?」
皆の胸中を読んだかのように、侯爵は念を押した。
「――私のところへ、来てくれまいか?」
それは、彼女が夢に描いていたようなプロポーズの言葉だった。
ただ一つ違うのは、その言葉がエリックに向けられていたという点で。
カペラは侯爵のエリックに対する熱心さに、何とも複雑な気分になる。
まるで、自分はエリックのおまけで――。それとも、これは被害妄想というやつだろうか。
……あるいは、嫉妬。
――でも、どちらに?
カペラが複雑な気持ちにモヤモヤしている間にも、それ以上の名案を思いつけない伯爵は侯爵の提案を受け入れるかたちとなっていた。
侯爵が手にしていたグラスをぐいと空け、目の前に突き出す。
エリックが静かに近づいて、赤い液体を注ぎ足した。
「――では、改めて祝杯を」
アルダートン城へ輿入れの日は曇り空だった。
城門の前には祝いの品を持参した領民たちにふるまわれる食事や葡萄酒が用意されていて、早くから大勢の人で賑わっている。
カペラは彼らを横目に、侯爵の用意した馬車で城に入った。
「もう少し愛嬌を振りまいたらどうなの。貴女の領民になるのよ」
隣に座った伯爵夫人が馬車を興味深げに覗き込む人々に、にこやかに笑いかけながら、カペラを嗜める。
「……ええ……」
返事をするものの、到底そんな気にはなれないカペラは、人々に視線を向けるふりをして、母親とは反対側の窓から、曇った空を見上げた。
「しっかりしてちょうだい。輿入れの支度まで全て整えてもらって、資金の援助まで申し出てくれた侯爵に、愛想を尽かされたら、今度こそ――」
また長いお説教が始まったと、カペラは母親に気づかれないよう、ため息を吐く。
狭い馬車の中では、逃げる場所も助けてくれる人もいない。
そう考えた彼女が、精一杯笑顔を作ろうとしたとき、しっとりと落ち着いた声が、カペラの思い心をすくい上げてくれた。
「失礼ですが、奥様。カペラ様は、緊張なさっておいでなのですよ。――さあ、着きました」
御者を務めていたエリックが、伯爵夫人を先に馬車から降ろし、カペラに手を差し伸べる。
けれど、馬車から降りれば――
躊躇うカペラに、エリックが静かに笑いかける。
「私も、一緒でございますよ」
いつもと変わらず、余裕に見えるのに?
カペラは思わず聞き返そうとしたが、うまい具合に笑顔でかわされ、タイミングを逃してしまった。
その後は、言われるまま母親ともエリックとも別れ、一人支度のために用意された部屋に連れて行かれる。
アルダートンのメイド達に取り囲まれ、されるがままに着ていたものを脱がされた。
グレン侯爵が用意してくれていた銀色に金糸の刺しゅうがふんだんに施されたドレスは、ずっしり重い。
部屋にグレン侯爵がエリックを伴って姿を見せたのは、午後になってからだった。
王国騎士団の精鋭と称された近衛騎馬連隊の制服――紺青の上着に、青色の縁取りがされたシルバーの大綬を肩からかけた装いは、プラチナブロンドの髪とがっしりとした体格の彼にとてもよく似合っている。
改めてグレン侯爵を前にしたカペラは思わず感嘆の息を漏らし、納得した。この美丈夫が結婚もせずに街に出ては浮名を流しているとなれば、何度も噂に上るのも道理だ。
一方で、そんな侯爵がなぜ貧乏貴族の娘である自分と婚約をしたのか、という疑問がさらに大きくなる。しかも伯爵家にとっては悪くない条件で。
「どうした?」
「いえ――、……こんなに間近で、騎士団の正装を見たのは初めてで――」
不覚にも見入ってしまった理由を制服のせいにして、カペラは彼から慌てて目をそらす。
その視線の先に、エリックが静かに控えていた。
「確かに。数年前ならいざ知らず、平和になった世の中ではこんなもの式典の時くらいしか着ないからな。もう飾りでしかないのに、いつまで騎士団など残しておくつもりなのか――」
快活に笑うグレン侯爵の横で、カペラにはもうエリックの姿しか目に入っていない。
刺繍入りベルベットの上着に、ベスト、半ズボン、シルクストッキング、パンプス、クラバット姿の――グレン侯爵のおさがりなのだろうが、その出で立ちはまるで貴族のようだ。
彼女の視線に気が付いたエリックが、わずかに口の端を上げ、彼女だけにわかるように笑みを作る。
もしも、この場に二人きりだったなら、きっと「よくお似合いですよ、お嬢様」と声をかけてくれているところだろう。
カペラも「ありがとう、あなたもお似合いよ」の意を込めて微笑み返すと、彼はわずかに緩んだ目元を隠すかのように頭を下げた。
エリックが手渡したフード付きのローブに、羽根飾り付きの帽子、頸飾を手早く身に着けた侯爵がカペラに手を差し出すところまで、彼女はじっと彼の所作に見惚れていた。
「どうした、行くぞ」
声をかけられて、ようやく我に返った彼女は、慌ててその手を取る。
――気づかれただろうか。
侯爵の顔色を窺ってみたが、彼の豪胆な様子からは、カペラの気持ちに気が付いたかどうかは読み取れなかった。おそらく、気が付いたとしても彼なら人前で事を荒立てたりはしないだろうが、さすがに――チャップマン男爵ほど狭量ではないとはいえ、使用人との恋愛となるといい顔はしないだろう。
今後は、気をつけなくてはならない。自分の勝手な気持ちだけでエリックの立場まで悪くするわけにはいかない。
そう心に誓う一方で、じっと見つめるだけでもこんなに気を遣わなければならないのなら、二度と会えなくなった方がすっきりしたのかもしれないとの想いも、カペラの心の奥で芽を出し始め
そうだろうな、と笑みを大きくした後、侯爵は「君の意見も聞こうか?」とエリックに視線を移す。
突っ込まれると答えに窮することも全て、見透かされていたのだと知って、カペラは全身が熱くなった。
一方、いきなり話を向けられてエリックは、ゆっくりと一度まばたきをしていた。
実に悠然とした態度である。だが、それが緊張を隠している時の彼によく見られる仕草だと知っているカペラにとっては、この話し合いがひどく重要な局面を迎えているのだと改めて認識せざるをえない。
エリックの返事次第で、サーシスの未来の明暗が分かれるのだと、その場にいた皆が彼の言葉を見守っている。
緊張の解けたカペラは、こんな場面ではあるにもかかわらず、自分だけの知るエリックの癖を見られたことが、少し嬉しくて、侯爵が横目で彼女を見たのには気づかない。
「私には、大変もったいないお言葉でございます。グレン侯爵の元にはすでに優秀な家令も執事もそろっているでしょうに」
「もちろん」
「では――」
そこまでの会話で、伯爵夫人は明らかに落胆を見せた。
だが、「しかし――」と侯爵がエリックを鋭く遮る。
「私は君を、エージェントとして、雇いたいんだ」
「エージェント?」
耳慣れない言葉にサーシス伯爵がたどたどしく単語をなぞる。
「簡単にいうなら、私の補佐をしてくれる――代理人だ」
領土の管理をして悠々と暮らしている貴族の仕事の補佐は、ランドスチュワードがいれば事足りるはずだ。
腑に落ちない様子の 伯爵に気が付いた侯爵が言葉を足す。
「――私の事業の補佐として、企画・立案、調査、交渉などの業務を行ってもらいたい。家令の命令系統から独立した、個人的な近侍と言った方がわかりやすいか? 無論、報酬はそれなりに弾むつもりだ」
侯爵が貴族界の中でも異端として扱われているのは、こういう、事業に対する前向きな考え方もあるのかもしれない。
エリックの有能ぶりは伯爵が一番理解している。彼の才能が活かされるのであればサーシス伯爵にとっても嬉しいことではあるが。
侯爵は、それでも迷う伯爵から再びカペラへ視線を戻した。
「報酬は払うのだから、人身売買にはあたるまい?」
このように整然と説明されては、カペラも、反論できない。
なにより、エリックにとっても悪い話ではなさそうだ。
「彼なきあとのこちらの運営については、投資という形で援助しよう。私としても、この地が豊かになることについてはメリットがないわけではない。――どうだ、悪い話ではないと思うが?」
皆の胸中を読んだかのように、侯爵は念を押した。
「――私のところへ、来てくれまいか?」
それは、彼女が夢に描いていたようなプロポーズの言葉だった。
ただ一つ違うのは、その言葉がエリックに向けられていたという点で。
カペラは侯爵のエリックに対する熱心さに、何とも複雑な気分になる。
まるで、自分はエリックのおまけで――。それとも、これは被害妄想というやつだろうか。
……あるいは、嫉妬。
――でも、どちらに?
カペラが複雑な気持ちにモヤモヤしている間にも、それ以上の名案を思いつけない伯爵は侯爵の提案を受け入れるかたちとなっていた。
侯爵が手にしていたグラスをぐいと空け、目の前に突き出す。
エリックが静かに近づいて、赤い液体を注ぎ足した。
「――では、改めて祝杯を」
アルダートン城へ輿入れの日は曇り空だった。
城門の前には祝いの品を持参した領民たちにふるまわれる食事や葡萄酒が用意されていて、早くから大勢の人で賑わっている。
カペラは彼らを横目に、侯爵の用意した馬車で城に入った。
「もう少し愛嬌を振りまいたらどうなの。貴女の領民になるのよ」
隣に座った伯爵夫人が馬車を興味深げに覗き込む人々に、にこやかに笑いかけながら、カペラを嗜める。
「……ええ……」
返事をするものの、到底そんな気にはなれないカペラは、人々に視線を向けるふりをして、母親とは反対側の窓から、曇った空を見上げた。
「しっかりしてちょうだい。輿入れの支度まで全て整えてもらって、資金の援助まで申し出てくれた侯爵に、愛想を尽かされたら、今度こそ――」
また長いお説教が始まったと、カペラは母親に気づかれないよう、ため息を吐く。
狭い馬車の中では、逃げる場所も助けてくれる人もいない。
そう考えた彼女が、精一杯笑顔を作ろうとしたとき、しっとりと落ち着いた声が、カペラの思い心をすくい上げてくれた。
「失礼ですが、奥様。カペラ様は、緊張なさっておいでなのですよ。――さあ、着きました」
御者を務めていたエリックが、伯爵夫人を先に馬車から降ろし、カペラに手を差し伸べる。
けれど、馬車から降りれば――
躊躇うカペラに、エリックが静かに笑いかける。
「私も、一緒でございますよ」
いつもと変わらず、余裕に見えるのに?
カペラは思わず聞き返そうとしたが、うまい具合に笑顔でかわされ、タイミングを逃してしまった。
その後は、言われるまま母親ともエリックとも別れ、一人支度のために用意された部屋に連れて行かれる。
アルダートンのメイド達に取り囲まれ、されるがままに着ていたものを脱がされた。
グレン侯爵が用意してくれていた銀色に金糸の刺しゅうがふんだんに施されたドレスは、ずっしり重い。
部屋にグレン侯爵がエリックを伴って姿を見せたのは、午後になってからだった。
王国騎士団の精鋭と称された近衛騎馬連隊の制服――紺青の上着に、青色の縁取りがされたシルバーの大綬を肩からかけた装いは、プラチナブロンドの髪とがっしりとした体格の彼にとてもよく似合っている。
改めてグレン侯爵を前にしたカペラは思わず感嘆の息を漏らし、納得した。この美丈夫が結婚もせずに街に出ては浮名を流しているとなれば、何度も噂に上るのも道理だ。
一方で、そんな侯爵がなぜ貧乏貴族の娘である自分と婚約をしたのか、という疑問がさらに大きくなる。しかも伯爵家にとっては悪くない条件で。
「どうした?」
「いえ――、……こんなに間近で、騎士団の正装を見たのは初めてで――」
不覚にも見入ってしまった理由を制服のせいにして、カペラは彼から慌てて目をそらす。
その視線の先に、エリックが静かに控えていた。
「確かに。数年前ならいざ知らず、平和になった世の中ではこんなもの式典の時くらいしか着ないからな。もう飾りでしかないのに、いつまで騎士団など残しておくつもりなのか――」
快活に笑うグレン侯爵の横で、カペラにはもうエリックの姿しか目に入っていない。
刺繍入りベルベットの上着に、ベスト、半ズボン、シルクストッキング、パンプス、クラバット姿の――グレン侯爵のおさがりなのだろうが、その出で立ちはまるで貴族のようだ。
彼女の視線に気が付いたエリックが、わずかに口の端を上げ、彼女だけにわかるように笑みを作る。
もしも、この場に二人きりだったなら、きっと「よくお似合いですよ、お嬢様」と声をかけてくれているところだろう。
カペラも「ありがとう、あなたもお似合いよ」の意を込めて微笑み返すと、彼はわずかに緩んだ目元を隠すかのように頭を下げた。
エリックが手渡したフード付きのローブに、羽根飾り付きの帽子、頸飾を手早く身に着けた侯爵がカペラに手を差し出すところまで、彼女はじっと彼の所作に見惚れていた。
「どうした、行くぞ」
声をかけられて、ようやく我に返った彼女は、慌ててその手を取る。
――気づかれただろうか。
侯爵の顔色を窺ってみたが、彼の豪胆な様子からは、カペラの気持ちに気が付いたかどうかは読み取れなかった。おそらく、気が付いたとしても彼なら人前で事を荒立てたりはしないだろうが、さすがに――チャップマン男爵ほど狭量ではないとはいえ、使用人との恋愛となるといい顔はしないだろう。
今後は、気をつけなくてはならない。自分の勝手な気持ちだけでエリックの立場まで悪くするわけにはいかない。
そう心に誓う一方で、じっと見つめるだけでもこんなに気を遣わなければならないのなら、二度と会えなくなった方がすっきりしたのかもしれないとの想いも、カペラの心の奥で芽を出し始め
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