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#03 家に潜む者-『家潜』③
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「この家には、もう一人誰かが潜んでいる」
――そう言い放つ輝井の目に、嘘や虚言の類は一切見られない。この、人が隠れ続けるには限界が来るであろう一軒家に間違いなく“居る”。
「俺も、恐らくきみも探しただろうけど……どこにもいなかった」
「ええ。つまり、それが「敵」の能力という訳よ」
両の手で持っていた湯呑を縁側に置くと、世良にとって聞き馴染みの無い単語を言う。能力とは一体何なのか、少し前のナイフなどが襲い掛かってきた事とは関係があるのか。
疑問を浮かべる世良に対し、ため息を交えながら自分の顔に手を置く輝井。以前もこんなことがあった。何も知らぬ者に教えた結果、その当人は命を失った事を覚えている。
「……あなたに、それを詳しく教えるつもりは無いけどね」
「さっきも言ったけど、能力すら知らない人は早くこの家から出ていきなさい」
思わず口調が強くなる。鋭い眼光も合わさって、きっとこの男は驚きすくんでいることだろう。過去の過ちを顧みての優しさのつもりが、口下手な輝井は必要以上に相手を突き放してしまう。
「…………そうか」
下を向きながら呟くと、輝井に深く礼をして後ろに身体を向ける。今の一礼は、感謝を含んだ一礼だった。自分の祖父を殺した者を捕まえてくれるのならば、これ以上嬉しいことはない。
彼女に全てを任せることに申し訳なさを感じつつ、未だ分からぬ能力を持った者同士の戦いに入れない自分を悔やんだ。
「――さて、どうせ今の会話も聞いてたんでしょう」
玄関の扉を閉める音が、遠くから聞こえる蝉の声と共に耳へ入る。世良林斗はもうこの家に居ない。つまり輝井がたった今言い放った言葉は、傍から見れば独り言のようにも思われる。
(返答はない。やっぱり、待ち構えてるって訳ね。良い度胸じゃない)
「私は何度か能力持ちと戦っているわ」と付け加え、家に侵入した時と同じように胸ポケットに手を入れる。わざわざ自分が向かうのではなく、“これ”で視覚を共有すればいい。
ビー玉ほどの大きさをした鉄の玉を三つ。掌の上に乗せると、その内二つは空中に浮かんで散らばった。
(一つは私の護衛用。残りで家中を隈なく探せば、必ず敵は見つかる)
複数個を使えば、いわゆる昆虫なんかに見られる複眼状態で視界が広がる。難点を挙げるなら使用後は極度の吐き気に襲われることだろうか。
手短に終わらせる事を心に近い、和室から一階を重点的に探索する。しかし、どこを探し回っても痕跡一つ見当たらない。
(さっきの彼が開けた扉から部屋を見ても、姿はない……)
(けど、間違いなくいるっ! 私の勘がそう言ってるわ)
居間、トイレ、風呂、キッチン、一階にある全てを探索しきった時。そこで輝井はようやく気付いた。自分が部屋に誘い込まれていることを。自分が使う武器を、隔離されてしまったことに。
バタンッ
「!?」(扉が勝手に閉じた……っ)
鉄の玉がそれぞれ別々の部屋に入り込んだ瞬間、その二部屋に設置された扉が勢いよく閉まる。“分断作戦”だった。この家に潜む敵は、最初からこれが目的だったのだ。
(こいつは……ずっと、私の弱点を見て――
「! うぐぅッ!」
突然、右肩から血が飛び出す。思わず倒れこみ、閉じ込められた二つの能力を解除したと同時に辺りを見渡すがどこにもいない。外から覗かせる太陽の光と、今の状況は非常にアンバランスだ。
『自分からよ…………一人になってくれて有難うな』
どこかから聞こえる声。間違いない、この家に潜む「敵」の声だ。醜く、下種な口調で自分に話しかけてくる。しかし、声の方向が分からない。360度全ての方向から流れ込む卑劣な言葉の数々。
『お前の能力は良く知ってるぜ。“先生”に教えてもらったし……』
『弱点もだ!
視覚を共有しているときは、木の扉一枚を貫通する事も出来ない破壊力ってな!』
嫌でも耳に入ってくる勝利を確信したかのような笑い声に、唇を嚙みながら連続してくる痛みに耐え、手元に残った最後の一つを外に向かって放つ。もはやどこに敵が居るのかも分からないのなら、少しでも勝利の可能性を見出すために。
「私、は……これに賭ける。意図を察してくれることを信じて」
一定間隔で飛んでくる斬撃のような物。単体だとそこまでのダメージはないが、数を重ねれば重ねるほどその痛みは蓄積されていく。それでも輝井は無言で耐える。敵に、悟られない様に。
『――お前に一つ、言ってやるよ。無駄な足搔きご苦労さんってなぁ』
「!」
『部屋に閉じ込めたお前の武器二つ! 俺が気づいてないと思ったか?
耐えるふりして操っているだろう!』
顔を下に向けながら腹を隠す。例えるなら、避難訓練の時に誰もがやったことのある体制だった。視覚を共有すれば破壊力は減るが利便性は高い、つまりその逆は破壊力を重視した操り方。
今の輝井はキッチンとトイレに隔離された武器を手当たり次第に動かして辺りを破壊する事しかできない。それで敵を倒せたり、ダメージを与えられるとは到底思ってはいなかったが。
『――だが別にいいぜ。大事なのは「先制攻撃」が出来たことだからな。
全身ズタボロのお前が、この家を破壊してようが俺には関係ない』
途端に冷静な口調になった男がそう言い放った瞬間、輝井がいる部屋まで鉄の玉が貫通してくる。扉、壁、床、全てに「丸」の穴を開けながらここまでやって来たのだ。
(まだ足りない。もう少し、本当はもう少し確かめておきたかった……けど)
ようやく戻ってきた自分の武器だったが、輝井にはもうそれを操る力は僅かほどしか残っていない。きっと、この僅かな力で攻撃をしたとしても敵は倒せないだろう。
だから、そのためには使わない。輝井は二つの武器を自分が今いるこの縁側から二方向に放った。一つは洋服棚に、一つは廊下へと続く襖に当たって穴を開ける。
『……なんの、真似だ?』
声は、同じ場所からしか聞こえない。敢えて残した押し入れからしか聞こえない。輝井はそれを理解していたかのように、既にその押し入れ側へ顔を向けていた。
「――あんたは恐らく、家を操作する能力」
「勝手に扉を閉じることも出来るし、
原理は分からないけど斬撃を飛ばすことも出来る」
どくどくと脇腹から流れる血は、浅いとはいえ決して油断ならない怪我だ。あと一発でも貰ってしまえば無事である保証はない。
「そして一番厄介なのは姿が隠れていること。
私は、さっきからあんたがどこに居るのかを調べていたわ」
しかし、それでも輝井は口を止めなかった。目の前に潜む敵と、聞いてるであろうもう一人のために。
「そして分かった。あんたは、この家にある部屋――
もっといえば自分が中に入れるスペースがある場所にワープできる!」
「だから私は――『最後の言葉はそれでいいのか?! この野郎!』……っ」
輝井が言葉を言い切る前に、押し入れが開かれ男が飛び掛かってきた。まさに図星を付かれたような表情で、少しでも早く息の根を止めるために、輝井の喉元に男のゴツゴツとした手が迫る。
『一度でいいから、女をぶっ殺――ぶげぇっっっ!!?』
しかし、彼女に魔の手が触れることは無かった。決して致命傷に至るほどではないまでも、『家の男』は口から血を吐きながら外の庭まで飛んでいく。正確には唇を噛んた結果による出血だが。
「――――良かった。……気づいて、くれたのね」
人に殴られた経験も、人を殴る経験もない。ましてや人が大怪我をするほどまでに痛めつけるような者を許すほど優しくもない。世良林斗は、庭で倒れこむ男を見上げながら拳を握りしめた。
「これ以上、お前のような下種に好き勝手はさせない!」
――――――――――――――――――――
輝井夢野『鉄を操る力』鉄操
【自身の半径10m内にある鉄を操ることが出来る能力。
物体の大きさは最大で数十mの物まで大丈夫だが、固定されていたら動かせない。
操れる個数は無限。しかし、その数を操作するほどの力量が彼女にあるかは不明。
自身が操る鉄と視覚を共有することも可能。輝井は常に鉄の玉を常備している】
――そう言い放つ輝井の目に、嘘や虚言の類は一切見られない。この、人が隠れ続けるには限界が来るであろう一軒家に間違いなく“居る”。
「俺も、恐らくきみも探しただろうけど……どこにもいなかった」
「ええ。つまり、それが「敵」の能力という訳よ」
両の手で持っていた湯呑を縁側に置くと、世良にとって聞き馴染みの無い単語を言う。能力とは一体何なのか、少し前のナイフなどが襲い掛かってきた事とは関係があるのか。
疑問を浮かべる世良に対し、ため息を交えながら自分の顔に手を置く輝井。以前もこんなことがあった。何も知らぬ者に教えた結果、その当人は命を失った事を覚えている。
「……あなたに、それを詳しく教えるつもりは無いけどね」
「さっきも言ったけど、能力すら知らない人は早くこの家から出ていきなさい」
思わず口調が強くなる。鋭い眼光も合わさって、きっとこの男は驚きすくんでいることだろう。過去の過ちを顧みての優しさのつもりが、口下手な輝井は必要以上に相手を突き放してしまう。
「…………そうか」
下を向きながら呟くと、輝井に深く礼をして後ろに身体を向ける。今の一礼は、感謝を含んだ一礼だった。自分の祖父を殺した者を捕まえてくれるのならば、これ以上嬉しいことはない。
彼女に全てを任せることに申し訳なさを感じつつ、未だ分からぬ能力を持った者同士の戦いに入れない自分を悔やんだ。
「――さて、どうせ今の会話も聞いてたんでしょう」
玄関の扉を閉める音が、遠くから聞こえる蝉の声と共に耳へ入る。世良林斗はもうこの家に居ない。つまり輝井がたった今言い放った言葉は、傍から見れば独り言のようにも思われる。
(返答はない。やっぱり、待ち構えてるって訳ね。良い度胸じゃない)
「私は何度か能力持ちと戦っているわ」と付け加え、家に侵入した時と同じように胸ポケットに手を入れる。わざわざ自分が向かうのではなく、“これ”で視覚を共有すればいい。
ビー玉ほどの大きさをした鉄の玉を三つ。掌の上に乗せると、その内二つは空中に浮かんで散らばった。
(一つは私の護衛用。残りで家中を隈なく探せば、必ず敵は見つかる)
複数個を使えば、いわゆる昆虫なんかに見られる複眼状態で視界が広がる。難点を挙げるなら使用後は極度の吐き気に襲われることだろうか。
手短に終わらせる事を心に近い、和室から一階を重点的に探索する。しかし、どこを探し回っても痕跡一つ見当たらない。
(さっきの彼が開けた扉から部屋を見ても、姿はない……)
(けど、間違いなくいるっ! 私の勘がそう言ってるわ)
居間、トイレ、風呂、キッチン、一階にある全てを探索しきった時。そこで輝井はようやく気付いた。自分が部屋に誘い込まれていることを。自分が使う武器を、隔離されてしまったことに。
バタンッ
「!?」(扉が勝手に閉じた……っ)
鉄の玉がそれぞれ別々の部屋に入り込んだ瞬間、その二部屋に設置された扉が勢いよく閉まる。“分断作戦”だった。この家に潜む敵は、最初からこれが目的だったのだ。
(こいつは……ずっと、私の弱点を見て――
「! うぐぅッ!」
突然、右肩から血が飛び出す。思わず倒れこみ、閉じ込められた二つの能力を解除したと同時に辺りを見渡すがどこにもいない。外から覗かせる太陽の光と、今の状況は非常にアンバランスだ。
『自分からよ…………一人になってくれて有難うな』
どこかから聞こえる声。間違いない、この家に潜む「敵」の声だ。醜く、下種な口調で自分に話しかけてくる。しかし、声の方向が分からない。360度全ての方向から流れ込む卑劣な言葉の数々。
『お前の能力は良く知ってるぜ。“先生”に教えてもらったし……』
『弱点もだ!
視覚を共有しているときは、木の扉一枚を貫通する事も出来ない破壊力ってな!』
嫌でも耳に入ってくる勝利を確信したかのような笑い声に、唇を嚙みながら連続してくる痛みに耐え、手元に残った最後の一つを外に向かって放つ。もはやどこに敵が居るのかも分からないのなら、少しでも勝利の可能性を見出すために。
「私、は……これに賭ける。意図を察してくれることを信じて」
一定間隔で飛んでくる斬撃のような物。単体だとそこまでのダメージはないが、数を重ねれば重ねるほどその痛みは蓄積されていく。それでも輝井は無言で耐える。敵に、悟られない様に。
『――お前に一つ、言ってやるよ。無駄な足搔きご苦労さんってなぁ』
「!」
『部屋に閉じ込めたお前の武器二つ! 俺が気づいてないと思ったか?
耐えるふりして操っているだろう!』
顔を下に向けながら腹を隠す。例えるなら、避難訓練の時に誰もがやったことのある体制だった。視覚を共有すれば破壊力は減るが利便性は高い、つまりその逆は破壊力を重視した操り方。
今の輝井はキッチンとトイレに隔離された武器を手当たり次第に動かして辺りを破壊する事しかできない。それで敵を倒せたり、ダメージを与えられるとは到底思ってはいなかったが。
『――だが別にいいぜ。大事なのは「先制攻撃」が出来たことだからな。
全身ズタボロのお前が、この家を破壊してようが俺には関係ない』
途端に冷静な口調になった男がそう言い放った瞬間、輝井がいる部屋まで鉄の玉が貫通してくる。扉、壁、床、全てに「丸」の穴を開けながらここまでやって来たのだ。
(まだ足りない。もう少し、本当はもう少し確かめておきたかった……けど)
ようやく戻ってきた自分の武器だったが、輝井にはもうそれを操る力は僅かほどしか残っていない。きっと、この僅かな力で攻撃をしたとしても敵は倒せないだろう。
だから、そのためには使わない。輝井は二つの武器を自分が今いるこの縁側から二方向に放った。一つは洋服棚に、一つは廊下へと続く襖に当たって穴を開ける。
『……なんの、真似だ?』
声は、同じ場所からしか聞こえない。敢えて残した押し入れからしか聞こえない。輝井はそれを理解していたかのように、既にその押し入れ側へ顔を向けていた。
「――あんたは恐らく、家を操作する能力」
「勝手に扉を閉じることも出来るし、
原理は分からないけど斬撃を飛ばすことも出来る」
どくどくと脇腹から流れる血は、浅いとはいえ決して油断ならない怪我だ。あと一発でも貰ってしまえば無事である保証はない。
「そして一番厄介なのは姿が隠れていること。
私は、さっきからあんたがどこに居るのかを調べていたわ」
しかし、それでも輝井は口を止めなかった。目の前に潜む敵と、聞いてるであろうもう一人のために。
「そして分かった。あんたは、この家にある部屋――
もっといえば自分が中に入れるスペースがある場所にワープできる!」
「だから私は――『最後の言葉はそれでいいのか?! この野郎!』……っ」
輝井が言葉を言い切る前に、押し入れが開かれ男が飛び掛かってきた。まさに図星を付かれたような表情で、少しでも早く息の根を止めるために、輝井の喉元に男のゴツゴツとした手が迫る。
『一度でいいから、女をぶっ殺――ぶげぇっっっ!!?』
しかし、彼女に魔の手が触れることは無かった。決して致命傷に至るほどではないまでも、『家の男』は口から血を吐きながら外の庭まで飛んでいく。正確には唇を噛んた結果による出血だが。
「――――良かった。……気づいて、くれたのね」
人に殴られた経験も、人を殴る経験もない。ましてや人が大怪我をするほどまでに痛めつけるような者を許すほど優しくもない。世良林斗は、庭で倒れこむ男を見上げながら拳を握りしめた。
「これ以上、お前のような下種に好き勝手はさせない!」
――――――――――――――――――――
輝井夢野『鉄を操る力』鉄操
【自身の半径10m内にある鉄を操ることが出来る能力。
物体の大きさは最大で数十mの物まで大丈夫だが、固定されていたら動かせない。
操れる個数は無限。しかし、その数を操作するほどの力量が彼女にあるかは不明。
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