【R18】年上上司のオトシ方

二久アカミ

文字の大きさ
上 下
46 / 51
5:年下カレシの躾け方(※)

(4)※

しおりを挟む
「……きこえないッスかね……」
「ここならいけんだろ。見つかったら、お前置いて逃げる」
「ははっ、ひっでえ。オレ、会社でこれ晒すの?」
「確かに女子社員が見たら問題だな」

 それって褒めてる? と茶化すように言うと、奥村はぎゅうっと濱口の性器を握るフリをして、むっとした表情を見せた。

「全然褒めてねーよ、変態……でけーだけだし」
「光栄です」
「ばーか」

 奥村はしゃがみこむと、ぺろっと濱口の性器に舌を伸ばした。口でなんてしてもらったこともなく、あまりに予想外のことに、うお!? と声が出る。

「……早くイけよ?」
「……っ!」

 ちらちらと見える赤い舌が自分の性器にそっていく。ゆっくりと舐められた先からじわりと液が滲み出し、うー……と濱口は唸るしかなかった。

(視覚的に……まじ、やばい……って!)

 手で上下に摩られ、ぺろぺろと先を舐められる。たまにちらりと見上げてくる視線がたまらない。眼鏡の奥からうかがってくる目が意地悪く細められる。……これは本当に夢かもしれない。

「だめ……あ……やとさ……」
「声……」

 しいっと唇の前で指を立てる彼は、いつもと違ってかなり積極的で焦った。手できつめにぎゅっぎゅっと繰り返し刺激されるのに、堪えようもなく口があいてしまう。

「あやとさ……で、そう……ぅ……っ」
「ん……もう?」
「ん……んっ……っ……あや……と、さ……っ」

 いれた……い……っ、と濱口が言う言葉に奥村は性器を奥までくわえ、唇で刺激してくる。ちゅぽちゅぽと吸われる音に震え、濱口が天井を仰ぎ見て耐えているが、奥村が焦れたように、そっとくびれに歯をそっと当てた。その刺激で濱口の体がびくんっと跳ねる。

「……ッ!!!」

 一気にかけのぼった射精感に、濱口は震えた声を漏らす。

「……あぁ……ぁ……っ!」

 なんとか繋ぎ止めた理性で、声をおさえようとしても出てしまった。いきなりの刺激で出してしまったことに、必死で意識を取り戻そうとするけれど、目の前に見えたのはけほけほっと咽せている奥村の顔で。


「あ……す、すみませ……っ!」
(うわ、すげー早くイっちまった……! 恥ずかしい……!)
「ん……」

 へいき、そう奥村は言うと、胸元から取り出したハンカチに精液を吐き出し、口元をぬぐった。濱口の手首を縛っていたネクタイをほどくと、そのハンカチを濱口に差し出す。

「ほら、これやるから拭いて捨てとけ」
「……すみません……」
(すげえ嬉しいけど、恥ずかしい……っ! 礼人さん、積極的……だし……っ)

 夢か、夢なのか……会社で寝てて、夢でたってたらどうしよう……などと、濱口はあまりの状況に自分の正気を不安に思い、頬をぱんぱんっと叩いた。

「何やってんだ……」

 パンツはけよ、と奥村はもうすっかり普通で、濱口の準備を待っているようだった。
 濱口が、奥村のハンカチで汚れを拭き終わり、これもなんだかなあ、と頬を赤く染めつつ、ベルトをしめ、ネクタイを結びなおしていると、なあ、と奥村が濱口にメモを渡してきた。

「はい?」
「ここ、オレの名前でとってるから」
「え?」

 渡されたメモには会社から歩いて十分ほどのところにあるホテルの名前が書かれていた。目印になるくらい有名なハイグレードホテルで、濱口も仕事のパーティーなどで宴会場にいったことはある。なんだろう、とまじまじとそれを見ていると、先にチェックインしていてくれ、と言われ、目が点になりそうだった。

「……え……? それって……どういう」

 濱口が奥村を見ると、彼は真っ赤な顔をして、一時間かかんねえから、先に入っててくれ、と告げた。

「……っ!? ええっ!?」

 思わずまたミーティングテーブルに座って、呆然としている濱口に、奥村は、むうっと唇をとがらせるが、赤く頬を染めたまま、そんな彼にちゅっともう一度キスをした。

「……家まで待てねえから……仕事終わったらすぐ行く」

 あとでな、と会議室をでていった奥村の背中を見ていたが、濱口は椅子の上で口をあけたまま、ぼうっとしていた。

(……やべえ……)

 口元おさえて、頬の熱があがるのを感じる。渡されたメモを握りしめ、手の中が汗ばむのがわかった。さっきでおさまった熱がまた疼いて、どうしよう、と項垂れるが、頭の中は一時間後のことでいっぱいだった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

控えめカワイイ後輩クンにイケメンの俺が本気になる話

ずー子
BL
大学生BL。先輩×後輩。イケメン先輩が控えめカワイイ後輩男子にメロメロになっちゃって、テニサーの夏合宿の夜にモノにしようとする話です。終始ラブラブ。 大学3年の先輩×大学1年生のラブラブ話です。受クン視点も近々載せますね♡ 私はこういう攻視点で受を「カワイイ」と悶えて本気でモノにするためになんでもしちゃう話がすきです。 お楽しみください!

仕事ができる子は騎乗位も上手い

冲令子
BL
うっかりマッチングしてしまった会社の先輩後輩が、付き合うまでの話です。 後輩×先輩。

大学生はバックヤードで

リリーブルー
BL
大学生がクラブのバックヤードにつれこまれ初体験にあえぐ。

初体験

nano ひにゃ
BL
23才性体験ゼロの好一朗が、友人のすすめで年上で優しい男と付き合い始める。

年上の恋人は優しい上司

木野葉ゆる
BL
小さな賃貸専門の不動産屋さんに勤める俺の恋人は、年上で優しい上司。 仕事のこととか、日常のこととか、デートのこととか、日記代わりに綴るSS連作。 基本は受け視点(一人称)です。 一日一花BL企画 参加作品も含まれています。 表紙は松下リサ様(@risa_m1012)に描いて頂きました!!ありがとうございます!!!! 完結済みにいたしました。 6月13日、同人誌を発売しました。

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?

名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。 そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________ ※ ・非王道気味 ・固定カプ予定は無い ・悲しい過去🐜のたまにシリアス ・話の流れが遅い

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

処理中です...