【R18】年上上司のオトシ方

二久アカミ

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4:年上上司の暴き方(※)

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「なんで……こんなの……」

 思わず声がでた。奥村がこんな卑猥な物を持っているはずがない。だって、自分とのそういう場の時に登場したこともないし、そんなの、後ろなんて……

(だって最近、会えてもなくて。さわったりも全然してないのに)

 はたと気づいてみると、もう随分な間、彼に触れていない。自分も長く出張していたし。そうだ、キスだって久しぶりなのだ。奥村が仕事でいないことが多いので感覚が麻痺していたが、これはふつうの恋人としてはまずいのではないだろうか。

(たまってた、とか? いや……礼人さんがこんなの買うわけないし……だって、後ろできねえし)

 浮気とかじゃないよな、と一瞬でてきた単語に濱口はあせって首をぶんぶんと振る。

(いや、ありえねえから! そんなの、イヤだ! 絶対……)

 ……そんなの許さない
 濱口は見つけたそれをスウェットの後ろについているゆるいポケットの中に隠すと、大きくため息をついてリビングに戻った。
 リビングではテレビがついていたが、奥村は自分のスマートフォンで会社の資料を確認しているようだった。眉間に皺が寄っている。また仕事……と濱口は少しへこみつつ、テレビを消し、礼人さん、と声をかけながら横から抱きしめた。

「何?」
「何、じゃなくて」

 それ、急ぎなの? ときくと、奥村はハッと気づいてそれをローテーブルに置き、濱口の腕を撫でる。
 こういう風にすると、拗ねているのを悟ってくれるくらいにはなってるのに、と濱口は進展を思うが、やはりさっきのことが気になって気分が乗らない。

「礼人さん」
「ん……」

 名前にこたえた奥村が少しだけ濱口の方に顔を向けてキスをねだってくる。うわ、かわいい! と濱口はそれをまた吸い、そのままソファーに押し倒した。

「あ……」
「え、だめ?」
「いや……その……」

 オレ、まだシャワーも、なんて言ってくる彼がかわいくて、濱口はそのままキスをする。だから一緒に入ろうって言ったのに、とつぶやくと、うう、と奥村は少し不本意そうなうめきを漏らした。

「それに、明るいところとかはイヤだ」
「そんなの、今更じゃない?」
「……ここも」

 イヤ……と真っ赤な視線をうろうろさせるのをみて、濱口はごくりと息を飲むと、奥村の体を抱えあげる。

「うわっ、おまえ……っ、何す……っ!」
「ベッド」
「え?」
「じゃあ、ベッドまで運びます」

 そういうことですよね、と言うと、奥村は濱口にしがみついて、落とすなよ、と小さくつぶやいた。
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