【R18】鬼狩りαは溺愛される

二久アカミ

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1章:鬼狩りαはΩになる

9:鬼狩りαはΩになる(2)※

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「待て……待て! 待て!! いや、そこは……っ!」
「もうここまできたらキツイだけっスよ。ほら、気持ちよく抜くだけですって」
「んっ……ぁ……っ!」
 
 向こうの履いていたジーンズからも同じように濡れた熱が顔を出していた。それを押し付けられて擦りあわされる。宙の大きな手に握り込まれた二本の欲望は、ぬち、ヌチっといやらしい音を部屋に響かせ始めた。
 体温よりも熱い芯が擦れあい、その感触に快感が煽られていく。もとよりなぜか力の入らなかった体が、まるで薬でも盛られたかのように敏感に快感の波に追い立てられて、アラタは思わず小さく喘いだ。それに相手が嬉しそうに笑うのが見えて、ますます悔しく思う。けれど……拒めない。
 
(なんだ、この甘い匂い……くそ……っ)
 
 今まで嗅いだことのない甘く柔らかな香りがアラタの鼻孔の奥をくすぐる。それが脳に伝わり、ますます理性を痺れさせていくかのようだ。熱が擦れ、その濡れた感触が先端を刺激する。足の先が丸まり、絶頂までの痺れに耐えるかのごとく腰が跳ねた。
 
「先っぽ、好き? すげえ感じてんスね。やっべ、めちゃかわいいじゃん」
「ばっ……か……何、いっ……んっ……ぁ……」
「あー、やばい。マジでたまんねー」
「っ……!」
 
 キスするのに邪魔、と今更眼鏡をずらされる。奥の方まで長い舌が入ってきて、それを押し返そうとしても、まるで絡めているかのようだ。事実、その絡みに口の中を蹂躙され、けれど、その味にすら感じてしまう。そんな自分が信じられない。
 
「ぁ……ぅうんっ、ぁは……っぁんっ……!」
「うっま……涎まで好みとかヤバいんっスけど」
「っ!? んっ……ぅ、んっ!!」
 
 べろっと唇を舐められて、舌先を引き出される。あ、と口を開くと、二人の間につうっと糸が垂れた。
 
「君、な、にを………っ」
「気持ちいいことは嫌いですか?」
「ぁ……」
「ふ、腰動いてますよ。えっちぃー♡」
「っ!!」
 
 握り込まれた手に煽られて、どんどん快感が育っていく。最悪、最悪だ、と思いつつも、もう追い立てられた快楽からは逃げきれない。
 アラタは宙の手に促されてガクガクと腰を揺らしてしまう。そうして、そのまま宙の手のひらの中に欲望を吐き出した。その汚れの中に宙の白濁もすぐに混じり、二人はともに息を荒くしたまま体を重ねる。
 
「ぁ、あ……っ!!」
「ん……気持ち、ぃー……っ」

(……最悪……だ……!)
 
 はあっ、はあっと上がる息を必死で整えるも、全くおさまらない。それどころか、まだ体が震えて何かを求めるような……
 バカなという思いと、目の前にいる男を求めてしまっている本能と。アラタは自分の体の変化を信じられなかった。
 この前、不意に確認されたが、自分は男性でありαでもある。そして、相手も全く同じ。なのに、どうしてこんなに……とそこまで思って、言葉にしては認めてしまうようで思考を止めた。
 宙は射精後の息を整え終えると、はあっとアラタの体を抱きしめて、鼻先をぐっと首元へ埋めてきた。
 
「んっ……ぁ、は、なれろ……っ!」
「アラタさん、すげえいい匂いすんだよなぁ……これでαとか信じらんねえ。スッゲーそそる匂い。Ωでもここまで好きな匂いに当てられたことないのにぃ……やべえ、マジでまた勃ちそ……っ」
「……し、りません……っ」
 
 体がおかしい。それはタクシーの中からずっとそうだった。ずっと熱に浮かされているかのような感覚で、ふわふわとしている。それにずっと腹の奥が重い。アラタの首に鼻をすんすんと擦り付けた宙は、まじたまんねえ、と呟き、鎖骨のあたりに口付けてきた。
 
「ん……っ、もう……どきなさい……っ」
「ねえ、もっと……しません?」
「……は?」
 
 やりましょうよ、と宙は着ていたカットソーをばさりと脱ぎ去る。自分と同じぐらい、いや、それ以上に鍛え抜かれた体に唖然とするが、さっきの彼の発言を思い出して、何を、とさらに言葉を失った。
 けれど、宙の顔が迫ってくる。その美しいアメジストのような瞳がじっとアラタをとらえて離さない。そして、その視線からは逃げられない――。
 
「っ……や、待て……それは……っ!」
「俺、上手いと思いますよー? ちんこでけーし」
「し、るか……っぁ……! やめっ……」

 サイズはさっき知ったが冗談じゃあない。宙がしたいと言っていることの予想がついて、アラタはさあっと顔を青くした。
 しかし、アラタの思考とは裏腹に体からはどんどん力が抜けていく。顔は火照り、熱は芯を持ち、息が上がる。どうして自分の体がこうなっているのか分からない。なぜか腰が震えて、スラックスと下着をずらしてくる彼の手にも何の抵抗もできない。息だけが上がり、体が火照る。
 どうして、なぜ、こんな男と? そう思うのに、体はそれを拒めない。
 
「スキンとローションどこスか? まあ、無くてもいいけど」
「あ……!」
 
 べろっと指を舐めた宙の視線に射抜かれる。捕食者のような、目。その視線から逃げられない。彼の長くて太い指先がアラタの体を暴いてくる。後孔に差し込まれた違和感にも抵抗なく、体が溶けていくかのようだ。アラタの戸惑う心とは裏腹に堪えきれない声が甘く漏れる。
 
「あ………ぅっ、んん、んっ……っ」
「いい具合じゃん。後ろ使ってしてたりしますー?」
「ぁ、ん、なわけ……なぁっ!」
「後ろ初めて? じゃあ、ゆっくりしますね♡」
「ん、ひ……ぅっ!」
 
 指を浅く二本入れられて、待っての言葉も出ずに相手の肩を掴んでしまう。けれど、その指先は抵抗と言うよりは誘っているかのように彼を引き寄せてしまう。どうして、どうして自分の体がこんな……そう思っていると、指先が内側のしこりに触れ、それで前の熱が硬く濡れ始めた。
 
「ぁ、あ、だめ……んっ……!! ぁ……っ」
「したことないって本当? すっげーすぐ濡れるじゃん。前もすげえ感じてるし」
「っ……!」
 
 屈辱的な言葉と分かっていても、それを否定することもままならない。宙の瞳に少しばかり加虐性が混じり入り、そして、その指を奥まで挿し込まれた時、アラタは初めて味わう快感にビクビクと震えて達した。
 
「ぁっ、あ、あっ……うんっんんっ!! ぅっ!」
「……え? まじ?」
「な、に……っ? ぁ、ああっ、ぁっっんっっっ!! ぁうああああっ!!」
 
 根元まで入れられた刺激にアラタはビュクビュクっと欲望の残滓を撒き散らした。けれど、その反応に唖然としているのはアラタだけではない。宙の方も呆然として、そして、ゆっくりとその指を引き抜く。それは、まるで女性の愛液にまみれたかのように濡れていた。……ローションも使っていないのに。
 
「……まじか」
「ぁ……ん……ぅっ……? ん、ヒッ!」
 
 何かを確かめるようにまた指を差し込まれ、その奥を探られる。その感覚に喘ぐ口元を押さえて耐えていると、うわ、と宙が呆然として体を起こした。
 
「ちょっと相性良すぎちゃったみたいですねぇ、俺たち♡」
「……?」
 
 絶頂に何度も導かれて息も絶え絶えなアラタには、宙の次の言葉を理解することができなかった。

「アラタさん、アンタの体ん中、子宮できてますよ♡」
「……は?」

 アラタの体は……なぜかΩに変わっていたのだった。
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