6 / 12
第一章“物語の始まり”
Chapter6.目的
しおりを挟む「お前、本当に俺たちについてきて良かったのか?」
「ん?なーにがー?」
「何がじゃなくて、ハルカさんにちゃんと伝えたのかハルト。」
「もっちろーん。」
本当か?疑わしい…。
「ねえねえサクラちゃんその服動きやすい?」
「あ、うん。見た目よりも結構動きやすいよ。」
なんかこいつら少し仲良くなった?
まあ、微笑ましいことだけどな。
「ねえ、シグレ。」
「うん?」
「私達これからどうするの?目的も無くただ旅をするだけ?」
…
「いや、俺が今考えてる事はひとつ。
…テレストライアル王国の…復活だ。」
「!ほ、本気…なの?」
「ああ、本気だ。」
「姫さんはあの嘘に──」
俺の言葉をハルトが遮った。
「シーグーレー?呼び方。」
あ…
では気を取り直して…
「サクラはあの嘘にまみれた国が心底嫌だったんだろ?お前が王になれ。そして国を変えろ。今恐らくテレストライアル王国の国民はウィルダーネス王国に奴隷として扱われているだろう。それを助け出すのも理由の一つだ。最後のひとつは、」
「俺が気に入らないから。」
「は?」
あ、思った通り二人ともきょとんとした顔してる。まあ、無理ないか。
「なあ、シグレ?」
「あ?」
ハルトはおずおずと言った。
「もっとかっこいい理由、無いの…」
はあ?
「何言ってんだお前。素直が一番自分の気持ちに嘘ついちゃダメだろ。」
ハルトは半眼になって俺を見た。
「いや、そうかもしれないけどさ、ちょっと素直すぎない?」
「うっせ。」
「ふふっ」
突如笑い声が聞こえた。
「王国の復活、か…」
それはサクラのものだった。
「ねえ、シグレ本当にそんなの実現すると、思う?」
サクラは視線を半ば伏せて俺に言った。
「するさ、俺が、やってやる。」
「うん、頑張ろう。」
!俺がと言ったんだが、まあいいか。
これがサクラの生きる理由になるのなら。
「決意はご立派だけど、実際はどうするわけ?国の復活なんてこの三人じゃできないでしょ。」
「それなら考えてある。」
「え?」
「自然使いに会いに行く。」
「自然使い…って……!自然を操るあの組織の事!?」
サクラは相当驚いているようだ。
ハルトなんか驚きすぎて固まっている。
まあ、無理もないか。
自然使いは組織と言っても今は三人しかいない集まりだ。
すべての水を操るアオイ・アクエリアス。そして、大気を操るハヤテ・アエリアル。
もう一人は…後回しだ。
「とにかく、その組織のアオイ・アクエリアスとハヤテ・アエリアルに会いに行くぞ。」
「え、どこにいるか分かるの?」
「ああ、勿論。だからここに来たんだろ?」
「は?どういうこと?」
本当に意味がわからないらしくサクラは首をかしげ始めた。
「あのぉ、俺もよくわかんない。」
「あれ、言ってなかったか?あの二人今コズミック皇国にいるぞ。」
「初耳だわ!」
二人は声を揃えて言った。
ハモるとは…、仲良いなお前ら。
「てかなんでシグレがそんなこと知ってるの。」
「連絡取り合ってるから」
「へえー…ってえ!?」
「おいシグレそれどういう──」
少し歩くと小さな館があった。
「あ、着いたぞ」
「おい聞けや」
「さーてどこにいるかな」
俺は周りを見渡した。
「ここに居るわよ」
「うん。」
突然真上から声がした。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
虚無からはじめる異世界生活 ~最強種の仲間と共に創造神の加護の力ですべてを解決します~
すなる
ファンタジー
追記《イラストを追加しました。主要キャラのイラストも可能であれば徐々に追加していきます》
猫を庇って死んでしまった男は、ある願いをしたことで何もない世界に転生してしまうことに。
不憫に思った神が特例で加護の力を授けた。実はそれはとてつもない力を秘めた創造神の加護だった。
何もない異世界で暮らし始めた男はその力使って第二の人生を歩み出す。
ある日、偶然にも生前助けた猫を加護の力で召喚してしまう。
人が居ない寂しさから猫に話しかけていると、その猫は加護の力で人に進化してしまった。
そんな猫との共同生活からはじまり徐々に動き出す異世界生活。
男は様々な異世界で沢山の人と出会いと加護の力ですべてを解決しながら第二の人生を謳歌していく。
そんな男の人柄に惹かれ沢山の者が集まり、いつしか男が作った街は伝説の都市と語られる存在になってく。
(
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
転生して捨てられたけど日々是好日だね。【二章・完】
ぼん@ぼおやっじ
ファンタジー
おなじみ異世界に転生した主人公の物語。
転生はデフォです。
でもなぜか神様に見込まれて魔法とか魔力とか失ってしまったリウ君の物語。
リウ君は幼児ですが魔力がないので馬鹿にされます。でも周りの大人たちにもいい人はいて、愛されて成長していきます。
しかしリウ君の暮らす村の近くには『タタリ』という恐ろしいものを封じた祠があたのです。
この話は第一部ということでそこまでは完結しています。
第一部ではリウ君は自力で成長し、戦う力を得ます。
そして…
リウ君のかっこいい活躍を見てください。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
【取り下げ予定】愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
聖なる幼女のお仕事、それは…
咲狛洋々
ファンタジー
とある聖皇国の聖女が、第二皇子と姿を消した。国王と皇太子達が国中を探したが見つからないまま、五年の歳月が過ぎた。魔人が現れ村を襲ったという報告を受けた王宮は、聖騎士団を差し向けるが、すでにその村は魔人に襲われ廃墟と化していた。
村の状況を調べていた聖騎士達はそこである亡骸を見つける事となる。それこそが皇子と聖女であった。長年探していた2人を連れ戻す事は叶わなかったが、そこである者を見つける。
それは皇子と聖女、二人の子供であった。聖女の力を受け継ぎ、高い魔力を持つその子供は、二人を襲った魔人の魔力に当てられ半魔になりかけている。聖魔力の高い師団長アルバートと副団長のハリィは2人で内密に魔力浄化をする事に。しかし、救出したその子の中には別の世界の人間の魂が宿りその肉体を生かしていた。
この世界とは全く異なる考え方に、常識に振り回される聖騎士達。そして次第に広がる魔神の脅威に国は脅かされて行く。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる