106 / 205
動乱編
105 決意
しおりを挟む
「なあ…マジでそのカチューシャの正体教えてくれよ。怖ぇよ」
ヴィヴィアン領。反乱を起こしたという小村にて。フリッツは引き攣った顔で、傍らの王女サマを眺めた。
「ん~……とある魔道具?」
「ざっくりしてんなぁ?!」
当初の計画では、フリッツとイライジャが口八丁でイヴァンジェリンを反乱軍のリーダーの所まで連れていき、その先は彼女が王権振りかざして武器を譲るよう説得するハズだった。いや、確かにフリッツとイライジャは計画通り、イヴァンジェリンを反乱軍の首領の所まで連れていったのだ。……美人でグラマラスな娘を貢ぎ物に捧げます、と言って。
「コイツ、どーなったんだよ?!元に戻るのか?!」
差し出された王女サマは、反乱軍の首領ににっこり微笑むと、無言で彼の頭に件のピンクのウサギカチューシャを取りつけた。
……シュールな画が出来上がった。
いや、そうじゃなくて。
ウサギカチューシャを取りつけた首領の目が死にました。
ショックで、とかではない。マジで目が死んだ。でもって、王女サマが「武器を全部運ばせてね♡」と頼んだら、無言で言うことをきいた。怖えよ!!なにこのカチューシャ呪いかなんか憑いてるの?!見た目はガキの玩具そのものだから余計に怖え!
「ほら、不自然に見えたらマズいよ~」
私たちはぁ、友好的にぃ、武器を譲ってもらったんだからぁ。
王女サマはニコニコしながら、フリッツの背中をバシンと叩いた。
「ハイ、笑顔!!」
笑えるかぁ!!
◆◆◆
夕刻になって、ウィリス村にサイラスが戻ってきた。何故かその服は土に汚れ、たった一人で。
「サイラス!おい、どうした?!」
魔道具の手入れをしていたジャレッドは、ふらふらと危なっかしい足取りの彼に駆け寄った。
「サイラス…?」
俯いた顔からは、表情が抜け落ち。そして彼の左手は…
「?!」
肘まで真っ黒な鱗に被われていた。
「おい、とにかくこっちに来な」
兵士の勘だ。何か、マズいことが起きた。ジャレッドは咄嗟に自分の外套を脱いで、サイラスの左手を隠した。そして、彼を担ぎあげた。
この地のことは、自分にはよくわからない。村人からは、森に近づくなとだけ言われ、その理由は告げられなかった。
あくまでも勘だ。サイラスから話を聞けるのは唯一、アイザックだけだ。
「すまねぇ!みんな外してくれ!」
サイラスを抱え飛びこんだ部屋は、たまたま主だった面々が集まっていた。その中にアイザックの姿もあることに安堵して。ジャレッドは己の外套に包んだサイラスを示した。
「あまり大勢に知らせたくねぇんだ。下手したら、混乱を招く」
居合わせたフィルに囁くと、すぐに察して人払いをしてくれた。残ったのは、カリスタ姐さん、ダライアス様、アイザック殿、ザカリーさん、そしてギデオン様だ。本当はアイザックと二人きりの方が良いのだろうが、仕方ない。今は非常事態だ。
「サイラス、何があった」
アイザック殿が俯くサイラスと視線を合わせて問うた。その目が不意にサイラスの左手に向けられる。ぽたり、ぽたりと外套を伝って滴り落ちる紅に。
「おまえ、怪我を…?」
アイザック殿が外套を取り除け、露わになった腕に息を呑む。
「湖が…」
俯いたままのサイラスがポツリと呟いた。床に散った紅に重なるようにぽたぽたと透明な雫が零れ落ちる。
「湖が…暴れて……私、ブルーノ様を、みんな、を……助け……られなくて…」
その後は嗚咽になって聞き取れなかったが、その言葉だけで十分だった。
ニマム村が『悪食の沼』に吞まれた
沈痛な面持ちで皆、黙り込んだ。
「ここは、そういう土地だ」
ややあって、ダライアス様が言った。
「いくら戦場を森から離れた原野にしたとはいえ、刺激したに違いない」
アイザック殿の胸に顔を押しつけて、サイラスは子供のように泣いていた。嗚咽交じりに「ごめんなさい、ごめんなさい」と繰り返しながら。
「アレを責めるな。所詮、人ではどうにもできぬのだ、『魔の森』は」
ダライアス様は続けた。その目をチラとサイラスの左手に向けて。
「このことは内密にせよ。ニマム村に向かった面々は、別の任務を与えた故村には戻らなかった。サイラスは、任務中に魔獣に襲われ負傷した。よいな?」
「御意」
即座にカリスタ姐さんが頷いた。その言葉に頷いて、
「わしはしばし休む。後を頼んだ」
ダライアス様は席を立った。サイラスが落ち着かねばことの詳細はわからない。けれど確かに、ダライアス様は我が子を喪ったのだ。それを思うと、かける言葉もない。
「俺たちはできることをやろうぜ。要はこれ以上の戦闘はマズいってことだろ」
答は返ってこない。だが、ジャレッドはロシナンテ傭兵団が誇る頭脳職だ。考える時間はまだ、ある。
(まいったぜ。まさかサイラスが、『女の子』だったとはな…)
感情が振り切れて、声変わりの魔法を忘れたのだろう。泣きじゃくる彼女を見て、ジャレッドは仲間のフィルに目配せをした。
◆◆◆
ニマム村消滅の悲しみも癒えぬまま。
書状の回答期限はきた。使者たるブルーノ様はニマム村と共に吞まれてしまったため、こちらからの使者は送らず、原野に布陣することで敵にモルゲンの意思を伝えた。
もう、これ以上悲劇を続けるわけには、いかない。
常よりひやりとした森の冷気を身に纏いながら、私は彼方の敵兵を睨んだ。
泣いたところで、何も変わらないんだ。死んだ人たちは戻ってこない。助けられなかった過去も変えられない。
だから…
無意識に、包帯で隠した左手を押さえた。
コレさえ解き放てば、リミッターを外してしまえば――
まだ、望みはある。
感傷的になるなら、その弱い心ごと捨てて。
人間ではない、バケモノになるんだ…!
ヴィヴィアン領。反乱を起こしたという小村にて。フリッツは引き攣った顔で、傍らの王女サマを眺めた。
「ん~……とある魔道具?」
「ざっくりしてんなぁ?!」
当初の計画では、フリッツとイライジャが口八丁でイヴァンジェリンを反乱軍のリーダーの所まで連れていき、その先は彼女が王権振りかざして武器を譲るよう説得するハズだった。いや、確かにフリッツとイライジャは計画通り、イヴァンジェリンを反乱軍の首領の所まで連れていったのだ。……美人でグラマラスな娘を貢ぎ物に捧げます、と言って。
「コイツ、どーなったんだよ?!元に戻るのか?!」
差し出された王女サマは、反乱軍の首領ににっこり微笑むと、無言で彼の頭に件のピンクのウサギカチューシャを取りつけた。
……シュールな画が出来上がった。
いや、そうじゃなくて。
ウサギカチューシャを取りつけた首領の目が死にました。
ショックで、とかではない。マジで目が死んだ。でもって、王女サマが「武器を全部運ばせてね♡」と頼んだら、無言で言うことをきいた。怖えよ!!なにこのカチューシャ呪いかなんか憑いてるの?!見た目はガキの玩具そのものだから余計に怖え!
「ほら、不自然に見えたらマズいよ~」
私たちはぁ、友好的にぃ、武器を譲ってもらったんだからぁ。
王女サマはニコニコしながら、フリッツの背中をバシンと叩いた。
「ハイ、笑顔!!」
笑えるかぁ!!
◆◆◆
夕刻になって、ウィリス村にサイラスが戻ってきた。何故かその服は土に汚れ、たった一人で。
「サイラス!おい、どうした?!」
魔道具の手入れをしていたジャレッドは、ふらふらと危なっかしい足取りの彼に駆け寄った。
「サイラス…?」
俯いた顔からは、表情が抜け落ち。そして彼の左手は…
「?!」
肘まで真っ黒な鱗に被われていた。
「おい、とにかくこっちに来な」
兵士の勘だ。何か、マズいことが起きた。ジャレッドは咄嗟に自分の外套を脱いで、サイラスの左手を隠した。そして、彼を担ぎあげた。
この地のことは、自分にはよくわからない。村人からは、森に近づくなとだけ言われ、その理由は告げられなかった。
あくまでも勘だ。サイラスから話を聞けるのは唯一、アイザックだけだ。
「すまねぇ!みんな外してくれ!」
サイラスを抱え飛びこんだ部屋は、たまたま主だった面々が集まっていた。その中にアイザックの姿もあることに安堵して。ジャレッドは己の外套に包んだサイラスを示した。
「あまり大勢に知らせたくねぇんだ。下手したら、混乱を招く」
居合わせたフィルに囁くと、すぐに察して人払いをしてくれた。残ったのは、カリスタ姐さん、ダライアス様、アイザック殿、ザカリーさん、そしてギデオン様だ。本当はアイザックと二人きりの方が良いのだろうが、仕方ない。今は非常事態だ。
「サイラス、何があった」
アイザック殿が俯くサイラスと視線を合わせて問うた。その目が不意にサイラスの左手に向けられる。ぽたり、ぽたりと外套を伝って滴り落ちる紅に。
「おまえ、怪我を…?」
アイザック殿が外套を取り除け、露わになった腕に息を呑む。
「湖が…」
俯いたままのサイラスがポツリと呟いた。床に散った紅に重なるようにぽたぽたと透明な雫が零れ落ちる。
「湖が…暴れて……私、ブルーノ様を、みんな、を……助け……られなくて…」
その後は嗚咽になって聞き取れなかったが、その言葉だけで十分だった。
ニマム村が『悪食の沼』に吞まれた
沈痛な面持ちで皆、黙り込んだ。
「ここは、そういう土地だ」
ややあって、ダライアス様が言った。
「いくら戦場を森から離れた原野にしたとはいえ、刺激したに違いない」
アイザック殿の胸に顔を押しつけて、サイラスは子供のように泣いていた。嗚咽交じりに「ごめんなさい、ごめんなさい」と繰り返しながら。
「アレを責めるな。所詮、人ではどうにもできぬのだ、『魔の森』は」
ダライアス様は続けた。その目をチラとサイラスの左手に向けて。
「このことは内密にせよ。ニマム村に向かった面々は、別の任務を与えた故村には戻らなかった。サイラスは、任務中に魔獣に襲われ負傷した。よいな?」
「御意」
即座にカリスタ姐さんが頷いた。その言葉に頷いて、
「わしはしばし休む。後を頼んだ」
ダライアス様は席を立った。サイラスが落ち着かねばことの詳細はわからない。けれど確かに、ダライアス様は我が子を喪ったのだ。それを思うと、かける言葉もない。
「俺たちはできることをやろうぜ。要はこれ以上の戦闘はマズいってことだろ」
答は返ってこない。だが、ジャレッドはロシナンテ傭兵団が誇る頭脳職だ。考える時間はまだ、ある。
(まいったぜ。まさかサイラスが、『女の子』だったとはな…)
感情が振り切れて、声変わりの魔法を忘れたのだろう。泣きじゃくる彼女を見て、ジャレッドは仲間のフィルに目配せをした。
◆◆◆
ニマム村消滅の悲しみも癒えぬまま。
書状の回答期限はきた。使者たるブルーノ様はニマム村と共に吞まれてしまったため、こちらからの使者は送らず、原野に布陣することで敵にモルゲンの意思を伝えた。
もう、これ以上悲劇を続けるわけには、いかない。
常よりひやりとした森の冷気を身に纏いながら、私は彼方の敵兵を睨んだ。
泣いたところで、何も変わらないんだ。死んだ人たちは戻ってこない。助けられなかった過去も変えられない。
だから…
無意識に、包帯で隠した左手を押さえた。
コレさえ解き放てば、リミッターを外してしまえば――
まだ、望みはある。
感傷的になるなら、その弱い心ごと捨てて。
人間ではない、バケモノになるんだ…!
0
お気に入りに追加
26
あなたにおすすめの小説
狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~
一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。
しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。
流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。
その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。
右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。
この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。
数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。
元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。
根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね?
そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。
色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。
……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!
使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。気長に待っててください。月2くらいで更新したいとは思ってます。
称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~
しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」
病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?!
女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。
そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!?
そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?!
しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。
異世界転生の王道を行く最強無双劇!!!
ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!!
小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!
公爵家次男はちょっと変わりモノ? ~ここは乙女ゲームの世界だから、デブなら婚約破棄されると思っていました~
松原 透
ファンタジー
異世界に転生した俺は、婚約破棄をされるため誰も成し得なかったデブに進化する。
なぜそんな事になったのか……目が覚めると、ローバン公爵家次男のアレスという少年の姿に変わっていた。
生まれ変わったことで、異世界を満喫していた俺は冒険者に憧れる。訓練中に、魔獣に襲われていたミーアを助けることになったが……。
しかし俺は、失敗をしてしまう。責任を取らされる形で、ミーアを婚約者として迎え入れることになった。その婚約者に奇妙な違和感を感じていた。
二人である場所へと行ったことで、この異世界が乙女ゲームだったことを理解した。
婚約破棄されるためのデブとなり、陰ながらミーアを守るため奮闘する日々が始まる……はずだった。
カクヨム様 小説家になろう様でも掲載してます。
水しか操れない無能と言われて虐げられてきた令嬢に転生していたようです。ところで皆さん。人体の殆どが水分から出来ているって知ってました?
ラララキヲ
ファンタジー
わたくしは出来損ない。
誰もが5属性の魔力を持って生まれてくるこの世界で、水の魔力だけしか持っていなかった欠陥品。
それでも、そんなわたくしでも侯爵家の血と伯爵家の血を引いている『血だけは価値のある女』。
水の魔力しかないわたくしは皆から無能と呼ばれた。平民さえもわたくしの事を馬鹿にする。
そんなわたくしでも期待されている事がある。
それは『子を生むこと』。
血は良いのだから次はまともな者が生まれてくるだろう、と期待されている。わたくしにはそれしか価値がないから……
政略結婚で決められた婚約者。
そんな婚約者と親しくする御令嬢。二人が愛し合っているのならわたくしはむしろ邪魔だと思い、わたくしは父に相談した。
婚約者の為にもわたくしが身を引くべきではないかと……
しかし……──
そんなわたくしはある日突然……本当に突然、前世の記憶を思い出した。
前世の記憶、前世の知識……
わたくしの頭は霧が晴れたかのように世界が突然広がった……
水魔法しか使えない出来損ない……
でも水は使える……
水……水分……液体…………
あら? なんだかなんでもできる気がするわ……?
そしてわたくしは、前世の雑な知識でわたくしを虐げた人たちに仕返しを始める……──
【※女性蔑視な発言が多々出てきますので嫌な方は注意して下さい】
【※知識の無い者がフワッとした知識で書いてますので『これは違う!』が許せない人は読まない方が良いです】
【※ファンタジーに現実を引き合いに出してあれこれ考えてしまう人にも合わないと思います】
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾もあるよ!
◇なろうにも上げてます。
異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)
名も無き旋華の詩〜主人公は存在しないけど、それでもモブたちが物語を作り上げる件〜
鬱宗光
ファンタジー
これは我々が過ごす退屈な現実世界に、突如として異世界へと繋がる亜空間が現れ、非現実的な世界として考えられていた異世界が、現実の物となった世界。
更には、現実世界の文化と異世界の文化が、互いに共有し合う交流文化が確立した世界。
日本近海の太平洋側で現れた亜空間は、次第に大小問わず"ゲート"として日本国中に広がり、日本国内なら自由に異世界へと行ける様になっていた。
そしてここ、物語の中心舞台となる。
信潟県"青海(あおみ)市"にある"春桜学園"は、更なる異世界との交流を深めるために、日本政府より創設された異文化学校の一つである。
春桜学園は、現実世界の生徒だけではなく、異世界出身の人々が多く在籍している。
また、種族も様々で、人間を始め、魔族、妖怪、エルフ、獣人など、多くの種族が互いに交流を深めていた。
この物語は、そんな夢のような世界に暮らす人々が繰り広げる波乱万丈な物語……。
そして、"もしも"この現実世界に、異世界と言う夢の世界が存在したら、この現実世界の人々はどう動き、どう思い、どう向き合うのか。
無限に広がる選択肢の中で、導かれる結末は、破滅への一歩か。それとも平和への一歩か。
多くの可能性を秘めている反面、危険も伴うこの浮き世。
果たして、この二つの世界が望む未来とは……。
【完結】私の見る目がない?えーっと…神眼持ってるんですけど、彼の良さがわからないんですか?じゃあ、家を出ていきます。
西東友一
ファンタジー
えっ、彼との結婚がダメ?
なぜです、お父様?
彼はイケメンで、知性があって、性格もいい?のに。
「じゃあ、家を出ていきます」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる