93 / 205
魔法学園編
92 転生王女の独り言
しおりを挟む
ああ~、夜会疲れたぁ!けど、推しにも逢えたし話せたし抱きつけたし?生きてるといーことあるね!!
なんとびっくり、女の子だったけど。
いや、マジで超びっくりだったよ?攻略対象の横にいた綺麗なコが、サイラス・ウィリスになっちゃうんだもん!アレか。一人で二度オイシイ的な?予想外にボインだったし、鼻血噴くかと思ったし、堪能したかったのに。戻ってきた『彼』に抱きついたら硬かった。残念。いつか脱がそう。
サイラス・ウィリスは、ゲームでもほんの少ししか出てこなかったけど、爽やかでめっちゃ格好良くて超タイプだった。いつかボイス実装&ルート開放されると信じてた。モブだけど、線の細い美青年で平民だけど紳士で。ファンはたくさんいたよ?アンケートでも最も好きなキャラは?と問われたら必ずカレの名を書く――『私』の最推し。
転生してここがゲームの世界とわかってからは、カレに会うのを夢見て精力的に探したんだからぁ!も、これ運命しょ?絶対そうでしょ??
あ?アタシ?
私、イヴァンジェリン・フォン・ペレアス十六歳。乙女ゲーム『光の聖女 続編』の悪役王女でぇーす!
……。
……。
つぅーか聞いてェー?『続編』悪役王女のママンが『本編』のヒロインとか、笑えるでしょ?え?どーしたの?攻略失敗したの?しかも私ィ、ヒロインと駆け落ちした『本編』攻略対象ヴァン君との不義の子なのぉ~!
(『本編』ヒロイン×『本編』攻略対象)+国外追放バッドエンド=『続編』悪役王女
いや、おかしくね?おかしーよね?おかしーでしょ?!
そんな設定なかったし!
そもそもゲームで見た国王夫妻のキャラデザは、ママンとパパンとは似ても似つかなかったし。むしろ誰よ?だった。『本編』ヒロインと攻略対象って老けるとあーなるんだねぇー。へぇ~。萎えた。
とまあ、私は各ルートでヒロインちゃんの前に立ちはだかる悪役令嬢なんだ……あっ!今、子供がナニ言ってんの~って思ったでしょ?
アタシ、こう見えても十六歳!
ゲームの設定では、金髪碧眼のチビデブス――別名『金髪碧眼のブタ』だからさ。背が低いのは仕方がないのっ!ま、『本編』攻略対象×『本編』ヒロイン交配のサラブレッドだから?ゲームと違って、ブスではない。むしろ美少女!ふっふ~ん♪
せっかく知識があるんだし。ゲーム通りに断罪されて堪るかっ!でしょ?とりあえず、ラノベに出てくるできる悪役令嬢みたく、前世の記憶チートでひと財産こさえて帝国あたりに高飛びしよっかなぁ~って。地位だけはあるし、前世の知識で化粧品開発して売り出して、ちょっと領地経営に口出ししてみたり…とか。
乙女ゲーム舐めてた。
バカ兄舐めてたごめんなさい。
バカ兄はバカだけど、自分の出来の悪さはうーっすらと認識してたっぽい。多少の危機感はあったっぽいんだよ。そこに、いきなり妹が頭角現したら、不安になるよね?
どっかの誰かが入れ知恵したのか、バカ兄にご飯誘われて、パクッ→ばったーん。……毒だった。目が覚めたら枕元にママンがいてさ。
「悪役如きが調子に乗るんじゃないよ」
だってぇ~。
このまま殺されるんかと思ったわ。マジでママン怖かったし。
コイツも転生者か。って。
ま、毒にやられた私を治してくれたのもママンなんだけどね。何だかんだいって『本編』ヒロイン、光の聖女サマだし?
治療は不完全だったけど。
わざとだよ?今の私、あんまり長く立っていられないの。歩くのはオッケーだけど、走るのは正直しんどい。夜会の時は推しへの愛で頑張ったけどさ!…ぐるんぐるん回ったとき、腰が砕けるかと思ったけど。大丈夫…だよね?
ママンは、悪役が羽ばたくのが激しく面白くないらしい。いや、躍進しようとか思ってないよ?野心もないよ?ゲームには首を突っ込まず、平穏な人生をファンタジーな世界で送りたいだけ。心からっ!
でも、命あっての物種だよね。
私は、毒事件をきっかけに「壊れる」ことにした。
私の価値観は、日本人。この世界なら下着で歩くより恥ずかしいミニスカだって平然と穿けるし、女性の髪型としては有り得ないばっさりベリーショートだってちょっとした気分転換くらいでしかない。
さすがに、ちょっと前までまとも且つやり手な王女サマがおかしくなったと、ミニスカートは禁じられ鋏を没収されたけど。夜会でドン引きパフォーマンスしたら、何も言われなくなった。人が離れた、とも言うね。も、このまんま「あ、コイツもぉダメだ使えねぇ」ってことで修道院あたりにぶちこんでくれるといいなぁ~って期待してたんだけどね。ママンは甘くなかった。
「あら、可愛い娘を手放すわけがないでしょう?」
だぁ~れが『可愛い娘』だっ!毛ほども思ってないくせに!
ど~もあの人、乙女ゲームの設定を壊したくないらしいんだわ。続編ヒロインに近づいて、手ずからバカ兄ルートを作ろうとしてるし。見たいんかな?いい年して。
ま、勝手にしろ?乙女ゲームでもここまで設定がぶち壊れていたら、いくら転生者でも冷静になるよ。
この国、色恋で遊んでいられるような状態じゃない。
うつけのフリして見聞きした情報だけでも、いつ倒れてもおかしくない独裁政権だ。しかも、政治の要たる推定パパンを投獄しちゃってさ。オワタ…。あの人あって何とか保たせてたのにさ~…
そういうわけで!
イヴァンジェリンは、推しのサイラス君と仲良くなってゆくゆくは既成事実捏造してお嫁さんの座に収まって、王宮から飛びたつんだ。今度こそ!
我が人生は、推しのためにある!!
なんとびっくり、女の子だったけど。
いや、マジで超びっくりだったよ?攻略対象の横にいた綺麗なコが、サイラス・ウィリスになっちゃうんだもん!アレか。一人で二度オイシイ的な?予想外にボインだったし、鼻血噴くかと思ったし、堪能したかったのに。戻ってきた『彼』に抱きついたら硬かった。残念。いつか脱がそう。
サイラス・ウィリスは、ゲームでもほんの少ししか出てこなかったけど、爽やかでめっちゃ格好良くて超タイプだった。いつかボイス実装&ルート開放されると信じてた。モブだけど、線の細い美青年で平民だけど紳士で。ファンはたくさんいたよ?アンケートでも最も好きなキャラは?と問われたら必ずカレの名を書く――『私』の最推し。
転生してここがゲームの世界とわかってからは、カレに会うのを夢見て精力的に探したんだからぁ!も、これ運命しょ?絶対そうでしょ??
あ?アタシ?
私、イヴァンジェリン・フォン・ペレアス十六歳。乙女ゲーム『光の聖女 続編』の悪役王女でぇーす!
……。
……。
つぅーか聞いてェー?『続編』悪役王女のママンが『本編』のヒロインとか、笑えるでしょ?え?どーしたの?攻略失敗したの?しかも私ィ、ヒロインと駆け落ちした『本編』攻略対象ヴァン君との不義の子なのぉ~!
(『本編』ヒロイン×『本編』攻略対象)+国外追放バッドエンド=『続編』悪役王女
いや、おかしくね?おかしーよね?おかしーでしょ?!
そんな設定なかったし!
そもそもゲームで見た国王夫妻のキャラデザは、ママンとパパンとは似ても似つかなかったし。むしろ誰よ?だった。『本編』ヒロインと攻略対象って老けるとあーなるんだねぇー。へぇ~。萎えた。
とまあ、私は各ルートでヒロインちゃんの前に立ちはだかる悪役令嬢なんだ……あっ!今、子供がナニ言ってんの~って思ったでしょ?
アタシ、こう見えても十六歳!
ゲームの設定では、金髪碧眼のチビデブス――別名『金髪碧眼のブタ』だからさ。背が低いのは仕方がないのっ!ま、『本編』攻略対象×『本編』ヒロイン交配のサラブレッドだから?ゲームと違って、ブスではない。むしろ美少女!ふっふ~ん♪
せっかく知識があるんだし。ゲーム通りに断罪されて堪るかっ!でしょ?とりあえず、ラノベに出てくるできる悪役令嬢みたく、前世の記憶チートでひと財産こさえて帝国あたりに高飛びしよっかなぁ~って。地位だけはあるし、前世の知識で化粧品開発して売り出して、ちょっと領地経営に口出ししてみたり…とか。
乙女ゲーム舐めてた。
バカ兄舐めてたごめんなさい。
バカ兄はバカだけど、自分の出来の悪さはうーっすらと認識してたっぽい。多少の危機感はあったっぽいんだよ。そこに、いきなり妹が頭角現したら、不安になるよね?
どっかの誰かが入れ知恵したのか、バカ兄にご飯誘われて、パクッ→ばったーん。……毒だった。目が覚めたら枕元にママンがいてさ。
「悪役如きが調子に乗るんじゃないよ」
だってぇ~。
このまま殺されるんかと思ったわ。マジでママン怖かったし。
コイツも転生者か。って。
ま、毒にやられた私を治してくれたのもママンなんだけどね。何だかんだいって『本編』ヒロイン、光の聖女サマだし?
治療は不完全だったけど。
わざとだよ?今の私、あんまり長く立っていられないの。歩くのはオッケーだけど、走るのは正直しんどい。夜会の時は推しへの愛で頑張ったけどさ!…ぐるんぐるん回ったとき、腰が砕けるかと思ったけど。大丈夫…だよね?
ママンは、悪役が羽ばたくのが激しく面白くないらしい。いや、躍進しようとか思ってないよ?野心もないよ?ゲームには首を突っ込まず、平穏な人生をファンタジーな世界で送りたいだけ。心からっ!
でも、命あっての物種だよね。
私は、毒事件をきっかけに「壊れる」ことにした。
私の価値観は、日本人。この世界なら下着で歩くより恥ずかしいミニスカだって平然と穿けるし、女性の髪型としては有り得ないばっさりベリーショートだってちょっとした気分転換くらいでしかない。
さすがに、ちょっと前までまとも且つやり手な王女サマがおかしくなったと、ミニスカートは禁じられ鋏を没収されたけど。夜会でドン引きパフォーマンスしたら、何も言われなくなった。人が離れた、とも言うね。も、このまんま「あ、コイツもぉダメだ使えねぇ」ってことで修道院あたりにぶちこんでくれるといいなぁ~って期待してたんだけどね。ママンは甘くなかった。
「あら、可愛い娘を手放すわけがないでしょう?」
だぁ~れが『可愛い娘』だっ!毛ほども思ってないくせに!
ど~もあの人、乙女ゲームの設定を壊したくないらしいんだわ。続編ヒロインに近づいて、手ずからバカ兄ルートを作ろうとしてるし。見たいんかな?いい年して。
ま、勝手にしろ?乙女ゲームでもここまで設定がぶち壊れていたら、いくら転生者でも冷静になるよ。
この国、色恋で遊んでいられるような状態じゃない。
うつけのフリして見聞きした情報だけでも、いつ倒れてもおかしくない独裁政権だ。しかも、政治の要たる推定パパンを投獄しちゃってさ。オワタ…。あの人あって何とか保たせてたのにさ~…
そういうわけで!
イヴァンジェリンは、推しのサイラス君と仲良くなってゆくゆくは既成事実捏造してお嫁さんの座に収まって、王宮から飛びたつんだ。今度こそ!
我が人生は、推しのためにある!!
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
26
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる