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4章、無法侵入する帝国編

67、俺は黒輝 勇馬。敵には容赦しない男!

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 さてと、おはようございます。今日も元気です。

 ・・・朝食の中に毒もられたけどね。

 いやー、食べた瞬間に【万能味覚】が反応して頭の中で警鐘がガランゴロンって鳴ったんだよ。

【毒耐性】で無事だけど気分は良くねぇんだわ。

 とりあえず俺が気分悪そうにした瞬間、ヒスリアとやらがガッツポーズしてきたからボコボコにしておいた。

 あと、剣がないことをリシャーナに相談したら「これを使えばいい」と銀のサーベルを用意してくれたんだよ。

 ・・・尊い。

 人の戦闘中に足をゲジゲジ蹴ってくるような奴とは同じ種族とは思えねぇ。

 とりあえずそのゲジゲジしてきたヒスリアさんはボッコボッコにしたけど。

 それにしてもこの銀のサーベル、使い勝手が非常にいい。前の黒剣やその他もろもろより業物でこそないものの俺にとっては軽さがちょうどよかった。

 ほんとは刀がいいんだが・・・言わないでおこう。

 そんな風に考え事にふけっていると頭にフォークが直撃した。ちゃんと刺さるように。

「すみませんね。手が滑ってしまいました」
「あぁ?・・・またテメェか。反省しろよ」

 そこには群青色の髪のキノコ頭がいた。エルフだからか顔は整っており、種族特有の謎のオーブを纏っている。

 それにしてもこいつ、「〇〇が滑りました」って言えばわざとじゃないと許されるとでも思ってんの?神経疑うね。

 最初の時も「手が滑って、た・ま・た・ま・ユーマ様の容器に毒を入れてしまいました」って言ってきたし。

 その次は「足が何度も滑りました」と弁解してきた。

 ・・・こいつ隠す気ないよね。ないってことでいいよね?なのでぶっ倒しまーす!!

 バキキョッ!!

 腹立つエルフ様の顔に右ストレートが熱い接吻をする。

 そのまま顔面を破壊しながら吹き飛ばす。

 数メートル飛んでやっと木に衝突、・・・して立ち上がった。

 あいつ何なん?ドMなん?

 勇馬は再び目の前の男の神経を疑った。
  
 そしてその口が開かれた。

「ききき、きかん、ぞぉう」

 ・・・と。

 そう言って目の前の神経ぶっ壊れさんが倒れた。

 ・・・え?

 もしかしてこの人・・・見栄を張りたかったの?「効かねぇよ、テメェの攻撃なんざ」的な感じで。

 ちょっとだけ気になったので回復したら話をするか。

 ...........................................................................

「は!?ここは!!?」
「山脈だよ。・・・ヒステリックだっけ?」
「私の名はヒスリアだ!!」

 あー、そうそうそんな名前だったな。寝ている間に半分忘れてたな。

「それで、お前何で俺に嫌がらせしてくんの?」
「い!嫌がらせ!!??私がやっていたことは全てお前を殺すためだったというのに!!?」


 どうやらヒスリアさん、自身の全力の殺意が勇馬にとっては嫌がらせとしてのみ取られていたことにショックを受けているようだ。

 ・・・改めて自分は化け物ですね。

『その通りかと』

 ここぞとばかりに出てくんなよ。お前。ここ最近出番少ないからって。

「ま、お前じゃあ俺のことは倒せない。だから、正直そんなことやってても無駄だぞ。今のうちにやめとけ、ヒステリック」
「・・・僕の名前はヒスリアだ。」

 三角座りをしているキノコの肩を叩き、慰めの言葉を送ると、やつは反論してきた。

「第一、何で貴様のような化け物がいるんだ!!?龍を蹴りで一発など【王】クラスでなければ難しいぞ!!」
「・・・え?まじで?」

 人類はどんだけ衰退しているのですか?ふと気になった。

「だがまあ、【聖王連合】にはケンカをふっかけるなよ?アレは本当に敵に回すと恐ろしい」
「【聖王連合】?」
「まさか・・・知らないと言いだすんじゃないだろうな?」
「知らん!!」

 そよ風が吹く。

 丸まっている草がカサカサと転がっていた。

 静寂だ。

 静寂、ここに極まり。

「どこまで貴様は世間知らずなのだ!!?」
「いや、それよりもお前が俺を襲ってくる説明をしろ!!」

【聖王連合】など後で賢者の書を使えばどうとでもなる!!

『私頼りですか、マスター・・・』

 気だるそうに文字が浮かんでいるが気にしないでおこう。

「【読心】で読めよ!!」
「アレは最低限の使用にしてーんだよ!!アレ使い過ぎると人から信用されなくなる!!!」

 アレは駆け引きや外道のみに使用したい。他は俺のポリシーが許さん!!

「私がお前を攻撃する理由か!?単純だ!!!」
「はよ、答えろ」

 あとお前のはイジメにカテゴライズされます。

「俺は・・・・・・姫のことが・・・好きなんだよ!!!!」







 ・・・ほう。

 ならば、よろしい。戦争だ。

 勇馬の周りから白いオーラが発生する。

 たしか勇馬は神力は無いはずなのだが・・・気にしないでおこう。

「・・・先に言っておく。お前は敵だ。ゆえに・・・死ねっ!!!!!」
「死んでたまるかぁああああああ!!!!!」

 こうしてフクロウが鳴く頃、2人の漢の戦いが始まった(物理)

 だが片方が明らかに見た目が女性な上に、戦いはむしろ蹂躙と呼ぶべき状況であったことは黙っておこう。

 次の日の朝、リシャーナは清々しい顔をした勇馬とボロボロのヒスリアを発見する。

 戦いこそ完封負けだったものの手当てをしてもらえたのでキノコ君は結果オーライ。

 とある男の娘はロングヘアーを荒ぶらせ襲いかかったのだった。

 喧嘩するほど仲がいいという。

 この状況を見ていると口すら聞かないエルフと人間が大声で騒ぎあう。

 たしかにその通りなのだろう。

 賢者の書は密かにそう感じていた。
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