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3章、初めての街的な所編

49、驚く鑑定結果

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 リーラの言葉には驚いたもののそっちの方がありがたいので泊めさせてもらうことにした。・・・キリアには悪いがな!!

 ちなみに部屋は二階に四部屋、そのうち一部屋をリーラが、さらに一部屋をキリアが使っているようだ。

 俺はあと二つの部屋の内の一部屋を使わせてもらうことにした。

 その部屋は元々書斎として前の家主が扱っていたままのようで部屋は大量の本棚で埋まっていた。

 とはいえ俺の場合、賢者の書だけで十分であり今も賢者の書に俺は目を向けていた。

 横にはちょこんとランが座っており、『シショー、何してるのー?』と問いかけてきている。ものすごく可愛らしかったのでもふもふしました。

 そして今俺が賢者の書で見ているのは今日会った人々のステータスだ。賢者の書に出来る限り【鑑定】してもらい、ここで見れるようにしたのだ。

 そしてその結果・・・驚くべきことが分かった。

 まずは何も驚く必要のないリーラから。

 あいつはステータス、オール15辺りとなっている。非戦闘員としては普通かと思われる。ただし彼女には【料理人の極み】の称号を獲得していたことには素直に驚きはした。

 続いてその妹ことシシラさん、彼女は何と【読心】は持ってはいなかったのだ。

 ・・・めっちゃくちゃ驚いた。だってあの人恐ろしいくらいに俺の感情読んでたんだもん。むしろ【読心の極み】とか持ってた方が納得していたとは思う。

 どういう仕組みであの人はこっちの感情を読んでくるのか・・・分からねー。

 さらにモヒカンことアレン・シュガレッドについて。こいつ【髪とのステータス統一一心同体】なんていうスキルを持っておりました。・・・なんの有効性があるんですか?

 そして!坊さんことヒスター・リレントは【煩悩まみれ】とか言う称号を持っていた。・・・この世界の人々は面白おかしい称号ばっかなのか!?

 そしてギルドマスターことムスク・ターサーは【狂戦士バーサーカー】の称号持ち、まさしく「ゴミのようだ!!」というセリフが似合う称号かと。

 最後にキリアだが、ついに本名が分かった訳なのだが・・・これまた世界は狭いと言うべきか?

 キリア・なんだよね、名前。

 聞いたことない?この名前。

 そう、こいつあの肥えたおっさんことイミス・ヴィル・クロードの息子さんでした。

 つまりワッドライト王国の正真正銘の皇子様でございます!

 いやー、ほんと皇子と王様って別物だよね。遺伝子どこ?って言いたくなるもん。

 プラスで言えばこの人【剣術Lv.8】持ってた。ただ俺から言えば低く思える訳なのだが・・・。

 もちろんステータス紹介からイタイお方であるザルドさんは出しません。もうあの人も紹介すんのめんどくさい。

 というかとある門番A&Bは言っていたはずなんだ。

 『ここは最大級のギルドの規模を誇る』みたいなことを。

 そのくせ、ここの冒険者と考えられるやつらのステータスは最大、ムスクでオール1000くらい。・・・低くない?

 やっぱ、勇者どものステータスが高すぎるだけなのか?それにしては俺もだいぶ楽に越している訳なのだが?

 にしても本当に勇者パーティーのステータスが気になるな。もう20000くらいは行ってんのかな?

 やはり目指すべき壁は高いなー。

 俺はAPだけなら一万は超えるんだがな・・・まだまだというべきか。

 ちなみにこの町で見たやつらのステータスの優劣がこちらだ。

リーラ<シシラ<門番A&B<モヒカン<坊さん<キリア<ムスク<<||超えられない壁||<<ラン<勇馬

 このようになっているわけだ。

 つまり何が言いたいかというと・・・

 俺tuuuuuueeee?????、なのですか?

 それにしたら勇者達はどうやって表せばよろしいのだろうか?もはや“未知の化け物”でよろしいのでは?

 ともかく、これは非常にまずい状態だ。周りは狼の群れですらパーティーで倒せるかどうかのレベルなのに俺はゴリラをソロで倒してきたという認識にギルド内ではなっているわけだ。

 それにしてもなぜC級のモンスターのゴリラはダメだったのか?・・・不思議だ。

『すみません、それは恐らくですがワークハイムの方が間違っていたと考えられます』

 ・・・とは?

『すなわちワークハイムはわけです』

 えーっとそうなると、・・・ゴリラのランクはどれほどで?

『Cランクと思っていましたが事実、Bランクでした』
 「・・・」

 それって、小災害レベルを倒したわけで・・・

 俺って怪物認定押されてる?

『恐らくは』

 ・・・まじかよ

 え?そうなると阿修羅、海蛇、イソギンチャク、そしてあの緑龍は?

『アズラ、カスケードはA-、イソギンチャクはA、ラヴァ・ハートはS-ですね』

 ・・・ふむ

 ヤベェなぁ。

 俺は軽く、戦慄を覚えていた。

 俺、強くなり過ぎたか?と。
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