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第五計画
愛していると伝えて3
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硝子の窓から太陽の光が差し込み、大理石の床が温められている。その上に置かれたクッションに座っていたジュリアは、開いたままでまったく読めていなかった本を閉じた。
アレクはジュリアに想いを告げてから、礼儀正しい口づけだけをするようになった。
指先や頬に口づけするだけで頬を赤らめるジュリアを見ては嬉しそうに微笑む。まだ自分の気持ちを口に出せないジュリアを楽しんでいるようだ。
夢想にふけりそうになり、ジュリアは慌ててまた本を開く。
だが、集中できそうにない。
「風が欲しい……」
小難しい政治論の本をクッションの上に置くと立ち上がる。
侍女が同じように立ち上がったのを見て首を横に振った。
「すぐに戻るわ。そこだもの」
そばにある扉を指差すと侍女は腰を下ろす。
ジュリアはテラスへと出て、吹き付けてくる温かい風を全身に感じて目を瞑った。
政務の合間にアレクと今まで読書をしていたサンルームでくつろぐ約束をしているが、いつになるかわからない。
王宮には表向き王妃の話し相手として滞在していることになっていると聞かされた。その王妃は心労で寝込んでいるらしく会えていない。
「暇だわ……」
婚約発表の舞踏会までにドレスを仕立てること以外することがなかった。だから、それさえ終わればすぐに帰るつもりだった。仮面舞踏会に参加したせいでなんだか身動きがとれなくなっている。
田舎で領地管理をして忙しくも自由に過ごしていたジュリアは溜息をついた。
もうすこし状況がわかるまで帰せないと言われている。王太子と一緒にいた道化師の正体がわかっていないからだ。
ジュリアがサンルームの中に視線を向けると、太陽の光を浴びて侍女がうつらうつらと船を漕いでいた。
王宮に上がる侍女は、召使と違い貴族の令嬢から選ばれることも多い。ジャックが手付きにすることが多々あるせいで、暇を願い出る侍女も出てきている。
ジュリアに付けられた侍女は領地も持たない下級貴族の令嬢で、だからこそ更に身の危険がある。心がなかなか休まらないのだろう。
「……のか」
一人だと思っていたテラスに男の声がした。ジュリアは声のする方向を見たが、柱の陰にいるせいで誰かはわからない。
このテラスはいくつかの部屋の共通のものだ。
誰とも顔を合わせたくないジュリアはサンルームに戻ろうと踵を返す。
「アレク様はいかがですか」
アレクの名前が出てきてジュリアは足を止めた。
「弟は私を排除したいらしい」
ジャックの声にジュリアの鼓動が跳ね上がった。さらに聞き覚えのある声もする。
「そういえば、アレク様はご婚約されるとのことで」
「あの女、味わってみたい」
「顔見知りでしたか」
あきらかに自分の事を言われていて、ジュリアは真っ青になる。
自分が絡む下世話な話をこれ以上聞きたくなくて、サンルームへの扉を音を立てないように押し開いた。
すると、はっと目を覚ました侍女が心配そうな顔で近寄ってくる。
「どうかなさいましたか。お顔色が……」
「大丈夫よ」
侍女に伝えていると背中に視線を感じて冷汗が流れる。振り返ってはいけないと本能が叫んでいた。
「蜂蜜色の髪」
侍女の顔にわかりやすい嫌悪が走り、後ろに会いたくない男がいることがわかる。
「レディ・ジュリア・マルヴァーン」
ゆっくりと後ろを振り返ると、尊大なジャックがいた。嫌な予感に震えそうになるのを、意志の力でおさえつける。
ジャックが手を差し出してきて、ジュリアの手を取った。拒否したくてもできず、ジュリアは救いを求めて、ここにいないアレクの姿を探す。
「王太子殿下におかれましては、ご機嫌うるわしく……っ」
指先にジャックの唇が触れた。
生温かい感触に顔を蒼白にしていると、ぬるりと舌が指先から手の甲までを這う。
「……っ」
叫ばなかった自分をジュリアは褒めた。濡れた甲に風が当たって気持ちが悪い。手を引いてドレスに擦りつけたい衝動を我慢する。
「滑らかな肌だ」
手を離さずに手の甲を撫でてくるジャックの後ろで、太った男が汗をずっと拭っている。
ジュリアはその体型と動作に既視感を覚えた。
「もう、弟には許したのか」
ジャックの下心が透けた笑顔に、ジュリアはスッと背筋を伸ばす。
「何のことでしょうか」
「私も味わっていいか。そなたの蜂蜜色の髪もシーツの上で波立たせれば、さぞかし美しいだろう」
蛇のような目をしたジャックの後ろで、太った男も汗を拭きながらニヤニヤと笑っている。
自身の気分の悪さもさることながら、視界の隅で真っ青になり今にも気絶しそうな侍女の方が心配だ。
ジュリアが不興を買って、それが侍女に飛び火するのは困る。
「今日はとても日差しが強いですわね。殿下のお体に障るといけませんから、もうお戻りになられた方が……」
「なら、お前もこい」
自らのほうに引こうとしていた手をぎゅっと引かれて、ジュリアは顔を引きつらせた。
「血筋が保たれるのであれば、どちらでも良いだろう」
ジャックがジュリアの腹に目を走らせてにやりと笑った。身の毛がよだち、振りほどこうとすると、凛とした声が響いた。
「私の婚約者に触らないでいただきたい」
開いた扉からアレクが近衛兵と一緒にサンルームへと入ってきた。安堵に膝が崩れそうになる。
ちっと舌打ちをしたジャックがやっと手を離した。ジュリアはアレクの腕に顔を隠すように抱き寄せられる。
「遅くなった、すまない」
ジュリアにだけに聞こえる優しく労わる声。
見上げるとアレクの真摯な目と視線があわさり、緊張がほどけて泣きそうになった。彼の上衣を掴むと、さらに抱き寄せられる。
「すっかり、お元気そうだ」
アレクはジャックの後ろの男に怜悧な視線を投げた。
「兄上も体調がよろしいのなら公務をこなされては? せめて母上に挨拶くらい行かれたらどうか」
「私に指図をするな」
ジャックはすごみのある声でアレクを怒鳴った。
「指図されるようなことばかりしておられるのが問題だ」
アレクの冷え冷えとした口調はまったく動じていない。
兄弟二人の間の緊張はアレク付きの近衛兵にまで伝わっていた。
しかも、彼らは王太子への嫌悪を隠していなかった。アレクに何かあればすぐに王太子を斬りつけそうな緊張感が漂っている。
テラスにはジャックの側近だろうか、いつの間にか隙の無い男が一人姿を現していた。近衛兵を感情の浮かばない目で牽制している。
ジュリアは場を収めたくて、大きくて明るい声を出す。
「アレク、早くお菓子が食べたいわ。ベリーのクッキーと、チョコレートがたっぷりかかったお菓子」
空気を読めない少し残念な女性を、周りの視線を気にせずに演じる。甘く、間延びした声は自分のものではないようだ。
「砕いたナッツが入ったチョコレートも食べたいわ。スコーンはお願いしたら焼いてもらえる? ダメ?」
アイスブルーの目を潤ませながらアレクを見上げると、彼は堪えきれなかったようで破顔する。
場の注目を一身に浴びながらのジュリアの演技に、アレクは意図を汲み取ってくれた。
「悪かったよ、可愛い人。すぐに用意させよう。貴女の願いならなんでも叶えたい」
演技に付き合ってくれただけとわかるのに、彼の言葉が嬉しくてジュリアは頬を赤らめた。
アレクは扉近くに立っていた側仕えに「用意をしてもらえるか」と声をかける。それからジャックへ向き直る。
「これからお茶をするので失礼します、兄上」
アレクが返事も待たずに、テラスへと続くサンルームの扉を閉じる。
最後の最後まで、ジュリアはねばつく視線を太った男から感じていた。
扉が閉じる瞬間、目が合って記憶がつながる。
「アレク……」
「手をすぐに消毒させよう。ハーブ入りの湯を持て」
「あの人……、仮面舞踏会で見たわ」
玄関ホールで、ヒューバートを蹴った男と体型と声が一緒だ。
「王太子殿下と一緒にいたのは、彼よ」
王宮に人を誘拐しようとした犯罪者が出入りしている。ジュリアはぞっとして、アレクの腕を掴んだ。
アレクはジュリアに想いを告げてから、礼儀正しい口づけだけをするようになった。
指先や頬に口づけするだけで頬を赤らめるジュリアを見ては嬉しそうに微笑む。まだ自分の気持ちを口に出せないジュリアを楽しんでいるようだ。
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だが、集中できそうにない。
「風が欲しい……」
小難しい政治論の本をクッションの上に置くと立ち上がる。
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「すぐに戻るわ。そこだもの」
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「暇だわ……」
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田舎で領地管理をして忙しくも自由に過ごしていたジュリアは溜息をついた。
もうすこし状況がわかるまで帰せないと言われている。王太子と一緒にいた道化師の正体がわかっていないからだ。
ジュリアがサンルームの中に視線を向けると、太陽の光を浴びて侍女がうつらうつらと船を漕いでいた。
王宮に上がる侍女は、召使と違い貴族の令嬢から選ばれることも多い。ジャックが手付きにすることが多々あるせいで、暇を願い出る侍女も出てきている。
ジュリアに付けられた侍女は領地も持たない下級貴族の令嬢で、だからこそ更に身の危険がある。心がなかなか休まらないのだろう。
「……のか」
一人だと思っていたテラスに男の声がした。ジュリアは声のする方向を見たが、柱の陰にいるせいで誰かはわからない。
このテラスはいくつかの部屋の共通のものだ。
誰とも顔を合わせたくないジュリアはサンルームに戻ろうと踵を返す。
「アレク様はいかがですか」
アレクの名前が出てきてジュリアは足を止めた。
「弟は私を排除したいらしい」
ジャックの声にジュリアの鼓動が跳ね上がった。さらに聞き覚えのある声もする。
「そういえば、アレク様はご婚約されるとのことで」
「あの女、味わってみたい」
「顔見知りでしたか」
あきらかに自分の事を言われていて、ジュリアは真っ青になる。
自分が絡む下世話な話をこれ以上聞きたくなくて、サンルームへの扉を音を立てないように押し開いた。
すると、はっと目を覚ました侍女が心配そうな顔で近寄ってくる。
「どうかなさいましたか。お顔色が……」
「大丈夫よ」
侍女に伝えていると背中に視線を感じて冷汗が流れる。振り返ってはいけないと本能が叫んでいた。
「蜂蜜色の髪」
侍女の顔にわかりやすい嫌悪が走り、後ろに会いたくない男がいることがわかる。
「レディ・ジュリア・マルヴァーン」
ゆっくりと後ろを振り返ると、尊大なジャックがいた。嫌な予感に震えそうになるのを、意志の力でおさえつける。
ジャックが手を差し出してきて、ジュリアの手を取った。拒否したくてもできず、ジュリアは救いを求めて、ここにいないアレクの姿を探す。
「王太子殿下におかれましては、ご機嫌うるわしく……っ」
指先にジャックの唇が触れた。
生温かい感触に顔を蒼白にしていると、ぬるりと舌が指先から手の甲までを這う。
「……っ」
叫ばなかった自分をジュリアは褒めた。濡れた甲に風が当たって気持ちが悪い。手を引いてドレスに擦りつけたい衝動を我慢する。
「滑らかな肌だ」
手を離さずに手の甲を撫でてくるジャックの後ろで、太った男が汗をずっと拭っている。
ジュリアはその体型と動作に既視感を覚えた。
「もう、弟には許したのか」
ジャックの下心が透けた笑顔に、ジュリアはスッと背筋を伸ばす。
「何のことでしょうか」
「私も味わっていいか。そなたの蜂蜜色の髪もシーツの上で波立たせれば、さぞかし美しいだろう」
蛇のような目をしたジャックの後ろで、太った男も汗を拭きながらニヤニヤと笑っている。
自身の気分の悪さもさることながら、視界の隅で真っ青になり今にも気絶しそうな侍女の方が心配だ。
ジュリアが不興を買って、それが侍女に飛び火するのは困る。
「今日はとても日差しが強いですわね。殿下のお体に障るといけませんから、もうお戻りになられた方が……」
「なら、お前もこい」
自らのほうに引こうとしていた手をぎゅっと引かれて、ジュリアは顔を引きつらせた。
「血筋が保たれるのであれば、どちらでも良いだろう」
ジャックがジュリアの腹に目を走らせてにやりと笑った。身の毛がよだち、振りほどこうとすると、凛とした声が響いた。
「私の婚約者に触らないでいただきたい」
開いた扉からアレクが近衛兵と一緒にサンルームへと入ってきた。安堵に膝が崩れそうになる。
ちっと舌打ちをしたジャックがやっと手を離した。ジュリアはアレクの腕に顔を隠すように抱き寄せられる。
「遅くなった、すまない」
ジュリアにだけに聞こえる優しく労わる声。
見上げるとアレクの真摯な目と視線があわさり、緊張がほどけて泣きそうになった。彼の上衣を掴むと、さらに抱き寄せられる。
「すっかり、お元気そうだ」
アレクはジャックの後ろの男に怜悧な視線を投げた。
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「指図されるようなことばかりしておられるのが問題だ」
アレクの冷え冷えとした口調はまったく動じていない。
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しかも、彼らは王太子への嫌悪を隠していなかった。アレクに何かあればすぐに王太子を斬りつけそうな緊張感が漂っている。
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場の注目を一身に浴びながらのジュリアの演技に、アレクは意図を汲み取ってくれた。
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扉が閉じる瞬間、目が合って記憶がつながる。
「アレク……」
「手をすぐに消毒させよう。ハーブ入りの湯を持て」
「あの人……、仮面舞踏会で見たわ」
玄関ホールで、ヒューバートを蹴った男と体型と声が一緒だ。
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