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第一計画

神にお仕えする道1

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 そんな事もわからない方と同席しない方が良い、とジュリアは立ち上がった。
 その時に令嬢たちのドレスの色、柄、髪型に髪飾り――目の色。すべてを目に焼き付ける。
 ……都会に住むと品がなくなるのね。田舎の方がいいわ。
 休憩にならないまま、ジュリアは休憩室を後にした。
 ジュリアは広々とした草地にある、湖のそばの木の下に腰を下ろした。濃い草のにおいが立ち上り、鼻梁をくすぐる。風が湖面に波を立て、アヒルが鳴きながら泳いでいる。
 ジュリアはのどかな美しさが広がるこの風景が好きだった。カーテンで仕立てた服の良い所は汚れるのを気にしなくていい所。少しくらい草露や土で汚れたところで問題はない。
 使用人の呆れかえった顔はここ数年で慣れてしまったし、このまま「変わり者」の噂が社交界にまで広がればいいのに、といつも願っている。
 ジュリアは膝の上で教区の神父から届いた手紙を広げた。孤児院へ手伝いに行き、貧しい家庭への職業訓練も支援しているジュリアへの神父からの信頼はとても厚い。
 その神父に、修道にすすみたいとジュリアは手紙を書いていた。
 どきどきしながらその返事が書いてあるだろう手紙を開けて読み、溜息をついた。
『神父の妻として、生きていくつもりはありませんか』 
「……結婚結婚結婚結婚と、うるさいわ。私がなりたいのは修道女なの!」
 叫んだ後に奥歯を噛みしめて、手紙をしまう。神父はまだジュリアが王子から求婚を受けているとは知らない。
 ジュリアだって修道へ進みたいと手紙を書いた時は知らなかったし、彼も知っていればこんな提案はしてこないだろう。
「ああ、もう。静かなこの暮らしが好きなのに……」
 ジュリアは水際に咲くカラシナの花が風に吹かれるのを見ながら、アレク・ハワードと初めて会った日の事を思い起した。

 ジュリアがアレク・ハワードをはじめて目にしたのは、社交界デビューの日だった。
 この日のために仕立てた繊細なレースで飾られた浅葱色の絹のドレスを身に纏い、きっちりと結い上げた美しい蜂蜜色の髪を羽と花で飾っていた。
 飾り立てた自分に対する気恥ずかしさは、馬車が宮殿のアプローチにつくとすぐに吹き飛んだ。
 松明と馬車の角灯で明るいアプローチは異世界への入り口のようだった。進んだ玄関ホールでは天井の高さと広さに圧倒された。大理石の床は磨きあげられてきらきらと光り、階上に広い階段が伸びていた。豪奢な装飾を施された窓にはすべて明かりが灯っているようだった。
 なによりもすごかったのは、玄関ホールの壁だ。壁に細やかに彫られた彫刻の額の中に、美しい勝利の女神が描かれている。この国の繁栄を約束してくれたという王家が信仰している女神だ。ホールを一巡すると壁画で物語が紡がれる趣向だ。
「すごいわ、あっ」
 絵画の美しさに見惚れて上ばかりを向いていたジュリアは、宝石と大きな羽で飾られた帽子を被る淑女とぶつかった。ちらり、と視線を寄越した彼女は、羽扇で口元を隠しながら、慇懃にジュリアを上から下まで睨みつけ、階段を登って去っていく。
「田舎者なのかしら」
 ジュリアだけに聞こえた声は、彼女に衝撃をもたらした。
「……社交界って、すごいところなのね」
 落ち込むよりも、ジュリアは感心してしまう。田舎で暮らしているのは本当だし、自分が洗練されているとはとてもいえない。だが、それが理由で嫌味な事を言われるいわれはない。
 痕が残るアブやブヨに刺されるよりましね、ジュリアは再び絵画に目をやった。絵で紡がれる物語は雄々しくも美しくて、この国に生まれた事がとても誇らしくなる。
「ジュリア」
 大広間へと続く階段からハリーに声を掛けられて、はっとして階段の方に顔を向けた。
「ハリー」
「なぜ一人でいるんだ。父上はどうした。なかなか姿が見えないから探したんだ」
 憤りを通り越して驚いているハリーは急いで玄関ホールまで降りてくるとジュリアのそばに寄ってきた。
 最高級の生地を使った黒の正装姿で、襟首には白のスカーフが隙なく結ばれている。亜麻色の髪を綺麗に撫でつけ、優艶に盛装を着こなすハリーは若い淑女の物言いたげな視線を集めていた。
「お母様の具合が悪くなったの。お父様はお母様に付き添って休憩室に……私がハリーをすぐに探すからと言ったから……」
「そうか」
 ハリーは心配そう休憩室がある方に視線をやって、すぐにジュリアに戻す。
 母と娘に腕を組まれて、デビューの舞踏会へ行くのが父親の夢だったのだ。母親はその夢を知って、具合の悪さを押して出席していた。ハリーもそれを知っていたから、先に宮殿に来ていた。
「僕は玄関ホールで待つべきだった。母上には父上が付いているから大丈夫だろう。ここに一人でいてはいけないよ。さあ、ファーストダンスが始まるから大広間へ」
 ハリーの言葉にジュリアは頷くと、オーケストラの演奏が重なった。
 大広間には着飾った貴族がひしめき合っていたが、一様に壁際に立ち中央を見ている。
「アレク様だ」
 王位継承権第二位を持つアレク・ハワードの姿を見たのはそれが初めてだった。
 中央で優雅に踊る王子の栗毛色の髪はシャンデリアの明かりのせいか輝いて見えた。琥珀色の瞳は悪戯っぽくパートナーの王妃を見つめている。
 光沢ある濃紺縞柄のフロックコートと白のウエストコートには、金糸や銀糸だけでなく、色糸や硝子の模造宝石を使い、草花の刺繍が施されていた。フロックコートと同じ生地で作られたパンツに、磨き上げられた靴は優雅にステップを踏んでいる。
 大広間にいる紳士の頭ひとつ分は背が高いからか、腰の位置もとても高く、王族らしい気品と自信に満ち溢れているアレクはとても目立っていた。
 物語の中にいる王子様そのもので、あまりにも現実離れしすぎている存在は、とても遠く感じた。
「……ダンスがお上手だわ」
 ジュリアがぽつりと呟くとハリーは笑う。
「それはね、次々とパートナーを変えて踊らないといけないからさ」
 現実の王子様は大変、と同情したジュリアだったが、ハリーから大広間のさまざまな人物を紹介されると、同じ目に遭うこととなる。ダンスカードが予約であっという間に埋まったのだ。
 侯爵家と繋がりを持ちたい人物は片手ではたりない。ジュリアはたくさんの紳士と踊りながら、ダンスカードとハリーを呪っていたが、次第に刺すような視線を感じ始める。
 ……まただわ。
 愛らしく微笑み踊りながら、その方向をチラリと見るとアレクの姿があった。王子もずっとフロア踊っているせいで、目に入っただけだとジュリアは思おうとした。
 けれど、アレクの琥珀色の目と頻繁に合うようになると、気になって仕方なくなった。
 ぶつかってもいないし、靴も踏んでいないのに、なぜそんなに見られているのか。
「ハリー、休みたいの」
 自意識過剰になっているのは疲れているせいだ、とジュリアはハリーに婦人用の休憩室に連れて行ってもらう。
 ここには母がいるかと思ったがいない。飲み物を受け取りソファに腰掛け、きょろきょろと辺りを見回していると「王子様は素晴らしかったわ」と数人の令嬢達が話しているのが耳に入ってきた。
「エスコートされるままに踊っていればいいのですもの」
「本当に楽」
「でも、どちらかの令嬢はお声がけ頂いていないようよ」 
 羽扇で顔を隠しながら話す令嬢たちは声を大きく張り上げた。ジュリアが顔をそちらに向けると、三人の令嬢に嘲るような目で見られていた。
 ジュリアが毅然とその視線を受け止めると、彼女たちは気まずそうに視線を逸らした。だが三人で顔を合わせるとクスクスとまた笑いだす。
「デビューしたてなのに、あんなに堂々と男性に抱かれて踊っていらっしゃるのだもの。素行が悪いと思われたのではなくて」
「いつも田舎にいらっしゃるのだそうよ。馬や鳥しか見た事が無いから、男性が珍しいのよ、きっと」
「王子様は洗練されていらっしゃるから、田舎者は嫌なのね。野暮で」 
 田舎ではなくて大切な領地よ、と言いたいのをぐっとこらえた。領地を守ることは爵位を持つ者の当然の務めで、もちろん家族も担うものだ。
 そんな事もわからない方達と同席しない方が良い、とジュリアは立ち上がった。
 その時に令嬢たちのドレスの色、柄、髪型に髪飾り――目の色。すべてを目に焼き付ける。
 ……都会に住むと品がなくなるのね。田舎の方がいいわ。
 休憩にならないまま、ジュリアは休憩室を後にした。

 休憩室から大広間に戻る途中で、廊下の円柱のそばに立っているハリーの姿を見つけた。安堵から早足になると、その陰に人がいることに気づいた。
 その人物が王子のアレクだったので、ジュリアは反射的に台座に置かれた壺の陰に身を隠す。
「ダンスは誘わない」
 アレクの言葉に、ジュリアはびくりと身体を震わせた。わざわざハリーに話しているのだ。誰をダンスに誘わないかは聞かなくてもわかった。
 ……私の事だわ。
 休憩室での令嬢たちの話が本当だったのだ。
 心臓がバクバクと打って、正常な判断ができなくなってくる。彼らの会話は少し離れているのと、小さな声で喋っているせいで良く聞こえない。
 ジュリアはどうしてこんなにショックなのかもわからないまま、二人の声を拾うのに集中してしまっていた。
「野暮な……、……彼女を遠ざけてくれ。――目障りだ」
 全身が心臓になって、どっどっどっと脈打っている。この短い間に、どんな粗相をしてしまったのだろうか。
 母が具合の良い時を見計らって、仕立て屋と相談しながらドレスを作ってくれたことを思い返しジュリアは涙ぐむ。
 自分は田舎の領地で暮らして都会に慣れていない上に美しくない。
 貴族令嬢に何を言われてもかまわないけれど、粋でお洒落な王子に言われると、さすがに冷静になるのに時間がかかった。
 ……都会は、合わないわ。
 陰日向なく、人を悪く言うのが普通な世界で生きていけそうにない。
「……ひどい男だ」
 ハリーの呆れた声で、ジュリアは我を取り戻す。
 そうだ、と思う。ルヴィク侯爵令嬢として、これくらいで萎れるわけにはいかない。こんな人でも一国を支えてくれる王家の人物だ。
 侯爵家の人間たるもの、自分の誇りが傷つけられたくらいで、逃げ出してはいけない。
 ジュリアは自尊心を奮い起こして、二人のそばに寄って声を掛ける。
「ハリー」
 すると、アレクの琥珀色の目に凝視され、そっと目を逸らしながら挨拶をする。
「アレク王子殿下。お目にかかれて光栄です」
 だが、彼は黙って何も答えてくれない。ダンスをしている令嬢には威厳を保ちながらも穏やかな笑顔を向けていたのに。ダンスの後、彼女たちを付添人まで送り届ける時も会話を途切れさせない気遣いをしていた。 
 自分がどう思われているのかがわかる沈黙が嫌で、ジュリアはハリーに母親の居場所がわからないことを告げた。
 すると話を聞いたアレクは使用人にすぐに探すように指示をしてくれる。
 恐れ多い事に恐縮していると、ジュリアの不安を和らげるような優しい口調で話しかけてきた。
「宮殿での事は私が一番詳しいとは思わないか。だから、私に任せて、貴女は少しゆっくりとするといい。ダンスの断りなら、私が入れておこう」
 少し渋ったハリーからダンスカードを取り上げて使用人に渡すアレクを、ジュリアは不思議な気持ちで見つめた。
 ……臣下にはお優しくていらっしゃるんだわ。――私個人を好きでは無くても。
 王子の私的な感情を排除する態度はとても立派で、だからこそジュリアの胸に大きな傷をつける。
「寛大な王子殿下に感謝します」
 母親は医務室で横になっていた。王室付きの医師に診てもらった上に、最高級の設備を備えた、乗り心地の良い王家の馬車で家まで送ってもらえることになった。
 それから、ジュリアは昼も夜もアレクの事を考えるようになってしまう。
 アレクの王家の人間らしく品がある立ち居振る舞い。大柄な体を怖がらせないように、ジュリアに近づかなかった配慮。母親がいない不安を宥めようとしてくれたまなざしと気遣い。
 そんな彼がハリーにジュリアを遠ざけさせるようにいった事実が、社交界デビューしたばかりの少女ジュリアの心をどんどん陰鬱にさせていった。
 そんな時、王子の女性遍歴の噂を知ってしまったのだ。
 シーズン中のタウンハウスにはハリーの友人がよく遊びに来ていた。顔を合わせないように気を付けていたのだが、ハリーが留守だということもあってジュリアが応対した日だった。
「女性遍歴……。どういった意味ですの?」
 田舎で暮らしていたジュリアは男女の色恋に疎く噂の意味は分からなかった。首を傾げると、すでに少し酔っていた友人は、懇切丁寧にどういうことかを教えてくれた。
 アレクはモテていて愛人がいる、――女性と体の関係を持つことになんのためらいがないのだと彼は断言した。
 そして顔をみるみる赤くするジュリアに、生唾を呑み込んだ友人は、二人きりなのを良い事にジュリアに抱きついてきたのだ。
「お放しになって!」
 夢中で逃げ出したジュリアは、誰にも明かせぬまま、母親の具合を理由にすぐに田舎へと帰った。
 ずっと王子の事を考えてしまうのが、恋だとわかったのは領地で落ち着いた生活を取り戻した後。
 王子は美しい女性が好きで、ベッドに行きたがる女性は星の数。そもそも、貴族の男性は家名の為に結婚をするのであって、愛の為にはしないのだ。そういった事情から、淑女にも愛人がいるのが珍しくないと、裏の内情に詳しくなっていった。
 王族ならもっと自堕落でも許されるのかもしれない。
「享楽に明け暮れるなんておかしな話だわ。世界はこんなにも美しいのに」
 ジュリアは顔を上げて、空にたなびく雲を眺める。
 母が亡くなり、ハリーが出征し、帰還後父が亡くなった。
 両親はとても珍しい恋愛結婚で、心から愛し合っていた。父は母の元に行けて喜んでいる気がして、両親が立て続けに亡くなった事に悲しみはない。
 たった数年でこれだけの事が起こったのに、よりにもよって王家に嫁ぎ、これからの人生を、愛人を持つ夫と共にするなんてなんてありえない。
「神父様の妻になっても、同じことだわ」
 神父の教区への慈愛と現実的な手腕はジュリアも素晴らしいと思っている。けれど、祈りにやってくる未婚の母を抱いているのを、知らないとでも思っているのなら大間違いだ。
 野暮ったい格好の慈善に熱心な妻なら、そういった関係を続けられるとでも思っているのかもしれない。
 ジュリアは湖面に視線を移した後、重く口を開いた。
「計画変更よ。できれば、避けたかったけれど」
 悲しみは、いつも自然が癒してくれた。伴侶なんて必要が無い。
 ジュリアは曇った顔で立ち上がると、手紙を手に屋敷への道を歩き出した。
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