優しい手に守られたい

水守真子

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番外編

番外編 結婚一年目は遠距離で 中編 『疑心暗鬼』

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 目が覚めるとベッドの上にひとりだった。だいぶ明るい日がカーテン越しに部屋に差し込んでいる。
 可南子は二度三度瞬きをした後、目に入った服の袖を見て、昨夜は着替えずに寝た事を思い出した。
 
 ……夢じゃない。

 のそりと身体を起こし、亮一がいたはずの隣を見つめる。

「行っ……た?」

 まだ沢山話したいことがあったのに、亮一が起きた事に気づかなかった。
 切なさに胸が占領され、じわりと目に涙が浮かびかけた時、隣のリビングからキーボードを叩く音が聞こえた気がした。
 目を擦ってベッドから急いで降りると、期待と不安が混じった気持ちでドアをそろりと開ける。

「……」

 亮一がノートパソコンを不機嫌に睨む見慣れた姿がドアの隙間から覗いて可南子は苦笑した。
 いつもの光景があることに、離れて暮らしていた寂しさが、徐々に喜びに塗り替えられていく。
 視線に気づいた亮一が可南子を見上げると、険しい顔を一気に緩めて立ち上がった。
 その表情を可南子は夢見心地で見つめながら、寝室から出て亮一のそばに寄る。

「おはようございます。あの、寝坊して」
「おはよう。俺もさっき起きた」

 亮一から微かに石鹸の香りがして、シャワーを浴びたことがわかった。
 さっぱりとした亮一の精悍な顔を、可南子はついまじまじと見てしまう。
 いま目に焼き付けておかないと。
 そんな可南子の視線に、亮一はほんのわずか苦しげに顔を歪めて、履いている七分丈ほどのクロップドパンツのポケットに手を入れる。

「こんなに家を空けずに帰ってくるようにする。シャワー浴びるだろ。あと、何か食べれそうか」

 そう言いながら、亮一は可南子の左手を取り、ポケットから取り出した指輪を薬指にするりとはめた。
 浮腫んでつらかったのが嘘のように、可南子の指にぴったりとはまる。
 亮一はそれをほっとした様子で見つめると、可南子の手を自分の口元に持っていき、結婚指輪に口づけた。

 薬指に触れた暖かく柔らかい感触に、身体の中の、甘い震えに息が吹き込まれた。呼返された感覚はむずがゆさを伴う。
 言葉をさがしたが見つからず、可南子は耳まで赤く染まった顔を亮一に向ける。
 亮一の少し伏せた目は何かを思案しているように真剣で、可南子は少し距離を感じながら口を開く。

「……ごめんね。指輪」
「浮腫んでいたのならしょうがない。……シャワー浴びてから話そう」

 話そう、と言った亮一の表情に陰りを見て、大好きなのに不安だという気持ちが明瞭な意識を遠ざけた。酔いで鼻声になった女の声を思い出し、可南子は憂慮にほんの僅か身体を強張らせる。
 その可南子の変化を激しく打ち消そうとしたのは亮一だった。可南子を覆い隠すように腕の中に引き入れる。

「変な方向に、考えるなよ」

 頼むから、と亮一に抱き寄せられ、可南子の張り詰めかけた気持ちが息苦しいほどの抱擁の中で解かれていく。気持ちが高まり、可南子は亮一の胴に回した腕に力をこめた。不安なのは一緒かもしれないと思うと、たくさん話ができる気がした。

「とりあえず、俺は食事を作る」

 可南子は亮一の胸に頬を擦るようにして素直に頷く。

「……冷蔵庫、何も入ってないよ。今日、買い物に行くつもりだったから」
「さっき見た。チャーハンくらいなら作れそうだった」
「わ、亮一さんのチャーハン、嬉しい」

 亮一が持っているこだわりの中華鍋は重いのと、触ってはいけない雰囲気が漂っていて可南子は使ったことが無い。
 この片手鍋を亮一が事も無げに振って作るチャーハンはパラパラで可南子には絶対に作れないものだった。
 嬉しさに大きな瞳を輝かせた可南子の頭を、亮一は堪えきれない笑みを浮かべて撫でる。

「……かわいいな」

 亮一にそう言われると、恥ずかしいながらも誇らしくなるから不思議だ。
 可南子は亮一の目の下にクマにそっと触れて、推し量るように一度だけ聞く。こんなに身体も辛い状態だろうに、帰宅させてしまったという負い目があった。

「あの、私、簡単なもので良ければ作るよ」
「俺が作る」

 両手で小動物を扱うように、亮一に髪をがしがしと縦横無尽に撫でられ、可南子は慌てて何度も小さく頷いた。
 離れていた分を取り戻すように、亮一はさっきからずっと触れてくれている。
 そんな率直な愛情表現に喜びが身体の隅々まで巡った。

 先ほどから微弱の電気が流れるような高揚が常にある。満たされたいと願う愉楽の火種は、きっかけがあれば燃え広がるはずだ。
 時計をちらりと見やるとすでに十時で、そんなにゆっくりしている暇は無いと可南子は呼吸を整えた。自分が想像したことに顔を赤らめながら「シャワーを浴びてきますね」と、可南子は亮一から身体を離す。

「ああ」

 当然のように、亮一は可南子の唇に口づけ、二人の間に濃密な空気が流れる。乱した可南子の髪を整えながら頭を支える亮一の手は、この時間を終わらせない強さがあった。

「シャワーを……」

 可南子が息をするために少し開いた唇で呟いた言葉は、誘うような囁きになる。

「ああ、シャワーだな」

 お互い探りあうような緊張感に、亮一はふっと息を吐いて可南子の額に唇を落とした。

「シャワーの後は、まず食事だ。可南子、痩せただろ」
「亮一さんは、少し太った?」

 太ったといっても出会った頃に戻った程度で、亮一の堂々たる体躯に変わりは無い。
 顔の輪郭も変わらずはっきりしていて、見惚れほど端整な顔立ちもそのままだ。その中にある高い鼻梁は、口づけをすると頬に触れてくすぐったい。
 
 可南子は亮一が結婚指輪を本当に外さない事を可南子は知っていた。
 だが、指輪があっても、関係がないと考える人もいるのだろう。社内でも不倫の噂は耳に入ってくる。
 亮一が相手をしていなくても、そういう気持ちで亮一の周りに人がいるのは嫌だなと、可南子はもやもやとした。
 離れていれば尚更、大丈夫だと自分に言い聞かせながら振舞うのが難しい。考え込んでいると、亮一が髪をぐちゃぐちゃにしてきた。先ほどよりも力が強い。

「やっぱり太ったか。飲みが多くて食事も不規則なんだ。可南子に言われると効くな」
「ご、ごめんなさい」

 とても気にしているのかと慌てると、亮一が大きな手で頬をぐっと押しつぶしてきた。

「な……」
「謝るなよ。俺が言い出したことだ。俺はこの身長で太りに太っても、可南子を離すつもりは無いからな。覚悟しといてくれ」

 亮一と結婚したのだから、体型の変化で別れるなど考えたことは無かった。だが、横にも大きくなった亮一を想像して、その大きさに可南子は固まった後、思わず小さく噴出した。
 何よりも、亮一がそんなことを例えで持ち出してきたことが可笑しかった。自分の前だから、こんなことを言ってくれたのがわかる。

「離れないから、笑わせないで」
「……やっと笑った」

 亮一の静かな呼吸のような言葉と一緒に再び優しく抱き締められて、可南子はくすくすと笑いながら、亮一の腕の中に身を委ねた。





 何か手伝おうとでも思ったのだろう。シャワーを素早く済ませた可南子が台所に姿を現したが、髪があまり乾いていない。

 ……後で乾かさないとな。

 亮一はいつもの可南子にほっとしながら、中華鍋にあるチャーハンを皿に移した。
 可南子は素直に大きな瞳を輝かせると「おいしそう」と頬を染めて亮一に笑顔を向けた。その笑顔を見た亮一はまた安堵を重ねる。

 一昨日から可南子と連絡が取れなくなって、亮一は自分がしてきたことを数えていた。そして、不安が恐怖になるのにそう時間はかからなかった。
 可南子からの電話にも出ようとも、メールを返そうと思った。だが、目先の仕事に追われて、後回しにしたのは事実だ。可南子から連絡があることに安心して、自分から連絡をすることを疎かにしていた。
 
 結婚記念日も帰ることができなかった。それも『仕事なら、しょうがないですね』と、電話越しの寂しげな声に『埋め合わせをする』と予定を決めることなく言葉だけで謝罪した。仕事が大変なのを理解してもらっていると安心して、花束とカードを贈った。

 それよりも、大事な事があっただろうと、通じない電話でやっと気づいた。
 可南子が限界まで我慢するのを知っていて、なぜ安易に考えられたのか。

 片付けなければならない仕事をほぼ徹夜で終わらせ、夕方までに関係者に根回しをし、移動中も仕事ができる新幹線に飛び乗った。そして、何度もデッキに立っては可南子に電話をし続けた。
 連絡がつかないまま二十三時に帰宅し、さすがに家にはいると思ってドアを開けた。
 その部屋が真っ暗だった時、心臓を鷲づかみにされたような衝撃に膝が崩れそうになった。
 寝ているんだ、そう言い聞かせて、部屋の電気をつけて寝室に入ったが誰もいない。
 
 ふらり、と寝室を出て、ソファに腰掛けるとローテーブルの上に真っ暗な画面のスマートフォンと指輪があった。
 可南子の結婚指輪だと理解すると、頭が真っ白になり家の中の可南子の私物を見て回った。
 何かが持ち出された形跡は無かった。だが、この週末中に取りに来るつもりではないか。そう思うと、眠気が吹き飛んだ。寝ている間に取りにこられたら、話もできない。
 まったく働かない頭に、もし男がいたらという思考がさらに追い討ちをかけた。
 可南子に浮気は無い。
 呼吸が麻痺したように苦しくなり、手首の脈が不自然な痒みを訴えた。

 嗅ぎなれたシャンプーの香りが漂ってきて、亮一は意識を今に取り戻す。そして、そばで取り皿などを用意している可南子の後姿にほっとする。
 可南子は視線を感じたのか亮一を振り返った。

「なにか、間違ってる?」

 皿を手にして、亮一に首を傾げた可南子を、どこかに閉じ込めたくなった。

「綺麗だと思って見てただけだ」
「……亮一さんに言われると、そんな気がしてきます」

 白い頬を桃色に染めながら大きな瞳を向けられ、亮一は我慢の限界を感じ、それを抑えるのに苦心する。
 絹のような白い肌に手を伸ばして、首筋に唇を押しつけ這わせる。胸の先を口に含み舌で転がして、我慢しても漏れる微かな声に聞き入るのだ。

 結婚して一年、ふわりとした柔らかい雰囲気はそのままに、可南子には毅然とした美しさが増した。匂いたつ女の色香は人を巻き込んで離さない、うっとりとさせる光を放ち続けている。
 それなのに、可南子は自分の容姿には相変わらず無関心で、心を許した相手には真っ直ぐな目を向けて話している。
 結衣以外に興味が無い広信をたじろがせているのだから、無自覚にもほどがある。これを外でもしていないかと亮一は心配でならない。

 関係がこじれかけたのは亮一の行いだとして、顛末の誘因は『女』だった。亮一は中華鍋を洗いながら小さく溜め息を付く。
 飲みの席で酒を言い訳に絡んでくるのだが、取引先の人間というのもあって捨て置くこともできず、相手をしていたのだが面倒には思っていた。
 以前、部署が変わった広信に社食でこの話をすると、ばかにしたような目で見られた。

『あのさぁ……。かなちゃんが酒を理由に絡んでくる男に、普通に接してたらどうなると思うの』
『その気にさせると思う』
『で、君はどうなのよ、君は』
『俺は可南子にしか興味が無い』
『……あのね、亮一はこの件で痛い目に合えばいいと思う』
『おい』
『僕だったら、絶対にそんな女を近寄らせない。亮一は女にちゃんと好意とか興味を持ってきたことがないから、そういうことができるんだよ。相手が異性だという感覚が乏しいんだ。言われてみれば、昔からそうなんだよな。おー怖(こわ)』

 忠告されていたのに正せなかったのは自分だと、亮一はチャーハンを乗せた皿をローテーブルに置きながら自嘲する。
 はす向かいに座りいただきますと小さな手を合わる、可南子を失ったのかもしれないのだ。
 昨夜、泣きながら首に抱きついてきた可南子の痛々しい姿を思い出して、亮一は決意を固める。

「可南子、俺は仕事の仕方を変える」

 きょとん、と可南子がしたのを見て、亮一は言葉を続ける。
 式を挙げてからの人事異動は、可南子とのこれからを考えるきっかけになった。それで、つい仕事に力を入れてしまった所がある。

「俺は、仕事は好きだが、可南子との家庭を壊してまでしたいものじゃない。気づいたのが、子供ができる前で良かった」

 可南子の頬がみるみる赤らんで瞳が潤んだ。この一年、忙しくて大事なことを話し合う時間も取れていなかったのだ。
 食事に手をつけず亮一の話すことをちゃんと聞こうとしている可南子の右手を亮一は握った。

「子供は、可南子が妊娠した時にそばにいられる時がいいんだ。少し、待ってくれるか」
「……赤ちゃんのことは、仕事が落ち着くまでと私がお願いしたことだし。私もやっと落ち着いてきたばかりだから」

 亮一が可南子の滑らかな手の甲を親指で撫でると、可南子はそわそわと視線をさまよわせた。

「俺に、合わせてないか」
「私に合わせてくれているのは、亮一さんだと思う。昨日も、帰ってこさせて」

 そこまで言って可南子は口を噤むと、亮一の目をのぞき込んだ。

「でも、会えて嬉しい。こんなに離れてるの、初めてだもんね」

 はにかんだ可南子を押し倒したくなった。亮一はかわりに、握っていた手に力をこめる。

「一昨日の電話。ああいうことはないようにする」

 曖昧に微笑した可南子に、絶対に信じてもらいたいという気持ちで亮一は可南子の目を強く見据えた。
  
「可南子の話を、聞かれなくても話し続ける」

 社内ではよく口にしていたが、取引先の前では自然と自重していた。可南子は瞬きをした後、照れながらも嬉しそうな笑みを浮かべた。
 その笑顔の可愛いさに、亮一は可南子の手を持ち細い手首の脈に唇を押しつけた。わずかに口を開き、肌理が細かい肌を唇で味わう。目を潤ませ、熱のこもった息を吐いた可南子の唇を、もう片方の手の親指で触れた。

 狭いホテルの部屋でベッドに横になり、天井を見つめて可南子を想う内に寝入った日々だった。
 今、目の前にある可憐な唇は夢じゃない。
 亮一は微笑を浮かべて、可南子の唇とそれを塞ぐ自分の指を眺めた。亮一は可南子の手首から顔を離し、可南子の唇の中に親指をわずかに押し入れ、唾液に湿った親指を舐める。
 昨晩は、ずっと甘い香りがする可南子を抱きながら寝て、久しぶりに張っていた気が緩んだ。
 離れて再確認できたこともある。こんな気持ちになるのは、可南子しかいない。

 だいたい、と今の仕事に、亮一は心の中で悪態をつく。
 日帰り出張程度で良かったものが、長期出張に変わっている現状がおかしいのだ。
 この契約を結んだ営業は数字が欲しくて、大口契約を狙ったらしい。その営業はすぐに違う大口を狙い異動した。その契約内容の業務を遂行しようとすれば、別口の契約が必要になる、時限爆弾のような契約だけが残った。
 当然、新たな契約を取引先側が納得するはずもなく、取り付けるために出張を重ねている。
 亮一は事態が落ち着くまでとサポートで入っていたのだが、どんどん引きずり込まれていた。
 このままだと必要な人間だとされ、転勤を命じられる破目になりかねない。

 おまけに控えていた酒も、ここ一年で飲むようになっていた。飲めることを知られてしまえば、断るのが難しい。
 取引先との関係を安定させるために、飲みの席に付き合うことも大切なのはわかるのだが、回数が多い。

「月曜日に上司に掛け合った後、予定通りにこっちに帰宅して、今度はもっと上と一緒に行く」

 役員レベルを引っ張り出す、と亮一は空を睨みつけた。今の状況でできることはやりつくした感がある。
 新しい契約が取れれば、と昇格をほのめかされていた。以前なら昇進や昇格という言葉に心が動くことは無かった。そんなのは運しだいで、その時の環境に嫌になるほど左右される。足掻いた所でうまくいかない時の方が多い。
 可南子と結婚したから、欲が出た。誰かの仕事の尻拭いに奔走していたが、可南子との関係が悪くなっては本末転倒だ。

 亮一は可南子のひんやりとした手首から手を離す。すると、可南子は目を伏せて、自分の火照った頬を両手で覆った。

「抱きたい」

 手首を解放しながら口にした亮一の言葉に、可南子は弾かれたように顔を上げて、目を大きく開いた。そんなに、驚かれるとは思わず、亮一は微かな不安を覚える。
 だが、一緒にいられる時間も少ないのに、会話する事が蔑ろになるのが嫌だった。

「新幹線の時間があるから……我慢する」
「じゃあ、私も我慢しますね」

 やけにあっさりと流されて、亮一は眉をひそめた。
 可南子の微笑からは、手を愛撫していた時のような焦れを感じられなかった。むしろほっとしているような気さえした。
 抱きたくないはずがない。可南子を胸の中に閉じ込めて出したくない。

 朝のうちに飛行機の予約状況を見たが完売だった。休日の空港でキャンセル待ちをするよりは、仕事の事を考えると新幹線で移動したほうが良いと判断した。
 とにかく、移動に時間がかかる。それだけ遠いところにいるのだ。

「いろいろ話してくれてありがとう。せっかく作ってくれたのに冷えちゃう。食べよう。それに、早く戻らないと駄目だよね」

 ……戻るのも、帰るのも、可南子の所だ。

 物分かりの良い可南子の態度に、亮一は耐え難い焦燥を感じた。可南子は察しが良く、その分、本音を最後まで言わない。
 まだ、胸に抱えている不満があるかもしれないと思うと、可南子の笑顔が亮一の心に刺さった。

 昨夜『男は浮気するのか』と聞かれた事を思い出して、可南子に近づく男がいてもすぐに追い払えない場所にいるのだと改めて気づく。
 亮一の知らない所で、可南子本人も気づかないまま、男につけいる隙が無いかを探られている。
 体も離れているのに連絡を怠った自分の愚かさが身に染みて、亮一はぐっと奥歯を噛み締めた。
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