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初恋の相手は異世界へのゲートでした

初デート

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僕たち二人は「友達や仲間」を越えて物凄く仲良くなっていた。
バイトを始めて5ヶ月が過ぎた頃。
大学は夏休みに入った。

バイトの帰りに桜からこんな相談を受けた。
「ねえ、彼方。いつか休み空いてない?ちょっと相談したいことがあるんだけど?」
「明日でよかったら空いてるよ。桜も休みだろ?」
「うん。じゃあ明日!」
「何?ここじゃ相談できないこと?」
「まあね…集合場所は駅前のカフェで良い?」
「りょーかい。何時頃来れば良い?」
「朝の9時いける?」
「おう!行けるよ。じゃ、そういうことで!」
「バイバイ!」

帰り道、僕は浮かれてた。
相談をのるだけだが、いわゆる「デート」ってやつだ。
明日が楽しみで仕方ない。

翌日
8時30分に家を出た。
8時40分頃に駅の前に着いた。
カフェの前で桜が僕を待っている。
桜のもとへ駆け寄った
「おまたせ。待った?」
「ううん。私も今来たとこ。」
テレビドラマでよく聞く台詞である。

カフェの中へ入ると、そこはカントリー調で木を基調とした落ち着いた空間だった。

「お客様2名様で?」
「はい。」
「こちらへどうぞ。」
店員に案内され、席に座る。
「私一度ここ来てみたかったんだー!」
第一声がこれだ。
「来たことないの?」
「うん。一人じゃ来る機会無くて。」
「友達は?」
「居ないよ。私、昔から男には好かれるんだけど、女の子から好かれないんだ。」
とても寂しそうな顔をしている。
「俺がいんじゃん!」
「そうだね。もちろん友達なら今日は奢ってくれるでしょ?」
(小悪魔め)
正直あまり手持ちは無かったが、好きな子の期待を裏切るわけにもいかない。
「そうきたか。仕方ないなぁ」
「やったー!さすが彼方!」
桜の機嫌が治った。単純だ。

「すみませーん。注文いいですか?」
「はーい。今いきまーす!」

「カプチーノとプレミアムチョコレートパフェ下さい。
彼方は?」
「俺は…ミルクココアで」
「以上でお決まりでしょうか?」
「はい。」
店員が調理場へとさがる。

「へぇ~彼方って可愛いとこあるじゃん。」
「ココア好きだよ。」
「他に好きなものは?もしよかったら今度つくってあげる!」
「他にすきなのはー」
「花門 桜」
「えっ?へっ?」
桜が明らかに動揺している。分かりやすい。
「ねぇ、桜。俺、桜のことが好きだ。
もし良かったらつきあってください。」
自分でも何を言っているのかあまり理解できていなかった。
勝手に口が動いてしまう。
多分断られるだろう。
でも良いんだ。好きな人が出来ただけ成長した。

「私で良ければよろしくお願いします。」
予想外の返事だった
「ほんと!?」
「ほんと。」
「よし!」
「フフッ。私も好きだよ。彼方の事。」
「俺も好き。これからは彼女としてよろしくね。」
「うん」
初恋が実った瞬間だった。

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