3 / 15
3
しおりを挟む金曜日
俺は弁当を持って、屋上へ行く。扉を開けると既に日向が待っていた。
「悪い、待たせたか?」
「全然大丈夫だよ」
俺達は隣に座り、一緒に飯を食う。
「今日もまた、足のマッサージするね、特にふくらはぎをどうにかしよう」
「あぁ、頼む」
「はーい」
そして、前と同じように足の裏から始める。
「大和君はさ、バスケ好きだからやってるんだよね」
「そうだな」
「ストレッチとか、クールダウンとかちゃんとしてる?」
「、、、」
してはいるが、最近は疎かにしている、、、
「してないね?」
「してる、、一応」
「そっか、じゃあ質にこだわろうね。怪我してバスケ出来なくなったら嫌でしょ?」
「あぁ、わかってる」
「よし、ふくらはぎいく前にスネやるね」
「ああ、、、い゛っ!」
「うん、こっちも相当だ」
日向はスネを親指で押し、そのまま上へスライドさせる。
「っ、、い゛、」
「めっちゃ痛いでしょ?これも全然力入れてないからね」
「おう、、、くっ」
「こっちも時間かけて解さないとだな~、、、よし、うつ伏せになって」
俺はそのままうつ伏せになる。
「あ、これ敷いて」
そう言って、日向はカーディガンを渡してきた。
「前気づかなかったけど、そのままだと痛いよね」
「、あ、ありがと、、、」
本当に、変なフェチなければ普通に良い奴だな、、、
俺は言われた通りにカーディガンをしき、うつ伏せなる。
カーディガンは太陽みたいな匂いがした。
今すっげぇ変態みたいなこと考えたな、、、なんで匂いなんて嗅いでんだよ、、、
「ん?どうかした?」
「いや、なんでもねぇ、、、」
「そう?じゃあやるよ?」
そういい、日向はふくらはぎに手を置く。俺は次にくる衝撃に耐えるためにぎゅっと目を瞑る。
「ぐっ、、、っ!」
どんなに構えてても痛いもんは痛い。
「ほんとにこれ時間かけないとだね」
「い゛!くそっ、マジでいてぇ、、!」
「今は痛いと思うけど、我慢してね。もうちょっとやったら気持ちいいやつやるから」
「あぁ、っ、早くしてくれ、、」
「んー」
「はい、痛いの終わり」
「っ、、やっと終わった、、、」
めっちゃ痛かった、、、
「じゃあ普通に座って」
「あぁ、」
俺は座り足を差し出す。
「気持ちいいマッサージね」
「お前が言うと変な風にしか聞こえないな」
「そういうこと考える方が変態だよ」
「うるせぇ」
日向はふくらはぎを両手で包むように掴み、揉んでいく。
「っ、、」
「あれ?痛かった?」
「いや、普通に気持ちいよ」
「よかった~」
「ただ、ちょっとくすぐったい、、」
「えー!それは我慢してよ」
「無茶言うなよ、、」
そんな会話をしながらマッサージが続く。
「はい、終わり!どう?楽になった?」
「ありがとな。楽になったかは知らん、部活で分かるだろ、」
「そっか、じゃあ次は土曜日、明日だね」
「あぁ。あ、お前ん家どこだ?この近くか?」
「そうだけど、、、部活何時?迎えに来てあげるよ」
「あ~、、、1回家帰っていいか?シャワー浴びたい」
身体触らせるっていうのに汗かいたままいたくねぇしな、、、
「分かった。じゃあ明日連絡して」
「おう」
「今日は解散」
そう言って日向は階段を降りていった。
俺はその後、教室に戻り、授業を受けた。
放課後、部室に行くと先輩達が既にいた。
「お疲れ様です」
「お、大和!今日は早いな」
「掃除なかったんで、、、」
「後で1on1付き合えよ」
「うす」
そういうと先輩は体育館に向かった。
そういや、日向がストレッチ大事って言ってたな、、、
俺は練習着に着替え、バッシュを履き、体育館に向かった。
そして、体育館の端の方でストレッチをする。
「珍しいな、翔がストレッチしてるなんて」
「気が向いただけだ」
「俺もやろー」
その日の部活は何事もなく終わった。
0
お気に入りに追加
17
あなたにおすすめの小説


好きなあいつの嫉妬がすごい
カムカム
BL
新しいクラスで新しい友達ができることを楽しみにしていたが、特に気になる存在がいた。それは幼馴染のランだった。
ランはいつもクールで落ち着いていて、どこか遠くを見ているような眼差しが印象的だった。レンとは対照的に、内向的で多くの人と打ち解けることが少なかった。しかし、レンだけは違った。ランはレンに対してだけ心を開き、笑顔を見せることが多かった。
教室に入ると、運命的にレンとランは隣同士の席になった。レンは心の中でガッツポーズをしながら、ランに話しかけた。
「ラン、おはよう!今年も一緒のクラスだね。」
ランは少し驚いた表情を見せたが、すぐに微笑み返した。「おはよう、レン。そうだね、今年もよろしく。」

馬鹿な先輩と後輩くん
ぽぽ
BL
美形新人×平凡上司
新人の教育係を任された主人公。しかし彼は自分が教える事も必要が無いほど完璧だった。だけど愛想は悪い。一方、主人公は愛想は良いがミスばかりをする。そんな凸凹な二人の話。
━━━━━━━━━━━━━━━
作者は飲み会を経験した事ないので誤った物を書いているかもしれませんがご了承ください。
本来は二次創作にて登場させたモブでしたが余りにもタイプだったのでモブルートを書いた所ただの創作BLになってました。
ハンターがマッサージ?で堕とされちゃう話
あずき
BL
【登場人物】ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ハンター ライト(17)
???? アル(20)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
後半のキャラ崩壊は許してください;;

ヤンデレだらけの短編集
八
BL
ヤンデレだらけの1話(+おまけ)読切短編集です。
全8話。1日1話更新(20時)。
□ホオズキ:寡黙執着年上とノンケ平凡
□ゲッケイジュ:真面目サイコパスとただ可哀想な同級生
□アジサイ:不良の頭と臆病泣き虫
□ラベンダー:希死念慮不良とおバカ
□デルフィニウム:執着傲慢幼馴染と地味ぼっち
ムーンライトノベル様に別名義で投稿しています。
かなり昔に書いたもので芸風(?)が違うのですが、楽しんでいただければ嬉しいです!
絶対にお嫁さんにするから覚悟してろよ!!!
toki
BL
「ていうかちゃんと寝てなさい」
「すいません……」
ゆるふわ距離感バグ幼馴染の読み切りBLです♪
一応、有馬くんが攻めのつもりで書きましたが、お好きなように解釈していただいて大丈夫です。
作中の表現ではわかりづらいですが、有馬くんはけっこう見目が良いです。でもガチで桜田くんしか眼中にないので自分が目立っている自覚はまったくありません。
もしよろしければ感想などいただけましたら大変励みになります✿
感想(匿名)➡ https://odaibako.net/u/toki_doki_
Twitter➡ https://twitter.com/toki_doki109
素敵な表紙お借りしました!(https://www.pixiv.net/artworks/110931919)

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる