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次の日教室に行くと、あの男の後ろ姿が目に入った。

本当に同じクラスかよ、、、席遠くて良かったわ、、、
まぁ、昨日あんだけ言ったし流石にもうねぇだろ、、、だよな、、、?

俺は確信が持てなかった。昨日、あの男は一切引き下がらなかったことを覚えている。

、、、関わんない方がいいな、、、


そして、何事もなく授業が進み、、、なわけがなかった。発端は体育の授業から戻って来たあとだった。(体育の時間もなんか視線を感じた)戻ったあと、机の中に昨日も見た殴り書きのメモが置いてあった。

『昼休み、屋上』

誰が行くか、、、と思ってたのもつかの間、下にちっちゃく

『来なかったら教室でもどこでも見境なく追いかけ回すよ』

、、、そんなん嫌に決まってんだろ、、、、

と俺の選択肢は1つしか無くなった。

、、、こいつ最悪だ、、、、

 俺は諦め半分で屋上に向かった。
ドアを開けるとそこにはやはり男が立っていた。


「来てくれないと思ったよ」

「俺だって行きたくなかったんだよ、、」

「まあまあ、座ってよ」


そう言うと男は手招きをする。


「先に要件を言え、くだらなかったら帰る」

「わかった。昨日のことを謝りたいと思って、、、」

「、それだけのために呼んだのか?」

「うん、、ごめんね」

「、別に、、、用が済んだなら俺は戻るぞ」


謝るために呼んだとか、、、根は良い奴なのか、、、?

俺は踵を返して帰ろうとする。すると腕を掴まれた。


「待って!まだ終わってないから!」

「離せ」

「もう少し話を聞いて欲しいんだ!」

「、早く終わらせてくれ」

「ありがとう、、」


男は安堵した様子を見せる。


「それで本題だけど、、本当に、どうしても触らせてくれませんか、、?」


俺は立ち上がり、その場を去ろうとする。しかし、またしても腕を捕まれ阻止される。


「わかった、じゃあ交換条件は?」

「、、、交換条件ってのはよ、相手にとって利益がなきゃ成立しねぇんだよ、、、」

「マッサージしてあげる」

「さっきからずっと下心丸出しのやつにんな事言われても信用できんわ!」

「これはほんと!」

「これは、、?」

「これもです、、、。でも、マッサージはした方がいいと思うよ。大和君はバスケ部でしょ?その日の疲れを癒して、次の日に持ち越さないようにサポートできるよ」

「ほう、、、?」


確かにバスケ部の練習はきつい、とてもきつい。


「他にも、肩こりだったり、腰痛だったり、、、」

「俺はジジイか!」

「まぁ、いいから聞いてよ。俺には分かるんだ、君の筋肉を触ったら。筋肉は正直だからね」

「筋肉は正直ってなんだよ!」

「とにかく、今日は俺がマッサージしてあげます」


男は勝手に話を進めていく。


「おい、いいなんて言ってないだろ」

「今日はマッサージだけ、触らせろなんて言わないよ、、、あ、でも、マッサージのために触るのは仕方ないよね?」

「そういうこと言うから断られるんだよ!」

「冗談、冗談!ほら、足出して」

「、、、足だけだぞ、、」


俺は渋々足を出す。


「ふむ、、結構硬いね。知ってる?いい筋肉は柔らかいんだよ」

「、、へぇ、」

「だから、ちゃんとマッサージして、筋肉をほぐしてあげよう。じゃあ足の裏からいくね」


男はつぼ?かなんかを押している。

、、、意外と、いいな、、、?気持ちいい、、、


「どう?痛くない?」

「全然大丈夫だ、、意外に上手いんだな」

「まぁ、勉強してきたからね」

「このためだけにか、、、?」

「俺の事なんだと思ってんの?」

「筋肉を触りたい変態」

「そんな変態に足出してるのは誰だよ、、、まぁいいや、家がね、整体やってんの」

「だからか、、、」

「気持ちいい?」

「、、ちょっとな、、、」


男は嬉しそうな顔をする。


「はい、次はふくらはぎやるから寝転んで」

「おう、、」


そして、男は俺の足を揉み始めた。


「、、、い゛っ、」

「予想以上に凝ってるね、、、」

「ちょっ、おま、強く押しすぎだろ!」


「あーごめんごめん、でもね、これ全然力入れてないんだよ?それほど凝ってるってこと。この状態はあんま良くないな~」

「っ、、、くっ、、」

「もうちょっとやるから我慢してね」

「うぅ、、」


それから5分が経った。


「はい、終わり」


そう言って、俺の足から手が離れた。


「っ、はぁ、、、ありがと」

「どういたしまして。で、どうだった?マッサージ」

「、、、良かった、、、」

「じゃあ交換条件の件はいいってこと!?」


すっかり忘れてた、、、家が整体やってて、勉強してるなら効果は確かだし、でもな、、、


「筋肉触ってどうすんだよ」

「え?」

「男の身体触ってお前はなんのメリットになるんだ?」

「あぁ、そゆこと。俺ね、筋肉が全然つかない体質でね、筋肉に憧れてるってのと、筋肉フェチだから触るだけで心が満たされる」


俺は男の手を掴み、袖を捲る。


「、、、確かに、ほっせぇな」

「あはは、よく言われるよ」

「変態要素入ってるけど」

「それは置いといてよ、、、」


男は苦笑いを浮かべる。


「、、、まぁ、いいか」

「え?」

「交換条件受けてやるよ」


別に減るもんじゃねぇし、マッサージは普通に良かったしな


「いいの、、、!?」

「あぁ、二言はねぇ」

「やった!」

「ただし、先にルール決めるぞ」

「ラジャー」


男と話し合う。


「じゃあ、マッサージは基本的に月、水、金曜日の昼休み、で筋肉触るのはマッサージ1回×5分。筋肉は学校では触らないこと。マッサージの時は可。」

「どこで筋肉を触ればいいんですかー?」

「知らん、任せる。ただし、学校はぜってぇやだからな?誰かに見られでもしたら、大変なことになる」

「うーん、、、、あ、そうだ!土曜日、部活終わってから俺の家来てよ」

「は?」

「家だったら誰にも見られないし、部活終わりのマッサージも効果的だし、良くない?」

「まぁ、確かに、、」

「決まり!そうだ、連絡先交換しよ」


男はずっと嬉しそうだ。

そんなに筋肉が嬉しいのか、、、?


「分かった、、、、名前教えろ。忘れた、、、」

「日向ヒロだよ、次は覚えてね?大和翔君」

「、わかったよ、、」

「じゃあ、今日はこれくらいかな?」

「あぁ、またな」

「うん!ばいば~い!」


そう言って、男は屋上を降りていった。


「、疲れたな、、」

俺は少し伸びをして、教室に戻った。
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