68 / 87
第四章
act 5 始まり
しおりを挟む
三月に入り、瑠花の学区を変える為に戸建てを購入した。
まだ完成するまでには、少し時間がかかるだろう。
仮釈期間が過ぎて、晴れて(?)自由の身になった賢司だが、毎日慣れない仕事に出掛ける、一見平和な日々が続いていた。
が、瞳の心境はあまり穏やかではなかった。
賢司の仕事先の社長ほか、賢司も加えて全部で4人しかいない会社で、4人全員が覚醒剤常習者なのだ。
まだこの頃の賢司は、あの二月の一度だけで自分は手を出す事なく仕事をし、薬の売買の仲介だけをやっていただけだった。
が、月末の頃に、仕事はとっくに終わった筈の時間なのに帰って来ない。
『どこにいるの?』
ラインを送っても、返事もない。
嫌な予感ほど当たるものなのか、瞳が賢司の癖を知っていたからなのかは、判らない。
賢司は、建築中の新しい家で覚醒剤を使っていた。
帰って来ない時点で、瞳はうすうす感づいていた。
ふ・・・・と、ラインの返事が返って来た。
『新しい家にいます』
どうしよう?
本当だったら迷う事なく賢司のところに行っていた。
けれど、明日仕事が入っている。
ドタキャンは出来ない。
それが瞳の足枷(あしかせ)になっていた。
睡眠薬も既に飲んでいた。
でも本音は瞳だって・・・・。
そんな事を考えてるうちに、睡眠薬が効いて眠ってしまっていた。
その間、賢司は帰って来なかった。
居場所は判っている。
行けば間違いなく賢司は瞳に薬を使う。
瞳の自制心とは裏腹に、気持ちが先走ってしまう。
その日、瞳の仕事は午前中で終わる。
とにかく仕事だけは行こう。
そして帰って来てから賢司の所に行こう。
後ろ髪を引かれる思いで、瞳は仕事に向かった。
仕事が終わって賢司にラインする。
『仕事終わった。そっちに行くよ』
『分った、気を付けて』
この頃の瑠花は、昼夜逆転の生活をしていた。
昼間は寝ているし、留守番にも慣れて来ていた。
そんな環境も相まって、瞳は賢司の誘いに簡単に乗っていた。
それに、明日は仕事休みだし少しくらいいいよね?なんて自問自答していた。
新しい家が見えて来た。
瞳が来た事に気付いた賢司が玄関で待っていた。
どこに行くのかと思いきや、二階にあるウォークインクローゼットに上がっていった。
一階はまだ工事が終わってなくて、畳も入ってないし色々な資材が置きっぱなしになっていた。
「腕出せ」
久しぶりに聞くそのセリフ。
瞳はいつもの様に左腕を出した。
注射器や、現物を見ただけでトイレに行きたくなるのは、覚醒剤の経験者なら理解出来るだろう。
賢司は瞳の血管を探し、針を刺した。
身体中を駆け巡る熱。
そして股間に広がる快感を伴った熱さ。
心臓は早鐘を打ち、呼吸は早くなり、目が回る。
賢司はそれを見て、自分に打つ。
「乳首舐めろ」
言われるままに瞳は賢司の乳首を舐める。
賢司は薬が効くと、乳首が性感帯になる。
忙しなく瞳の下半身の布きれを脱がすと、電マで刺激し始めた。
クリトリスを苛めるのが大好きな、真性Sの賢司のS性が目覚め始める。
瞳が真性Mだからこそ、このSEXが成り立つのでありまた、お互いを求め合う。
賢司と瞳は共依存の関係だ。
賢司が薬を使えば、瞳にも薬を使い、ふたりでドラッグセックスに堕ちてゆく。
瞳は、自分が賢司の傍にいるから賢司は薬を断ち切れないのだろう、と思う。
けれど賢司と別れる事など、考えたくはなかった。
「瞳、乳首に薬打ってやろうか?」
「え・・・・」
突然の賢司の言葉に、瞳は動揺を隠せなかった。
賢司がいなかった四年の時間は、瞳の身体に残った快楽さえも消し去っていた。
そう。
気付いていたけれど、身体は正直だ。
瞳の、あんなに気持ちの良かった乳首への快感は、今はすっかり薄れてしまっていた。
乳首に薬を打ってもらえば、またあの気絶する様な快感が戻ってくる。
けれど、言い出せない。
恥ずかしさもあったけれど、そうなったらまたずるずるとドラッグセックスの虜になる。
やっと、やっと帰って来た賢司をまた失いそうで怖かった。
「どうした?嫌か?」
「ん~・・・・」
この時瞳は、はっきりした答えを出せずに賢司の言葉をはぐらかした。
まだ完成するまでには、少し時間がかかるだろう。
仮釈期間が過ぎて、晴れて(?)自由の身になった賢司だが、毎日慣れない仕事に出掛ける、一見平和な日々が続いていた。
が、瞳の心境はあまり穏やかではなかった。
賢司の仕事先の社長ほか、賢司も加えて全部で4人しかいない会社で、4人全員が覚醒剤常習者なのだ。
まだこの頃の賢司は、あの二月の一度だけで自分は手を出す事なく仕事をし、薬の売買の仲介だけをやっていただけだった。
が、月末の頃に、仕事はとっくに終わった筈の時間なのに帰って来ない。
『どこにいるの?』
ラインを送っても、返事もない。
嫌な予感ほど当たるものなのか、瞳が賢司の癖を知っていたからなのかは、判らない。
賢司は、建築中の新しい家で覚醒剤を使っていた。
帰って来ない時点で、瞳はうすうす感づいていた。
ふ・・・・と、ラインの返事が返って来た。
『新しい家にいます』
どうしよう?
本当だったら迷う事なく賢司のところに行っていた。
けれど、明日仕事が入っている。
ドタキャンは出来ない。
それが瞳の足枷(あしかせ)になっていた。
睡眠薬も既に飲んでいた。
でも本音は瞳だって・・・・。
そんな事を考えてるうちに、睡眠薬が効いて眠ってしまっていた。
その間、賢司は帰って来なかった。
居場所は判っている。
行けば間違いなく賢司は瞳に薬を使う。
瞳の自制心とは裏腹に、気持ちが先走ってしまう。
その日、瞳の仕事は午前中で終わる。
とにかく仕事だけは行こう。
そして帰って来てから賢司の所に行こう。
後ろ髪を引かれる思いで、瞳は仕事に向かった。
仕事が終わって賢司にラインする。
『仕事終わった。そっちに行くよ』
『分った、気を付けて』
この頃の瑠花は、昼夜逆転の生活をしていた。
昼間は寝ているし、留守番にも慣れて来ていた。
そんな環境も相まって、瞳は賢司の誘いに簡単に乗っていた。
それに、明日は仕事休みだし少しくらいいいよね?なんて自問自答していた。
新しい家が見えて来た。
瞳が来た事に気付いた賢司が玄関で待っていた。
どこに行くのかと思いきや、二階にあるウォークインクローゼットに上がっていった。
一階はまだ工事が終わってなくて、畳も入ってないし色々な資材が置きっぱなしになっていた。
「腕出せ」
久しぶりに聞くそのセリフ。
瞳はいつもの様に左腕を出した。
注射器や、現物を見ただけでトイレに行きたくなるのは、覚醒剤の経験者なら理解出来るだろう。
賢司は瞳の血管を探し、針を刺した。
身体中を駆け巡る熱。
そして股間に広がる快感を伴った熱さ。
心臓は早鐘を打ち、呼吸は早くなり、目が回る。
賢司はそれを見て、自分に打つ。
「乳首舐めろ」
言われるままに瞳は賢司の乳首を舐める。
賢司は薬が効くと、乳首が性感帯になる。
忙しなく瞳の下半身の布きれを脱がすと、電マで刺激し始めた。
クリトリスを苛めるのが大好きな、真性Sの賢司のS性が目覚め始める。
瞳が真性Mだからこそ、このSEXが成り立つのでありまた、お互いを求め合う。
賢司と瞳は共依存の関係だ。
賢司が薬を使えば、瞳にも薬を使い、ふたりでドラッグセックスに堕ちてゆく。
瞳は、自分が賢司の傍にいるから賢司は薬を断ち切れないのだろう、と思う。
けれど賢司と別れる事など、考えたくはなかった。
「瞳、乳首に薬打ってやろうか?」
「え・・・・」
突然の賢司の言葉に、瞳は動揺を隠せなかった。
賢司がいなかった四年の時間は、瞳の身体に残った快楽さえも消し去っていた。
そう。
気付いていたけれど、身体は正直だ。
瞳の、あんなに気持ちの良かった乳首への快感は、今はすっかり薄れてしまっていた。
乳首に薬を打ってもらえば、またあの気絶する様な快感が戻ってくる。
けれど、言い出せない。
恥ずかしさもあったけれど、そうなったらまたずるずるとドラッグセックスの虜になる。
やっと、やっと帰って来た賢司をまた失いそうで怖かった。
「どうした?嫌か?」
「ん~・・・・」
この時瞳は、はっきりした答えを出せずに賢司の言葉をはぐらかした。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
37
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる