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第Ⅱ章 悪役令嬢、ヤンデレ従者に捕らわれる

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『ミア、見て見て!私、とんでもないものを見つけちゃったぁ』
『なぁに?リ、リ?リベ?』
『Liebe(リーベ)。ドイツ語で恋や愛って意味よ。今、一番のお気に入りなの。ミアも読んでみて。絶対に嵌るから』

~Liebe~

主人公はアリシア・レミット公爵令嬢
白磁の肌に金の稲穂のような髪に蒼天の瞳をした美しい少女
彼女は高位貴族令嬢でありながら身分を笠に着せることなく、誰にでも分け隔てのない見た目だけではなくその心根まで美しい少女でした。
しかし、彼女には問題があったのです。
彼女の母は元敵国の王女。そのせいか、夫である公爵や夫に似ているアリシアを嫌い、避けるのです。アリシアには姉がいました。母親に似た姉、イリス。彼女はアリシアとは違い、母親に愛されて育ちました。
アリシアは悲しみにくれました。
しかし、家族だからいつかは分かり合えると信じていました。
寂しさを押し隠して明るく振る舞う少女、アリシア。誰もがその魅力の虜になりました。
ある日、アリシアは出会ってしまったのです。自分の運命を変える相手に。
エーメント・ルラーン。ルラーン国王太子。そして、姉イリスの婚約者でもありました。
姉の婚約者だからとアリシアは涙をのみ、恋心に蓋をしたのです。
アリシアの恋頃など知らないエーメント殿下はアリシアを義妹になるからと何かと気にかけてくれる。そんなある日、エーメント殿下と両想いだと知った。イリスとは所詮、政略目的の婚約。愛情はないと知り、アリシアは嬉しいと感じてしまったのです。そんな自分の醜さに愕然とした。
しかし、それは誰もが持つ当然の感情だとアリシアはエーメント殿下に教えてもらう。
いけないと分かりながらもアリシアはますますエーメント殿下に惹かれて行く。そしてついに、自分が持っていた恋心をイリスに知られてしまった。
怒ったイリスは取り巻きをけしかけてアリシアを虐めるようになった。自分が悪いからと耐えていたアリシアの身によくないことが起こっていると知ったエーメント殿下は独自に調べ、イリスの悪事は白日の下に晒された。
彼女はエーメント殿下の断罪により、婚約破棄後、国外追放となった。


『何よ、これぇ!駄作じゃない』
『何言っているの!名作よ。困難を乗り越え、アリシアとエーメントは恋を育んでいくんだから』
『頭ついている?綺麗な言葉で着飾って、誤魔化しているだけで立派な浮気じゃない。しかも自分たちの行動を正当化するためにイリスを断罪するなんてあり得ない。イリスがアリシアを虐めるのは正当な理由があったのよ。彼女がそういう行動に出た原因は無視して結果だけを見るなんて頭がおかしいとしか思えない。こんな奴らが未来の王と王妃?この国の滅亡は確定ね』
『どうしてこう穿った見方しかできないの?』
『私は事実を言っただけよ。それに私、こういう頭お花畑のヒロインって嫌いなのよ。道徳を説きながら悪役令嬢から愛する人を奪うヒロインがどうして愛されるのか理解できないわ。彼女こそ悪徳じゃない』
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