33 / 64
第Ⅱ章 狂気との出会い
29.未来は変えられる
しおりを挟む
教室に入るととても気まずい空気が流れた。気にせずに中に入ろうとした。
私が教室に入る前にノエルが先に入った。
私は彼と手を握ったままだったので必然的に彼に引っ張られる形で中に入ることになった。
私よりも背の高いノエルが先を歩くことでクラスメイトの視線を感じることはなかった。もしかして、無遠慮に注がれる視線から守ってくれているのかな。
少しだけ今回の学校生活がわくわくした。ノエルがいるだけで安心する。不思議だ。会って間もないのに。
「あ、あのぉ」
学校で友達ができたことも嬉しいかったのに、更に男女別れての授業でペアを組んで取り組まない時どうしようかと思っていたらアリーヤが声をかけてきてくれた。
「わ、私と組んでもらっていいですか」
私と組みたがる人なんていないと思っていたから驚いた。
「ええ、もちろん。いいわよ」
「あ、ありがとうございます」
「お礼を言うのは私の方よ。どうしようかと悩んでいたから」
他のクラスメイトは私のことを遠巻きに見ている。
態度や対応を変えることで変わることもあるのだ。そのことが自信に繋がった。
未来は変えられるのだ。
まだまだ油断はできない。その一つが婚約だ。私は在学中に婚約している。四回とも。タイミングも時期もバラバラだったけど全て在学中であることから今回もその可能性が高い。
「スカーレット様は委員会はどうなさるんですか?」
授業内容はルシフェル国の歴史について。
歴史を調べてレポートにまとめるものだ。
二人で手分けしながらこの国の歴史についてレポートをまとめている時、アリーヤから委員会の話が出た。
「強制ではないだですけどみなさん入られるので、スカーレット様はどうするのかなと思いまして」
委員会は強制ではないけど有力貴族と近づけるチャンスでもあるので大体の生徒は所属する。
私は四回とも委員会には所属していなかった。
どこにいても一人で、誰からも受け入れられなかったから。
今回も入学前までは委員会について特に考えていなかった。きっと希望したって断られるだろうと思っていたから。でもノエルやレイクロード、アリーヤというイレギュラーが現れた。
原因は記憶を持っている私が今までと違う行動をとったからだ。
当たって砕けろとは良く言うけど断られるのを覚悟でどこかに所属するのも悪くないかもしれない。
折角の学校生活。折角、いろいろと変化が生まれているのだ。少しでも学校生活というのを楽しんでみたい。楽しめるかもしれない。
「アリーヤはどこに所属するか決めているの?」
「はい。園芸委員に入るつもりです。スカーレット様もそこにされますか?」
園芸委員は温室や中庭の植物の管理や何を植えるかなどを決める委員会のことだ。
「もう少し考えてみるわ」
「そうですか」
私が教室に入る前にノエルが先に入った。
私は彼と手を握ったままだったので必然的に彼に引っ張られる形で中に入ることになった。
私よりも背の高いノエルが先を歩くことでクラスメイトの視線を感じることはなかった。もしかして、無遠慮に注がれる視線から守ってくれているのかな。
少しだけ今回の学校生活がわくわくした。ノエルがいるだけで安心する。不思議だ。会って間もないのに。
「あ、あのぉ」
学校で友達ができたことも嬉しいかったのに、更に男女別れての授業でペアを組んで取り組まない時どうしようかと思っていたらアリーヤが声をかけてきてくれた。
「わ、私と組んでもらっていいですか」
私と組みたがる人なんていないと思っていたから驚いた。
「ええ、もちろん。いいわよ」
「あ、ありがとうございます」
「お礼を言うのは私の方よ。どうしようかと悩んでいたから」
他のクラスメイトは私のことを遠巻きに見ている。
態度や対応を変えることで変わることもあるのだ。そのことが自信に繋がった。
未来は変えられるのだ。
まだまだ油断はできない。その一つが婚約だ。私は在学中に婚約している。四回とも。タイミングも時期もバラバラだったけど全て在学中であることから今回もその可能性が高い。
「スカーレット様は委員会はどうなさるんですか?」
授業内容はルシフェル国の歴史について。
歴史を調べてレポートにまとめるものだ。
二人で手分けしながらこの国の歴史についてレポートをまとめている時、アリーヤから委員会の話が出た。
「強制ではないだですけどみなさん入られるので、スカーレット様はどうするのかなと思いまして」
委員会は強制ではないけど有力貴族と近づけるチャンスでもあるので大体の生徒は所属する。
私は四回とも委員会には所属していなかった。
どこにいても一人で、誰からも受け入れられなかったから。
今回も入学前までは委員会について特に考えていなかった。きっと希望したって断られるだろうと思っていたから。でもノエルやレイクロード、アリーヤというイレギュラーが現れた。
原因は記憶を持っている私が今までと違う行動をとったからだ。
当たって砕けろとは良く言うけど断られるのを覚悟でどこかに所属するのも悪くないかもしれない。
折角の学校生活。折角、いろいろと変化が生まれているのだ。少しでも学校生活というのを楽しんでみたい。楽しめるかもしれない。
「アリーヤはどこに所属するか決めているの?」
「はい。園芸委員に入るつもりです。スカーレット様もそこにされますか?」
園芸委員は温室や中庭の植物の管理や何を植えるかなどを決める委員会のことだ。
「もう少し考えてみるわ」
「そうですか」
11
お気に入りに追加
2,360
あなたにおすすめの小説
私は貴方を許さない
白湯子
恋愛
甘やかされて育ってきたエリザベータは皇太子殿下を見た瞬間、前世の記憶を思い出す。無実の罪を着させられ、最期には断頭台で処刑されたことを。
前世の記憶に酷く混乱するも、優しい義弟に支えられ今世では自分のために生きようとするが…。

【完結】いわゆる婚約破棄だったが、見ているだけではない。
夜空のかけら
ファンタジー
公爵令嬢が断罪を受け、男爵令嬢が婚約を奪ったが…
断罪劇直後に同じ世界、同じ時間軸に転生した者たちと得体の知れない者たちと接触した時、予想外のことが起こり始めた。
視点変化が激しいので、サブタイトルで確認を!
全87話 完結しました。

家出したとある辺境夫人の話
あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
『突然ではございますが、私はあなたと離縁し、このお屋敷を去ることにいたしました』
これは、一通の置き手紙からはじまった一組の心通わぬ夫婦のお語。
※ちゃんとハッピーエンドです。ただし、主人公にとっては。
※他サイトでも掲載します。


一番悪いのは誰
jun
恋愛
結婚式翌日から屋敷に帰れなかったファビオ。
ようやく帰れたのは三か月後。
愛する妻のローラにやっと会えると早る気持ちを抑えて家路を急いだ。
出迎えないローラを探そうとすると、執事が言った、
「ローラ様は先日亡くなられました」と。
何故ローラは死んだのは、帰れなかったファビオのせいなのか、それとも・・・

私も処刑されたことですし、どうか皆さま地獄へ落ちてくださいね。
火野村志紀
恋愛
あなた方が訪れるその時をお待ちしております。
王宮医官長のエステルは、流行り病の特効薬を第四王子に服用させた。すると王子は高熱で苦しみ出し、エステルを含めた王宮医官たちは罪人として投獄されてしまう。
そしてエステルの婚約者であり大臣の息子のブノワは、エステルを口汚く罵り婚約破棄をすると、王女ナデージュとの婚約を果たす。ブノワにとって、優秀すぎるエステルは以前から邪魔な存在だったのだ。
エステルは貴族や平民からも悪女、魔女と罵られながら処刑された。
それがこの国の終わりの始まりだった。

王族に婚約破棄させたらそりゃそうなるよね? ……って話
ノ木瀬 優
恋愛
ぽっと出のヒロインが王族に婚約破棄させたらこうなるんじゃないかなって話を書いてみました。
完全に勢いで書いた話ですので、お気軽に読んで頂けたらなと思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる