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五人の元貴族達を牢獄に送ったあと、私たちは陛下とシャルロッテの元へ行った。
シャルロッテは平民出身で。彼女の両親は既にいない。
彼女自身、花を売ってい生活を立てていた。ここで言う「花を売っていた」というのは体を売っていたということの俗語になる。
陛下は気紛れで彼女を買い、惚れたのだろう。
貴族でもない、王族でもない彼女は誰よりも悪質な牢獄へ閉じ込められていた。そこで口汚く様々なことを罵っている。そこへ私達が来ると。シャルロッテは私を通り越して私の隣に居るガルムお兄様に目を向けた。
「まぁ、ガルム。来てくれたのね。嬉しいわ」
喜色を浮かべ、腰をくねらせる彼女に私達だけではなく、見張りについていた騎士もギョッとした。
王族の名前を呼び捨てにするなんて、不敬罪で今すぐ処断してくださいと言っているようなものだ。
「ねぇ、ガルム。オレストはどんな国なの?教えて頂戴な。私とあなたが納める国だもの。知っておきたいわ」
彼女は一体何を言っているのだろう。
ここでは王妃の座を本気で狙っていた。ここでは可能だろう。何せ、クレバー陛下と側近は揃って馬鹿だから。
でも、他国でそれが通じるかと言われたらそうではない。
平民は王族の側室も愛人にもなれない。ましてや、王妃など以ての外だ。こんなことは平民だって知っているし、五歳児の子供だって分かっている常識だ。
「冗談だろ。お前のような女を王妃に?俺はそこまで女の趣味は悪くない」
「何ですって」
シャルロッテの顏が怒りで滲む。それをガルムお兄様は嬉しそうに眺めていた。
「本来なら、お前は処刑されるべきだが、安心しろ。処刑はしない」
その言葉に再びシャルロッテは嬉しそうに微笑んだ。
「ガルムったら。さっきのは冗談だったのね。やっぱり、私のことが気に入っているのね。そうよね。私は何も悪くないもの。処刑されるなんて有り得ないわ。悪いのは全部、マリアだもの」
アンネお義姉様とトワ様が怒りで文句を言おうとしたがアンネお義姉様はリヴィお兄様が、トワ様はガルムお兄様が制止した。
さっきとは比べ物にならないぐらいの冷たい目でシャルロッテを威圧したガルムお兄様
「あ、あ、あああ」
初めて本物の殺気を肌で感じたのだろう。恐怖に震え、腰を抜かすシャルロッテをネズミをいたぶる猫のような表情をしてガルムお兄様は最後通告を言い渡した。
「お前の為にこの国で多くの税金が使われた。よって、その分を取り戻すまでお前は体で払うことになる。何、不安がることはない。お前が今までやっていたことだ。勿論、見張りつきになるし、相手は貴族ではない。平民だ。平民にも簡単に手に入る値段をつけてやる」
「な、何ですって。わ、私はおう、王妃になる女のよ。それなのに、平民相手に、股を拓けって言うの」
「下品なお前にはお似合いだろう」
「わ、私がクレバーと関係を持っていたから、だから嫉妬しているんでしょう。そうなんでしょう。あははは。じゃないとおかしいわよ。私はそこの王族に生まれたからって幸せになれる女とは違う。努力してここまで這い上がって来たのよ」
「お前には分からない。王族故の努力が何なのかを。だいたい、人を踏み台にする努力は人に誇れるものではない」
「ふざけんな!てめぇえらみたいな恵まれた環境に育った奴らに私の何が分かる!お綺麗な体で男を満足させられるとでも思っているのか。はっ。笑わせるな。クレバーは私の体は最高だと言ったわ。私のテクで何度も射精をしたわ。お前にはできないだろ、マリア。お前みたいなお綺麗な体を持ってるお前にはできねぇんだよ。だから私が代わりに相手にしてやったんじゃねぇか!感謝こそされ、こんな不当な扱いを受ける謂れわない!てめぇは大人しく引っ込んでりゃあ良かったんだよ」
「黙れっ!」
あまりの言葉に見張りについていた騎士が鞘の先でシャルロッテの腹部を殴る。シャルロッテは言葉に詰まり、後ろに転倒。
「何て、下品な女なの」
「うっせぇ、馬鹿女」
思わずアンネお義姉様が漏らした言葉につかさずシャルロッテは反応した。
「まだ言うか!」
再び騎士は鞘でシャルロッテを殴った。
「殿下、姫様方。ここへ来ても不快になるだけです。どうかもう、お引き取り下さい」
「この女のことは我々が見張っておりますので」
「そうだな。頼む」
騎士達に一礼して私たちは今度はクレバー陛下の元へ向かった。陛下はまだあれから一日しか経っていないのにすっかりとやつれていた。
彼が居るのは私がかつて与えられた罪を犯した王族が入る幽閉塔だ。
クレバー陛下は私を見るなり「この売国奴!」と罵って私に掴みかかろうとしたところをオレストの騎士に押さえつけられた。
「やれやれ。どいつもこいつもまるで分かっていない。もう疲れたからさっさと終わらせようか」
「賛成だ。話を聞いてやる価値もない」
ガルムお兄様の言葉にトワ様が賛同し、私達も特に止める理由は無かったので黙って見守ることにした。
「お前を置いて逃げた奴らはそれぞれ奴隷としての身分が保証された」
「はっ。当然だな。王を守る忠臣が、王を捨てるなど、身の程知らず共が。良い様じゃねぇか」
自分だって同じ状況なのによくもここまで強がれるものだ。
「腐っても王族。お前には一応の敬意を称して処刑にさせてやる」
「はぁ?」
何を言っているんだという顔でクレバー陛下がガルムお兄様を見る。いや、お前がどうしたって?話なんだけど。
「首はそうだな。一週間はさらし首にしてらる」
それは重罪を起こした平民の罪人が処される最も重い刑だ。何せ、死後まで辱められるのだから。普通は、どんなに思い罪を犯しても王族では決してあり得ないことだ。
「頭がどうかしているんじゃないか!どうして俺がこんな所に閉じ込められ、処刑などされなければならない!そうされるべきはそこの女だろう」
そう言ってクレバー陛下は私を指さした。私を睨みつけるクレバー陛下の視線から私を守るようにトワ様が立つ。
「そこの女は俺の妃であるシャルロッテを虐めたんだぞ!」
全くもってそんな事実はない。そもそも接点がないのだから。
「仮にそれが事実だとして、それがどうした?」
トワ様の言葉が余程意外だったのか、クレバー陛下は目を丸くして驚いている。
「王族が平民を虐めても罪には問われない」
「なっ!さすがは悪女の取り巻きだな!身分で人を差別するか」
「お前だってしているじゃないか。王妃というだけでマリアを不当に扱った。これは立派な差別だ」
「捨てられた女を哀れみ、王宮においてやっただけましだろうが」
彼はまだそんなことを言っているのか。それを言ったところで信じる人間はいないだろうに。
「処刑は言い渡した。長居は無用だ。行こう」
喚き散らすクレバー陛下を無視して、私たちはガルムお兄様の言葉に従った。
***
それから間もなく。クレバー陛下は処刑された。ガルムお兄様が宣言された通り、その首は一週間王都の真ん中に晒され、国を危機に陥れた陛下の首は民衆が投げた石によってボロボロとなったが、憐れむ者はいない。
元貴族の五人は東の国に高値で売られ、今は奴隷として暮らしている。そこから一生抜け出すことはできないだろう。
シャルロッテは帝国に留まり、平民用の娼婦として娼館に置かれている。
彼女もまた国を危機に陥れた者として平民や娼館の人間からかなり手酷い扱いを受けているようだ。
シスタミナ帝国はオレストの属国となり、その管理はリヴィお兄様に一任された。
そして私は初恋の相手であったトワ様の元へ嫁いだ。
前回のことがあるから貴族達は強く出られず、今度は何の障害もなく私は幸せに暮らすこととなる。
シャルロッテは平民出身で。彼女の両親は既にいない。
彼女自身、花を売ってい生活を立てていた。ここで言う「花を売っていた」というのは体を売っていたということの俗語になる。
陛下は気紛れで彼女を買い、惚れたのだろう。
貴族でもない、王族でもない彼女は誰よりも悪質な牢獄へ閉じ込められていた。そこで口汚く様々なことを罵っている。そこへ私達が来ると。シャルロッテは私を通り越して私の隣に居るガルムお兄様に目を向けた。
「まぁ、ガルム。来てくれたのね。嬉しいわ」
喜色を浮かべ、腰をくねらせる彼女に私達だけではなく、見張りについていた騎士もギョッとした。
王族の名前を呼び捨てにするなんて、不敬罪で今すぐ処断してくださいと言っているようなものだ。
「ねぇ、ガルム。オレストはどんな国なの?教えて頂戴な。私とあなたが納める国だもの。知っておきたいわ」
彼女は一体何を言っているのだろう。
ここでは王妃の座を本気で狙っていた。ここでは可能だろう。何せ、クレバー陛下と側近は揃って馬鹿だから。
でも、他国でそれが通じるかと言われたらそうではない。
平民は王族の側室も愛人にもなれない。ましてや、王妃など以ての外だ。こんなことは平民だって知っているし、五歳児の子供だって分かっている常識だ。
「冗談だろ。お前のような女を王妃に?俺はそこまで女の趣味は悪くない」
「何ですって」
シャルロッテの顏が怒りで滲む。それをガルムお兄様は嬉しそうに眺めていた。
「本来なら、お前は処刑されるべきだが、安心しろ。処刑はしない」
その言葉に再びシャルロッテは嬉しそうに微笑んだ。
「ガルムったら。さっきのは冗談だったのね。やっぱり、私のことが気に入っているのね。そうよね。私は何も悪くないもの。処刑されるなんて有り得ないわ。悪いのは全部、マリアだもの」
アンネお義姉様とトワ様が怒りで文句を言おうとしたがアンネお義姉様はリヴィお兄様が、トワ様はガルムお兄様が制止した。
さっきとは比べ物にならないぐらいの冷たい目でシャルロッテを威圧したガルムお兄様
「あ、あ、あああ」
初めて本物の殺気を肌で感じたのだろう。恐怖に震え、腰を抜かすシャルロッテをネズミをいたぶる猫のような表情をしてガルムお兄様は最後通告を言い渡した。
「お前の為にこの国で多くの税金が使われた。よって、その分を取り戻すまでお前は体で払うことになる。何、不安がることはない。お前が今までやっていたことだ。勿論、見張りつきになるし、相手は貴族ではない。平民だ。平民にも簡単に手に入る値段をつけてやる」
「な、何ですって。わ、私はおう、王妃になる女のよ。それなのに、平民相手に、股を拓けって言うの」
「下品なお前にはお似合いだろう」
「わ、私がクレバーと関係を持っていたから、だから嫉妬しているんでしょう。そうなんでしょう。あははは。じゃないとおかしいわよ。私はそこの王族に生まれたからって幸せになれる女とは違う。努力してここまで這い上がって来たのよ」
「お前には分からない。王族故の努力が何なのかを。だいたい、人を踏み台にする努力は人に誇れるものではない」
「ふざけんな!てめぇえらみたいな恵まれた環境に育った奴らに私の何が分かる!お綺麗な体で男を満足させられるとでも思っているのか。はっ。笑わせるな。クレバーは私の体は最高だと言ったわ。私のテクで何度も射精をしたわ。お前にはできないだろ、マリア。お前みたいなお綺麗な体を持ってるお前にはできねぇんだよ。だから私が代わりに相手にしてやったんじゃねぇか!感謝こそされ、こんな不当な扱いを受ける謂れわない!てめぇは大人しく引っ込んでりゃあ良かったんだよ」
「黙れっ!」
あまりの言葉に見張りについていた騎士が鞘の先でシャルロッテの腹部を殴る。シャルロッテは言葉に詰まり、後ろに転倒。
「何て、下品な女なの」
「うっせぇ、馬鹿女」
思わずアンネお義姉様が漏らした言葉につかさずシャルロッテは反応した。
「まだ言うか!」
再び騎士は鞘でシャルロッテを殴った。
「殿下、姫様方。ここへ来ても不快になるだけです。どうかもう、お引き取り下さい」
「この女のことは我々が見張っておりますので」
「そうだな。頼む」
騎士達に一礼して私たちは今度はクレバー陛下の元へ向かった。陛下はまだあれから一日しか経っていないのにすっかりとやつれていた。
彼が居るのは私がかつて与えられた罪を犯した王族が入る幽閉塔だ。
クレバー陛下は私を見るなり「この売国奴!」と罵って私に掴みかかろうとしたところをオレストの騎士に押さえつけられた。
「やれやれ。どいつもこいつもまるで分かっていない。もう疲れたからさっさと終わらせようか」
「賛成だ。話を聞いてやる価値もない」
ガルムお兄様の言葉にトワ様が賛同し、私達も特に止める理由は無かったので黙って見守ることにした。
「お前を置いて逃げた奴らはそれぞれ奴隷としての身分が保証された」
「はっ。当然だな。王を守る忠臣が、王を捨てるなど、身の程知らず共が。良い様じゃねぇか」
自分だって同じ状況なのによくもここまで強がれるものだ。
「腐っても王族。お前には一応の敬意を称して処刑にさせてやる」
「はぁ?」
何を言っているんだという顔でクレバー陛下がガルムお兄様を見る。いや、お前がどうしたって?話なんだけど。
「首はそうだな。一週間はさらし首にしてらる」
それは重罪を起こした平民の罪人が処される最も重い刑だ。何せ、死後まで辱められるのだから。普通は、どんなに思い罪を犯しても王族では決してあり得ないことだ。
「頭がどうかしているんじゃないか!どうして俺がこんな所に閉じ込められ、処刑などされなければならない!そうされるべきはそこの女だろう」
そう言ってクレバー陛下は私を指さした。私を睨みつけるクレバー陛下の視線から私を守るようにトワ様が立つ。
「そこの女は俺の妃であるシャルロッテを虐めたんだぞ!」
全くもってそんな事実はない。そもそも接点がないのだから。
「仮にそれが事実だとして、それがどうした?」
トワ様の言葉が余程意外だったのか、クレバー陛下は目を丸くして驚いている。
「王族が平民を虐めても罪には問われない」
「なっ!さすがは悪女の取り巻きだな!身分で人を差別するか」
「お前だってしているじゃないか。王妃というだけでマリアを不当に扱った。これは立派な差別だ」
「捨てられた女を哀れみ、王宮においてやっただけましだろうが」
彼はまだそんなことを言っているのか。それを言ったところで信じる人間はいないだろうに。
「処刑は言い渡した。長居は無用だ。行こう」
喚き散らすクレバー陛下を無視して、私たちはガルムお兄様の言葉に従った。
***
それから間もなく。クレバー陛下は処刑された。ガルムお兄様が宣言された通り、その首は一週間王都の真ん中に晒され、国を危機に陥れた陛下の首は民衆が投げた石によってボロボロとなったが、憐れむ者はいない。
元貴族の五人は東の国に高値で売られ、今は奴隷として暮らしている。そこから一生抜け出すことはできないだろう。
シャルロッテは帝国に留まり、平民用の娼婦として娼館に置かれている。
彼女もまた国を危機に陥れた者として平民や娼館の人間からかなり手酷い扱いを受けているようだ。
シスタミナ帝国はオレストの属国となり、その管理はリヴィお兄様に一任された。
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このお話の最たるものはマリア王妃とシスタミナ帝国の上層部とはあまりにも「人間としての格が違い過ぎた」事。ここまでくると同じ人間とは思えない。この対比は凄まじ過ぎました。
ありがとうございます。
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それぞれの莫迦者たちの末路。納得。
そして王女が幸せになってよかった。
さくさくと読めて、読み応えもあって大満足!
ありがとうございます。
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