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夜会の前日、数名の貴族が私を訪ねて来た。
その手にはドレスがあった。
「これを着て、陛下の隣に立ってください」
「建国祭にはあなた様の母国から第二王子と第二王子の婚約者が来ることになっています」
「我が国の現状を知られると戦争に勃発しかねません」
もう、手遅れだと思う。
他国の情勢を知る為に王族は様々な国に間者を入れたり、様々な手を使って調査をするものだ。
招かれて、正面から堂々と入れるこの機会を逃さずに、きっとリヴィお兄様は徹底的に調べ上げれるだろう。
人の口に戸は立てられない。それに、自分の知り合いを重宝して、仕事はできないけど権力者に甘い言葉を吐くことはできる馬鹿を好んで側近にしている陛下のことを不満に思っている貴族も居る。余計に口は軽くなるだろう。
「現状の打開策はないけれど、私にはこの国の為に体裁を整えろと?」
「あなたはこの国の王妃です」
その言葉に私は思わず笑ってしまった。
だってそうだろう。王妃の宮を追い出されて、こんなところに住んでているのに。護衛も侍女も居ない私を王妃と彼らは呼ぶのだから。
「陛下はシャルロッテを隣に立たせると言っていましたよ」
「陛下はこちらで説得します」
「お願いします。陛下一人の我儘の為にこの国の民を危険に晒すわけにはいかないのです」
彼らは深々と頭を下げる。
現状を変えることはできない。私の扱いは今までと変わらないけど、それでも耐えてこの国の為に動けと言う。
何と傲慢で身勝手な人達だろう。
「良いですね、あなた達は。何のリスクもなく、ただ『しろ』と言うだけですむんですから」
私は皮肉的な笑みを浮かべて、溜息を一つつくと彼らの手にあるドレスを受け取った。
彼らはとても嬉しそうな笑みを浮かべている。
この茶番に付き合うけれど、それが逆に兄達の怒りを買うことになるとはきっと思いもしないのだろう。
◇◇◇
建国祭、当日。
私の隣に立つ陛下は最初、着飾った(侍女はあの馬鹿貴族が用意してくれた)私を見て目を見開いた。
「少しは見れるようになるものだな」
そう皮肉ったあと続けて
「だが私に愛されているなどくれぐれも勘違いするなよ。今回の件は事情があって仕方がなくお前を使っているだけで、本来そこはシャルロッテの居場所なんだからな」
そう言って陛下は私を睨み付ける。
「左様でございますか。生憎ですがこの程度であなたに愛されていると思うほど愚かな頭は持ってはいません(愛されたくもないけど)。」
「ふん。口ではどうとでも言える。若い貴族を誑かして味方に引き込むなど王妃のやることとは思えないな」
それはシャルロッテの方だと思うけど。
明らかに陛下の側近達はシャルロッテに気があるみたいだし、それに肉体関係もあるという噂を王宮内でちらほら聞く。
知らぬは当人ばかり、か。
知らぬが仏なのか。
聞けば気の毒見れば目の毒なので知らない方が幸せなのかも知れない。
哀れで愚かな陛下はそうやって泥黎に突き進むのかと思うと愚の骨頂だと思う。
でも同情はしない。
身から出た錆びだ。
「行くぞ。今日はとくべつに愚かな貴様に夢でも見させてやる」
「はい、陛下。建国祭、楽しみましょう」
お互いに。
その手にはドレスがあった。
「これを着て、陛下の隣に立ってください」
「建国祭にはあなた様の母国から第二王子と第二王子の婚約者が来ることになっています」
「我が国の現状を知られると戦争に勃発しかねません」
もう、手遅れだと思う。
他国の情勢を知る為に王族は様々な国に間者を入れたり、様々な手を使って調査をするものだ。
招かれて、正面から堂々と入れるこの機会を逃さずに、きっとリヴィお兄様は徹底的に調べ上げれるだろう。
人の口に戸は立てられない。それに、自分の知り合いを重宝して、仕事はできないけど権力者に甘い言葉を吐くことはできる馬鹿を好んで側近にしている陛下のことを不満に思っている貴族も居る。余計に口は軽くなるだろう。
「現状の打開策はないけれど、私にはこの国の為に体裁を整えろと?」
「あなたはこの国の王妃です」
その言葉に私は思わず笑ってしまった。
だってそうだろう。王妃の宮を追い出されて、こんなところに住んでているのに。護衛も侍女も居ない私を王妃と彼らは呼ぶのだから。
「陛下はシャルロッテを隣に立たせると言っていましたよ」
「陛下はこちらで説得します」
「お願いします。陛下一人の我儘の為にこの国の民を危険に晒すわけにはいかないのです」
彼らは深々と頭を下げる。
現状を変えることはできない。私の扱いは今までと変わらないけど、それでも耐えてこの国の為に動けと言う。
何と傲慢で身勝手な人達だろう。
「良いですね、あなた達は。何のリスクもなく、ただ『しろ』と言うだけですむんですから」
私は皮肉的な笑みを浮かべて、溜息を一つつくと彼らの手にあるドレスを受け取った。
彼らはとても嬉しそうな笑みを浮かべている。
この茶番に付き合うけれど、それが逆に兄達の怒りを買うことになるとはきっと思いもしないのだろう。
◇◇◇
建国祭、当日。
私の隣に立つ陛下は最初、着飾った(侍女はあの馬鹿貴族が用意してくれた)私を見て目を見開いた。
「少しは見れるようになるものだな」
そう皮肉ったあと続けて
「だが私に愛されているなどくれぐれも勘違いするなよ。今回の件は事情があって仕方がなくお前を使っているだけで、本来そこはシャルロッテの居場所なんだからな」
そう言って陛下は私を睨み付ける。
「左様でございますか。生憎ですがこの程度であなたに愛されていると思うほど愚かな頭は持ってはいません(愛されたくもないけど)。」
「ふん。口ではどうとでも言える。若い貴族を誑かして味方に引き込むなど王妃のやることとは思えないな」
それはシャルロッテの方だと思うけど。
明らかに陛下の側近達はシャルロッテに気があるみたいだし、それに肉体関係もあるという噂を王宮内でちらほら聞く。
知らぬは当人ばかり、か。
知らぬが仏なのか。
聞けば気の毒見れば目の毒なので知らない方が幸せなのかも知れない。
哀れで愚かな陛下はそうやって泥黎に突き進むのかと思うと愚の骨頂だと思う。
でも同情はしない。
身から出た錆びだ。
「行くぞ。今日はとくべつに愚かな貴様に夢でも見させてやる」
「はい、陛下。建国祭、楽しみましょう」
お互いに。
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